自分の心に正直になれない
君と出会って6年目になった。
あの日初めて君を見た瞬間、
私は恋に落ちた。
高校生になって
君とたまたまおんなじ部活に入った。
また一緒にいられる。
すごく嬉しかった。
だけど
あの子が入ってきて私の心は黒く染まってしまった。
目が大きくて
可愛くて
おっちょこちょいで
頑張り屋なあの子。
あの子と君が仲良くしているのをみると
胸の底にあった黒いものが
湧き上がってくるような感覚に陥る。
「これ誰だと思う?」
君はあの子の投稿に写っていた相手を気にしていた。
今までとあからさまに違う何かを感じた。
恋とは無縁だった君が
あの子のことを好きかもしれない。
私の心は押し潰された。
恋に落ちないでほしい。
あなたが恋に落ちる相手が私であればいいのに。
私の中の天使と悪魔が
私の中で囁いている。
いっそ告白してしまえ。
関係を崩したくない。
このまま気まずくなって終わってしまうのは嫌だ。
だけど
この気持ちをいつかあなたに告げられますように。
あなたが結ばれる相手が私でありますように。
私が今
君に気持ちを伝えたら
君はあの子のものに
ならないのだろうか
八月 海に行った。
貝殻は見つからなかった。
制服でびちょびちょに濡れて
楽しいねってはしゃぐ君。
太陽の光が水面に反射して
いつもより君が輝いて見えた。
その帰り道
一つだけ小さい貝殻を見つけた。
白いけどただの「白」じゃない。
色々な色が混ざったような
言葉ではなかなか言い表せないような白。
今にも消えてしまいそうなくらい美しかった。
手に取った瞬間
貝殻は割れてしまった。
君との思い出
この時間も
この貝殻のように美しくて、今にも壊れてしまいそうだ。
いつか君との日々に終わりが来る。
それを知っていながら私は
君との日々が一生続くことを願ってしまう。
雨のきらめき
太陽に照らされる汗のきらめき
月に照らされるなみだのきらめき
全部とっても綺麗だけど
君の笑顔に勝つものはない