『1年前』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【1年前】
何もかも嫌になって、ぜんぶ投げ出したくなったあの日。
頭の中は常にボールペンで塗り潰した跡ばかり。
それでも、1年後今ここで、あの日頑張って良かった、
そう思えるなんて、1年前のわたしは知りもしない。
辛くて、辛くて下を向いていたわたし。
水溜りに映る自分を見て、ぼーっとしていたのが、
なんだか微笑ましくて、懐かしい。
今、水溜りを覗き込んでみても濁っているだけ。
あの日にはもう戻れないんだってこと、
知ったんだ。
空を見上げると、綺麗な虹が架かっていた。
ああ、下を向いてる暇なんてないや。
あの頃は、何をしてたっけ?
昔でもないけれど、振り返るほどのものじゃない。
何も変わっていないし、何か変わったのかもしれない。
何とも言いがたいけれど、そんなものでしかないのかも。
”1年前”は、一体どんな過去で、どんな未来を思っていたんだろう?
1年前
一年前の君は素朴で従順な人だった。幾らかの野心を抱えてはいれど、それはまだ私の理解に及ぶものだった。世界は平等で、この世を作るのは政治家ではなく神様で、人同士の営みが最も美しいものであると、心から信じて病まない純粋な人のはずだった。
それがたった一年でどうなったか。今や君は愛する者にうつつを抜かし、底しれぬ財欲に身を焦がし、数々の大作のことごとくを先人や同業者を嗤うために生み出す。私が言葉に出来ないまっさらな感情で惹きつけられた君はどこへ行ったのか。
伴侶の手の上にいないと満足に歩けもしないくせに、私よりずっと足場が高いのである。
毎年、変わりばえしない生活を送っている。
1年前といっても、特に何も無かったと思う。
まあでも、トラブルや体の不調が無いということで
平凡ながらも安定した日々だ。
この先もこういう生活でいい。
1年後も、その先もずっと。
「1年前」
1年前―――
私は学生だった。ちょうど学園祭の時期で自分の案が通って初めてリーダーという役割を担った。元々、人前で意見を言うことが苦手でまとめるのなんてもってのほか。それでもグループのみんなは助けてくれて本当に感謝しかなくて、最高の学園祭になった。
本当にこの時のクラスの皆は優しくて尊敬できて卒業した今も尚友達。
_1年前
1年前。
そう言われてもあまりピンと来ない。
1年前の今頃、私はなにをしてどんなことを思っていたのだろう。
どれだけ考えてもでてこない。
過ぎてしまえば1年はあっという間だと感じる。
けれど、こうして振り返ってみるとすごく昔のことのようにも感じる。
1年前はピンと来ない。
それにもかかわらず、
初めて動物園に行った4歳の日のこと。
連休前には必ずと言っていいほど毎年高熱を出して寝込んでいたこと。
母と大喧嘩してなきじゃくったこと。
小学校1年生、数え切れないくらい先生に怒られたこと。
覚えていることを書き出そうとすればキリがない。
でもひとつ言えるのは、覚えてる出来事って必ず自分の感動も一緒に覚えてるんだよね。
未知の世界への興味、辛さ、悲しさ、やるせなさ。
感動っていっても、すべてがプラスの感情とは限らない。
わたしだって、当時の気持ちで考えればあまり良いとは言えないものばかりだしね。
人って、嬉しいこと楽しいことよりも、悲しかったことやるせなかったことの方が覚えてる。
と、わたしは勝手に思ってる。
もちろん人によるけどね。
でも、わたしだって楽しい出来事を覚えてないわけじゃないよ。
さっき以上に多くなっちゃうから心に留めておくけどね。
まぁ、結局私が言いたいのは、今このときをたくさん感じて生きていきたいなってこと。
その分思い出が増えて、過ぎてからでも充実した1年だったなって思えるような気がする。
今年はそれを目標にがんばろっかな。
1年前
子宮筋腫の手術をして1年後。
私は、約2年前に子宮全摘をした。
筋腫であんなに大きかったお腹が小さくなって、やっと好きな服が、
いろいろ着れるようになった。
1年前何してたかな?
まだ恭もいたなぁ。
ケド生活は一変してたなぁ…
ケド
まだ一緒にいて
話したり笑ったりしてたかも
まさか
こんな風になるとは思わなかったなぁ…
恭と話して笑ったりしたいなぁ。
恭とも会いたいなぁって言うと
友達が怒るんよんね?
なぜかな?
ただ
tsutsuのこと
大好きな気持ちは1年前も今も
変わってないわ😊
#1年前
日記帳 めくるページの どこからも
遠くなりつつ 新しく ひと
#短歌 #書く習慣 20230616「一年前」
一年前。
私は崖の上で、自らの命を絶とうとしていた。
その時の、雄大な景色は今でも目に焼き付いている。
今もその時のことを思い出しては、あの場所にもう一度行けたらと願う。
もう、この場所には来ることはないだろうと考えていたあのころ。
あの時の方が、まだ移動できるだけの体力があったなんてと、嘆いたところで仕方がない。先のことはわからないし、当時こうなることなど想像しなかった。あの時にはもう戻れないのだから。
現に今、こうしてベッドから身を起こして窓の外を見るだけでも、骨がきしみ、体に酸素を行き渡らせる呼吸すらしんどくて、最近は眠っていることが増えた。
起きているとけもベッドに横になったまま、病室の扉をじっと見つめ続けることの方がずっと多い。
ドアがノックされて、病室に看護師さんが来てくれた。
「こんにちは」
看護師さんは私のベッドに近づき、やせ細った私の手をそっと握ってくれた。
「今日も来てくださってありがとうございます。このようなお見苦しい姿を見せてすみません」
普通に言ったつもりだったけど、合間合間で呼吸を荒らげてしまった。看護師さんの顔が憐れみを浮かべる。
「そんな事はありませんよ」
私の顔は苦痛に歪んでないだろうか。口調は乱れたものの悲壮感は溢れていないだろうか。
「ありがとうございます。こうしてお話できて嬉しいです。それでは体温測りますね」看護師さんは体温計を取り出す。
それから私と看護師さんは10分ほど話をした。
前は平気だったのに、今はこんなに話すと疲れる。
それを見て取ったのか、看護師さんはまた来ますね、と言って病室から出た。
病室には、私がいつでも本が読めるようにと、家族や友人が沢山私の蔵書を持って来てくれている。いけられた花よりも、本のほうが多いくらいだった。
最初は自分で開いて読みふけっていたけれど、今となってはお見舞いにきた人に朗読してもらっている。本を持っているのも、読むのも体に負担がかかるから。
自分は、本当に長くない。
もうあと一ヶ月持てばいいかも。
そんな中、私の親友がお見舞いにやってきてくれた。いつものように朗読を頼む。
今日のリクエストは、今までたくさん読んできた医学書や学術書でもない、幼い頃に読んだ詩集の中で一番好きな詩にした。ぼろぼろになったその本を手にして、親友に読み上げてもらう。
読み上げてもらいながら、私は目を閉じた。
大好きな海を、もういないあの人と手を繋いで歩く夢を見た。あの人が笑う。私もつられて笑った。
「いつか あなたと うみを みたい」
最後の行を読むたびに、私の目から涙が落ちる。自らのことを忘れられる。
「ありがとう」
そして私は親友を見送って目を閉じる。
それから私は、お見舞いに来るたびにその詩の朗読を頼んだ。
その人のそれぞれの声が紡ぐ同じ詩は、まるで同じ色がない海のように、私の心に響いた。時には、穏やかに。時には、嵐のように。それは私の心の波を受けて、凪いだり荒れ狂った。
それから自分が思う以上に長くなってしまったけれど、今でもこうして詩を聴き続けている。
体が思うように動かず、食事の味がわからなくなっても、花の匂いがわからなくなっても、目が見えなくなっても、それでもまだ、私の耳には大好きな、あなたとの思い出がよみがえる音を聴く。
『いつか あなたと うみが みたい』
今日のお題:一年前
昨日のお題:好きな本
全てフィクションです。
詩は自前です
1年前
6月でも暑くて私は猫の夏バテを心配していたっけ。今年はもう心配すらさせてもらえない。暑くも寒くもないところにいってしまったから。
なくなって半年たつけどペットロスは波のようにやってくる。悲しさと寂しさのスイッチがいきなり入る感じ。
ぽっかり空いた猫形の穴はたぶん猫でしかうめられない。けれどそれは思い出を上書きしていってしまうから一歩ふみだせない。
もちろん違う命。わかってはいても記憶は薄れていくし。だからこそまだ大事にしたいと思ってしまう。
でも私はとうに知ってしまった。猫とともに暮らせることのさいわいを。
1年前
まだ母は、生きていた。
病院に入院していた母。
コロナで面会も中々できない日々。
会えなかったけど
「居る」って思った。
母と会話できなくても
母が病院に居る。
それだけで支えになっていた。
今母がもうこの世にいないという
現実。
もう会話できないこと。
理解しているはずなのに
まだ病院に居てベッドに横たわる母が
浮かぶ。
今朝、どしゃ降りの雨だった。
庭に目をやると
母が育てていた鉢植えに
ホタルブクロが雨に打たれながら
咲いているのを見つけた。
母が好きだった花。
母の命は、消えたけど
こうゆう形で私の元に
やって来た花。
あぁ、やっと泣ける。
やっと悲しむことができるよ。
2023年1月17日
今日は友達3人と遊びます。しかし、その帰り道で転びます。
2023年2月14日
今日はA子からチョコを貰います。とても楽しい1日でしょう。
2023年3月10日
今日は先輩の卒業式があります。きちんとお別れを言いましょう。
2023年4月16日
今日は部活で帰りが遅くなります。暗いので田んぼに落ちます。
2023年5月2日
今日はA子ちゃんの誕生日です。A子ちゃんにはスケッチブックを渡しましょう。
2023年6月15日
B子さんに本についての話をされます。落ち着いて聴きましょう。
2023年6月17日
図書館へは行かないようにしましょう。
………。
あら。ここで途切れてるわ…。
…なるほどね。この日に私は……。ふふふ。
楽しみだわ。この日が待ちどうしい。
ー1年前ー
幸せでした
いつも隣に君がいて
同じものを見て
2人で相談して頑張って
些細なことでも共有して
同じ時間を過ごした
そういう信頼で僕たちは成り立っていたよね
2022/6/17 10:05
1年前のこの時間は一緒に並んで計画を練っていたけど
この時間や瞬間はこの時だけのもので2度と帰ってこない、と僕が言った時
君が少し動揺したように見えた
今はもう一緒にいないね
何がいけなかったんだろう
『1年前』
前の僕は、どんな人間だったかな。
アルバムを見ても、ちっとも思い出せないんだ。
僕の中には、前の僕の記憶がちゃんと残っているのに。
ねえ、テセウスの船を知っている?
ある物の全てのパーツを新しいものと取り換えたら、はたしてそれは以前の物と同一物なのか、って質問のこと。
人間の細胞もね、七年も経てば全部新しいものに変わっちゃうんだって。
それって、なんだか寂しくなるね。
だって、僕の知らないところで、僕は僕を失っちゃうんだ。
酷い話だと思わない?前の僕が知ったら、何て言ったのかな。
僕はさ、僕が生まれることを、前の僕に望まれてたかな?
僕という人間は一人きりで、"産まれる"のも一度きり。
これからも、僕が新しく産まれることなんてない。
だけどね……、僕は生まれたんだ。他でも無い、前の僕によって。
ね、ほら。考えてみてよ。僕という存在は今も"僕"によって造り替えられているんだよ。それはね、これからもずっとずぅっと、僕という人間が生き絶えるまで続いていくんだ。
"僕"のテセウスの船の答え。これは、"継承"だよ。僕を、次の僕へと繋いでいく、成長という名前の継承。
さあ、一年後の僕に、"僕"の答えを届けよう。
去年の今頃は、まだ流行り病が流行してて、いつまでマスク生活をしなくちゃいけないのだろう、そう思っていた。
一年前、その一年前と今では、随分と対応が変わってきた。
何年前かわからなかったけど、マスクをしていなかったあの時代にまで、今年は戻ってきた。
もうあの一年前には戻りたくないな。
経営が難しくなった職業も多かったし、あれこれ試行錯誤を重ねた日々。
今の一年は、来年振り返った時にどう思うだろうか。
今みたいに、一年前はこうだったね、と笑いながら話せているだろうか。
話せていれればいいな。
【一年前】
1年前は、ベテランの先輩に急かされたり小言を言われながら仕事を頑張っていた。
社会に出て1年目で初めての仕事だったから、言われるがまま過ごしていた。
仕事が嫌な訳ではなかったし、
憧れていたことも出来た。
理不尽が多いけど、
環境が辛いとは思っていなかった。
ただ、私には合わなかった。
多分それだけだと思う。
今は別の仕事をしている。
あの時のスパルタ環境があったから、今は褒められることが増えて楽しく働けている。
「自分に合う仕事をする。」
簡単なようで、意外と難しい。
【1年前】
振り返ると
少しだけ幼い自分
たった一年
されど一年
◆好きな本《6月15日更新のお題》
国内作家/現代
「祖母姫、ロンドンへ行く!」椹野道流
「ミラクル」辻仁成
「四千の日と夜」田村隆一
「チョコリエッタ」大島真寿美
「愛をかたるエリニュス」藤本ひとみ
国内作家/近代・古典
「奉教人の死」芥川龍之介
「南総里見八犬伝」曲亭馬琴
「新古今和歌集」
「食道楽」村井弦斎
「後世への最大遺物」内村鑑三
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◆1年前《6月16日更新のお題》
一年前はまだこのアプリを知らなかったですね。
ある日ふとダウンロードしてなんとなく書き始めて、しばらく離れてまた戻ってきた今思うのは「真面目に考えて書いてると一日過ぎるのが早い!」です。
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好きな本
1年前
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所感:
作り話ではなく、思ってる事そのまま書くと早く投稿できることを今日学びました。
お題『一年前』
【初めてエッセイもどき(というよりも設定)を書きます】
私が普段書いている執事の『フェネス』、そして彼の仲間の執事たちというのは、アプリゲーム《悪魔執事と黒い猫(通称「あくねこ」)》の登場人物です。私は約一年前にこのゲームと出会い、以来せっせと二次創作に励んでいます。
その前には別のゲームで、やはり二次創作活動をしていました。
7月9日に出す新刊をもって通算十五冊の同人誌を出すに至り、昨日までその校正作業に追われていました。我ながらよくやるなぁ……といったところです。
あくねこの世界において、主様は「こちら(現実)の世界」と執事たちのいる「あちらの世界」を、金の指輪を外したり嵌めたりすることで行ったり来たりができます(これが前の主様)。
今の主様の設定について。前の主様がシングルマザーになる覚悟を決めた折に指輪を手に入れ「あちらの世界」に行き、そこで今の主様を産み、産後すぐに亡くなった後の世界線です。
なので今の主様は指輪を持っていませんし「こちらの世界」に戸籍を持っていません。彼女は「あちらの世界」しか知りません。
前の主様がやって来たとき、執事のフェネス・オズワルドは彼女に片想いをしている体で話を書いています。
そして日に日に前の主様に似ていく今の主様に対して、複雑な想いを抱いて悶える様を書いているのですが……伝わっているでしょうか? 伝わっているといいなぁ……。
この『幼女主シリーズ』を一番最初に書いたときには6歳くらいの設定だった主様ですが、今では9歳です。いずれ思春期を迎えるであろう彼女が親代わりのフェネスに対してどういう想いを抱くのか、書くのが楽しみです(これについては8月の新刊に書き下ろす予定で今のところ進んでいます)。
もしご興味がおありでしたら、ネットの海から私を見つけてみてください。
ちなみに7月9日発行の新刊は『鏡の国に行ったフェネスの話』と『目が見えない主様が本を作る』の二本立てになっています。