ドナルド・ドュフ・ウィーズリー

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一発屋。

それは風のように話題が去っていくお笑い芸人ではなく、大舞台で一時的に活躍を見せた監督でもなく。
我々の業界では、一発で死なせてくれる職人のことを指す。
見た目は「笑うせー○すまん」のように、白い歯をチラつかせる黒スーツに黒帽子らしい。


前置きはさておき、場所は繁華街の路地裏にて、ネオンだけが照らす夜の世界となる。そのネオンの光でぼんやりと顔が見えた一発屋は、後ろずさりする女性に拳銃を向けていた。

「貴方の心臓を頂こうか」

そう唱える一発屋に、女性は悲鳴をあげた。
女性は叫ぶ。「私をどうするつもりよ!」と。

「いやだから心臓を……」
「私の心を奪い去りたいですって!?」
「それは、ちが」
「はあ!? アンタもっと意見ちゃんとしてから告白しなさいよ!?」

悲鳴は悲鳴でも、黄色い悲鳴だった。
一発屋は初めてのことに混乱した。しかし死人に口なし。
ええい。さっさと殺してしまえ。

そう思い、一発屋。自慢の拳銃を一発撃ち放つ。
だがしかし躱された。一発屋は混乱した。こいつ、人間じゃねえ。

「私と付き合いたいの!? どっち!?」
「えっと……そうですね……どちらかといえb」
「そうなのね!?分かった!」

違う違う、そうじゃない。頭の中で流れる鈴木の曲。
一発屋は腕に自信があるあまり、拳銃に銃弾は一つしか装填していなかった。


_____のちに二人が結婚し、一発屋は殺しから足を洗って、殺し偽装屋として夫婦ともに活躍するとは。まだ誰も予想はしていまい。


お題:my heart

3/27/2023, 11:38:58 AM