はじめ

Open App
3/23/2024, 8:08:13 AM

【バカみたい】

ああもう。
なんでみんな、私の話を聞いてくれないんだろう。
私が絶対正義なんて言わないけど、他の方法試して無理で、でもまだ見捨ててないから私のやり方やってほしいって言うの、そんなに駄目なの?
「こっちにしなさい、こっちの方がいいから。決まりね」
って言ってくるのなんで?私は何時までも何も決めちゃいけないの?
あの人に選択肢委ねたら、楽な方しか選ばずに、それで今まで駄目だったのに?それで私の案は出したら消されて?

もう考えるの嫌になってきた。
なんでこんなに、他人の人生考えているんだろう。
バカみたい。

3/21/2024, 12:26:13 PM

【二人ぼっち】


空は高い。
ちくちくとする芝生の上に、二人で座る。
わずかに風が吹いて、髪を揺らす。
「二人きりだね」
右側がそう囁いて、左側が静かに頷く。
「どうなるのかな、これから」
「どうなってもいいよ、一緒だから」
話して、見つめ合って、微笑む。そっと手を繋ぐ。
空は高く青く、そして何もない。
何も、ない。

3/20/2024, 9:08:40 AM

薄暗い場所に一人立つ。床は固く、天井は高く、手を伸ばしても届かない。
目の前は分厚い布だ。その向こう側、ざわざわと声が聞こえる。わずかに差し込む、光。
右を見て、左を見ると、仲間がこっちを見ているのが分かる。この薄暗い中でも、私の動きを心配して、そして期待していることが、はっきりと伝わってくる。
ああ。
(わくわくしてきたー!)
客電が消え、アナウンスが流れ、その後目の前の緞帳が上がる。高い高い天井から、私へと光が降ってくる。
その時、客が見るのは私だ。
私を、見て、期待して、そして、
「ふふ」
口の中、すぐ隣に誰かいなければ聞こえないぐらいの小さい声で微笑んで、そして袖に立つ仲間達に頷いてみせる。
さあ、始まりだ。胸を張り、真っ直ぐ立つ。
ブー、と劇場に開始のブザーが鳴り響く。

3/19/2024, 1:42:47 AM

「不条理とは?」
「人間と世界の関係が道理に合わないこと、だって」
「根拠がないってことか」
「全ては偶然」
「偶然と言いつつ、それが必然」
「世の中は不条理で満ちてるね」
「それな」

3/17/2024, 12:54:02 PM

空が青かった。雲一つない。
手を握り締めて、伸ばした爪が手のひらに食い込んできて痛い。力を抜くように手を振りながら、歩き出す。
「甘すぎ」
さっき買った苺ソーダが、喉を焼きそうな甘さで、眉間に皺が寄る。太陽光にペットボトルを透かして見ると、炭酸が輝きながら、ピンクの中を上っていく。

大好きなあの人は、もう手の届かない遠く遠くへ行ってしまった。
綺麗できらきらしていて、優しく厳しく微笑む人で、ずっとそばにいたかったのに。

もう一口、甘すぎるソーダを含む。
こうして喉を焼く間は、皺を寄せている間だけは、涙が出ないと思いながら。


Next