10年後の私からの手紙

　自室のテーブルの上に、観葉植物が置いてある。フィカスベンジャミン。4号の鉢。

　まだまだ小さいが、育て方次第で背の高い木になるらしい。

　観葉植物の鉢は、2年を目安に一回り大きなものに植え替えると成長が進みやすい。

　もしきちんと10年育てたら、９号の鉢になっているはず。なかなかの大きさ。幹も斑の葉も、さぞかし見応えのあるものになっているだろう。

　もし10年後の自分から手紙がきたら。

　立派なフィカスベンジャミンにふさわしい男になれるかどうかは自分次第。楽しみにしていい。楽しみにして頑張れ。

10年前から手紙が来たとしても
ああすれば良かった、こうすれば良かった
10年後から手紙が来たとしても
ああすれば良かった、こうすれば良かった
今の僕はどうすれば僕が納得するのだろう。
結局、無い物ねだりで選ばなかった方を羨んで。
選んだ答えを後悔して、引きずって。
前向きに生きようとする自分を後ろ向きにするのは結局、自分。

今はしんどいと思うけど、楽しくやってるから安心して。

　そんな甘い言葉を期待した。

　死ぬ覚悟がないから生きている。そんな感じがよくわかった。

　何年経っても自分は自分だ。

　変われないことに気づけただけ、自分に何も期待しなくて済むから楽だ。

　最初から、そうすればよかった。そうしていれば楽だった。



　でもやっぱりちょっと、期待している。


　そんな自分が一番嫌いだと、手紙にも書いてあった。

　本当に変わらないな。

あたしは今、仕事をしてません。
職を失いました。

こんなことにならないように10年前勉強しとくべきだった。頑張るべきだった。

そんな風にならないように今頑張ろうよ。
たった1年頑張るか頑張らないかで大きな将来が決まってしまう。

あたしなら出来ると、そう自分に言い聞かせよう。

10年後の自分から手紙が届いたらしい。つまり届いたということは10年後の私は存命で手紙を書けるほどゆとりのある生活をしているのだろう。
しかしだ、内容がこれほどにも気にならない手紙といのも珍しいのではないだろうか。未来がどうであるか、私が何をしているかというのはこれから自分が作り出すものだから、書けないだろう（きっとそういう規約があるのだろう）。かといって直近で起こることを書いてるわけでもないと思う。それを書くこともきっと規約に反するだろうから。だとすれば、書いてることはこれからいろんな辛いことがあるけど頑張れよ、もしくは昔に戻って頑張りたい、そんなことしか書かれてないだろう。そういうものを読んで未来の自分が過去の自分に何を当てたか知りたくないという気落ちも先行する。この先辛いことが起きる、努力不足で苦労することがわかってしまったら何もやる気にならなそうだろうし。でも未来の自分はこの手紙の存在を記憶の片隅に留めているはずでもある。

私は一つの可能性に気がついた。未来の私は白紙で出していると。こいつは何を書いていても見なかった。だから白紙で周りが出してるからだそうという雰囲気で送ってきているに違いない。そう思った。

ペーパーナイフで封を切る。紙さえ入っていなかった。

手紙をしたためる余裕のある自分はからの封筒の話を便箋に書いた。それはいつか来る10年後の私に送ればいい、そう思えた。彼がそれを読んで送ってきたのかはわからないままだ。

「10年後の自分から届いた手紙」　蒼井真白
2024/02/16

私は生きてます、死ねないんじゃなくて生きることを選んでるよ

『10年後の自分から届いた手紙』

辛いでしょ。
苦しいでしょ。
何度も死にたいって思ったよね。
でも痛いのも嫌だから死ねなかったでしょ。
残念だけど、こっちにきても辛いのは変わんないし苦しいのも変わんないよ。
楽しいことも嬉しいことももちろんあった。
だけど圧倒的に辛いこと苦しいことの方が多いね。
何回泣いたかな。数えきれないや。
今私、生きてると思う？
それとも死んで空の上で手紙書いてると思う？
どっちでしょうか。
気になるんなら早く確かめに来な。

ポストに沢山のチラシと共に、10年後の俺と名乗るやつからの手紙が届いた。

今ちょっとお金に困ってるよね。
手っ取り早くお金が稼げて、いい仕事があるよ。
みんな喜んでくれて、ありがとう、ありがとうって感謝されまくりだよ。
今すぐアクセスしてね。


～10年後の俺より～

迷わずアクセスしちゃった俺。

「天国に居ます。」
そう書かれた手紙は、文字が曲がっていた。
紙には血が滲んでいた。


『なにか、あの時のことを思い出したような気がした。』



あの日、私は死んだ。
刑務所内での自殺だった。
すぐに周りの人間が気づいたらしい。
冷たい地面で自分にナイフを刺すのは、なんとも言えない気持ちだった。
朦朧とした意識の中、赤色に染っていく床。
最後に、刑務所内で一番仲の良かった友達が駆け寄ってくるのが見えた気がした。

死ぬ直前に書いた手紙は、10年後も20年後も汚れたまま時は経つ。





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最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回は"10年後の私から届いた手紙"というお題なのですが、少し違った意味になってしまいました。
このお話を読んだ方で前から私を知ってくださっている方ならもしかしたらお気づきかもしれませんが、実は今回のお話は私が初めて投稿したお話の続編、というよりかは番外編のようなお話になっています。
私が初めて投稿した時のお題は"1年後の私"でした。
当時書いた内容と、今回のお題に何かリンクするものを感じたような気がしたので今回はこのようなお話になりました。お題とは少しズレはありますが、是非私が初めて投稿したお話を読んでから、もう一度このお話を読んでいただけると嬉しいです。

10年後の私から 手紙が届いた…

おそるおそる開封する

………… 白紙だ ……………

２枚目の一番下の端っこに

「楽しみに待ってる！」

とだけ 書いてあった


………待ってろよ！　私！




#10年後の私から届いた手紙

今を大事にしなさい
なぜかって？
だって今、自分の人生の節目ターニングポイントだと思っていて、
今までにないくらい反省していて、その上
自分のことを今までにないくらいに嫌いで、どうしようもないと思ってるんだよね。
その通りなんです。
今が一番 大事な時なんです。
だからといって緊張しなくてもいいけど、
自分がこうしようと思ったことはやって正解です。
その選択が、今私がいるところに繋がっているんだから。
今私のいる場所、すごくあったかいですよ

あなたは私には成れない

私があなたに成れないように

10年後の私から届いた手紙

「トイレは早めに行きなさい。恥をかくぞ。」

…もっと早く届けてほしかった。ぶちちぶりぶり。

便りがないのは元気な証拠という便利な言葉がある。むしろ来ない方が幸せな10年後なのだろう。
これからも楽しくあれよ、私(笑)



テーマ：10年後の私から届いた手紙

10年後の私から届いた手紙

「自分へ
10年後、良い人生なんてものは無い。
光なんてなかったよ。
絶望しか無かった、
だから勇気をだして、私を救って。」


私は昇る日に手を振って
夜に飛び込んだ。

無題

私と再会する前、
彼は2日に1回飲みに行くような生活をしてた、らしい

今年に入って、海外出張を除くと…
2回軽く飲みに行っただけだ

飲み行って欲しくない、
何て事は一切言っていないし、
元々お互い束縛は一切しないタイプだ
飲み行こうが、ふーんくらい
男友達と私が飲みに行こうが、何も言われた事もない

不安になる男性もいるだろうけど、
彼は私をお酒が強いと思っているので、
あまり心配もしてないと思う
実際、男相手にお酒で潰す事はあっても、潰された事は一度もない
（ちなみに彼は私より強いと思う
彼が潰れた所を一度も見た事がない）
それに、私は彼の存在を隠すような事をしない

男と飲みに行くの許すとか、
理解できないと男に言われた事あるけど
男と飲み行くぐらい許せる男じゃないと、
私付き合えないから
現にあんたと私、怪しい関係になんないでしょ？
あんた飲む時、女だったらいつも下心あんの？
と言う
（普段、あんたなんて言いません。名前で呼びます）

私にとって、友達は男も女もない
性別関係なく友達は友達だ
それに年を重ねると、異性の友達がいても不思議ではないと思う
価値観は人それぞれだけど

彼が言ってた
アル中に近かったかもなぁ…
飲みたい、飲みたいってなってたし
今は別に飲みたくもない
sarangが来たら、飲みになんて益々行かないだろうなぁ笑

行けばいいのに

行かない！
帰る！すぐ、帰る！

彼を知ってる人が聞けば、ドン引きするだろな…
こんな事言うような人とは思えないくらい、
程遠く思われてる

sarangとの会話は絶対誰にも聞かせたくない
イメージ丸潰れ

これは彼がよく言う事笑
最近、彼がよく言ってるのは、

あれ買っとくか？
これ買っとくか？
拘りある？

2.
刑事になった私はある事件を捜査していた。
殺人事件だ。
謎に包まれていた芸人の死。
まだ事故かも分からないが、私は確信していた。
しかし、一向に証拠が集まらない。
10年前に書いた私からの私宛の手紙が届いた。
内容は
「諦めるな」

10年前の____へ

お前は大丈夫だよ。
この先も苦しいこと、辛いこともあるけど
大丈夫だ。
お前の周りには助けてくれる友達が沢山いるから。
あったことない友達も沢山いるけど、みんなお前のことを支えてくれるから。
何も心配しなくていい。
辛くなったら周りを頼れ。
みんなお前の味方だよ。

『10年後の私から届いた手紙』

　10年前のわたしへ

そんなに思い詰めなくていいよ。
何か問題にぶち当たってたとしても、
すごく悲しくて落ち込むことがあったとしても、
大丈夫だよ。何とかなるから。
あなたの10年後の、わたしが言うんだから。
もう絶対間違いないね。
絶対大丈夫。
あなたは今、あなたの全力を尽くしている。

わたしとあなたは、生きてる時が違うだけで同じわたしであるのだから、尺度もわたし。
つまり、幸せの解釈も同じ。
苦しみの感覚も同じ。努力の加減も同じ。
これってつまりは最大限の保証ってこと。

あなたがうまくできなかった部分は、
未来のわたしが受け継ぐから。
だから余計な心配はしないで。
あなたはあなたらしく生きていいんだよ。

最後に、未来のわたしから一言。


今が最高に、一番幸せです！

　　　　　　　　　　　あなたの10年後のわたしより

10年前の自分へ

今絶賛片思い中だよね？たしか、

その恋の結論言いましょうか？笑笑

なんてね、言わないでおこーっと

ま、とにかく頑張って！

今の私、なんだかんだ幸せだからさ


10年後のあなたより