『静寂に包まれた部屋』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
パッと起きると
見たことない景色が
ここどこだ?
身体を起こそうとしても
痛すぎて力が出ない
「あ、目さめました?
警察がお話できますか?と言ってましたよ
もう少ししてからにしますか?」
なんの説明もなくそう言う看護師さん
何も答えない自分に対し
「今日はやめときましょうか、
明日にして欲しいって言われました
って言っておきますね」
そう言って部屋を出ていった
あんまりよく覚えていないけど
自分死のうとしてたんだっけ
誰もいない静寂に包まれた部屋に
たった1人取り残された
静寂に包まれた部屋
静寂に包まれた部屋の中
私は1人でいる
居心地の良い空間
青白く灯された空間
白いベールのようなものに包み込まれている
寂しそうな、冷たそうな
印象を受けるのだけれども
そこにいる彼女はどこか
安心していて心地がいい空間のようだ
そこから出て来てくれないか?
ダメならその中に僕も招いてくれないか?
大切な空間を壊さないように
彼女を抱きしめて進むから。
「静寂に包まれた部屋」
僕は元々ひとりが好きだった。
周りに人がいるのは好きじゃなかった。
自分のペースを崩されるし、ゆっくりできるし、気を使うだなんて面倒なこともしなくてすむ。
だから僕は静かな部屋が好きだった。のに。
君が僕の部屋に来るようになってから、誰かが傍に居ないことに寂しさを覚えるようになってしまった。
あっという間に距離を縮めてきた君は、一緒にいても嫌な感じがしなかった。むしろ、君の鼻歌だとか、髪の匂いだとかが、とても心地よくて、あぁ、これが恋なんだな、と思った。
僕に人との付き合い方だとかを君は教えてくれてたんだよ。そんな自覚はないだろうけど。
僕は今、誰かが隣にいてくれないと苦しいんだよ。
誰かが傍にいてくれることが好きになってしまったんだよ。
静かな部屋は嫌いだ。
だからね、久しぶりに僕の部屋に来て欲しいんだよ。
化けて出てきてもいいから……。
君こそ傍にいて欲しかったのに……。
窓
ノート
ペン
液晶画面
飛行機の音
君は
どこ
『静寂に包まれた部屋』
「微睡み憂い妬み返し、
過去は蒸れて未来は腫れる」
明日の夜の曖昧さに怯え
変わらない毎日に閑静を求め
情弱なまま攫われる私
声高く称えるあの陽気な鳥
その裏に潜んだ陰気な願い事
遠い昔に掠れ読めない本を手に取って
ただ静かに晩刻を迎えるまで
記録に残せばいい
床が軋んだ
埃が舞った
立ち上がりカーテンを開ける
陽が照らした床は未だ黒ずみ
開かないままの扉は軋む
あと幾年か
音もなく
光も届かない
静寂な部屋
その中にぽつんと
いる僕
寂しいけれど
1人が落ち着くの
犬の名付け親になんてならなきゃよかった
あまりにインスタントな別れ際に、
思い浮かんだのはそれだけだった
静寂に包まれた部屋の中
少しだけ開けた窓の隙間から
またひとつ、季節が流れる風の匂いがした
名も知らない小さな花が揺れていて
虚しさ続くここ数年
汚れてく未来にもう夢を描けなくなった
普通に生きることさえ難しくなったこの時代に
まだかろうじて心だけは
あの頃を宿したまま
散らかったこんな部屋の中からでも
見えるこのありふれた景色を
綺麗だ、と思える心が
まだ残っていて良かった
父に建ててもらった
白い小屋
十五歳の日にもらった
ひとりだけの部屋
若い思春期の時を
笑顔も涙もないまぜに
大人になるまで
この身体を囲み
包んでいた小部屋
安らぎと孤独の
同居した部屋
今はもう殺風景な白さばかり
廃れた空き地に佇んで
生きた気配のない
命の灯が消えたただの箱になり
わたしが足を踏み入れても
よそよそしく乾いた音をたてるだけ
この部屋がなくなっても
誰も気に留めはしない
わたしの生きた日々が
消えるでもない
それなのになぜだろう
胸の中に息づくわたしの一部が
今にも消え入りそうに
痛い
#静寂に包まれた部屋
「静寂に包まれた部屋」
これほど心地のいい地獄は無いかもしれない。
回る思考を制御しようと、必死にもがくこの時間が案外嫌いじゃない。
誰に傷つけられることもなく、話す必要も無く。
自分を傷つけるのは、自分自身の内側だけ。
見つめて、見つめて、見つめて、いずれ何もかもどうでもよくなった時にくる無感情を味わう為にここにいる。
【静寂に包まれた部屋】
静かな場所にいると、色々なことを考える
周りに人がいなければ尚更。
過去のこと、未来のこと、今のこと、
ぐるぐるぐるぐる頭を巡る
そしたら、最後には
__疑問だけが残っていく__
午前四時もエヌ回目。
変われないわたし。
変わってゆく日付。
なにひとつ合わない世界。
なにひとつ受け入れてはくれない世界。
醜い醜い私が悪いの?
なにもかも?ぜんぶ?
生まれ落ちた意味は何処にあるの?
ねぇ、誰か誰か─。
この生活の終わりに
一体なにがあるの?
この涙を飲み干す日々には
何の潤いもないけれど
本能だけが
わたしの血を身体に流し続けてる。
この命の宛は
一体、一体─。
056【静寂に包まれた部屋】2022.09.30
そもそも皇族がこの屋敷に足を踏み入れるのは、禁忌とされていた。唯一の例外は、皇子が幼かりしみぎりに、ルリイロハグロトンボのアルビノの標本を見たい、と駄々をこねたときで、それ以降、誰も禁忌を犯していないならば、この再びの皇族の来訪は、二十数年ぶりとなるはずだ。
その唯一の例外も、二十数年ぶりの再訪も、まさか我が身がおこなうことになろうとは、皇子自身、想像だにしていなかった。
馬車を降り、重々しい玄関の扉から、屋敷のなかに入る。すると、そこのぐるりの壁面はもうすでに、昆虫標本でいっぱいだった。子どもの頃の記憶より、一層さらに増えているのではないか、と思われた。通り抜ける廊下の壁も、静かに動きを止めた標本でいっぱいで、むしろ、自分が立ち上がって動いていることのほうが、なにか重大な過ちを犯しているのではないか、と錯覚されてくるほどであった。
たどり着いた部屋では、屋敷の主が待っていた。大伯父のアルフレード、93歳、先代の皇帝であった祖父の兄である。
曽祖父の代は、有力な臣下のつばぜり合いが激しかったという。それが、皇位継承争いにまで発展し、内乱勃発が危惧されたほどであったという。アルフレードは、意に反して、成り行きで一方の神輿として担ぎ出されていたが、みずから皇位継承権を放棄し、この黒森に引き籠り、そうすることで争いに終止符を打った。そして、皇族との接触を断絶し、臣下もそれに倣うよう宣言し、二度と己を争いの火種とできぬようにしたのである。
静寂に包まれた部屋の中で、この歴史的な騒乱に終止符を打った大伯父は、ここでもまた、おびただしい数の昆虫の標本に囲まれて座っていたが、禿げ上がった頭に丸眼鏡、というトレードマークは二十数年前と変わっていなかった。
圧倒的な量の死の静寂に包囲されて、皇子はたじろいだ。静かすぎるがゆえに、かえって、動かないはずの昆虫たちの羽音が、ブウンンンンンンンンンン……と一斉に立ち上がってくるかのような気すらした。
「ようこそ。セヴェリン……大きゅうなったのう」
跪いて無沙汰を詫びる皇子の頭を、アルフレードはいとおしそうに皺深い手で撫でた。皇位争いを拡大させぬために敢えて離婚し、二度と妻帯しなかったこの大伯父にとって、姪孫である皇子は実の孫にも等しい存在だったのである。
「久闊を叙したいところじゃが、そなたにはさようなゆとりはなかろう。単刀直入にいこう。例の謎の毒蛾の件じゃね……」
ここへ、と指し示されたテーブルにもまた、蛾の標本がある。
「まさか、ワシの道楽が国難救済のいとぐちになる日がこようとは」
アルフレードは嘆息した。
「……夢にもおもわなんだ……」
それは、幾重にも深い思いが折り畳まれた嘆息であった。
静寂に包まれた部屋
薄暗い空間に一筋の光が差し
部屋のドアの前に当る
その光はまるで行き先を標ているみたいだ
お前はここから出る必要がある
お前はここにいてはならない
ドアを開けてから先の世界は
誰一人としてわからない
「静寂に包まれた部屋」
闇夜の訪れと共に 静寂を連れてくる 部屋の明かりを灯そうとも 関係なかった あなたがいない部屋で あなたのぬくもりもなく声もなく ただ時を刻む 音しかなかった もともと無口な僕は その音だけを ただ聞いていた あなたが愛おしい あなたがいないだけで これだけ時が長く感じる 会いに行く事すら許されない そう思っている 誰か僕を助け出して
運転手は何人か辞めた。喧嘩するかスケジュールについてこれなくて体壊した
電話は名乗るな、子供の内蔵は高く売れるからな。
真っ暗な部屋に帰る事にも
ひとりの食事も
1週間溜めてやる洗濯も
日曜の昼に掃除機をかける事にも
慣れてしまったよ
ただ、何気なく君に声をかけてしまう事があって
もちろん君はいないからシーンとしてる
あゝもう君はここにはいないんだったと
思い知らされる
静寂に包まれた部屋には
いつまでたっても慣れない
職場でパソコンをカタカタと鳴らしていると、周りの景色が変わった。
そこは教室で、エンピツの音だけが聞こえる。
テスト中だとわたしは気付く。
エンピツのリズムは心地よく、しばらく目を閉じていると徐々に音が消えていった。
教室は静寂に包まれる。
わたしがいなくなった。
それがわかったとき目を開けた。
カタカタとまた音が聞こえた。
「あれ? なんか雰囲気変わった?」
と気になっていた同僚に声をかけられる。
「それはデートのお誘い?」
自分でも思っていない言葉が自然に出て、とっさに「あ、なんでもない」と否定する。
「なんでもなくなければよかったのに」と同僚は答えた。
また音が消えていく。
心だけがここにある。
この人を私は知っている!
静寂の中私の声だけが駆け巡った。
「さようでしたか」キャンバスにかけられていた布のほこりをはらいながら男は言った。
「これをどこで!!作者は!!この絵の女性は何処です!!」
興奮気味に私は男に詰め寄った。
そんな私を男は嘲るような視線を送りキャンバスの前に立った。
「貴方はこの女性を知っているとおっしゃった。
でも何処で?と聞かれて場所が思い浮かぶでしょうか?」
私の興奮はその言葉にサッと消え、変わりになんとも言えぬ奇妙な感覚に襲われた
耳鳴りの溢れる部屋の中
自身の聞こえはしない
阿鼻叫喚が騒がしい
いつになっても鳴り止まず