顎の下をくすぐるときゅーっと目を細める表情
構いにいくとすっといなくなるくせに
俺が離れると擦り寄ってくる
いじわるすると拗ねるその姿が可愛くて
繰り返してしまう
気づいたら日向で眠ってて
冬の朝は布団から出てこない
そのくせあったかいミルクは飲めなくて
俺の布団で小さく丸まって眠る姿も
まんまるな吊り目も
全部が全部愛しいんだ
私をいじめた奴らは友達だった
そして奴らは過去を忘れてまた友達ヅラをしている
覚えておけ
必ず私はお前に復讐する
お前と違って彼氏がいるという形で
お前が羨むような豪華なディナーで
お前には買えない高いバックで
お前には通えない有名大学で
お前に見えるようにハイライトを増やしていく
お前が羨むような
お前が引け目を感じるように充実した人生を
お前が、、、、
お前を意識した生活をしている時点で
私の負けだ
友達ヅラした怪獣に
私にした酷いことを忘れた怪獣に
今も囚われ続けるのは
私だけ
2月、あなたに恋をした。名前も知らない一目惚れだった。
4月、新しい教室に入ると風の噂で理系だと聞いたあなたが後ろの席にいた。
5月、あなたの隣にいるために必死に話しかけた。
7月、あなたから好きな人ができたと相談された。私の親友だった。
10月、フラれたと聞き慰めるふりをして喜んだ。
2月、0時ぴったりに送られたあなたからの「17歳おめでとう」
3月、強がりで言った「お前と別のクラスがいい」
4月、照れ隠しの「またお前が後ろとか最悪」
5月、彼女ができたときいた。あなた好みの年下の可愛い子だった。
10月、志望校が東京だと知った。不純だが私も東京への進学を決めた。
1月、彼女と別れたと聞いた。そして志望校が大阪になったことを知った。
2月、今年も誰よりも早く送ってくる「おめでとう」と机に置かれた不器用なプレゼントに頬が緩んだ。
3月、今日が終わったら私は東京へ、あなたは大阪へ行く。
いつも通り「ばいばい」と告げ反対方向に歩き出す。
明日になればまた会えるような気がした。
校門をくぐった瞬間になるスマホ。画面に映るのはあなたの名前。
「お前がいてくれてよかったお前のことが好きでした」
振り返っても君はもういなかった。