『涙の理由』
嬉しい涙。
悲しい涙。
寂しい涙。
苦しい涙。
今の私の涙はどれだろう。
もう、感情がぐちゃぐちゃでわからない。
どうして泣いているんだろう…
それも、わからない…。
いやだ、いやだ、認めない私は認めない
私は障害者じゃない!私は音が聞こえるわ!!
だから、踊らせてよ…
ちゃんと、音聞こえるもの…
ダンスと音楽は私の全てなの!
だから、奪わないで…
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「あなたが、詩さん?」
え、?そうですけど…
「良かった。ちょっと着いて来て。」
えっちょっ、まって、
扉を開けると、
私の好きなダンスを踊っていた。
でも、何かが違う…
「これね、手話を混ぜたダンスなのよ。ねぇ、あなたダンス好きなのよね?だったら、私達と踊りませんか?」
今日も眠れない。
いや、眠らないだけ。
なんとなく、外をぼーっと見ておきたいんだ。
電気を消したら真っ暗な部屋。
布団と机しか無い質素な部屋。
もう何日寝てないかな。
薬を飲んでも寝れない。
あ、今日満月だ。
綺麗だなぁ…
いつか僕もまた、満月のように輝ける日が来るのだろうか。
静寂に包まれた部屋
今日もどこからか、助けを呼ぶ声が聞こえる
「お腹が空いた…」「誰か助けて」「もう痛いのは嫌」「消えたい」
私には助けを呼ぶ声が聞こえるのに、
彼らに光を与えることは出来ない。
どうして、こんな何も出来ない私に
聞こえるの?
彼らに未来を与えることが出来ない。
彼らに幸せを与えることが出来ない。
彼らの苦しいを無くすことは…出来ない。
こんな私でごめんなさい…
今日も私は助けを呼ぶ『声が聞こえる』
『秋恋』
秋になると無性にさみしくなる。
幸せの器が満たされない。
紅葉の葉は真っ赤に満たされているのに。
公園の隅に植えてあったギンモクセイの香りがほのかにした。
昔好きだった彼はギンモクセイのような、
優しい香りがしたなぁ…