【I love】
「……次、これの読み方」
「…ぁ…い、ろべ…よう?」
「これも分からんのか…テス勉以前の問題やな」
「英語苦手なんだも〜ん」
「やとしても"らぶ"は知っとるやろ!」
「知ってるよ」
「……いや知っとるんかい!」
「教室で2人きり、それで読むのは恥ずいじゃん…」
「テス勉しとるだけなんにいちいち照れんな」
「はいは〜い。あいらぶゆ」
「発音がちゃうわ!」
「きびし〜」
【君と歩いた道】
前には瓦礫 後ろには泥水
周りを見れば廃ビルと濁った空
そんな世界でも歩いてこれたのは
君も隣で歩いてたからだったんだよ
だから、僕を置いて先にいかないで。
【約束だよ】
君と小指を絡ませる
この感触を君に植え付けるように
ゆっくりと目を見て歌うんだ
「ゆびきりげんまん、嘘ついたら___」
【君の名前を呼んだ日】
「本ばっか読んでないでたまには話でもしようよ」
「……お前が話しかけてればそれで、」
「今更だけど僕を名前で呼ばないのは何でだい?」
「…………」
「お〜い」
「…………」
「だんまりは困っちゃうよ。レスポンスを頂戴」
「だって…なんか…その…」
「友達なんて何年ぶりか分からないくらいで……」
「距離感というか…呼び方が分かんなくて…」
「つまり照れてんの?」
「……違うし」
「じゃあ名前で呼べるよね」
「…………うぅ…」
「呼べないってことはやっぱ照れてるんでしょ?」
「………………ふうま」
「あはは!めっちゃ溜めてから言うじゃん」
「…うるさい!頑張って呼んだのに」
「だって君の顔真っ赤だったからさ。んふふふ!」
「はぁ……」
「さっきから思ってたけどお前さ」
「俺のこと全く名前で呼ばないよな」
「…………」
「だんまりは困っちゃうなー」
「だってさ〜…その〜…」
「因果応報ってやつだ。諦めろ」
「……逃げるが勝ち!!!」
「あ、ズルい!」
【手放す勇気】
僕は羽を拾った
光をかざすと虹色に輝く綺麗な羽
綺麗だから宝物にした
それが昨日の話
今日、親友に僕の宝物を見せてみた
しかし親友は苦く笑っただけだった
なんだか心が痛かった
それからあの羽は親友には見せてない
でも、羽を見るたびにあの表情が浮かんでくる
どうしようもない気持ちを晴らすため
羽を川に流した
流れていく羽に「バカだなぁ」と呟いた