-きっと明日も-
(枠確保です)
私は仕事や会社の方針として、1人で部屋に篭っていることが多い。
最初は出勤の辛さから解放されると喜んでいた。
何しろ片道2時間とかかかるので。
慣れてきて要領がよくなってきたら、仕事の隙間時間を効果的に活用できるようになってきた。
幸いなことにやるべきことをやっていれば、細かいことはチェックされないからだ。
日々の業務や生活に慣れてきたところで、なにかが決定的に欠けているような気がしてきた。
気がつけば外に出ることも少なくなり、丸1日部屋に篭もりっきりなことも珍しくなくなった。
そういえば最後に会議以外で人と話したのっていつだっけ?
私は思い出せなかった。
TVをつけたけど、いつもと代わり映えのしない映像が流れてきて、つまらないので消した。
部屋は静寂に包まれた…
私は叫ばずにはいられなかった。
でも何を叫んだらいいの?
私は言葉にならない声を叫びはじめた。
ピンポーン
「最近連絡が無いからどうしてるかと思ってきてみたよ。元気?」
私はふと我に返った。玄関には親友の花音が立っていた。
私は彼女が実在していることを確かめるように抱き合って泣きじゃくってしまった。
-静寂に包まれた部屋-fin
(すみません、枠の予約です。)
基本的に、あまり別れ際に悲しんだり引きずったりということはしないです。
じゃ、またね〜くらいの感じで。
またすぐ会えるから、という気持ちでいたいですね。
-別れ際に-
-通り雨-
(枠の確保です)
「寒っ…」
屋根をオープンにして走るのもそろそろ辛いかな?
でも、せっかく紅葉狩りを楽しみに来たのだから、もう少し我慢して走ろう。
父から譲り受けたNA型のロードスター君は、もう私の相棒。
最初はおっかなびっくりだったけど、今は一体感を感じられて気持ち良い。
駐車場に着いて遊歩道を歩く。
ここは地元の名所。椛や楓が紅く染まっている中に滝が見える。
美しい白滝は私の心の澱みを洗い流してくれる。
紅と白のコントラストに目を奪われる。
遠くから木々に混じって人々のざわめきを感じる。
そろそろ帰りますか。場違いだし。
まだ独りでいいかな。
紅く輝く相棒君の姿が見えてきた。
なにかが起こらないかと少し期待するけど、そんな都合のいい話はないよね。
キーを回してエンジンをかける。
ヴォン!
相棒君、もうしばらく付き合ってくれる?
暖かくなってきたし、もう少し秋の風を感じたいの。
相棒君は私の気持ちに寄り添うように走り出した。
私は風になった。
-秋🍁-fin