『静寂に包まれた部屋』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
静寂に包まれた部屋で
私は眠る
暗い中とても静かなのは
みる夢に心が囚われているから
人間がこびとのような子供を生む夢
目に見えないくらい小さな子
でも大人になると普通の人
そして年寄りになると
だんだん小さくなる
年寄りのこびとだ
子供も年寄りも
とても愛らしい
目が覚めて夢の事を思っても
不思議に怖くない
いったい昨日何かあったか
思い出せないけれど
肩にある重みに痺れが出て、青年はゆっくりと目を開ける。重い方に視線を送ると恋人が寄りかかり、定期的な上下の動きをしていた。
青年は思考をめぐらせる。彼女が帰る前に疲れに負けてベッドにダイブしたところまでは思い出せた。
時計を見ると自分が意識を手放してから、数時間が経っていた。恐らくその後に彼女も帰ってきて、同じようにベッドに飛び込んだのだろう。
青年は体勢をずらして、起こさないよう最新の注意を払いながら彼女の頭を枕に乗せる。定期的な吐息を見るに、起きる気配はなくて青年は安心した。
すいよすいよと眠る恋人の表情はあどけなさも残っていて、でもその唇は大人っぽさも感じられて青年の心臓は高鳴った。
ほんの少し前まで、ここは静寂に包まれた部屋だった。
彼女の寝息。
青年の心臓の音。
本当は音のないはずなのに、内側から音が鳴り響く。
青年は腕を伸ばして彼女を抱きしめる。
余程疲れているのか、起きる気配はない恋人。
抱きしめているうちに、青年の心臓は落ち着きを取り戻していく。すると愛しい温もりと共に睡魔が襲ってきた。
青年は抵抗することなく意識を手放す。
そうして再び、恋人たちの寝室は静寂に包まれた。
おわり
一三六、静寂に包まれた部屋
静寂が聞こえる。
#静寂に包まれた部屋
ボロボロになったキーケースから
外した鍵をテーブルに置いた
あたしがいなくなったら、君は
この部屋を静かだと思うかな
帰ってこない君を
一人待つ時間は ただただ静かで
あたしはこの部屋を
少しずつ嫌いになった
バイバイが響く部屋は
無機質で冷たい
空っぽになった棚の中には
君が使うシャンプーをストック
それらがなくなったら、君は
自分で買い足したりするのかな
待つだけだったあたしが
君だけに送った 独りよがりな愛
君はそれに少しも
気づかないままでいて
バイバイは届かないよね
君は戻らないから
大好きだったの
カーテンやソファの色
朝日が差し込む窓も
君のうたう鼻歌が響くバスルームも
大好きだったのに
【静寂に包まれた部屋】
「こんなに好きなんだけどな」
いつも誰を好きになってもこう言った
あの人の隣にいれたなら
あの人と自分が出会えていたら
後悔ばっかでいつも泣いてた
ならせめて誰かに見てほしい
思うようにいかないからどうもできない
静かな部屋でまたひとり
誰かを好きになってまた零す
「こんなに好きなんだけどな」
静寂に包まれた部屋で一輪の花と対峙する。
私はどこからきたのか。
私はどこへゆくのか。
毎日が昨日の繰り返しだった幼い日。
こんな運命の荒波に飲まれるなんて、思わなかった。
〜静寂に包まれた部屋〜
よくあるのは
人がいろいろうるさくしてる時などに
イレギュラーが起きて
しーんって静寂に包まれるけど
そういう話しだよな、これ
そのあと、どうなるかは
その話し次第だけど
大体、悲惨な結果でさ
書いてて面白くないよね
無音は精神に 来るらしい
そもそも、静寂って
なかなか難しい話
実際、何かしら聞こえるのが常ですしね
強いて、面白く書くなら
男女が惹かれ合う
そんなイベントに繋げるときかしらね
秘密の共有
そんな感じ
「天使が通る」って言うだろ。
あの不気味な心地よさが好きなんだ。
#静寂に包まれた部屋
チャレンジ70(静寂に包まれた部屋)
伊豆へのドライブ途中に、小さな喫茶店を見つけた。店内には、ご主人が集めた陶磁器が並んでいる。簡単な昼食を、と思って入ったのだが、あまり料理は出していないようだ。
5月の風が木々を揺らす。柱時計の針の音が、やけに大きく聞こえる。コーヒーを沸かす、ボコボコという音。それ以外には、何もない。心地よい静寂に満たされた部屋。
その日以来、1年に1回は通うようになった。
心が落ち着く静寂と、香り高いコーヒーを味わう。満ち足りた空間である。
めっ
ちゃおちつく
とも限らない
静寂に包まれた部屋
わけあって一緒に暮らして
もう何年だろう
怖がりな君は部屋を出ようともせず
それでも窓の外を眺めている
窓の外はくもり空
天気予報は夜には雨
ツバメが去った軒下に
秋が舞い降りていく
僕の方へ寄り添って
頬擦り寄せて
切ないほど澄んだ眼差しに
吸い込まれそうだよ
そうだった君が初めてここに
たどり着いたのは
まだ目も閉じたまま
何も知らない子猫だったね
【静寂に包まれた部屋】
彼と私がいた場所は
いつしか
静寂に包まれた
空き部屋になっていた。
静寂に包まれた部屋
好きな曲を流したら
観客は自分だけ
特別なライブ会場が
できあがった
音楽は、いつでも
どんなときも
そばに居てくれる
気持ちに共感して
癒してくれて
泣かせてくれて
笑顔にしてくれる
最高の相棒。
静寂に包まれた部屋
静寂に包まれた部屋って
とっても神秘的である
頭の中のうるさい汚れを静かに消していってくれる
そんな感覚
静寂に包まれた部屋であなたは何を考えて
捨てますか?
そして
新しいものを取り入れますか?
頭の中のお掃除
しっかりゴミは捨てて
スッキリとしたあなたになれますように
静寂に包まれた部屋
深く淀んだ部屋でいつの日かを思い出す。
頭上からひらひらと桜が舞う。
こんな時期に珍しいな…
窓の外を見上げると葉の無い木が立っていた。
春に死んだ君のこと。
まだそこにいるの。
おばあちゃんが死んで
おじいちゃんが死んで
おばちゃんが死んで
姉が死んで
こんなに静まりかえった部屋だから
死体から吐息が吹き返す音
聞こえてきてもいいんじゃない
起きてよ
朝だよ
「静寂に包まれた部屋」
朝、ご飯を作りに台所へ行く。
そこは、静寂に包まれた部屋。
シーンとした台所で、電気をつけ、
テレビの電源、換気扇をON、鍋を火にかける。
一気に静寂に包まれた部屋から1日が始まる部屋になる。
この瞬間がけっこう好き。
さあ今日も1日頑張るぞ、と思う。
「静寂に包まれた部屋」
感情が極端に揺れ動いた時
私には必ず静寂の時間が
必要だ。
それは自室である時が多い。
1人での静寂が必要なんだ。
静寂に包まれた部屋
隠せぬ涙のその痕
二の腕に目立つ引っ掻き傷
全て白い君のその肌に映える
液晶画面は目に毒だ
いつかリアルで見れたらと願うよ
今日は給食のデザートに
サクランボが出た。
友達の山口君が
「サクランボの茎を口の中で
結べる人はキスが上手いらしい」
と、豆知識を披露した。
そこから話がクラス中に広まり、
みんなモゴモゴしだした。
先生もつられてやっていたけれど、
給食が終わらないことを危惧して
食事中は控えるようにと言った。
二人の生徒が上手く結べて
その二人はヒーローになった。
僕は悔しくて、
下校中でもモゴモゴした。
しばらくして舌がつった。
同時に茎を飲み込んでしまった。
翌朝、
静寂に包まれた部屋で
自分の排泄物と共に
『結ばれた茎』が出てきた。
コレは自慢出来るのか
しばらく考えたのだが、
僕は水に流した。