『風邪』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
連絡が途絶えた。
嫌われるようなことはしてないはずだ。
なんならあっちから連絡が来ていたのにどうしたんだろう。
…あれ、俺もしかして駆け引きされてる?
でも付き合ってるのに駆け引きってするものなのか?
えーい!知らん!会って直接聞こう!
そう意気込み、あなたの家に着いたのがさっき。
どきどきしながらチャイムを鳴らす。
…出てこない。
そういえば…と合鍵をもらっていたことを思い出し、これまたどきどきしながら初めてそれを使う。
扉を開けて声をかける。
「お邪魔します…」
返事がない。
「おーい、いないのー?」
…人の気配はするのに返事がないことに一抹の不安を覚え、慌ててあなたを探す。
「あれ…?来てくれたの?」
…明らかに体調を崩したあなたの姿を発見。
話を聞くと、一人暮らしを始めて初風邪をひいてどうしようもできずひたすら寝ていたとのこと。
「心配したでしょうが!」
お母さんのような言葉をかけつつ、あなたが無事なこと、あなたに嫌われていなかったことに安堵。
そしてあなたに頼られる存在でありたいと強く思った。
「…お願いだから、俺を頼って。」
231216 風邪
39.8℃。
高熱で頭が回らない。喉が痛い。体が重い。
でも、
貴方が看病に来てくれるから。
貴方が買ってきたゼリーがあるから。
貴方がそばに、居てくれるから。
風邪とはまた違う頬の火照りが増した気がした。
【風邪】
#7
風邪
クシュン…ズルズル…昨日から、何となく体調がおかしい…こんな時に、側にあなたが居て欲しい…心の中まで、何処か、寒い感じがする…一人の夜は、切なくて…
風邪をひいて安心した
今まで病気にかかったことの無い健康体
兄弟には羨ましい
両親には嬉しい
よく言われる
けどね。風邪をひいて初めて
あぁ、自分も同じだとほっとする
#風邪
熱が出る。ちょっと嬉しい。
大人になると、一人で立たなくてはならないから。頑張ることが当たり前で、その上で成果を出さないと誰も認めてくれない。褒めてなんて、当然くれない。優しく頭を撫でて微笑んでくれる。そうして容易く得られた体温が、まるで幻のように遠くなる。
だからだろう。この特権が、たまらなく嬉しいのだ。
眠りから覚めた顔を、心配そうに覗き込む。そうして額に差し伸べられる手のひら。いつもより優しく、気遣うような愛情。
あの頃は得られた、けれど今はもう、遠ざかってしまったすべてが、今だけは全部わたしのもの。
不安そうな顔をするあなたに、こんなこと言ったら呆れられてしまいそう。だから、この思いは内緒。
明日になったら、きっと全てが元通り。それまでは、あたたかな愛に甘えていよう。
【風邪】
風邪
ふと目覚めて、
窓の外
風が吹きづさび
また瞼が落ちる
気がつくとさまざまな場所にいて、
さまざまな人と話をしている。
時には悲しい時も、幸せな時も、苦しい時もある
驚きに飛び起きる
寝汗でじっとりと濡れている背中に
ほっと息を吐く
息をするのすら辛くて、
けれど今しがた見たものが幻想でよかったと思える
しかし時にはなぜ目が覚めてしまったのかと、
頬を膨らませる。
風邪
あなたに思いを馳せるだけで
体は熱く苦しく、不安で胸が締め付けられる
夜は眠れず食事も喉を通らない
これはただの風邪?
いいえ
これはきっとあなたに患わされた恋の病
そして特効薬の処方できるのもまた
きっとあなただけ
ここ10年以上ひどい風邪をひいていない。
風邪の一歩手前の未病の時に薬を飲んだり、早く寝たりするようにしてからどうにか防げている。
ありがたいことだと思いつつ、今年から来年もこの記録を更新していきたい。
テーマ:風邪
風邪なんてもう何年も引いていなかったのに。
どれだけあの環境が健康に気を遣ってくれていたのかが今になってよくわかる。
別に風邪を引いて熱が出て寝込むほどひどい訳ではない。
でも、それでも。少しは心細くなる。
あれほど鬱陶しいと思っていたたくさんの人たちも。あんなにも逃げ出したかった空間も。何もかもが大切だったんだ。
少しだけ
少しだけ
感傷に触れる
そばで握るあなたの手
少し冷たくて心地いい
もう少し
もう少し
こうしていたい
微睡みながら夢をみる
夢の中だけは特別
あなたのそばにいさせて
あなたの熱に浮かされて
耳たぶに泡が乗るんだよね
父ちゃんは米も乗せれるぞ
あなたは歌が上手いんだね。
お父さんに似たんだね。
私、喉が弱いんだよね。
父ちゃんに似たんだな。
#風邪
同居人が風邪を引いた。
昨日から付きっきりで看ているけど一向に熱が下がらず、空咳も収まらない。
「だからさっさと髪を乾かせと言ったんだ」
「う、ごめんなさい……けほっ」
「……はあ。まあいいけど」
昼からお医者さんに診てもらおうかと言えば、明らかにゲェという顔をする同居人。まったく、いくつになってもこの医者嫌いは治らないらしい。
「とりあえずお粥作ったけど、食欲はおありで?」
「ある! ちょーお腹空いた!」
「はいはい。じゃあ鍋持ってくるから、この手、離してくれない?」
さっきから服の裾を握られていたのだが、動きづらくてちょっと邪魔、なんていうと泣き出しかねないので優しく言う。……優しいはずだ。
その考慮が効いたのか、若干渋りながらもおとなしく手を離してくれたので、お粥の入った小鍋を取りにキッチンへ。それを、水を入れたコップと共にお盆にのせてから部屋に戻る。
同居人は私を見るなり、目をキラキラさせてお盆に手を伸ばした。そんなにお腹が空いていたんだなあ。
ベッド横に置いていた椅子に腰掛けて、小鍋の蓋をとる。途端、湯気と出汁の香りが立ち上った。
「はい、どうぞ。無理せず吐かない程度に食べるんだぞ~」
「はーい! いっただっきまーす!」
同居人は、さっきまでの咳が嘘のようにパクパクとスプーンを進める。
うーん、やはりこいつは実に美味しそうに食べる。作りがいがあるというものだ。
その晩のリビングには、医者に処方されたほんのすこしのスパイスを必死に飲み下し、この世の終わりのような表情で口元を押さえる同居人の姿に、ぼくはすっかり笑い転げてしまった。
▶風邪 #47
みんな、暖かくして寝て下さい。
こんなお題のもとに、体調不良の子どもたちが集ってしまうからには。
年の瀬って、正邪問わずの通り者が多いしさ。
【風邪】
ピピピ、39度。嫌な予感はしていたけれど、実際その数字を見ると歩く気力もおきなくなる。
朝から体が妙に重いものだから、試しに熱を測ったらこれだ。会社に行かなくていいのと、しかし一日ベッドから起きれない憂鬱さとで、ふう、と溜め息ひとつ。すぐに喉に痛みが走り、咳が出る。
まずい。これは本格的にまずいタイプの風邪だ。
「大人しく寝るかあ……」
横になって天井を見るけれど、真っ白いばかりでなんの面白みもない。
昔は、両親がそれはもう甲斐甲斐しく面倒をみてくれた。やれお粥だ、やれ氷枕だ、風邪にはネギが良い、いや温かくしないと……など、病人の周りでてんやわんやする。あの騒がしさが、今となっては心地よかったのだと分かる。
静かな部屋は、寂しい。
「ひとりでなんでもできるって、思ってたんだけどなぁ」
意外とそうではなかったらしい。お腹が空いているのに、動きたくない。このままでは餓死してしまう。
ごろん、と寝返りを打ってキッチンを見るけれど、そこに手は届かない。誰か薬と食事と水を。
「おかあさん……」
ピコッ、と短く通知音が鳴った。サイドテーブルのスマホの画面が明るくなっている。ぐ、と手を伸ばして取ると、通知欄にお母さんからのメッセージ。
『元気? 風邪とか引いてない?』
「ふっ……ふふ、タイミング……」
お母さんは全てお見通しらしい。
なんとか『ひいてる』と返信し、また天井を見る。
「母は偉大……だねえ」
両親の心配そうに覗きこむ顔を思い出し、私はまた笑った。
風邪って普通に辛いのに
食べ物の味もしないのが風邪治すのにもっともきついよな熱とか咳とか鼻水とかで辛いから美味しいの食べて紛らわしたいのに味しないは食べれないわで悲しいよねあれ
その日、嫌な夢で目が覚めたかと思うと、喉奥から込み上げてくる異物感に慌ててトイレに駆け込んだ。
一度喉を滑り落ちてしまうと、それはもう制御できず、自分の意思とは関係なく何度も何度もせり上がってくる。
びしゃびしゃと打ち付けられる水音に気分が悪くなり、更にえずいた。
もう何も出てこなくなっても、食道の辺りがひっきりなしに収縮を繰り返し、えずくたびにギリっと痛む。
…うっ、おぇ。
最後に小さくえずくと、吐き気が少し引いていった様な気がした。その隙に枯渇した酸素を求め浅く呼吸を繰り返し、涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔をトイレットペーパーで拭う。
ハァ、ハァ…。
参ったな。変な物でも食べたのだろうか。
便器にしがみついていた手を緩め、視線を下に下ろしたまま右手で水洗レバーを引き、吐き出したそれらを流した。まだ少し吐き気の残る体で立ち上がると、視界がぐらっと歪む。
ガン、と後頭部を強打したかと思うとバランスの取れなくなった体はトイレの狭い空間で左右に何度か揺れながら床に沈んだ。
どれくらいそうしていただろうか。体の痛みと寒気、おまけにひどい頭痛。こんな体調が悪くなる事なんて小学生以来ではなかろうか。
ピピピ、ピピピ…
ドア越しに聞こえてくる微かなアラーム音にハッと我に返ると、這うようにベッドに戻り、もぞもぞと毛布にもぐっていく。
寒い。気持ち悪い。体全体が痛い。
ベッドサイドの引き出しを弄り体温計を引っ張り出すと、数秒後に表示されたのは"38.5"の文字。そりゃ具合悪い訳だ。
しばらく横になっていると少し気分が良くなった気がしたが、起き上がろうとするとズキッとした痛みが身体を刺した。
今日は休もう。連絡を入れなくては。そう思って携帯を手に取るが、画面を見ると先程の強烈な吐き気がぶり返してきて、だめだった。もう部屋を出なくてはいけない時刻だったが、寝返りすらままならず、ただただ体の不快感に耐えていた。
──────
「おーい、傑。寝てんの?時間過ぎてんぞ。」
そう言ってガチャリとドアを開けると、隙間から悟がひょこっと顔を出した。いつもなら、ノックしてから入るのが礼儀だろ、と正論をぶつけていたが、それすら出来ず、顔だけ悟の方に向けた。
「…入ってくるな。」
そう、強がって言うのが精一杯で言葉が続かない。
それ以上近付いたら確実にうつしてしまう。お願いだからそのまま戻ってくれ。
そんな傑の思いとは裏腹に悟は傑の部屋にズカズカと入ってくると、徐に携帯を耳に当てる。
「あ、硝子?うん、そう。傑部屋にいたわ。具合悪いっぽいから今日休むって夜蛾センに言っといて。」
端的に状況を伝えると、携帯をパタンと閉じてベッドに腰掛けた。
「何が欲しい?」
「なんか冷たいやつ…。」
「おけ。」
風邪の時は心が弱くなるのだ。先程まで強がっていた気持ちが、どこかに消えてしまったようだ。
悟が持ってきてくれた氷嚢を頭に当てるとひんやりとして気持ちがいい。
悟の存在に安堵し、少しだけ気分が良くなった気がする。
「…ありがとう。」
「いーえ、どういたしまして。」
そう言うと髪の毛をサラッと撫でる。
「こないだのこと忘れてないかんな。俺が風邪ひいてんのに襲いやがって。」
「あ…あれは…。」
「仕返し。」
そう言い、おでこに優しく口付ける。
「俺は最強だし優しいからな。今日はこれで許してやるよ。」
劣情に抗えず、欲を吐き出した自分とは比べ物にならない程、余裕がある。格の違いを見せつけられたような気がして、とてつもなく恥ずかしくなった。
「風邪治ったら、今度こそ仕返しすんかんな。覚えとけよ。」
悟は、アハっと笑いながら、乱れた毛布をかけ直して、頭をポンポンと叩く。
「本当君には敵わないよ…。」
傑もまた力なく笑い、安堵から訪れた眠気に身を任せ、静かに瞳を閉じた。
風 邪に 孕んだ悪意 放った 住宅街
僕らは 誤った かなり
ふりかえればあのあたり心あたり
近すぎる理由を ブラインド
暗黙に誓った やっとすれ違った
いつからか煮詰まった
熱い気持ちに風風
唇思い出した 邪にも
風邪
風邪ひく日は、大抵、楽しみにしていた日だ。
嫌いな用事があるから、休みたいのに、風邪ひかない。
この日すごく楽しみで、ウキウキしてたのに、風邪ひいてしまう。
そして、ずる賢い人は、気分が乗らない時に、
「ちょっと体調悪いから今日遊べんくなった」
って言ってくる。
体調悪いなら、風邪ひいてしまったならしょうがないかとなるけど。
私がされる側の場合は、されすぎて、遊びたくないだけなんやなと思うようになってしまった。
私は楽しみにしてたのにね。
相手も楽しみにしててくれたのか、遊びたくないと思われたのか、思われてるのか。知りようがない。
風邪かあ。
私は自生活のせいだが、風邪のときと同じ感じで、喉が痛かったり、体がだるかったり頭痛があったりする。しんどいと感じだ時に熱を測ると、大抵35〜36°と平熱でしかない。毎回そのような感じなので、大丈夫なんだと思うようにしている。本当はダメだろうけど。
まあ、今流行っているインフルは、小学生の頃にAとB両方かかったことがあるから、私は免疫力が高いのだと思う。
それでも、かかる人はかかるだろうし、何せ病気にならない人間は一人もいないことだろう。何かしらの病にかかることだろう。
そう、人類は不完全だ。
だからこそ、大きな病にはこの先特にかかりたくないものだ。
『風邪っぴきサンセット』
微熱の丘を越えたなら 休みなさいの合図なんだな
普段見ないテレビがいい感じ 節操なさがいい感じ
小説なんて読む気がおきない 風邪薬と手頃なジャンクフード まだ午前11時 私は浮かれて寝てしまう
スマホにLINE起きたらサンセット 何もしない自分を許す一日
#風邪
君の愛情で心が発熱
幸せの風邪、君にもあげる