7/5/2021, 5:03:39 PM
学校の窓から見る空は
どこか異様な表情を浮かべていた。
教室の3号車の一番後ろの机に日光が当たる。
誰も座っていないはずの椅子は
嫌に机との間が空いている。
その机を見るだけで吐き気がし
トイレに飛び込んだ。
割れたままの花瓶。
濡れて光がキラキラと反射し、輝く花。
「バカ」「クソ」「シネ」「うざい」
汚い言葉が並ぶ落書き。
ゴミが散乱し、ゴミ置きばと化した机。
この机は、あの時の映像を鮮明に思い起こさせる。
あの日、あの時の学校の屋上。
あの子のボロボロになった制服。
あの子の表情。
あの子の目線。
あの子が飛び降りる瞬間。
周りの叫び声。
周りの笑い声。
6/27/2021, 5:22:13 AM
君と最後に会った日は
雨だった。
私は傘をさし、彼は傘を持っていなかった。
さっき見かけたとき、彼は傘を持っていた。
きっと彼女に貸したのだろう。
ずぶ濡れにも関わらずかっこよさは変わらない彼に
私は傘を投げつけ、彼の前から立ち去った。
人間たらしの君はまた
俺のような奴を惑わすのだろう。