1件のLINE
朝起きると、一件のLINEが来ていた。
「さようなら」
親友のさよちゃんから、一言だけのメッセージ。
上の方にスクロールすると、いつもの普通の会話が履歴に残っているのに、
一番下のさようならという文章は、地味に違和感を感じた。
「どうしたの?なにかあった?」
可愛いスタンプと一緒に聞いてみたが、返事がない。
どうしたんだろう。
本日のニュースです。
○○県○○市の、田中小夜ちゃん16歳が、学校の屋上から身を投げ、死亡しました。
学校側は、いじめなどは無かったと明言し__
目が覚めると
目が覚めると、いつもわくわくする。
今日は何があるかな。
今日は何が起きるかな。
楽しいことがいっぱいだ。
目が覚めると、いつも絶望する。
今日はどんな嫌なことがあるだろう。
今日はどんな不幸が待っているだろう。
いつも朝、目覚めないことを祈る。
目覚めると、朝だった。
朝は全生物に、平等にやってくる。
その朝が、希望に満ち溢れていようが、絶望に苛まれていようが。
……ね。
私の当たり前
私は毎日自炊している。
朝も、昼も、夜も。
時々忙しくて冷凍食品を使うことがあるが、
それは夜遅くまで残業して、帰ったのが20時になってしまった、みたいなときだけだ。
私の母は、料理をしなかった。
毎日冷凍食品や、カップラーメンなどで済ましていた。
私はいつかできる子供に、絶対にこんなものを食べさせないと決めた。
いつかできる子供には、手作りの料理ですくすく育ってほしい。
そのためには今から練習しておかないと。
街の明かり
夜の街を歩くと、ネオンライトや車のヘッドライトが、私の眼球を突き刺す。
眩しくて目を細めている私を気にせず、すれ違い、歩いていく人たち。
あの人たちは眩しくないのだろうか。
この人工的な、目に悪い光が。
私は、最近田舎から引っ越してきたばかりで、都会に来たのは初めてだ。
田舎の夜は街灯しか明かりがなかった。
少し暗いと思ってはいたが、ここは明るすぎる。
私もしばらくすれば、この人工的な光に慣れてしまうのだろうか。
道行く人々は、自分のことに夢中になっている。
道が眩しかろうが、暗かろうが、どうでもいいみたいだ。
私は道が眩しいと歩けない。
自分のことに集中出来ない。
やっぱり苦手だ。
いや、嫌いだ。
この人工的な光も、
弱い私も。