賽目

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生まれた時は、守られていた。
育つ時は、応援されていた。
巣立つ時は、好奇に踊らされた。
戦う時は、痛みに嘆くだけだった。
逃げる時は、安全を求めていた。
最後の時は、安寧を喜んでいた。

これだけ聞けば良い話だが、
実の所は違うのだろう。

幼い時の記憶は残らない。
嬉しい時の記憶も残らない。

ただひたすらに苦しい時を、
有益だからと覚える脳のせいで記憶している。

だから、安寧を手に入れても変わらない。

残っているのは、苦しい時の記憶だけだ。

……なら、最初から閉じ込もるべきじゃないか?

好奇や憧れなど忘れて、抱くことすらなく、

ただひたすらに、
何も無いことを繰り返す。

それこそが全てでは無いか?

そう考えたから、彼らは何もしないのだ。



【お題:鳥かご】



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| 一言 |
└────┘

幸せだからと、閉じ込めるのも、
閉じ込められるのが、可哀想と言うのも、
どれもエゴで、強制するべきでは無いのでしょう。

7/25/2023, 10:16:10 AM