どうすればいいの?
『どの道に進めば正解?』
問いかけても返事はない。
誰かに話しかけている訳でもないが。
前に行っても戻っても地獄ではないか。
はぁ、あの時こうすれば良かった。
なんて、もう遅いよね。
次の光が見えるまで暗闇を突き進むしかない。
これしか選択肢がなかった。
ねぇ、教えてよ。
こんな自分でも、救ってくれますか?
泣きそうな声も溶けていく。
『この先、どうすればいいの?』
カーテン
現実の世界に絶望し、引き込もっている。
外の光も音も温度も風も、何も感じない。
お陰で部屋は昼間でも薄暗い。
暫く窓も掃除をしていないのでカビだらけで、カーテンをも侵食し始めていた。
自分はすでに侵食されている存在だな。
馬鹿な空想に浸りながら、死を考える。
めちゃくちゃな人生だ。
心のカーテンは疾うに腐っているのに。
涙の理由
君は君という人間だと分かっているし、理解もしている。
けれども、君の笑顔や言葉であの人を思い出してしまって、重ねてしまうんだ。
今は亡き、あの人を。
好きだった訳でも無いとは思う。
今となっては断言はできないが、自分にとっては恩人であり、大切な人だったんだ。
だから君を追いかけてしまうし助けたくなる。
いっそのこと、会わなければ良いのに。
あぁ、自分はなんて馬鹿なんだろう。
今日もあの人と君を重ねてしまい、涙が溢れている。
話すことはできない、消えることもない。
この気持ちを抱えながら、今日を生きていく。
涙も涙の理由も全てを隠しながら…。
静寂に包まれた部屋
もう、しばらく誰とも会話をしていない。
テレビもラジオもない。一人だけの部屋。
時計の秒針や外の音が聞こえるくらいだ。
生きることに私は疲れてしまっていた。
だから、死のうと考え準備をしていた。
色々なものを次々と片付けていった。
全てするほどの気力はなかった。
うつ病となってしまったのだ。
生きる気力がなくなったのだ。
仕事も辞めてしまった。
ずっと部屋にいる。
静かに感じてきた。
遺書も書いた。
準備もできた。
お別れだ。
辛かった。
短い人生。
終わりさ。
全ては。
ぐっぅ。
……
…
そして、部屋は静寂に包まれた。
通り雨
ある日、お昼寝から目を覚ますと雨が降っていた。
朝は天気も良くて降水確率も低かったのに。
幸い、洗濯物等を外に出していなかった。
スコールのような激しい雨が降っている。
その様子を見て、私はシャワーを浴びにいった。
服も着替え終わって、外を見に行くと雨は上がっていて少し明るくなっていた。
どうやら、通り雨だったようだ。
ずっと、ずっと、続けば良かったのに。