金木犀

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街の明かり

 夜の街を歩くと、ネオンライトや車のヘッドライトが、私の眼球を突き刺す。

 眩しくて目を細めている私を気にせず、すれ違い、歩いていく人たち。

 あの人たちは眩しくないのだろうか。

 この人工的な、目に悪い光が。

 私は、最近田舎から引っ越してきたばかりで、都会に来たのは初めてだ。

 田舎の夜は街灯しか明かりがなかった。

 少し暗いと思ってはいたが、ここは明るすぎる。

 私もしばらくすれば、この人工的な光に慣れてしまうのだろうか。

 道行く人々は、自分のことに夢中になっている。

 道が眩しかろうが、暗かろうが、どうでもいいみたいだ。

 私は道が眩しいと歩けない。

 自分のことに集中出来ない。

 やっぱり苦手だ。

 いや、嫌いだ。

 この人工的な光も、

 弱い私も。

7/8/2023, 11:56:10 AM