『0からの』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「僕は臆病で情けない人間です。子供の頃から周りの人に馴染めず、これまでずっと家にひきこもり、ひとりぼっちで生きてきました。もちろん僕を産んでくれた両親はいます。彼らはこんな僕が家にいてもそっとしておいてくれますが、廊下で顔を合わせるたびにいつもぎこちない笑顔を作るのです。きっと彼らも僕と同じで、僕をどうすればいいのかわからないのだと思います──」
向かいに座る青年は、重そうな頭をさらに俯かせた。
「だから、自分を消してしまいたいと?」
わたしはそんな青年をじっと視界に捉えながら質問を続けていった。
「・・・・・・はい。こんな弱いことを言ったら笑われるかもしれませんが、僕は生きているのが堪らなく苦しいのです。でも堪らなく苦しいと思わないと生きていけないのです。こんな馬鹿げた矛盾を抱えて何を言っているんだと思います。けれど、これが僕なんです。僕という存在なんです。簡単には変えられません」
「でも、貴方はこうしてわたしの元を訪れた。それはどうしてですか?」
「ネットで貴方のことを見つけました。貴方の元に来れば全てを消して0にしてくれると、そうサイトに書いてありました。僕は・・・・・・、僕を消したい。僕自身をリセットしてしまいたいんです」
ぼそりとした低い声が室内に落ちる。わたしはゆっくりと語り出した。
「なるほど。貴方の考えは分かりました。しかし、貴方の認識には少しだけ訂正すべきところがあります。まず全てを消して0にすることなどわたしにはできません」
青年がびっくりしたように顔を上げた。みるみるその表情が曇っていく。
「・・・・・・では、やはりあれはデマだったのですね」
明らかに落ち込んだのが分かるくらいに肩が下がった。わたしはさらに続ける。
「いえ、そもそも0というものが存在している時点で、何もないということはあり得ないんですよ」
「それはどういう・・・・・・?」
「だって0は貴方ですから」
わたしの言葉に青年が「え?」と首を傾げた。
「わたしにできる事はただひとつ。0からの出発を手助けすることです。なぜならそこに0があれば、あとは足せば足すほど数が増えていきます。そしてまず最初の+1がこのわたしです」
「・・・・・・!」
わたしは青年の目の前に片手を差し出した。
「0はそこにあるだけで、大きな力となるのですよ」
暗かった青年の瞳に僅かながら光が射し込んだ。拙いながらもおそるおそる差し出された青年の手を、わたしはしっかりと握り返した。
【0からの】
人生をリセットしたい
何日かぶりにそう思って
また首に縄をかけた
でも首が少し締まると
失うにはどこか惜しいものが
走馬灯になって駆け巡った
思わず首を外す
崩れるように膝を折る
床に落ちている煙草を手に取る
安心感の煙で肺が充ちる
そしてため息となって出ていく
天井を仰ぎながら思い直す
ああ俺にははじめっから
0からやり直す勇気なんてないんだった
もし本当に
人生がループしてるなら
本当にやり直せるなら
今度はしっかり勉強しなきゃ
面倒くさがりを
なんとかしなくちゃ
ただこの記憶が残ってなきゃ
結局はまたこの私になっちゃう
0からのスタートじゃ
意味がないんだなぁ。
0
0+0=0
だけど
0じゃない。
ほら
∞になった
0は無限大
プラスにも
マイナスにもなれる。
お題
0からの
0ってなんでしょう。
数字を見るだけじゃ分からない。
これから始まることを示しているのか、それとも終わりを迎えて何にも無くなったことを示しているのか、私にはこの輪っかの意味が掴み取れません。
今日のお題は『0からの』なんですね。
じゃあきっと始まりを示す何かを綴った方が良いのでしょう。
でも私は捻くれ者なので、ここから始まる話なんか書きません。ここで切ります。
はい、終わり。
ピッピッピッピツ
「はぁ、、また失敗ですか、、、、」
私は天才科学者と呼ばれていた。
私はずっと人間のクローンをつくり
人類を不死身の身体にする実験をしている。
その過程で使った生物が違法薬物で
学会を追い出された。
だけど私は構わなかった。
私には昔からの不死身の身体をつくるという
夢があったからだ。
そして、もう少しで私の目標が、願いが叶うからだ。
ピッピッピッピツ バァン
、、成功だ!!!
これでようやく、、願いが叶う!!!
『 0からの祝福に感謝を、、、』
________________________解説
今回の話は正直よく分からなかったと思います。
この話はある1人の科学者が主人公です。
もしかしたらわかった人もいるかもしれないですが、
科学者の夢は不死身の身体を手に入れる事であり
目標もそうであるとは1度も書いてありません。
そして«私には昔からの不死身の身体を
つくるという夢があったからだ。»
と過去形になっています。
つまり科学者はもう不死身の身体を
手に入れているのです。
なら科学者の目標とはなんなのでしょうか?
正解は死です。
科学者が今まで永遠の命を求めてきました。
しかしいざ永遠の命を手に入れると
科学者は気づくのです。
永遠の命の対価を、いくら永遠の命を手に入れても
脳みそはその機能に追いつかなかったみたいです。
だから科学者はその膨大なデータに耐えきれず
死のうとした。でも科学者は
不死身の身体を持っている。
なので科学者は自分のクローンを作ったのです。
自分と同じ知能の持ち主なら
きっと自分を殺してくれると信じて。
なので科学者は死ぬ寸前に
«0からの祝福に感謝を、、、»と
0から生み出した自分(クローン)が
死を与えてくれる、
それは永遠の命を求めた科学者には皮肉にも
祝福と感じたみたいですね。
0からのスタートを切る。
私は今年、全く新しいことに挑戦する。それは専門学校に入学し歯科衛生士を目指すことだ。これまでとは全く違う世界に入り歯科衛生士になるべく学んでいくのだ。
現在わたしは調剤薬局の調剤事務員として勤務しているが無資格であるため患者との関わりが浅くもどかしい思いをする場面が多々ある。例えば患者からの電話で薬の飲み合わせについて質問や体調不良の訴えがあった時である。無資格では対応することができないため毎度薬剤師へ繋ぐが自分でも対応することができたらもっと患者の健康に貢献できる
1から始めるより0から始める方が好き
0からコツコツ努力してそれがいつか実になって
達成感が生まれる瞬間が一番最高
0からの
ある昔、手の内には何も残っていなかった
数億人の数人に壊された
または、私が壊してしまったのだろうか
小さい頃の純粋な思想も
元は自信のあったことも何もかも忘れてしまった
一寸先も闇である今の私の立ち位置
立ち上がることはできるだろうか
私には何かを成す力はあるのだろうか
何も未知なことばかりでも
それでも希望をもっていくことを
1人であっても貫き通すことができるだろうか
たくさんの経験を積んで、たくさんの努力をした人間は、その先でもまだ、自分をさらなる境地へ導くための道を探して、ひたすらに進む。だが少し、寄り道をしてみるのも良いだろう。
寄り道は人を成長させることもある。そこでしか手に入らないもの、見ることのできないもの。すぐには自分を成長させない0の道。そこで手に入れた0は、1を足せば1になり、2を足せば2になる。
だからこそ、そこで人の最高成長点が変わるのだ。
0からの挑戦状。それを受けた者即ち、最も成長する者である。
無から生まれるモノは無く
無に還るモノ有り
トタン屋根に積もりまするは
温もりに溶けてしまいそうな 真綿雪
少年は まだ知りませぬ
世界の理を 残酷さを
知らぬ間に 選び歩くは
修羅の道 鋭利な棘の突き出す道
雲間に隠れる 孤月のやうに
闇に 取り残される
誰か 見つけて下さるやも
其れも又 いつになるやら
お題【0からの】
タイトル【頂が纏うは孤独】
0からのスタートは案外少ない。
人生誰しも生まれてから1度は
「0から」スタートしたことがあるが、
大人になった今では、
常識もあるし、知識もある。
1からのスタートはあっても、
0からのスタートと向き合うことは
ほとんどない。
だから、なのか
それでも、なのか
全てが初めましてだった小さい頃
あの頃と比べてしまって、
新鮮さをつい求めてしまう自分がいる。
ゼロってどういうことを表されているか知っていますか。
何も無いことに対応する奇数だそうです。
奇数ぐらいは分かりますよね
じゃあ私ってゼロじゃん
勉強もできない
運動もできない
何もかもができない
でも、これって個性だと思うよ
だって世界中の人が何もかも完璧だったら
ワールドカップだってオリンピックだって凄いとはならないでしょ?
じゃあ私ってゼロじゃん
確かに。生まれた時はみんなゼロだね
でも、何十年も生きてるなら
ゼロじゃない
もっともっとゼロから増えていくよ
#0からの
作ることは嫌いじゃない。
考えることは嫌いじゃない。
でも、プロにはなれないんだと解ってる。
だって、オリジナルが1つもないんだから。
作ることはできる。
考えることはできる。
ただ、0から1を作り出せない私は、結局紛い物でしかないのだ。
0からの
何かを創ってみようとおもう。
まずは綺麗な花を咲かせよう。
そして優しい生き物を作ろう。
天は青い色で隠そう。
少しだけ怖い生き物もいた方が面白いだろう。
少し死んで生まれ変わったら、僕の創ったものは赤く染って汚くなっていた。どうやら僕は失敗したようだ。やり直そうかな。
大学受験まであと20日。
今の私の勉強量は、私の力量の何%なのだろう。
周りは皆どんどん受かっていく。
そう思うととても息苦しく、水に沈められているかのような感覚になる。
だけれど素直に溺れ死ぬ訳にはいかない。受からなければ、今度こそ自分を認めてあげなければ私は、私の中の私はだんだん壊死してしまうだろう。
全力というものが果たしてどの程度のものなのか定かでは無い。しかし、少なくとも自分が本気で悩み抜き選択した道。後悔は最小限にするべきだと思う。ならばもう、やるしかない。
1ヶ月後。私はどのような感情を抱き、息をしているのか。
未来のことは何もわからない。
まあ、どちらにせよまた0から新しい年度が始まると思うと鬱々としてしまうけれど。
しかし仮に努力が実らなかったとしても、この1年苦しんだ記憶は無くならない。寧ろ糧になるはずだ。
どのような未来であれ、私が踏み締めてきた道は決して0にならない。
0からの
0からの1をつくるあなたは
私の憧れ
きっと永遠に敵わない
0からの1をつくるあなたは
私の憧れ
きっとずっと永遠に
あなたのつくる1を待つ
あなたからの1を待ってる
何もない。
そう思っていた心に入り込んだきみ。
時が経つほどに、その面積を占めていく。
きみの心に、オレはどれだけいるのかな。
何もなくても、どうか、ここから。
0と1の間にある不思議
0が1になる不思議
0は歪な円環
0は卵
0が内包する空白にはきっと
不思議がつまっている
気がする
『0からの』
『0からの』ヘビメタ
私が忠誠を心に誓った上司が、今日の昼休みに…ヘビメタを聞いていた。
その人はいつもイヤホンで何か聞いていた。どんな音楽を聞いているのか、もしくは聞いているフリだけの話しかけるなアピールなのかとかいつも気になっていた。
今日、人が彼に話しかけた後イヤホンをしまう際にスマホの接続が暴走して外に音が流出した。
ヘビメタだった。
彼は、ゆっくりとスマホの音量ボタンを、下げた。
想像すらしていなかった、ヘビメタ。ヘビメタを聞こうとしたことがない私は、ビックリした。帰ってYouTubeでヘビメタを聞いてみた。なんかちょっと違う。彼が聞いていたのはデスメタルだった。ボーカルが力強く歌詞を叫ぶのがそれという。叫んでいたから多分そっちだろう。
これまでは叫ぶのがうるさいと思っていた。だけど忠誠を誓っている上司が聞いているものだと、嫌に感じない自分が恐ろしい。
よく考えれば、ハードロックが彼の背後に流れているようなシチュエーションがよくあるような気がする。
初めてデスメタルに興味をもった、衝撃的な出来事だった。