NoName

Open App
4/4/2026, 1:39:46 PM

『それでいい』

誰なんだろう、こいつ。

つい先日、死んだはずの友達が「ウェーイヤッホー元気してた?俺風邪引いて喉終わってた爆笑」とか何とか言いながら家に上がり込んできた。
ドッキリとかするようなふざけたところはあったけど、確かに死んだはずだった。この間葬式出たし。いや変だとは思ったけど。けどさ、あいつだし。ギリやりかねないかなーとか。いや流石にやらねーだろとか。これで本人だった時クソダセーなとか。考えちゃうから。そのまま、ズルズル生活している。

「ちょいちょーい。喪服って高いんだからさァ、大事にしろよなー」
着たままほっぽらかしていた喪服を軽い調子でクローゼットの奥にしまうそいつの背中を見る。
あいつは物の扱いはぞんざいだった。
こうやって部屋を片付けてやるのはいつも俺だった。
あー。誰なんだろな、こいつ。
誰でもいいか。
なんだっけ、シュレディンガー?の猫?的な。
確定してないなら、それでいいだろ。信じとけば。知らんけど。

「…腹減った。ラーメン食い行かね」
「俺豚骨〜」
「は?ふざけんな醤油こそ至高だろうが」
「メンドクセー男だな笑」

4/3/2026, 7:38:08 PM

『ひとつだけ』

花が嫌いだ。
確かに美しいとは思うが、見ていると赤の他人と目が合ってしまったような居心地の悪さを感じてしまう。目を逸らしたくなる。花言葉なんてもってのほかだ。有名どころだろうとさっぱりわからない。

…ただ。
ひとつだけ、向日葵の花言葉だけは知っている。
教えてもらったんだ。夏の日に。

無数の花がこっちを見ている気がする。
あの目で見ている。
また、夏が来る。