『鳥かご』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
わたしの名前はひよこ。生前の名前は小鳥谷楓。
×んで性格を変えられると思っていたけど、どうやら違ったみたいで。いや変わりはしたんだよ。忘れられないだけ。
自室。カミソリ。無数の川の字。腕ばかり傷付けていたから、致命傷にはならなかった。
風呂場。首。太い一の字。恐ろしいほど意識を失うのが早かった。
×体を発見して、汚いわたしを片付けたってところ、想像するだけで申し訳なくなって、もう×んでるのに×にたくなる。
生きてるときは、両親の鳥かごの中でずっともがいてたな。
誰にでも愛想良くして笑顔は絶やさず。都合のいい優等生だった。みんなから評価はされてたと思う。三者面談のときとか、あまりにも良い評価ばかりで、わたしには苦痛だった。
楓という名前。名前を思い出したから調べてみたら、花言葉があった。「遠慮」であった。気持ち悪いな。
いつになったら呪縛が解けるんだ。
鳥かご
竹で組んだ小さな
空っぽの鳥かご
中にいたら似合いそうなのは
メジロ
ウグイス
シジュウカラ
でも空っぽ
中には何もいない
鳥かごを見るといつも思う
自分の身体の周りには
見えない格子が常にあるんじゃないかと
格子の外に出て
中を覗いて見たとする
かごの中では右往左往
一喜一憂してる
自分がいる
格子なんてないよ
ほんとにないよ
自分で消してごらん
どこまで拡がって行っても
飛んで行ってしまっても
大丈夫
いつの日からか、誰かさんに入れたれた鳥かご。ずっと、そこから出ないようにしていた。自分の気持ちを塞いでいた。でもそれはとても不自然で、とても疲れるものだと知った。ここから出ていいですか。嫌ですか。そうですか。まあ、ここから出たところで、どこに行けばいいのって感じだよね。
私が鳥かごに閉じ込められた人生だったら。
きっと少しの隙間から必死に逃げ出すんだろうなぁ。
束縛されるのも、制限されるのも。
自由がないのも、冒険がないのも。
ひとりぼっちなのも。
私は耐えられないだろうから。
_鳥かご_
手放して 鳥は溶けたり天の青
誰も歌わず 沈黙の午後
#短歌 #書く習慣 20230725「鳥かご」
生まれた時は、守られていた。
育つ時は、応援されていた。
巣立つ時は、好奇に踊らされた。
戦う時は、痛みに嘆くだけだった。
逃げる時は、安全を求めていた。
最後の時は、安寧を喜んでいた。
これだけ聞けば良い話だが、
実の所は違うのだろう。
幼い時の記憶は残らない。
嬉しい時の記憶も残らない。
ただひたすらに苦しい時を、
有益だからと覚える脳のせいで記憶している。
だから、安寧を手に入れても変わらない。
残っているのは、苦しい時の記憶だけだ。
……なら、最初から閉じ込もるべきじゃないか?
好奇や憧れなど忘れて、抱くことすらなく、
ただひたすらに、
何も無いことを繰り返す。
それこそが全てでは無いか?
そう考えたから、彼らは何もしないのだ。
【お題:鳥かご】
┌────┐
| 一言 |
└────┘
幸せだからと、閉じ込めるのも、
閉じ込められるのが、可哀想と言うのも、
どれもエゴで、強制するべきでは無いのでしょう。
私の人生は鳥かごに閉じ込められているみたい
自由がなくて
やりたいことができない
友達を作る度思う
羨ましい
私だってたまには外に出たい
鳥かごは狭くて熱くて
牢獄のよう
そろそろ外にでてもいいと思う
けどダメみたい
私はいつまであなたのペットなんだろう
私はいつまでここにいればいいんだろう
今日もまた鳥かごの外から笑っているあなたを
眺めるだけだった
〈鳥かご〉
今日は浴室のリフォームを行う日だ。
せっかく高い金を払ったのだから業者どもには奴隷のように働いてもらわなくては。
「ちわーす」
来たか。私は業者がつくやいなや、さっさと作業を始めるよう命令した。
「では始めますね」
業者の男はいきなり家のテレビをゴルフクラブでぶっ壊した。
え?何これ。
しかし私が止める間もなく業者の屈強な男たちは雄叫びを上げながら家の家電を破壊し、壁に穴を開けた。あと鳥カゴに入っていた鳥も逃した。
なんか話が違うぞ。
私は止めに入ったが突如現れたストレッチマンに首を殴打され意識を失った。
─そう私は知らなかった。
実は今回のリフォームには家を半壊させるオプションが付いていたのだ。
ちなみに半壊オプションはデフォルトでチェックが入っている。
私は倒壊した柱に押しつぶされ息を引き取った。
「見積明細をよく見ていれば気づけた話なのにな」
ストレッチマンは冷めた目で瓦礫の山を見下ろした。
あと今さらどうでもいいけど浴室はちゃんときれいになった。
私は自由を求める鳥籠の鳥である。
狭い狭い鳥籠の中で
どうにか救われようと惨めに足掻く、
哀れな小鳥である。
鍵が開く。
十数年間開くことがなかったのに。
「もう君は自由だよ」
と言われても私はどこに行けばいいんだろ。
この世界しか知らない。
まっさらな世界。
この世界にずっといさせてよ。
何も考えたくないの。
この中にいさせてよ。
ここにいる自由を私にちょうだい。
「羽ばたき方を教えよう」
そんなものはいらない。
この中にいたい。
「君は幸せになる権利がある」
十分幸せよ。
私の世界を、幸せを、勝手に決めないで。
鳥かごなのに、鳥かごの中に鳥はいない。
言われなくてもわかる、からっぽだ。
ただ寂しげに置かれて、揺られて。
鳥かごを見る度、わたしの心が揺れたように
ぐちゃぐちゃになっていく。
ねえ、ねえ。何故飛んでいってしまったの?
自由が欲しかったの?
こんなに狭い鳥かごじゃ、自慢の羽も広げられないって?
……ああ、そうかい。
広い空が見たかったのかい。
『鳥かご』
人間はこの世に生をうけた瞬間に
鳥かごの中にいる
その中で生涯精一杯生き
やがて、みな窮屈な鳥かごから巣立っていく
永遠に、ゆりかごの中にいられたらよかった。
でも、他人は言う。そこは、鳥かごだよ、と。
そこから飛び立たないといけない、と。
勝手なこと言いやがって。外の世界でなんて、生きていけるワケないのに。
しかし、ある日、ゆりかごは、ぐちゃぐちゃに破壊された。
オレは、飛び立ったんじゃない。ただ、追い出されて地を這うしかなかったんだ。
今日は歌を歌いましょう
貴方が喜んでくれるように
今日は手のひら甘えましょう
優しくなでてもらえるように
今日は羽を休めましょう
貴方が安らかであれるように
今日は優しく眠りましょう
有限の時を忘れぬように
私はここから出られぬ小鳥
閉じ込められて、歌を歌う
私は貴方にかわれた小鳥
鳥かごで眠る、変わらぬ日々を
11.『鳥かご』
鳥かご。
鳥かごは
鳥が
自由に飛びたい時には
不自由な物?
狭いとこに
入れられるのが
かわいそう。
私も
家の中にいると
鳥かごと
変わらない
環境なのかも?
鳥かごをしたって、鳥は苦しいし苦しむだけ。
だったら、自由に羽ばたかせてあげたほうが、鳥にとっては嬉しいだろう。
なんたって自由になれるし輝けるのだから。
それを補助してあげるのが、飼い主のつとめ(役目)であると思う。
鳥の場合だけどね。
守っているのか
閉じ込めているのか
主人はそしらぬ顔
籠の戸をそっと開けて
飛び出してみる
まるでわたしは鳥かごの中の鳥。
狭い世界しか知らない。
これが全てだと思ってる。
ずっとそこにいると、扉が開いてももう飛べなくて。
鳥かごから逃げ出して、広い世界に出よう。
深い亀裂が走った港
桟橋には
ダリアが咲いている
乗り遅れた飛行機が上空に
必死に伸びてゆく
飛行機雲が垂直に伸びてゆく
あの靄を乗客は知らない
海風が運ぶ郷愁に砂を被せた
そっと目を伏せる
本気なの?そんなに面白い?
もう必要ないフォルダーを処分する
新しい名前を付けたんだ
刷新された風景に
僕は新しい顔を装着している
真新しいスニーカーに名をあげよう
淘汰されるべき
淘汰されるべき
時間が埃を被らせる
僕はあなたのしもべなのだろうか?
生涯共にするだろうあなた
愛すべきあなた
誰かに足蹴にされれば、最後まで
僕だけは あなたの味方だ
飛行機雲は散らばって
朝日を茜色に染め上げた
大丈夫じゃないんだ
ネェ
限りない自由よりも
管理された不自由の方が
本当は楽なんじゃない
ネェ
わざわざ外に行って
辛い思いするのは嫌です
ネェ
もう何もする気 ネェ
が起きないんだ ネェ
よ ネェ
私は涙を拭った
今日は
やけに騒がしいな
うちのインコ
#鳥かご