あてこ9

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11/4/2022, 4:37:43 AM

鏡ってね

瞬間にして
自分がみたい顔を
作ってるんだって

だから、突然映った
ショーウインドゥや
知らずに撮られた写真をみると

酷い写りだ。
なんて思うんだってさ

それが、ほんとの、
人から見えてる私だと

聞きたくなかったなぁ。


鏡を覗き込みながら

まぁ、同い年のあの子よりは
マシなんじゃない?
なんて、
せっせと手入れもしながらも

少しずつ老いを受け入れていく。

そんな
大人な女性でいたかったけど

このがっかり感。


こうなれば、
口角を少しあげて
穏やかに微笑んでる

風の顔。
練習しまくるわ。

と、また、鏡を覗く。


大人になってもなっても
大人がなんだかわからない、

年老いていくことを
受け入れられないのは、自分だけ。

みんな、騙されろ。
と、まじないかけながら。

一番騙されたいのは

わたし。

#鏡のなかの自分  2022.11.4

11/2/2022, 3:04:10 PM

明かりを消して
目を閉じて

頭が収まるように枕を整えて
毛布をあごの辺りまで寄せて

それから

右手で、肩の辺りの
枕の角をつまんでいると

いつの間にか
意識がなくなっていく。


あの人の事なんて
思い出さなくなって
長くたつのに

右手の置場所を作らないと
眠れない

#眠りにつく前に


2022.11.2






11/1/2022, 1:49:19 PM


永遠と呼べるものが
何もないことを

年々思い知らされる。

絶対に
ずっと
必ず
変わらず

何てあるわけがないと思い知らされる。

それが辛いと思っていたけれど。

分かったことがある。


ただ
終わってしまったことだけは

永遠に、事実として残るんだ。


だから今だけ、
なんとか生きのびるだけで、いい。


後悔しないように、とか
必死に、とか

そんなことはどうでもいい。


なんとか、今を生きのびていれば

私が生きた時は、確かに

永遠になる。



#永遠に    2022.11.1

10/31/2022, 8:27:54 AM

小さくて細くて穏やかな祖母。

ほんとのことだったのか、嘘だったのか分からない程、わたしには不思議な、自分の幼かった頃の話を沢山してくれた。

同じ話ばかり、めんどくさかったろうに。

誰もお腹がすくことがないように、いつも、茹でた栗や、とうもろこしや、柿や、さつまいもを、食卓に置いてくれてた。

こんなのじゃないやつ。なんて、なんであんなことを。



寒い朝、ようやく布団から出てくると、こたつで温めておいてくれたズボンをはかせてくれた。

スカートはいていくつもりだったのに。なんて、雪の日なのに。



毎朝の学校への道。私がお寺の角を曲がって見えなくなるまで、振り返れば手をふってくれていた。


当たり前に思いすぎてて、めんどくさくなって、角で振り返らなかったこと、私、なかったっけ?


働き者の人が、急に起き上がれなくなって、直ぐだった。

誰にも迷惑かけたくないかのように、ただ、朝から、私の手を握ったままで。

昔話を一通りしたあと、意識がなくなり

誰かが迎えにきてくれたのか、
空を見つめながら、三度息をほっほっほっと吐いて、逝った人。

一度も叱られたことがない。
私が何やらしでかして叱る母に
そこは庇わないで。と、叱られても、やっぱり庇ってくれた人。

誰にも、ほんとは、お姫様になりたい。と言えなかったけれど、
スカートをはいてくるくる回る私を、いつも、みてくれてた。
やわらかい、信頼できる笑顔で。

世界でたった1人の、
完全なる私の味方だった人。

その記憶だけで、

この世から離れて1人になりたくなる私を、ひきとめてくれる人。


いつかの時は、
必ず、迎えに来てくれるでしょ?

がんばったね。って。

#なつかしく思うこと

10/28/2022, 11:53:29 AM

暗がりは嫌い。

灯りをみつけようものなら、

人喰い鬼が灯したかもしれない。
と、思わないわけでもないのに

引き寄せられるように
足を向けてしまう。


もし暗闇に
誰かが私の傍らにいたとしたら、

距離感つかめず、
必要以上に身体を寄せてしまう。

きっと。

どっちにしろ
バッドエンドしか予測できない。


いつも以上に一人が怖くなるから

暗がりという言葉すら、嫌いだよ。

#暗がり









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