夜明け前
今日も眠れなかった、というより寝たくなかった。
なぜなら、日が出るところを見たかったのだ。
これは言い訳かな。
ホントは明日が来てほしくないから。
明日が怖いから。
現実を見るのが怖くて、逃げている。
嗚呼、もう朝か…
学校、嫌だ、生きたくない…
今はお布団の中でぐっすり寝るのが幸せ。
本気の恋
私は恋なんて勉強の邪魔だと思っている。
でも、最近彼を目で追ってしまう。
教室の扉から廊下にいる彼が見えた時、
なぜだか、とても嬉しくなる。
でも彼は彼女がいた。
私みたいな陰のオーラを出している子じゃなく、
彼の彼女は明るくて、面白い。ムードメーカーなのだ。
叶わないとわかっているけど、それでも彼のことが好きかもしれない。
認めたくないけれど、これが恋か、案外良いかもしれない。
今日もちゃんと出来なかったからバツ。
わたしはバツが嫌い。
だって今までテストでバツがついたことないの!
わたしはマルがつくと思って、おかあさんに百点満点のテストを見せた。
褒めてくれた!!マルがつく!
でも、バツがついてた。
どうしてだろう。何がだめだったんだろう。
ほめてくれたのにマルがつかなかった。
まだ、ダメなところがあるんだ。
頑張らなきゃ
バツ、バツ、バツ、バツがいっぱい。
わたしは出来ない悪い子なのかな。
でも頑張ればマルはつく!
バツ、バツ、バツ、バツ。
私は出来ない子。
何も上手にできない。
私が駄目だからバツがつくんだ。
もっと、認めてもらえるように、
今日もバツ。
社会人になった今でも、私はバツをつけている。
私は決めたのだ。最期まで生きたら『カレンダー』にちゃんと出来たよって、丸をつけると。
喪失感
どうして、いっちゃったの。
一緒に、くらげ降らせるって、約束したじゃん。
あんなに、強くて、明るくて、元気だったあの子が
どうして病気で死ななきゃいけないの!!
どうしてこんなにも早くいってしまったの、?
最後にあの子と図鑑で見たミズクラゲ。
「ミズクラゲきれいだね。降ってくるとこ一緒に見ようね!!」
お願いします神様。
あの子のために、クラゲを降らしてください。
この理不尽な世界にクラゲを降らしてください、
そうしないと、私はもう壊れてしまいそうです。
私は強く願った。
ボトッ
足元にミズクラゲがいた。
今日、大量のミズクラゲが世界中に降った。
世界に一つだけのたんぽぽ
世界に一つだけの空
世界に一つだけの落書き
世界に一つだけの使いかけの鉛筆
どれもピッタリ同じじゃない。
どれも世界に一つだけのもの。
人だってそう、同じ人なんていないんだ。
「〇〇ちゃんはみんなと違う。」
その"みんな"もひとりひとり違う。
だから、その子だけが違うわけじゃない。
それぞれが世界に一つだけの大切な人間だ。
『世界に一つだけ』