柊 蒼真

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12/1/2022, 2:11:47 PM

#距離

【past distance】

友達に、距離感が異常におかしい奴がいた。

そいつの名前は山田。
クラスでただ1人ふざけていて、みんなを笑わせてくれる。みんなに人気で良い奴。だが距離が近い。

何をするにも距離が近すぎる。
話す時は、拳2つ分くらい近付いてくる。

そんな山田だが、某ウイルスの感染拡大の影響で、距離を取らなくてはいけなくなった。

それからというもの、山田はとても静かになった。
ソーシャルディスタンスがどうとか言われ始めて、山田の異常な距離感はもう見れない物となった。

ある日、山田は黒板に文字を書き始めた。

『俺はみんなと話したい。でも今は話せないから、凄く悲しい。みんなと一緒に声を出して笑いたい』

その文字を見て、クラスのみんなが泣いた。
そこに担任の先生が来て、クラス全員が泣いているのを心配する。女子に言われて黒板を見る。

先生も同じように泣いた。
それを見て、涙を堪えていた山田も泣き出した。

声を出して笑えていた、あの頃に戻りたい。
クラスの誰もがそう願った。

11/30/2022, 11:33:35 AM

#泣かないで

【言葉の難しさ】

「泣かないで?」と誰かに言われた。

誰に言われたかは覚えてないけれど、言われて良い想いはしなかった。
嫌な想い、つらい想いをしたのに「泣かないで?」なんて…意見を否定されたような気がした。

相手はそんな意味で言ったのではなく、励まそうとして言ってくれたのは分かる。

励ましてくれた相手に「その言葉少し嫌だ…」とは言いづらい。
自分も同じような経験をした事がある。

相手に気持ちを伝えるのは難しい。
だから嫌な想いをしてしまうのだろう。

11/30/2022, 5:33:18 AM

#冬のはじまり

【無題】

冷えた空気の中、息を吐くと白く見える。

土を踏むと霜が降りているのか

「サクサク」と微かに音がする。

クリスマスの用意をし始める店が増え始める。

冬はもう目の前まで来ている。

11/28/2022, 10:35:22 AM

#終わらせないで

【同じ絶望を知る者はいるのか】

僕は今、とあるゲームにハマってる。
そのゲームは世界的にも流行ってて、凄く面白い。
ただ、セーブ機能とバックアップ機能がなくクリアが難しいゲームでもある。
僕はそんなゲームのラスボスを倒している途中。

「よっしゃ!あと体力半分!」

そこに母が来て大きな声で言う。

「あんた!いい加減ゲーム終わりにしなさい!ご飯食べないの!?」

「食べる、食べるけど今は無理!」

「今は無理、今は無理って…さっきからずっとそう言ってるのに全然終わりにしないじゃない!」

「だっていま、良いとこなんだよー?」

「いますぐに食べなさい!」

「えー無理!」

「じゃあ、あとどれくらいで終わるの?」

「えー、1時間くらい?」

母が大きなため息をしてゲーム機に手を近付ける。

ブチッ

母がゲーム機の電源ボタンを押す。

「ちょっと!強制的に終わらせないでよ!」

「あのねぇ、ゲーム楽しいかもしれないけど、ご飯くらい食べなさい!」

母の長い説教の後、ご飯を食べた。
僕は急いでゲーム機を再起動させた。
だが、遊んでいたゲームのデータは消えた…

11/27/2022, 10:24:18 PM

#愛情

【植物】

私は植物を育てている。
もともと、母が植物を育てていたのを見て、自分も植物を育ててみたいと思ったのがきっかけ。

「おはよう、今日の水だよ。元気に育ってね」

母は水をやるたびに、声をかけていた。
そうすると植物たちが元気に育ってくれるらしい。本当なのかは知らないが、植物に我が子のように、たくさんの愛情を注ぐのはとても楽しい。

「可愛いなぁ…」

植物に可愛いとさえ感じてしまう。

相手が植物だろうと愛情というものは大切だ。
言葉を発する事ができなくても、私たち人間と同じように生きているのだから。

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