『香水』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
香水
香水は嫌いです。
頭が痛くなります。
エレベーターで勝ちあってしまったら、全力で息止めます。
香水
香水は
大人の香り?
私が好きなのは
ウッドな感じ。
残り香も
残ってないくらいだけど
想い出の中で
探してる。
香水
佇まいの美しいあなたが
身に纏った やさしい香り
あなたは 私の憧れでした
お元気でしょうか?
君のつけてる香水は
もう、ここにはない
あなたの匂いを感じたくて
あなたと同じ香水をつける
入浴を済ませ、いつもよりも念入りにボディクリームを塗る。ちょっとお高めのコレはこういった類の中では珍しく無香料で、乾くと肌触りがツルツルで気に入っていた。
それから顔に化粧水、乳液、パックをして、彼の毛を乾かしてヘアオイルを塗る。コレも無香料。パックを外して余った液は手に塗りつけて。
次は化粧。いつもより少し華やかに。小ぶりだけど上品なピアスを付けて、それとお揃いのネックレスを付ける。
髪の毛をアイロンで巻いて、この日のために買ったちょっといいワンピースに袖を通す。
髪の毛を後ろ手で括って頸を晒すと後ろから伸びてきた手がワンピースのチャックを背中から上に上げてくれる。最後のホックが首の後ろでプチッと止まった音がした。
「先輩、とても綺麗ですね」
「ありがと」
「ここまでする必要あります?」
「同窓会なんてね、値踏みだよ、値踏み。結婚してるか、子供はいるか、そんな事ばっかりが話題なんだから」
少し落ち着いた色のルージュで唇を彩り終えて、全身鏡で最終チェックする。髪型良し、化粧良し、服良し。
「だから私は、せめていい服着て着飾って今がとっても幸せですってアピールしなきゃいけないの」
「.....成程。ではコレも有効かと」
シュッという音と共に頭上からベールをかぶせる様に嗅ぎ慣れた匂いが降ってくる。高級感のあるムスクの香り。彼がいつも付けている男物の。
「コレは安いものじゃないです。こうする事でアナタにはそこそこのステータスで、そして同窓会に行かせるのでさえこうやってマーキングをするぐらいアナタにゾッコンな恋人が居るのだと分かるでしょう?」
彼は自らの手首にもシュッと一振りしてその手首を私の首や胸元へ擦り付けた。
「...後は、アナタを射止めようと近寄ってくる男共もこのマーキングで近寄れなくなるかと」
「ふふ。ありがと。これで少しは肩身の狭い思いをしなくて済むよ」
抱きつこうとして気づいた。口紅をしていなければ、この可愛い嫉妬と独占欲を見せる恋人に甘い甘いキスをしてやれるのに。私のことが好きだと言葉と行動で表してくれる、本当に彼のそう言うところが私は大好きなのだ。
「じゃあ行ってくるね」
後ろ髪を引かれる思いで玄関の扉に手をかけた。
「待ってください」
振り向くと彼が私の手を取った。
「堂々と同窓会に行ける方法まだ他にもあります」
「ん?どういう事?」
「結婚しましょう」
そう言うとどこからともなく指輪を出して私の薬指にはめた。なんて?ここで?今?いきなりの事に混乱して私の口はぱくぱくと動くだけでまともな言葉が何も出てこない。
「...え?な、なに..?」
「こんな形でプロポーズする事になるとは思いませんでしたが、たった数時間だとしても貴方に肩身の狭い思いだなんて絶対にさせたくありません。返事を聞く前に指にはめてしまってすみません。取り敢えず同窓会の間はこの指輪をつけて行ってくれませんか」
指輪にはまった綺麗なダイヤの指輪。それから目を離し見上げると耳まで赤くなった彼が居た。ああ、もう。
口紅を塗っていた事なんて忘れて彼に飛びついた。
動いた事でふわっと香る彼の匂いが2人を包んだ。
きっと今日は空気が揺れるたびにこの香りが私を幸せな気持ちにしてくれるだろう。
私は返事代わりのキスをした。
「匂いも苗字も君のになっちゃうね」
「ソレ最高ですね」
#香水
「香水」
フワッと香ったその瞬間、すぐにあの人だと分かる。
さわやかな中に、誰も触れてはいけない何かを秘めている、そんな香り。
心の奥深くまでは知ることのできないあの人とよく合っている。
あの人の近くにいると自分が、あの人に酔っているのか、香水に酔っているのか、分からないくらいぼーっとしてしまうんだ。
うちのオカンがなー?
最近海外旅行帰りの友達からお土産もろたんよー
へぇーそうなん?何もろうたん?
それがなー?もろたのはええけど どないして使ぅたらええかわからん言うんよー
え?なんや?大きさはどのくらいなん?
まぁ、手のひらサイズやな
瓶に入っててな?ええ匂いもする
箱に ドルなんとかって書いてあったんよー
そら ドルガバやないかいっ!
いやでもなー?おかんは多分違う言いよるねん
なんかええ匂いするんやけど固まってるー言うねん
そら ドルガバやないなぁーーー
って
頭の中であの人達のコントが始まってしまいました
《 香水 》
A&
「香水」
その香り
セピア色のあの頃を
思い浮かべる
香水…
そんな匂いを嗅いでみたい。
かみさんは格好はもちろんだが、
匂いにも無頓着。
何も感じなくなったな〜。
今、電車に乗ってるが、
隣の人はいい匂いがする。
これが香水か。
懐かしいし、ちょっとドキドキするな〜。
―香水―
香水は自分の為だけにつける
残り香なんて虚しいじゃん
お題「香水」
そばにいて気づいた優しい匂い。
柑橘ではない、かと言って甘ったるいしつこい匂いでもない。
ただ優しく、甘いのだ。なんとも言えない匂い。
「何か香水つけてる?」と聞いたけれど、何もつけていないという。
「じゃあシャンプーかなぁ」という所作からも、ふわっと優しく風に乗ってきた。
香水ではないなら探しても無意味だろうと思いつつ、その日以来、私は香水コーナーを通るたび、
あの人に似た香りを探している。
妙に安心する、あの香りを。
たかがバイトにSHIROの香水。
好きな人がいるなら、どこだって自分史上最高に。
香水の甘い香りにふっと包まれる。
部屋の片付けをしていたら引き出しの奥底に、何故か隠されるように仕舞われていた箱に興味が湧いて開いてみればそれは香水だった。ほとんど使われていないようにも思えるが一応開封済みらしく、首を傾げながらも手に取った。こんなもの買ったっけ?正直記憶に無い。好奇心から手首に一度吹きかけた。
その途端胸いっぱいに広がる甘い香り。前触れもなく涙がぼろぼろと零れては頬を伝って落ちていく。これは確かに君の、君が着けていた香り。その香りが好きだと、お揃いになりたいと言ったら誕生日にくれたもの。初めてこれをつけてデートに向かったらいつまで経っても君は来なくて、諦めて帰ったら君が事故に遭った、と。二度と会えない君のことを何故忘れていたのか。
いや、違う。思い出したら遣る瀬無くて辛くて愛おしくて泣いてしまうから記憶の奥底に封じ込めたのだ。手放すことが出来ない君の香りと共に。
香水は、香りは記憶と結ばれているから、と。
[香水]
この匂いを嗅ぐとあなたのことを思い出す。
あなたとの大切な思い出が詰まった思い出の香り。
久し振りに会った彼からは、すっきりとした鈴蘭のような香りがした。
どうやら仕事先で貰った香水を付けてみたらしい。
無意識に薄い反応を返していたのだろうか、
「香水は苦手でしたか?」と心配されてしまった。
鈴蘭の香りは好きだ。
その甘ったるさのない香りは彼にも合っている。
ただ、少し寂しかったのだ。
いつも彼からする古い紙と珈琲と煙草が混ざったほろ苦い匂いが、どこか落ち着くあの香りが消えてしまったのが、少し。
【香水】
お題「香水」
昔通っていたピアノ教室の先生。教室に入ると、ふわりと花のにおいがする。
もう昔のとこでうろ覚えだが、とても心地良い香りだったのを覚えている。先生によく似合う香水だった。
もうすこし大人になれば、私に似合う合う香水に出会える日がくるのかな?
失恋したらその髪を頂戴よ、突き返された愛情とおんなじくらいの
君の眦に泣き跡が染みていたのが憎らしくて、苦しくって痛くて
君の内蔵やら身体やら空っぽになったあとに呼んだくせに、卑怯なくせに、怯んでるの
君に刻み込まれた人、傷を残した人、ひとりひとり呪ってやりたいくらいなの
忘れてしまえよ、今宵くらいは哀れな罰を
嫌になったらその切れ味のいい鋏でばっさり断ってしまえばいいんだ
『香水』
金木犀の香水。
ラベンダーの香水。
鈴蘭の香水。
桜の香水。
わたしはお花の香水が好き。
気分に合わせて香水を選ぶ。
あなたがわたしを抱きしめる。
あなたが言う。
「〇〇はいつも優しい
お花の香りがするね。
香水を付けていても
付けていなくても大好きだよ」
そして、
優しくて明るい笑顔を
向けてくれる。
その笑顔が、
あなたの笑顔が。
一番大好き。
026【香水】2022.08.30
さようなら、あなた。もう二度と、会うことはありませんね。だから、あなたからもらったこの香水も、捨ててしまいます。
私は、香りをつけるのはあまり好きではなかった。ただ、あなたがリクエストするからまとっていただけ。あなたとの縁が切れるいま、私は無香無臭の私にもどります。
香水は瓶の半分より下に減っています。それほど長かったえにしでした。だけど残りのそれもティッシュにぜんぶ染み込ませて、燃えるゴミの日に。サンキャッチャーのようにきらきらしたこの瓶も……お気に入りだったけど、燃えないゴミの日に。
香りの微粒子すら、一切残さずに。さようなら。