『鳥かご』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【鳥かご】
俺はずっと鳥かごに閉じ込められてたアイツの放った
全然飛べない癖に羽をばったばた羽ばたかせ
落ちて、死んだ
飛べないくせに飛ぼうとしたせいだ
だから出したくなかったんだ
鳥かご
昔インコを飼っていたんだと、会社の先輩が話してくれた。奇遇にも、僕も数年前までオウムと暮らしていた。鳥飼い同士、思わぬ共通点にふたりで大いに盛り上がることとなり、連絡先を交換して家に帰ることになった。
帰宅後、ビールを飲みながら先輩の話を思い出すうちに、どうにも懐かしさが抑えがたくなった。
それで夜8時、押し入れの明かりをつけて、薄暗い棚の奥に仕舞い込んでいた鳥かごをひっぱりだそうとした時に、異常な光景を目にすることになった。
《鳥かごのなかに、◯◯マートのラベルシールが貼られた鶏もも肉300gのパックが置かれている。》
僕は檻ごしに、まじまじとそれを見つめる。消費期限は今日だ。製造日の欄には、4日前の日付が記載されていた。
「こんなことってある?」
僕は自問自答する。
オウムのタナベクンが死んでしまってから、数年間放置してきて、ずっと触れもしなかった鳥かごの中に、なぜかスーパーの肉が入っている。たちの悪いイタズラだろうか。
でも誰が?どうしてこんなことを?何か、養鶏に対する主義主張を持つ人のアートなのだろうか?
疑問はたくさんあるけれど、このままこれを放ってはおけない。ここは美術館ではなく、7月末を暮らす僕の家だからだ。この暑さのなか、鳥かごの中の肉を放置しておくとどうなるか、想像するのは難しくない。
とりあえず取り出さなければ、救うこともできない。扉を少し揺さぶってみたが、さびついているのか動かなかった。クレゴーゴーロク(という、自転車の手入れなどに使うオイルがあるのだけど)なら何とかなるかもしれないけれど、食材の上に、体に悪そうな油がかかるのは嫌だ。
なら、ペンチで鉄柵をねじきってみようと、部屋から青い工具箱を持ってきたけれど、それもうまくいかなかった。ドライバー・セットが3セット入っているだけだったのだ。3本のマイナスドライバーと、15本以上のプラスドライバーが僕を静かに見つめている。
「それで、我々に何をしてほしいんですか?」といいたげに。
20分ほど僕は黙考した。最終的に残された道は3つのように思われた。
―――――
①鳥かごごと、お肉を冷蔵庫に仕舞う。ただしその場合、冷蔵庫に入っているすべての食材を外に出さなければならない。鳥かごは鳥を飼うための檻だ。それは存在するにあたって、それなりの大きさであることを強いられている。
②鳥かごをゴミ袋に入れて、今週の燃えるゴミの日を待つ。この場合、方向性はシンプルだ。ただし、ゴミの日は数日先なので、それまでの間、僕はこの夏を静かに腐敗していく肉と暮らさねばならない。
③家から逃げ出す。そして永遠に戻らない。少なくとも、僕以外の誰かが事態をなんとかしてくれるまでは。ゴキブリが出たとき、家族に任せて逃げ出すように、不条理を他人に譲って身を隠す。
―――――
強く惹かれたのは③だが、あまりにそれは夢想が過ぎるものだった。自分の住みかから、永遠に逃げることなどできようもない。家賃、ガス・水道・光熱費も、毎月つつましく僕の帰りを待っている。
かといって①もおかしい。肉ひとつのためにその他すべての食材を捨てるのは、どうなのだろう?しかもその肉は急に僕の前に現れたもので、なにひとつ思い入れのある存在でもなかった。◯◯マートで、ひとつひとつ値段を確認して買い物かごに入れたとか、恋人に美味しいご飯を作ってあげたくて買ったとか、そういうものでもない。
言うなれば、その鶏肉は、突然出会った他人なのだ。
答えは②しかない。捨てるしかないのだ。オウムのタナベクンが10年も暮らした家だとしても、そうするしかない。
そう思った途端に脱力感が湧いた。僕は埃っぽい床に座り込んで、その鳥かごを見つめる。タナベクン、と弱々しく記憶のなかの友人に話しかける。
君の思いでの家を破壊しちゃってもいいかな。正直あんまりいいことのように思えないんだけど、肉が腐ると困るんだと言ってみる。
薄汚れた押し入れのなかで、鶏肉がこちらを見ている。
死んだタナベクンよりも立派な亡骸が、こちらを見ている。
「貴女はそこにいればいいんだ」
私が生まれてからずっと言われ続けていた言葉。
──私は籠の中の鳥。
外へ行くのは学校と社交場へ行く時だけ。
そのほかの世界のことは知らない。
最初は当たり前だと思っていた。
だけど、服が小さくなる度に、外への興味が湧いてきた。
「貴女はそこにいればいいんだ」
両親、親戚、使用人……全ての人が口を揃えてそう言った。
だから、私も思うようにした。
知らないフリをすればいい、それが幸せなんだ、と。
──私は籠の中の鳥。
綺麗なドレスを着た私はふと夜空を見上げた。
鳥だって、空の星くらい見て世界を想像するくらいの自由はあってもいいよね?
「……星を見るのがお好きなのですか?」
不意に声がした。
振り返ると、燕尾服を着た若い男性がにこりと微笑んでいる。
「……いえ、ただ見ていただけです。世界はどれほど広いのかと……あ」
しまった、と思った。
明らかに失言であった。
……そのはずだった。
「ええ、分かります。世界は私達の知らないほどに、想像も出来ぬほどに、色んな人種、色んな生物、色んな文化が広がっているのかと思うと、胸が躍りますよね」
彼はそう言った。
彼は間違いなくそう言った。
一見真面目そうな彼がそう言ったのだ。
「……変だと思わないのですか?」
「何がです?」
「私が、ある一族の娘である私が、世界を知りたいだなんて、非常識だと……」
私がそう彼に問うと、彼はくすりと笑ってこう答えた。
「貴女が知りたいと思ったことは、例え世の中の役に立たなくとも、必ず貴女の役には立つはずです。その好奇心・探究心は忘れてはいけませんし、捨ててはいけません。……貴女は世界を知って良いのです」
その言葉を聞いた瞬間、何かがはじける音が聞こえた。
私の世界が変わった気がした。
──私は籠の中の鳥。
──でも、その籠を今、貴方が解き放ってくれた。
■テーマ:鳥かご
鳥かご
こどものころ
ともだちの家に遊びに行ったら
鳥かごの中に文鳥がいた
よーく見ていたら
文鳥が口を開いた
あ、この鳥
歯がある
そう言うと
ともだちには全否定された
あるわけ無いって
まあそうだよね
なんでそう見えたんだろ
鳥かご
僕たちは、飛び方を知っている
努力して得たもの
だから、自信をもっている
故に、籠から出ることができない
自分の努力を信じているから
籠は空いているのに
信じる故に出ることができない
焦れば焦るほど、自分の努力を信じる
が故に、疲れてしまい、絶望してしまう
ならばこそ
力を抜いて、慣れないことをやってみてはどうでしょう?
そしたら、籠から出ることもできてしまうかもですよ
ごめん,なんも思いつかなかったw
みんなはさ、グミは好き?
俺は、この世で1番嫌いw
お題:鳥かご
Title【動物の籠と】
鳥は、かごにはいってた
うさぎは、かごにはいってた
虎は、かごにはいってた
ほかの動物も、かごにはいっていた
私達もなんだか、
かごにはいっていっているような気がした。
鳥かごに入っていれば安心を得られる。
でも引き換えに自由をなくす
自由が羨ましくなって外に出れば、もちろん
自由を得られる
でも引き換えに安全でなくなり安心をなくす
自由とは危険でなんの保証もない
それでも欲しいと思うんだ。
だったらとことん、怪我しよう
鳥かご
鳥かごの中に一匹の鳥が入っている。
その鳥はインコだ。
インコは物真似が得意だ。
飼い主が言った言葉をよく真似して遊ぶくらい生意気なインコだ。
僕はこのインコが少しばかり苦手だった。
なぜ苦手かというとインコにバカにされるからだ。
鳥かごに入ってじっとしてるやつが僕のことを見ている…。少し気分が悪い。
僕「やい、なんでいつも僕のことからかうんだ?お前は。」と問うとー。
インコ「やい、なんでからかうんだ?お前は。」と真似してきた。
僕「真似すんなよ。お前はすぐ真似するな。」
インコ「真似して何が悪いんだ!」と言ってきた。
このインコは本当に頭よすぎる…。
悔しい…。インコに負けるとは…。
僕もまだまだだなあ。
そして、インコは鳥かごの中で羽をばたかつかせたのだった。
終わり
ダウンフォール
悪事と悦楽の交差点
古びた秩序は捨て去った
若い魂が肉体の中で反響している
耐えられなくなり、髪を短くした
列車に揺られながら君を想う
日が落ちてもいっこうに夜は来ない
でも気配だけは微かに感じる
そして霊園に溶けていく
無数のカラスが見つめてくる
約束された崩壊へと、新しい理念へと
徐々に僕らは近づきつつあるのに
それでもなお、反芻し続けているんだ
記憶が改変されても、骨までは作り替えられない
それだけが唯一の救い
生命のハーモニーを奏でるとき
真の自由は湖畔へ
月明かりに照らされ
間もなく静寂な夜が降りてくる
「確かに君は鳥籠の中にいるね。
まだしばらくそこにいる?
ドアは開いているよ。」
〜鳥籠〜
この星での体験は
もう終了していい時が来たんだ
今までは
終わらせようにも
なかなか難しかったんだ
そこで
元の世界の仲間が
手を貸してくれた
そして僕達は自分次第で
次に進めるようになっている
鳥かご
部屋の片隅に吊るされた鳥かご
中身はもうずっとからっぽだ
それなのに
毎日掃除をしてお水を変える
時に、飾りつけをしてみたりする
帰ってきてほしい
切なる願いが叶うことはなく
今日もからっぽの鳥かごと共に
からっぽの一日を過ごす
高台にある海の見える公園で
おじいさんが空の鳥かごを持ってベンチに座っていた
どうして鳥かごを持っているのだろう?
不思議に思った私は声をかけてしまった
「おじいさん、どうして何もいない鳥かごを持っているの?」
するとおじいさんは微笑んで
空の鳥かごを海に重ねた
「鳥かごに景色を閉じ込めているんだよ」
#1 鳥かご
ちょっといいお菓子をひとりで食べる。イヤホンをして、静かに扉を締めて、鍵をかける。子犬のように光るスマホ。窺うような瞳で私をとらえないで、おもちゃで遊んでらっしゃい。そのまま遠くでおとなになって。
いつだって僕は鳥かごの中
誰が来ても扉は開かない
開けてくれる人は誰もいない
自分から開けようとも思わない
これが文字だと理解し始めた時から
僕はいつだって、布で覆われた真っ暗な鳥かごの中ど
1人静かに蹲っていた
何度か扉を開けることがあったが、
入ってきた大人に汚された
心も、体も、外も、中も……
だから僕は
開けることは無い
例え外に綺麗な風景が広がっていたとしても
"自由" "解放" "独り立ち"
誰も彼も笑顔で夢を語る。大海を一人飛んでゆくのだとまだ見ぬ空に思いを馳せて希望を紡ぐ。どこまでも前向きに恐れもなく一歩踏み出す。
「また会おう」
それがとても眩しくて羨ましくて,理解不能だった。
ーーーー
規則は鎖ではなく道標で,指示は重荷ではなく追い風だった。自分は無力で平凡で社会は冷たく無情だと知っていた。夢は目標であって願い事ではないし,希望は想像の産物だった。
守られている恩恵は理解していた。それは今だけの特権なのだと。脅威に晒されず暮らしの保証された住処。それが囲うだけの"ゲージ"であっても構わなかった。
衣食住 + 愛
見世物でもよかった。欲しいものは正解は与えられて 自分は自分であればよかった。だから今日も鳥籠で謳う。
蝋の羽根は熱に耐えられず崩れ落ちる。ほらまたひとり。
定額退学退職解雇…… そんな話は絶え間なく。あの頃の夢を抱えたまま息を出来るのは幾人か。夢想家は悪夢と微睡むばかり。
だから今日も謳いましょう。彼等の人生を讃える詩を。彼らの夢と希望をメロディーに乗せて。物語を綴りましょう。
己の幸福を噛み締めて
テーマ : «鳥かご» 15
【鳥かご】
僕にとってこの格子が邪魔なのだ
自由に羽で飛び回る事が出来ない
自由に飛び回る事が出来なければ僕が持つこの羽はなんの意味を持つのだろう
ただの飾りだ
役目を果たす事がなければこんなものは必要ない
いっそ自分で羽を折ってしまおうか…
考えるだけでもゾッとした
だから僕はこの大きな生命に従うしかないのだ
いつか来るその日を待って…
学生の頃、好きになったのは国語の先生だった。
好きなところは、声。部活の顧問として話す時と、授業をするときの声が少し違うのが面白かった。学生の頃はバスケットボール部に入っていたらしい。だから身長はそこそこ高い。なのに、今は文化部の顧問をしている。出会いは部活動だった。
話は変わるが、わたしが好きになった人の遍歴で唯一メガネをかけている人だった。
私の友達になる人はメガネをかけているか、目が悪くてコンタクトをしている人ばかり。
あの人は丸渕メガネをかけていた。ハリーポッターみたいで憧れた。目が悪くない私にとってメガネは縁遠いものだった。
18歳で成人という話題にあの人はこう答えた。
「早いね。20歳からお酒とかタバコとか吸うことがで
きるのに。18では大人とはいえないんじゃない。」
あれから5年が経った。先生、先生の言う大人になったよ。
作詞:上原大史
「強くなった今 あなたに会いたい いつかまた
どこかで会えたら 大人になった私見てください」
取り囲み取材。鳥籠のようだ。物理でいう自分の感性に無償に慈愛を持ちたいという私は今日も私のカゴの中の鳥。鳥の中の鳥である。鳥籠の中の鳥より、太刀が悪い。でもみて、月が綺麗。錆びた鳥籠の中は今日も明るいのです。
わたしの名前はひよこ。生前の名前は小鳥谷楓。
×んで性格を変えられると思っていたけど、どうやら違ったみたいで。いや変わりはしたんだよ。忘れられないだけ。
自室。カミソリ。無数の川の字。腕ばかり傷付けていたから、致命傷にはならなかった。
風呂場。首。太い一の字。恐ろしいほど意識を失うのが早かった。
×体を発見して、汚いわたしを片付けたってところ、想像するだけで申し訳なくなって、もう×んでるのに×にたくなる。
生きてるときは、両親の鳥かごの中でずっともがいてたな。
誰にでも愛想良くして笑顔は絶やさず。都合のいい優等生だった。みんなから評価はされてたと思う。三者面談のときとか、あまりにも良い評価ばかりで、わたしには苦痛だった。
楓という名前。名前を思い出したから調べてみたら、花言葉があった。「遠慮」であった。気持ち悪いな。
いつになったら呪縛が解けるんだ。
鳥かご