『風邪』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「ゴホッ……ゴホゴホッ!」
喉奥で小石が転がってるような痛みが走る。
鼻が詰まって息がしづらくて、口で呼吸する。
そうしたらまた咳の波がよし寄せて、布団の中でうずくまった。
「酷い咳ね。大丈夫?」
僕の症状を気にして、母が体温計を持ってきた。
僕は体温計を受け取ると、銀色の先を脇に挟んだ。
ピピピッ……38.7℃。
下がりそうにない熱に、頭がクラクラする。
熱さまシートも沸騰したみたいに、冷たくなくなった。
僕はとにかく、ほてった体を少しでも下げたくて、母の手をほっぺたに当てた。
「んー、母さんのおてて、ひんやりして気持ちいい……」
「あら、いつもだったらべったりしてこないのに」
母は意外そうに驚いたあと、目元を細めて笑っていた。
僕だって甘えたい時があるんだよ。
いつも、お仕事で忙しくしてるから、わがまま言わないでおとなしくしてるんだ。
でも、今日は風邪を引いてよかったと思う。
母と一緒に居られて僕は嬉しい。
この時だけ、僕は甘えられることを許されるんだ。
風邪
転職して、1ヶ月ちょっとが過ぎた頃、
朝起きると身も心もとてもしんどかった。
熱がある訳でもないから、出勤したほうがいいかなぁ…
少しの間悩んだが、職場に電話し、休むことにした。
入社したてで、疲れが溜まっていたんだなと思ったが、
そうやって自分に言い訳して、休んでしまったと、
罪悪感を感じた。
でも、1日中ベッドで安静にすると、明日には大分楽になっていた。
改めて、睡眠の凄さと、自分を労ってあげることを忘れてはならないと思った。
日々、色々大変かと思いますが、皆様もご自愛くださいね。
#81 風邪
移るよ、移る
でもそばにいて、そばに
しばらく、風邪をひいてない
風邪で体調を崩してない
母は言った
あなたは小さい頃から
熱を出すことが少なかったと
子供の頃は熱が出て
学校を休める子が羨ましかった
大人になっても
殆ど熱が出た記憶がない
お母さん
親となった今は思う
丈夫に産んでくれて
本当にありがとう
[ #47. 風邪 ]
何だか考えがまとまらない。 鼻水も出るし目も霞む 絶対風邪だ 身体をあったかくして寝よう 今日は贅沢してだらけよう 治った次の日も贅沢だ。 風邪ひく位頑張ったんだ。 と言うかこうでもしないと贅沢の仕方を忘れる
喉が痛くて空咳が出る。頭がぽーっとするし動くのもちょっとしんどい。
『風邪だろ、それ』
「え」
『俺もうあがるとこだから、スーパー寄ってお前んち寄るわ。なんか欲しいもんある?薬はあるんだよな?』
「うん、多分」
『じゃー適当にお前が食えそうなもん買ってから向かうわ』
じゃあな、と言った電話の相手。このままでは切られてしまう。
「ま、待って!」
『あ?どした?』
「まだ分かんないよ。ほら、ちょっと一時的に具合悪いだけで、別に風邪じゃない……かもだし」
『どー見たって風邪だろそれは。いや見てはいねぇか。熱は?』
「……まだ」
『じゃあ今計ってみろよ。このまま電話繋いでてやるから』
「いいの?」
『おー。今、駅に向かって歩いてるとこ』
さみー、と少々お気楽な君の声。なんでそんな気楽でいられるの。私はそんなに楽観的になれない。だって、これで本当に熱があったら。本当に風邪だったら。明日のデートは中止になっちゃうんだよ。もやもやしながらじっとしてると胸元からピピピと電子音が鳴る。
「……38℃」
『カンペキ風邪じゃん』
ははは、と笑い声が聞こえる。大好きな君の声なのに、今は痛いほど心に染みて泣きたくなった。もう駄目だ。これでもう明日は君に会えないのが決定してしまった。
「ごめん」
『なにが?』
「風邪だったから。だから……明日、遊びに行けない」
『なんだそんなことかよ』
そんなことって。明日のお出かけ、すっごく楽しみにしてたのに。こんなことになっちゃうなんて。私の風邪のせいで、こんな。じわりと涙が溢れ出す。
「こんな、ことに」
『ばーか。遊びになんてのはいつでも行けんだろが。それに、今からお前に会いに行くんだから悲しむことねーだろ』
「うん」
『治ったらお前が行きたいとこ決めろよな。これ、治るまでの宿題。もちろん早く治すのも宿題。お、電車来るわ。んじゃ、あとでな』
そんな、わくわくする宿題を課して、彼は電話を切った。早く良くならなきゃ。そう強く決意した。
風邪
(ヤバい、なんか喉が痛い……)
イライラと仕事をしていると、会社の空調がいつもより乾燥しているように思えて、喉をさする。コホッと小さく咳き込むと、通りかかった同期が立ち止まった。
「風邪?」
「うーん、そうかも……。でも大丈夫」
インフルエンザとか言われるとややこしくなる。私は作り笑いで切り上げようとした。
「コレあげる」
デスクに置かれた、はちみつのど飴二つ。
(意外……)
彼のイメージじゃない飴を見て、彼の顔を見直すと彼はくすっと笑った。
「結構美味しいから」
「あ、ありがと……」
そして彼は、もう一度にこりと笑うと足早に去っていった。私はその背中を見送ると飴を一つ口に入れた。口の中をゆっくり転がすと、はちみつの優しい甘さがとろりと広がり、疲れた心も少し甘やかされるようで。
(こういう時、優しくされちゃうと効き目強すぎるんだよ、人誑しめ……)
#121
心の風邪をひいたら
あなたの笑顔で
癒して欲しい
こじらせた、、、
風邪___
2023.12.17
風邪
風邪でだるそうに寝る君が愛おしくて
可愛いその寝顔にキスをして
きっとそのことを言ったら
君は顔を赤くして怒るんだろうな
でも、愛おしい君が
風邪になると甘えてくれるのも
いつも冷たくなっちゃうところも
大好きだよ
息子が風邪を引いた。
昨日雪が降るほど寒い中、長時間外に出ていたのが原因なのだが、理由を聞いても「うるさい」としか答えない。
息子は理由を言わないが、大方察しはつく。
息子が友人とよくやってる勝負とやらに関係があるのだろう。
私達家族は年内に海外に引っ越す。
もう時間がない彼らは最後の勝負と称して、それを寒い屋外でやった。
そんなところだ。
高校生になって少しは大人っぽくなってきたと思ったが、まだまだ子供のようだ。
昔ならいざ知らず、今の時代に今生の別れはあるまいに。
いや、あの年頃は今生きている瞬間が全てなんだろう。
いやあ、若いっていいねぇ。
と、おかゆが出来たので、息子の部屋に持って行く。
ノックすると返事があったので部屋に入る。
眠たそうな息子におかゆを渡すと「ありがとう」と言われる。
ありがとう。
何年ぶりかに聞いた言葉だ。
思春期で、何かにつけてうるさいとしか言わない息子がありがとうを言うとは!
体調でも悪いのか?
と疑問に思ったが、そういえば今風邪をひいているのだった。
極力表情を変えないようにして、息子の顔を覗き込む。
いつも眉間にシワを寄せてカリカリしている息子も、今ばかりは穏やかな表情をしている。
風邪をひいたことで、怒る気力がないのだ。
そうやって穏やかな顔をすれば、可愛いのになあ。
というのは親のヒイキだろうか?
食べ終わって、皿を「ん」と言って渡してくる。
至福の時間は終わりらしい。
皿を受け取って、部屋を出る。
熱も下がってきたから、一眠りすれば元気になるだろう。
風邪が治ったら、あの可愛い顔を見られなくなってしまうだろう。
残念なことだ。
息子よ。
もう一度その可愛い顔を見たいから、また風邪をひいておくれ。
なんてね。
〚風邪〛
風邪をひいて学校を休んだら、クラスメイトが全員「風邪ウイルス!風邪ウイルス!」と言って迎えてくれた
彼らが風邪の正体だったなんて、笑ってしまったよ
【風邪】
風邪の夜は冷えた香りがする
身体は熱く
指先は冷えている
澄んだ匂いに
鼻の奥がしんしんと痛む
#風邪
風に吹かれて
邪魔された
やりたいこと全部全部
それが風邪
君は風
風邪をひいた時は、よくアニメみたいに好きな人が家に看病しに来てくれたらなって想像する。
風邪
ここ何年も風邪引いてません。コロナ禍で病院に直ぐに行けなかった時は、真剣に対策してましたし。元々身体が丈夫でないから、余計に気をつけて生活してました。
コロナが普通の風邪と同じように受診出来ても、まだまだ対策して暮らしてます。循環器科に通っている手前気が抜けないのよね。
わたしの場合、一病息災ってのに入ると思ってます。風邪引かないのは良いだからね!
風邪をひいて学校休んだ時、家のテレビで3chの15分番組を見るのが楽しかった。自分だけ特別のことをしている気がして、学校にいるみんなはこの瞬間にはテレビを見れないのに自分だけ見れてる。番組の内容が面白いとかそんなのは関係なくて、ただただ日常という空間で非日常を堪能しているただ一人の自分に酔っていた。
風邪
何てタイムリーな。
まさに今風邪を引いている。
これが結構しつこい。
これだけの寒暖差だ。無理もない。
それにしても、
インフルエンザにコロナが流行り、
風邪と聞くと何故かほっとしてしまう。
いやいや、昔から風邪は万病のもとと
言うのだから、気を付けないと。
年末に向けてご自愛を。
paki
風邪
引くの1日なら
学校休めるし、ママがおかゆ作ってくれて優しいからいいのに。
続くと学校の友達に会えなくて寂しいな
そうすると、わたしってママと友達とどっちが好きなんだろう
きっと、好きっていろいろ、なんだな。
風邪
私はよく風邪をひく
いわば風邪のプロだ
薬から飲食物の備蓄なんでもある
もちろん普段からマスクをしてる
うがい手荒いもしっかりしてる
こんなにアイテムも装備もしっかりしてるのに
風邪には勝てないのだ