『My Heart』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
1日に10万回 80年なら30億回
休むことなく収縮を繰り返し
わたしを生かしている
愛の言葉やハートの記号は世界に溢れ
浮かんでは消えていくけれど
ほんとうの愛は
心臓とおなじように
疲れも倦みもせず
黙々と力強く
ひとを動かし続ける
「My Heart」
#58
散弾銃で、オレの心臓は穴だらけ。おまえのせい。
責任取って、最期まで傍にいてくれ。
オレは、いつまで“この場所”にいられるんだろうな?
役割をこなせなくなった時、オレは、ここにはいられなくなる。
好いた奴の隣に立てない命に、なんの価値があるんだろうな?
「My Heart」
わたしのこころをあなたに捧げる。
怒ってる
ただ一人
静かに怒りを抑えてる
分かる者など居やしない
私でさえ
理解できないこの怒り
誰が分かるというのだろう
刹那が常しえの如く感じる
嗚呼
何も考えなくていい
何も食べなくていい
誰とも会わなくていい
誰とも話さなくていい
そんな世界に
永久とは言わずとも
ほんの少しの間だけ
心を休めに訪れたい
怒れたり喜んだり悲しんだり笑えたり
そんなことの出来るこの世界が
恋しくなるその日迄
‘’過去のことは忘れて今を生きろ”
なんて大人は言うけど、
そんなの難しいに決まってるじゃん。
一度ぐしゃぐしゃにされた紙が
もう元のきれいな紙の状態には戻れないように、
一度傷つけられた心の傷は
完全には治らないんだよ。
……なんて、僕のわがままで弱い心なのだろうか。
#My Heart
「My Heart」
今日の昼ぐらいに小学校のグループLINE
で電話をしてた。
親友の子と2人で喋ってたら
習い事が一緒の子が入ってきた。
なんだろうと思い、黙ると
「ねー○○何してんのー?」
「そういえば✕✕呼んでないよね?」
「そうじゃん!呼ぼう!」
と塾が同じだった子の声が沢山した。
塾は受験塾でもう自分たちは受験が終わったので
通わなくったところだ。
だけどみんなでまた来ようと話していた。
(お願いあの塾に集まってないで…)
と思っても
「今さ〜▲ ▲ (塾の名前)にみんなで集まってるの〜」
と言った。
行こうねーという話なんてなかった
電話してる子が
「これでみんな揃ったね〜」
と嬉しそうな声で言ったそして電話を切った。
(なんで?自分いないよ?)そう思った。
泣こうと思ったら
「プレバグねこちゃん〜
あの子なんのこと言ってるの?」
と親友の子が聞いてきた。
「自分の塾の話だよー」
とはいえなかった。
「え〜自分も分かんないや…」
咄嗟に嘘をついた。
なんでそんなに苦しい思いをしなちゃいけないの?
親に言うのは嫌だ。友達に言うのも嫌だ。
誰かこの苦しい思いを無くして…
ずっと自分を偽るのは無理だよ…
誰か助けて…
『My Heart』3/27
ザクッと、白い肌に銀色のナイフを入れる。
それは、抵抗なく体を裂き、
床を赤色に染めていく。
ダラダラと、赤い液体が腕を伝っていく。
呼吸が浅くなって、体の中心が熱くなる。
「あぁ、綺麗───」
私が抱えあげたソレは、チの上に落ちた
バレンタインの季節は
どこもかしこも「♡」だらけだ。
この形は誰が生み出したの?
心、愛、恋。目に見えなくて抽象的でめちゃくちゃな
厄介やろうだ。
だって気分屋でコントロールしにくいし、、
心、つまり気持ちは脳がつくってる
でもおかしいぞ。
色々なことを経験して、色々なことを考えたりするのって、これも脳でやってんだよ、?
自分のカタチがわからんな〜
My Heart
宗教が盛んな昨今、特に清潔にこだわりたい。身が清らかなことは人から愛される第一条件だと思う。常に清でありたい。清は聖とも書く。教職のことを聖職と呼ぶ。子供を育てる仕事だからだ。他に聖職を探したが見つからない。それだけ子供が大切にされているのだ。先生の仕事は大変なんだろう?と思う。小学生の自殺の話を聞くと、さぞかし当事者は苦しんでいると思う。被害者も加害者も不幸になる。果たしてそれで終わっていいのであろうか?そこから始まる人生もある。人生はやはり苦に満ちている。
壊れる。
治す。
壊れた。
治した。
この繰り返し。
人間、いや、人間の心ってものは
そうやって生きている。
それを辞めたら
生きる事もやめてしまうだろう
『My Heart』
隣からぐすぐすと鼻をすする音が聞こえる。
眼の前のモニタには長い長いスタッフロールが流れている。
とりあえず、映画館の雰囲気を出すために消していた部屋の明かりを点けて、温かいココアでも淹れようとキッチンに向かった。彼もそのうち落ち着くだろう。
タイタニックを見たことがないと恋人が言うものだから、配信サイトでレンタルして上映会をしたのが今日。
私は公開当時に映画館で見たきりだったので、そういえばこんな話だったな、と思いながら見ていた。
「……ありぁと」
ホットココアを彼の目の前に置いたらば、感謝の言葉が返される。どうしたことか、さっきよりも泣いている。
ティッシュを箱ごと手渡すと、彼はぼろぼろと泣きながら訴える。
「僕、僕はね、絶対死なないからね」
「なんでそんな話になったの」
「だって君、僕が死んだら絶対僕を忘れて他の男と幸せになるでしょ! そんなんやだ!」
恋人は怒り泣きだったようで、ふくれっ面のままティッシュで涙を拭い、派手な音を立てて鼻をかむ。
「だから、僕は絶対君より先に死なない。君を看取る。そんで次の日死ぬ」
「そこは君、『僕のことは忘れて幸せになってくれ』とか言うところじゃない?」
「ぜっっっったいにやだ。一生忘れないで。僕だけ愛して」
うーん、愛が重い。いや、執着か? どちらでも大した違いはないし、予想通りでもある。
だが、少々遺憾ではある。
「君、私がさっさと他の男に乗り換えると思っていたんだな」
そう言うと、きょとんとした顔が向けられる。
あ、これ本気でそう思ってたんだな。
「君みたいな重たい男、一生連れ添う覚悟でもなければ交際をOKするわけ無いだろう」
鳩が豆鉄砲を食ったような顔に、笑う。
「君が思っているより、私は君のことを愛してるぞ」
それこそ、君が死んでも愛し続ける程度にはね。
2023.03.27
もう、お題見た瞬間からセリーヌ・ディオンが歌い続けてるから諦めてネタにしました。
やっぱそーだったのね笑笑
もー期待しちゃったじゃん笑笑
すっごい楽しかったよ
この9ヶ月
気になってる人
絶対げっとするんだよ笑笑
「まいはあと」
寂しい発明家は亡くした人を想い
からくり人形を作ったんだって
優しいまなざし 桜色の唇 白く細い指
風になびく漆黒の髪
やがて命尽きるとき発明家は自分を呼ぶ
鈴の音のような声をきいたんだって
今はもう遠いお話し
「わたしのまいはあと」
『My heart』
あなたは毎日の通勤の車の中で大好きなセリーヌディオンの『My heart will go on』欠かさず聴くと言ってた。
知り合って最初の頃、バツ1で子持ちだけど子どもとは離れて暮らしているとそんなあなたが和訳を知っているかどうか分からないけれどタイタニックの主題歌で有名なこの曲をどんな気持ちで聴いているのか気になって仕方なかった。
同じ年頃の子どもの親として相談したりされたり
大人になってからの友人は得がたくて気があって色々な話をした。
あなたは不器用で無骨でそれでも他者のために骨身を削って人助けに奔走する人だった。
人をあまり信用出来ない私は何故この人は他者のためにここまでするのか?お人好しにもほどがある、
裏があるのではないか?自分を押し殺して辛いのではないか?と好奇心が疼き始めた。
そして私の悪い癖だが自分が母子家庭に育ち愛着障害気味なので自身を他者に投影して可哀想がる事があった。自分の事では泣けないのに映画や小説、漫画あるいは知り合いの状況で片親の辛い状況を嘆き悲しんでしまうのだ。
そしてあなたに離れて亡くなった父親を重ねてしまって愛情を持ち始めてしまったのだ。
私は親子なら適切な他者なら不適切な距離感でストンとあなたの心の中に入ってしまったのだろう。
あなたの寂しさに欠けたピースを私が埋めてしまった。タイミング的にも1人の生活の寂しさのピークにあり離婚で傷ついた経験がトラウマとなって頑なになっていたあなたをそっと包み込むように愛してしまった。あなたは責任と自由の間でもの凄く時間をかけて考えていた。
そして私は愛し方の違いやあなたが苦しんで傷ついた心を癒やすのではなく私のせいで新たに悩んでいるのかもしれないと気づいた時離れる決心をした。
始まりは間違いだったかもしれないけれどあなたの存在に魂に揺さぶられ気づきあなたも私の存在を感じて愛されている喜びを知り勇気づけられ素のままで無邪気に自分を出せるようになったこと。
離れていても私の心はあなたと共にあるわ。
そして『My heart will go on』を聴いた時は、あの人ではなく私を思い出してと願う。
一発屋。
それは風のように話題が去っていくお笑い芸人ではなく、大舞台で一時的に活躍を見せた監督でもなく。
我々の業界では、一発で死なせてくれる職人のことを指す。
見た目は「笑うせー○すまん」のように、白い歯をチラつかせる黒スーツに黒帽子らしい。
前置きはさておき、場所は繁華街の路地裏にて、ネオンだけが照らす夜の世界となる。そのネオンの光でぼんやりと顔が見えた一発屋は、後ろずさりする女性に拳銃を向けていた。
「貴方の心臓を頂こうか」
そう唱える一発屋に、女性は悲鳴をあげた。
女性は叫ぶ。「私をどうするつもりよ!」と。
「いやだから心臓を……」
「私の心を奪い去りたいですって!?」
「それは、ちが」
「はあ!? アンタもっと意見ちゃんとしてから告白しなさいよ!?」
悲鳴は悲鳴でも、黄色い悲鳴だった。
一発屋は初めてのことに混乱した。しかし死人に口なし。
ええい。さっさと殺してしまえ。
そう思い、一発屋。自慢の拳銃を一発撃ち放つ。
だがしかし躱された。一発屋は混乱した。こいつ、人間じゃねえ。
「私と付き合いたいの!? どっち!?」
「えっと……そうですね……どちらかといえb」
「そうなのね!?分かった!」
違う違う、そうじゃない。頭の中で流れる鈴木の曲。
一発屋は腕に自信があるあまり、拳銃に銃弾は一つしか装填していなかった。
_____のちに二人が結婚し、一発屋は殺しから足を洗って、殺し偽装屋として夫婦ともに活躍するとは。まだ誰も予想はしていまい。
お題:my heart
[My Heart]
「なんだこれ」
手袋を外し、クッキー缶の中から見つけた1枚を取り出した。
「My Heart……?」
作った覚えのないそれに首を傾げる。
この缶の中には私が作ったクッキーが入っている。
書いた文字は「Eat me」しかないはずなのに、つまんだそれには「My Heart」と書かれていた。
少し考える。覚えがない。
胸に手を当ててみるが、心当たりもない。
作った覚えもないのはなんだか気味悪かったが。
そのクッキーは確かに私が作ったものだというのは分かる。
とりあえず口に放り込んで飲み込む。
それはいつも通りの味だったけど。
突然、少女の影が脳裏に蘇った。
心に感情が、灯った。
「ああ……そうだ」
私は。彼女を忘れようとしていたんだと気付いたけど。
鼓動を打つこの胸の高鳴りは、二度と忘れられる気がしなかった。
The pain in myheart.
先輩は私を選んでくれなかった。
「そういうのに興味ありません」
先輩の文字が歪んで見えた。あれ、これは…書き間違え?私の期待には応えられない。先輩の期待に応えられない。要らなかった私の勇気。無駄だった先輩の彼女枠の可能性。
先輩は無口に戻る。先輩は私の前に現れなくなる。私にしかわからない距離感で離れていく。
そうして私の心はまたいらない傷を負う。
ねぇ、最近あの子たち話してなくない?え、あそこって出来てるんじゃないの?え、でもあの子の好きな人って先輩じゃなかった?もしかして二股!?やだ、私もちょっとあの子の性格疑ってたんだよね。
勝手なこと言ってんじゃねーよ。
「君ぃ?君のせいで私が大変なことに巻き込まれてるってこと知ってる?」
「お前が勝手に巻き込まれに来てんだろ?あぁ?」
「誰がお前だ?もういっぺん言ってみろや、二度と口聞けねぇようにしたろうか?あぁ?」
「やれるもんならな」
誰かが通ると
「汚い言葉を使ってすまない。君、とりあえず謝ってくれないかな?」
「俺…僕が謝る必要ってあるんですか?」
ごめんてと吹き出す私に幼馴染くんは少し困った顔をした。君の不意な行動や言動でやはり勘違いを招くようだ。そんなことを言われても気にしない私と君との仲はきっと誰が切ろうと繋がっているのだろう。私たちは無敵な幼馴染。だと思っていた。
笑顔の君。勉強を教わりに来る君。私に触れる君。次第に私の知っている君の姿が減っていった。君も私にしかわからない距離感で離れていく。少し困った顔をしていたのはそのせいだったんだね。
私はまた意味の無い傷を負う。
あぁ、こんなにもボロボロになってしまったんだ。
My Heart
大好きだよ、もし今太陽フレアの爆発で致死量の放射線物質が発生してあと24時間で世界が終わるってなったらさ一緒に過ごしてくれるかな、
電磁波の影響で日本でオーロラとか見れるのかな
また一緒にバカやってくれる?こんなこと言えないけどね
#My Heart
心予報 明日は曇りでしょう。
明日不安でしょうがない。
風邪ひきました。
明日の自分はどうなっているのか。
無理せずゆっくり休もう。
【My Heart】
この国の王位継承には三つのクエストがある。
一つ、国を出て全体が己の三倍以上大きな魔物を狩ること。
一つ、三つ以上の国から土産を持ち帰ること。
一つ、立会人となる人間から、とある言葉を引き出すこと。
十二人の王子はそれぞれに旅立ち、引き連れた騎士の一団と共に期限内にクエストを終えてくる必要があった。それを、王子遠征という。
「……というのに、スーリ坊っちゃんは何をなさってるんです?」
乳母が浮かない顔で肩を落とす。齢十五のスーリ王子は第七王子として生を受けた。第四王妃の子、ちびのスーリとあだ名される彼は、他の王子に比べて背が低く、赤毛でそばかすがあった。いつでも朗らかに笑い、民草に優しく人気はあるが、騎士団からは信用がない。何しろ彼の戦いの術はすばしこく走り回り、後ろから相手を突くものだ。騎士団は正々堂々を掲げている。スーリの戦い方に文句こそ言わないが、それなら力でぶつかり合ってくる第一王子ディオネや、第五王子レポレスを立てる。
「ああ、アザリア、悪いんだけどこの書簡を下で待たせてる御者に持って行って」
スーリは机から顔をあげると、畳んだ便箋を封筒に収め、封蝋を押した。そして心配そうに眉を寄せる乳母を他所に、再びデスクに向かう。
「坊っちゃん、いいんですか、王位継承に遅れを取ってらっしゃるんですよ」
「あー、うん、分かってる。でも今やるべきことだからさ」
いつも通りの柔らかな笑顔。仕方ないわねぇと乳母は階下に降りて御者に手紙を渡す。すると、御者は恭しく頷いて、飛び出すように馬車を駆っていった。
既に他の王子達は国を出ている。末弟の第十二王子でさえ、お付きの小隊を引き連れて、隣国には差し掛かっている頃だろう。
「スーリ様、御機嫌よう」
乳母が部屋に戻った頃、宰相がドアをノックした。乳母が恐る恐る扉を開くと、厳しい顔の宰相は眉をギュッと顰めながら、手にしていた紙を机に広げる。スーリもそれを覗き込んだ。そして、うん、と一つ頷く。
「こちらで少し修正いたしました。……ご慧眼です、すぐに用意を」
「いや、出来れば配備は三日待ってほしい。さっき手紙を出したばかりなんだ。準備だけしてもらえるかい、僕だとあんまり言うことを聞いてもらえないからさ」
左様で、と呟く宰相の顔が青褪めていた。乳母は対象的にニコニコと笑っているスーリと見比べて、首を傾げるしかない。宰相は再び紙を手にして懐に押し込むと、一言挨拶をして出て言ってしまった。
「スーリ様、あれは……」
「アザリア」
不可解な行動に目を瞬かせる乳母に、スーリは慈しむような柔らかで優しい表情を向ける。
「君の子供達を皆、僕の別室に招待するよ。どうか聞いておくれ、お菓子もたくさん用意するから」
三日後、城はざわめきに満ちていた。御者に扮した斥候が山一つ向こうの国へ向かったところ、その国の軍が山間を行軍している姿を見たのだという。また行き先の街でもこの行軍が国へ攻め込むものであるとすぐに話題を聞くことができてしまった。
「静かに、準備は整っております」
と、宰相は騎士団の集まる訓練所で厳かに告げた。宰相付の使用人達が、騎士団の団長達に書簡を配る。
「兵の配置はこのように。装備品は全て確認済みです、各団長に従い、すぐに対応に向かってください」
しかし騎士団の最高位である騎士団長が声を上げた。
「了承しかねる! 宰相殿にその権限はないはずだ!」
そうだそうだとあちこちで声が上がるが、そこに国王が現れた。途端に、場は静まり返る。
「この件はスーリが調べた。その書簡にもスーリのサインがある。宰相殿はその手伝いをしたに過ぎない」
ぐるり、と王は睥睨する。その目に多少の怒りがあるのを見て取れた団員達は、びくりと身を竦ませた。
「スーリには権限がある。そうだな?」
「……すぐ、支度いたします」
騎士団長の震えた声とともに、再び訓練所はざわめき出した。装備を取り、騎士達が出ていく。それを見送りながら、スーリは物陰からちらりと顔を覗かせた。王の背後、馬小屋の影から、静かに立ち去ろうとする。
「スーリ」
と、王は静かに話しかける。
「私とて予見していなかったわけではない。国の伝統の行事である以上、警備は手薄になる」
しかしな、と背を向けたまま、言葉を続けた。
「お前の方が早くに気付いてくれた。だがあとは私に任せて、お前は遠征に出なさい」
スーリは小隊を連れて、小山程のドラゴンの頭と、三つの国から金の羽根を持つ鶏と、非常に芳しいぶどう酒と、不思議な音のする笛を持ち帰った。それらは他の王子達に比べると見劣りのするものだったが、最後のクエストをクリアしたのは、スーリだけだった。
立会人になったのは、騎士団長だった。
「我が国が守られ、他の十一王子が帰る場所があるのも、全てスーリ王子の準備あってこそ。私は我が心より、スーリ王子の王位継承を推薦いたします」
王子達は顔を見合わせる。一体何が起きているのか、分からなかったのだ。何故だと疑問に首を傾げ、スーリを問い質す。しかしスーリだけは、ニコニコといつものように朗らかに笑っているのだった。