『静寂に包まれた部屋』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
誰もいない、たまに外の音が聞こえるだけの
この部屋で過ごす時間が好きだ。
でもそれは、必ず帰ってくる人がいるから。
独りではないとわかったうえでの、楽しい一人の時間。
「静寂に包まれた部屋」
静寂に包まれた部屋
音も聞こえず
目も見えず
微かに頬を撫でる光を頼りに
純白に包まれた尊い命は
こうして生まれる
この部屋はしずかだ
この世界のはじまりを想像させるほどに
宇宙のすべてが見えるほどに
〘 静寂に包まれた部屋〙
静かな場所とザワザワした場所と、どっちの方が集中できる?
この部屋はいわゆる閑静な住宅街にあって、日中、特にいまぐらいの午後の時間は無音と言っていいぐらい静かだ。在宅ワークを始めてそのことに気づいた。共働きのビジネスマン層が多いのだろう。
デザインの仕事はイラストやレイアウトがメインだから、音楽とかラジオとかの耳だけの情報はあっても邪魔にならない。私はむしろ適度に音楽が流れていた方が集中できる。描きたい絵によってジャンルを変えるのもオススメ。いまはサブスクでいくらでも新しい曲が聴けるしね。
でもね、いま私の部屋にはアナログレコードのプレイヤーがあるのです!わーい!
パートナーが最近レコードにハマってて、いつもこれで聴いてるの。オシャレでいいなーって思ってたんだ。勝手に聴いたら怒るかな?まあそん時はそん時。この前いい感じのJAZZの曲を聴いてたんだよね。
プレイヤーの周りでレコードを探していると、静寂を切り裂いてスマホが鳴り出した。
おぉわ、ビックリした。別に悪いことしてたわけじゃないけど。まあでも仕事はサボってるか。
着信は上司から。私の電話の折り返しか。出ると
「ああ、おつかれさま。さっき送ってもらったデータなんだけど…」
もう見てくださいましたか、シゴデキっすね。上司は修正箇所をいくつか指摘する。
んーま、合ってるとは思うんですけど、それってクライアントに見せてませんよね?一回私の案で見せてもらって、クライアントの意見もらってから修正じゃダメですか?
っていつも言いたくなる。一回私のイメージで勝負させてよって。でも上司だからなぁ。と思っていたら
「その感じで直したら送って。今もらったのも良かったから、合わせてA案B案でクライアントに投げるから。今日中にできる?」
「え?あ、あーす。いけまーす」
なんだ上司、シゴデキじゃん。
そのあと発掘したコルトレーンの名演集を聴きながら、上機嫌で仕事をしていたら、全然違うC案が出来ていた。やっぱJAZZだわ。
「静寂に包まれた部屋」
この部屋は静かだ
でもこの部屋も前は賑やかだった、貴方がいなくなるまでは
「お願いだからかえってきてよ…」
貴方がいないとここは永遠に”静寂に包まれた部屋”なの
お題:静寂に包まれた部屋
メトロノームの音を聴き続けたら頭がおかしくなるとも、落ち着くとも聞く。はたしてどちらなのだろう。金ならいくらでもある。自分で検証してみることにした。
メトロノームの音以外が鳴らないように環境を整備する。まずは無音室だ。それから、しばらく連絡できない旨を周囲に伝え携帯の電源を切った。そして、音の鳴らない暇つぶし——主に漫画——を大量に用意する。食糧は保存の効くものを買い込んだ。全ての準備を整え、さあ始めようと思ったとき針の速度をどうするのかでしばし悩んだ。心拍数に合わせるべきか。結局のところ合わせれば落ち着くし、合わせなければおかしくなるのではないのか?私は二度検証することも視野に入れつつ、まずは心拍数に合わせることにした。
カチ、カチ、カチ、チーン……
初めはそんなに気にならなかった。いつもより多少は読む速度が落ちたか。その程度だ。漫画を読んだり瞑想したり普段は時間に追われてあまりできなかった……いや、なんだかんだ言い訳してやらなかったことを満喫した。
カチ、カチ、カチ、チーン……
検証2日、3日と進むにつれ、徐々に気にならなくなってきた。それどころか、妙に落ち着いた気分だ。読速も通常時と変わらなくなった。むしろ何もしない生活の方に罪悪感があったがそれも次第に慣れた。
カチ、カチ、カチ、チーン……
検証1週間から先はほぼ同じだった。落ち着くリズム。ページをめくる動作に限らず生活の全てが一定のリズムを保っていた。何かに気を取られることもなくなり、検証前より確実に集中できている。満足のいく結果が出たので、検証1ヶ月でひとまずは終えることにした。
やはり当初の予想は当たっていたのだ。心拍数に合わせたから落ち着く結果となったのだろう。私は一度針を止め、次の検証の準備を始めた。
カチ、カチ、カチ、チーン……
——ん?
確かに針を止めたはずなのに音が鳴り止まない。…幻聴だ!私は予定を変更し、幻聴がいつまで続くのか、心地よさはどう変わるのか、追加検証をすることにした。
カチ、カチ、カチ、チーン……
不思議なことに今度は徐々に落ち着かなくなってきた。あんなに心地よかったリズムが段々と不快に変わってくる。今考えてみればおそらく前回の検証はいつでも止められるという心の余裕があったのだ。片や今回はいつ終わるともわからない幻聴だ。不安にもなる。病院に行くべきか?どう説明する?もう少し様子を見ればおさまるかもしれない。もう少し。
カチ、カチ、カチ、チーン……
数日が過ぎた。数時間かもしれない。わからない。音が止まらない。漫画なんてとても読めない。食事もいつから食べてないかわからない。不安で仕方がない。
うるさい!もう止めてくれ…!お願いだ……。何故止まらないんだ!止まれー!私は極度の緊張で嘔吐し、大きな声を出すのを我慢できなくなり、終いにはベッドでのたうち回り泣きじゃくっていた。それでも音は鳴り続ける。
カチ、カチ、カチ、チーン……
そして私はついに悟った。これは鼓動だ。私の鼓動が鳴らしているのだ……。
数分後、部屋は静寂に包まれた。
茜は正義を信じていた。たとえその手を血で染めても、その先は正義へと続く道だと信じていた。だからこそ、過酷な訓練にも耐えてきたし、今も日常の鍛錬を欠かさない。どんな事態でも動じない心と、何が起こっても対応できる身体を作り上げてきた。任務の途中で何を見ようと、目前の光景に惑わされずに完遂できる。惨たらしく死んでいく人々も、その先の正義への犠牲であると確信していた。
その日の任務は組織への侵入者の排除だった。厳重である筈のセキュリティをくぐり抜け、張り巡らされた監視網をも突破していた。侵入者は一人だが、個人で行えるものではない。捕まえても背後について口を割ることはないだろう。通信手段も確保しているだろうから、既に内部の情報は送られていると考えられる。本来ならば捨て置いて、却って泳がせて網に掛けることがセオリーだ。組織の内部は移転させ、古くなった情報を利用して、背後組織の裏を突く。
それなのに、茜に出動命令が出た。背後組織の警戒も省みず、侵入者を確実に抹殺させるということだ。よほど隠したいものがあるのか。
司令される情報をもとに、侵入者に向かって茜が進む。組織の建物の奥、セキュリティで限られた職員しか乗せないエレベータで地下に降りる。この先は茜も知らないエリアだ。緊張が走る。
エレベータが着きドアが開くと、その先には大きなドアが迫っていた。予め渡されていたセキュリティキーとパスワードでドアを開ける。ご丁寧に二重ドア、それも鍵もパスワードも別のものだ。
ドアの先は、静寂に包まれた部屋だった。
茜は最初、ロボットの置き場だと思った。だが違った。小さな子供たちの群、頭にはコードが繋がっていた。
その光景に戸惑っていると、部屋の奥から怒鳴りながら向かってくる男がいた。
「由実を、娘を、なんでこんなことにした!治療だなんて、よくも騙したな!」
男の傍らには、髪を切られて白い服を着せられていた小さな子供が座っていた。無表情で、目は開いているが何も映していないようだった。男児か女児かは判然としないが、男の言う通りならば女の子なのだろう。
激昂して向かってくる者には銃を使え。ほとんど無意識に普段の教えを実行していた。血飛沫が辺りを染め、赤く染まっても子どもたちは動かなかった。
駆け付けた警備員に男の死体は運び込まれ、白衣の職員が部屋を清掃しに到達した。
茜は正義を信じていた。その過程の犠牲も正義のためだと思っていた。
本当に?
その日のうちに、グリーンメディカルファクトリーの本社移転が報道された。
おはようをしたばっかりは
目がびっくりしちゃうたいようも
カーテンでふんわりぎゅってされたら
やさしくてあかるいいろ。
わたしのお部屋
だいすきな うすいひまわりいろの
わたしのお部屋。🌻✡
みんなのお部屋
はいいろのお部屋もきっとある
きょうは月曜日
きっとみんな がんばらなきゃいけない日
おへやにたいようが差しても
だいすきなひとがいても
きょうはにっこりできない日かも。
でも
たいようや わたしや お花は
みんなのことがだいすき
あなたのとなりのかみさまが
あなたじゃない ほかのひとを見ていても
きっとちがうかみさまは
あなたのことが だいすき。
きょうは元気のでない日も
あなたはいちばんすてきなおはな。
晴れの日もあめの日も
一生懸命にさくおはな。
わたしもあなたも
いってらっしゃい。
きょうも だいすきをこめて。
静かだ…
静かすぎて耳が痛いくらい。
耳鳴りのように
キーンと何かの余韻のような音が
耳の奥で響いている。
自分の呼吸や鼓動さえ聞こえない。
なんで…どうして…
『おかえり』って
またあなたの声が聞きたいのに
何も聞こえない。
瞼を閉じると、水が頬を伝う。
耳を澄ませてみても
やっぱり何も聞こえない。
薄暗い小さな部屋の中
水滴が床に落ちる音さえ
何も聞こえなかった。
#静寂に包まれた部屋
お題『静寂に包まれた部屋』
会議室へ行ったら一番乗りだった。発表するのは俺なので当然なのだが。
俺は自分が作ったパワポの資料を人数分配り、パソコンとプロジェクターをつなげた。
その時、なんだか無性に歌いたくなって最近流行っている曲を口ずさみ始めた。
パソコンの画像がプロジェクターに送られているか確認し始めたところで、入ってきた上司と目が合う。
「あっ……」
正直恥ずかしい。なにごともなかったかのように振る舞うと、急に上司が俺がさっきまで歌っていた曲と同じ歌を歌い始めた。しかも振り付け付きで。
俺はなんだか楽しくなって、しばらく二人してゴキゲンのまま歌い続けた。楽しく腰をふりながら歌っていたらもう一人、人が入ってきたタイミングで俺たちはピタリと歌うのをやめた。
彼は職場であまり喋らず、なにもつっこまないタイプなので無言で席につかれたことが余計に恥ずかしさを増した。
その後、会議が始まるまで気まずさは続いたのだった。
「静寂に包まれた部屋」
心臓の音がする。
血が流れる音さえ聞こえる。
耳を塞いでもこの音は鳴り止まない。
うるさい、うるさい。
そうだ、自分でこの音を止めてしまえば……。
【#91】
静寂に包まれた部屋
真夜中のリビング
それでも時計の針の音や
何か音がする
自分の耳にしか
聞こえていない音?
眠れなくなった
昼間のように
少しざわついている方が
落ち着く
✴️165✴️静寂に包まれた部屋
僕はこの世界から消えたかった。
この世界がすごく嫌で、消えてしまいたかった。
死にたい訳では無い。
僕がこの世から消えるには死ぬという手段しかない。
僕は学校で虐められる対象となっていた。
そして、今は学校へは行かず、部屋に引きこもり、快適に過ごしているつもりでした。
最近は、何故か分からないけど涙が出てくる。
本当はわかっていたのかもしれない。
1人は辛い。
1人は寂しい。
この世界に僕の生きてる意味は無い。
そう思って僕は、この世界から姿を消した。
静寂に包まれた部屋
本当の無音を知りたくて
ジョン・ケージは無響室に入ったそうだ
そこでは何も聞こえないはずだが
しばらくすると
2つの音が聞こえてきたらしい
高いほうは神経系が働いている音
低いほうは血液が流れている音
だと言われたそうだ
静寂とは
一見静かだか
空気が動き
身体が生命を維持し
思考は働き続けている
見えないところは
熱を持ち続けているのである
誰かの痛みを汲んで
静かに寄り添う事ができるなら
孤独や絶望という感情は、無駄じゃない
#静寂に包まれた部屋
そこに彼女は居た。
「もう帰るよ」
僕がそう言うと彼女はいつもこう言う。
「まだマスターを見つけていません」
「うんまた明日来よう。」
静寂に包まれた施設の一室に
今日と変わらない姿で
立っていた彼女を見たのはもう15年も前だった。
「本当にマスターは居るの?」
「マスターは誰?」
「なんでマスターを待っているの?」
いろいろ聞きたいこともある。
でももう見たくないと思ったんだ。
静寂に包まれた部屋で立つ彼女は今よりずっと
消えてしまいそうだったから
─────『静寂に包まれた部屋』
No.136『静寂に包まれた部屋』
静寂に包まれた部屋。そんな部屋が好きだった。
でもそれをぶち壊してこの部屋を賑やかにしたのは君。
でも君が笑顔ならそれでもいいかと思ってしまった僕は随分君に絆されてるんだなぁ。
静寂に包まれた部屋
7時半
うるさいアラームの音で目が覚める
朝ごはんはトーストとコーヒー
2本ある歯ブラシから1つ取り歯磨きをする
甘い香りのヘアオイルと男臭いワックスでセットした髪
シワシワのシャツを着て遅刻ギリギリに出勤
今日はコンビニ飯だな
22時すぎ家に帰ってきた
晩ご飯カップ麺でいいか
明日も1人の生活
慣れることはあるのだろうか
クローゼットの奥深くにしまった指輪
明日の朝捨ててしまおう
歯ブラシもヘアオイルも君の置いた全てと
あめ.
『静寂に包まれた部屋』
18歳の春
初めての1人暮らし
大学の寮だった
初めの4ヶ月くらいはビギナーズラックというか
毎日が楽しく、部屋にいる時間もそんなになかった
夏休みを迎えた時
寮では、ほとんどの学生が帰省し
全体として閑散としていた
静寂に包まれた部屋にいる自分
この時、初めて寂しいという感情が芽生えた
静かだからといって
無音なわけじゃない
耳を澄ませば
葉を揺する音 虫の音 水の音
静寂に包まれた部屋は
いつもは聞けない音を聞くためのもの