「モンシロチョウ」
薄暗く狭い部屋から早く飛び出したい
太陽の暖かさを薄い壁一枚越しに
待ち望んでいた今日
隙間から差し込んだ期待
少しの不安
ここからみな羽ばたいてゆく様を
壁一枚越しに羨んでいた
鮮やかなレモン色いちごの色
いつも壁越しに見ていた天井の色
私を彩る翼はどんな色だろう
期待を胸いっぱいに
飛び出す
ふわり身体が宙を舞い、
天井は、どこまでも続いている
私の翼、まだ何色にも染まらない
無垢な色これから彩る未来色
雲のようにふわり
爽やかな群青に溶けだしてゆく
「優しさだけで、きっと」
なんでもないその一言で、
影からほんのり日が差した。
あなたの事が眩しすぎて
そのなんでもない一言に、少し惨めになる私が疎ましい
どうしてこんなにも、影から一歩が怖いんだろう
どこへでも
漂う僕の戯言
只波に沿って
風の中へ
宛もない
辿り着く先もない
届かぬ誰かへの戯言
さらさらと
また今日も
言えぬ事、言えなかった事
当たって落ちて誰かに拾われますように
そんな事を今日もまた考える
いつもひとり
重い羽音が耳元を通る
重い体をその場に停滞させて懸命に次へと飛び立つ黒と黄の球体
こんなにも今の空に飛び交い、
空を見上げて周りの新緑の芽吹きを感じたのはいつだろうと記憶を辿る。
そんな忘れ去ってしまった
心のゆるみをダラっと
空気が動き、日向の温かさを感じてただ、ただ、
端にいた雲を横切るのを眺めるだけ。
いつも目先のあること、無いことをぐるぐる四角い光に向けて吐き出す日々と
そこから抜け出したいと
願いながらもしがらみ、見えない根に捉えられ
抜け出せない苦しみ
私のいるここは広いのだと
ただの自然界のちっぽけな一に過ぎない
空飛ぶ彼らと私達も同じ
そう思えばもう少し、
上手く自由に空を舞えるのであろうか
夢が醒める前に
もう1日だけ、何度祈っても
春は訪れる
雪解けと心の渇望
その一瞬、もう少しゆるりと
一生をかけて流れますように