『静寂に包まれた部屋』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
別に駅から近いわけでも
便利でも住みやすいわけでもなかった
築18年の古びた2LDK。
君に言われるがままに
一緒に暮らし始めた この部屋
1年が過ぎて 2年が過ぎて
3度目の秋風が君を連れ去ってく。
カーテンを揺らす風が
金木犀の匂いを運んできて
真っ暗な部屋を携帯の液晶が青白く照らす。
あの頃の2人を映画みたいに映しては
またひとつ…消していくみたいに…。
このエンドロール終わる頃
僕はまた君のことを想うのだろう…
静寂に包まれたこの部屋を
月灯が優しく照らす。
- 秋風のエンドロール -
静寂に包まれた部屋。
つい最近までは、人がいた部屋。
今はお化け屋敷。
ココのご主人様が亡くなった。
霊として出るようになった。
面白がって入る人が増えた。
よくあるパターンだ。
人が引っ越してきた。
その人が死んだ。
親族は呪いだとわめいた。
俺が呼ばれた。
簡単な話だ。
ココには、ウジャウジャと霊がいる。
それを祓うのが俺の仕事。
俺がしているこの職業のことを、
呪術師という。
12作目_
静寂に包まれた部屋_
浮気性な彼を追い出してやった。
彼の笑顔にも、声にも、もう二度と会うことはない。
そう考えるとすっきりするはずなのに、私はなぜ泣いてしまうんだろう。
私の涙はきっと、月並みな別れ方をした事への悔しさからだ。
そう信じて、私はベッドに潜り込む。
「あの子、私よりずっと可愛かった…」
誰にも聞こえないように、そっと独り言をこぼして。
家へと帰る。
静寂に包まれたこの家は、一年前は人で溢れていた。
次第に皆が独り立ちしていって、残ったのは私だけになってしまった。
「ただいま……」
返事はない。当然わかってたのについつい言ってしまう。
うるさいと思っていたあの日々も、今は少し恋しいな。
夜明け前、目が覚める。
辺りを見る、薄暗くて静かで、自分が何者だったか思い出して、寂しい気持ちがわいてくる。
カラカラカラ……
下で、玄関ドアが気を遣われてゆっくり開く音がする、ちなみにここは二階の寝室。
姉とテイちゃん(兄)が夜勤から帰って来た音だ。
安心感が体に、じんわり染み渡る。
…全く、毎晩の事だというのに、これでもモンスター姉弟の末っ子だというのに、慣れない。
少し涙目なので、タオルケットを眉毛まで被せて一呼吸……したところで、テイちゃんの微かな足音が、近付いて来た。
姉さんがお眠らしく、テイちゃんに抱えられて部屋に入り、オレの隣に寝かしつけ…られるかと思いきや、姉さんがテイちゃんにガッチリ抱き付いて離れないらしい、音と声がする。
「じゃめ…じゃめらぉ」
…ややこしい話なのだが、今現在、姉さんにとって弟のテイちゃんは、姉さんの恋人の生まれ変わりである。
何か、これは、キャラメルの匂いだな…そしてこの…水っぽい音は…、あー…、口移しラリー…してるぅ~、お~い隣人(オレ)めっちゃ起きてるんですけどぉ~っ…………いぃなぁ…。
静寂に、いかがわしい音、響かせて。末子。
キャラメルも、まさかこんな扱いを受けるとは、思ってもなかったでしょう。一旦CM。
…しばらくして、姉さんのマジ寝息が聴こえてきた、今度こそ姉さんを布団に寝かしつけたテイちゃんの、小さな吐息が聴こえる。色っぽ♡。
そして、顔が隠れたオレの額に、長い指が、ふわふわポンポンと触れ、『起こしちゃってゴメンね、もうちょっと寝てな』という、家族だから解る、言葉を使わないメッセージ。
テイちゃんは朝御飯の支度の為、一階の台所に行ってしまった。
……言えない。
オレにもキャラメル口移しを…なんて。
まだ…言えない…。
完全に音を遮断するのは無理なのではないかと思う。この世界で生きている限り、自然であれ人工的であれ何かしら音を立てているから。
音って振動なんだよ、と言うと意外そうな顔をするけど、物理的に動きがあるからこそ音が出る。それを音楽と捉えるのか言語と捉えるのか、雑音と捉えるのかは脳の処理の話。だから全くの無音の状況にしたければ、物が振動しないようにするとか、空気などの音を伝えていく存在がないようにしないと。
ロマンがない言い方をするけど「静寂に包まれる」というのも脳が音として認識していないだけなのではないか。
まず、智弘の事は未来で考えよう。
今は本部勤務就職して退職する事が大事。
恋愛に傾倒しすぎて体調壊した。
ひびきの事は、ひろみとひびきの間に入れてくれただけで感謝感謝だなぁ、有り難いなぁ。
こよりの事は、生まれ変わり出直しを知るきっかけになってありがたかったなぁ。
ひろみは親友 結婚したい相手
静寂に包まれた部屋で
僕は気付いた
寝返りを打った彼の顔から
疲れが薄れていると
年齢じゃなく
身体でもなく
僕が大人になった
初めての瞬間だった
「静寂に包まれた部屋」
静寂に包まれた部屋
静寂の中に少しの虚しさを感じていたあの頃とは
もうおさらば
この部屋に入ると
あの頃の風景が蘇る
母が三面鏡でお化粧をして
その側で父が静かに新聞を読み
その周りを2匹の愛犬達が
白く長い毛を揺らしながら
楽しそうに走り回って遊んでいる
…
今はこの部屋に居た人も犬も
みな天に舞い
残った部屋には
何の音も聞こえず
ただ聞こえるのは
私の足音だけ
…
静寂の中で一人立ちすくみ
もう一度だけ父や母や愛犬に
… 逢いたい…と
長い溜め息の後に呟いた
ひとりぼっちは寂しいって。
たまにふとそんな気持ちが湧く時もあるけれど。
誰もいない私だけの空間に。
膝を抱えてぽつんと蹲りながら。
どこか冷めた静寂に包まれる時間が。
生きるためには私には必要で。
だからこの部屋は。
私にとってのひとつの居場所。
【静寂に包まれた部屋】
ちいさな魔法で
この世界を変えられたら
消えちゃう前に
真っ暗闇で耳は静寂
心は舞踏会
目を閉じたはずなのにね
まだ夢物語
#静寂に包まれた部屋
最近、本当に集中できなくなった。
動画は10分でも長く感じるし、短編小説ばかり手に取ってしまう。
ずっと気になってた映画のDVDを見ている間に、何度もスマホを触ってしまう。
良くない。非常に良くない。
集中していて、周りの音が聞こえなくなる瞬間が、私の生活から消えてしまった。
せめて、せめてその環境を作るくらいしなければ。
テレビを消して、音楽を消して、スマホは遠くに置いてくる。
謎の不安と、あの誘惑を消してやったという優越感。
さぁ、この静寂に包まれた部屋で何をしようか。
体が暖かく気持ちのいいものに包まれながら沈んでいく。
目も開けられず息もできない静かな空間の中をただひたすら沈んでいく。
だが、不思議と恐怖は感じない。
ただひたすらに安らぎを感じながらゆっくりと沈んでいく。
静寂の夜に包まれ
あなたはこの世を去った
貴方は''最強''と呼ばれし男で
温かい人たちに囲まれ
色んな試練を耐え抜いた
騒がしく忙しく巡る日々
今日くらいは
涼しくゆっくりと進む時の流れに
身を任せてもいいのでは無いでしょうか
【静寂に包まれて】
静寂に包まれた部屋───
この部屋はとても静かでどこか寂しい
生物や物はなく、ここで音を出せるのは僕だけ
ここの部屋に入った時、音をならしてはいけない
というルールがあるような気がして
臆病な僕には音を出すことは出来ない
さっさとこの部屋から出なければならないような気もする
この部屋は、世界の底見えぬ穴だと思う
だって、この部屋には扉すらなくなってしまったのだから
僕はここからどうすればいいのだろうか
きっとこの部屋は世界にいらない僕を隔離するために
作られた部屋なのかもしれない
君は迷わないようにね
僕のような者になりたくなければ
大声で怒鳴られたあとの重苦しい沈黙とヒリつく空気が部屋中に広がっている。確かに静寂ではあるけれどこんなにも緊張感のあるものに包まれたくなどない。
誰か思い切り手を引っ張って外へ連れ出してくれたらいいのに。
理想ばかり浮かんでは消えて、気が狂いそうだよ。
【題:静寂に包まれた部屋】
🌝十六夜は
わづかに闇の
初哉(はじめかな)
松尾芭蕉✨
【意味】
昨夜は満月の十五夜で
今夜は十六夜
わずかながら暗闇に向かって
月が欠け始める
その最初の日が今夜だ
🌝十六夜の読みは
「いざよい」
「いざよい」は
ためらうという意味の
「いざよう」の名詞
十五夜よりも少し遅れた時間に
現れる様子をためらいながら
出てくる月と例えたのだとか
🤍🌝🤍🌝🤍🌝🤍🌝🤍🌝🤍🌝
ガララ
まだ起きてない空気感が、僕をひんやりと迎える。
机の中に教科書とノートなんかをきっちり入れて、
背を、やっと、背もたれに預ける。
一人なのは変わらない。
窓縁に朝日が差し込み、起き出す、そしてだんだんと血が回りだすかのようにあたたかさが漂い始める。
一人なのは変わらない。
ただ本を静かに読むわけでもなく、そこに居る。
誰もいなければ、僕が居るという事実もないようなものだ。
ただそうである、そんな景色のように。そしたら楽に息を吸えるのかな。
ただそこにそうであるという何でもない事実が僕をそうさせてくれる。
そうして僕は眠りにつく。
あめのみ
静寂に包まれた部屋で心のなかは少なからず嵐。身支度を澄ませ、何事もなかったかのように、日の光を浴びる灰色の世界へ今日も出かける。