『雪』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
#雪
「そこ、寒いっしょ。」
「君がコーヒーを持って来てくれるのを待ってたんだよ。」
「それはそれは。お待たせした?」
「少しね。」
コーヒーを側の椅子に置くと、手を握り合った。
「ふぅん、可哀想に。君の指が俺のせいで冷たくなってる。」
「可哀想って言う割に顔が笑ってるようだけど。」
とりわけ器用なソイツは指先でチラチラ振る雪の結晶を一欠片指先にピシリと留めた。
「それ素敵。」
「ニンゲンには出来ない芸当っしょ。」
「だけどコーヒーが冷めそう。」
「おっと。それじゃ中へ戻らないと。」
パキン、と指先の結晶を弾いてコーヒーのトレイを持つ。
反対の手で人間の妻の手を握り部屋へ戻って行く。
此処は魔王城
今は彼の気まぐれで雪を降らせている。
彼の妻が故郷の季節を好むからだ。
「可愛いひと。」
妻もそんな魔王を気に入ってる。
題 : 雪
小学生の時、友達と私の家の庭で雪遊びをした。
雪で滑り台を作って滑ってみたり、雪だるまを作ったりなど他にも沢山のことをして遊んだ。
最近ではめっきり積もることが少くなったから少し寂しい気もする。寒いのは嫌いだけど、雪が積もるのは少し嬉しい。
今年の冬は、雪が積もるだろうか。期待で胸を膨らませとくことにしよう。
手に触れ 踏みしめ 耳を澄まし
冬を知る
真綿を被ったような景色に 春を願う
雪
音もなく降ってきた白い雪が
黒いアスファルトに触れて溶けていく。
純白の雪の上を歩いたら
土混じりの足跡が残った。
雪は喜と哀を一緒に連れて来る。
雪は、人の心に触れて跡を残す。
こうやって、お題に沿って変わらず
投稿する毎日。
こういう日々が当たり前ではないと
被災された方を思うと複雑だ。
余裕のある生活ではなく、将来への
不安もある。でも今は、布団の中で
ケータイを片手にお題と向き合って
いられる。まわりの災害を他人事と
思えず、かと言って自分事には辛す
ぎてできず、あえて距離をおいてし
まう。
何を祈ればよいのかもわかりません。
名無し顔無しのこの場では、そんな
グルグルした胸の内をそのまま言わ
せてもらいます。
外を覗くと一面の銀世界が広がっていた。
雪自体は旅先で何度も見ていたが、この辺りの地域で雪が降っているのを見るのは初めてではないだろうか。
硬くなった体を多少勢いに任せながら起こす。上着を羽織り、帽子を被って外に出る。
まだ雪が降ってから誰も来ていないのだろう。足跡一つない地面を踏みながら歩き出す。
サク、サク、
と軽い音が足元から鳴り、少しずつ足を早める。
サク、サク サク サクサクサクサク、、ボフッ
調子に乗り過ぎてしまい転んで、雪の上に大の字になるように寝転がってしまう。
「フフッ、アハハハッ」
我ながら行動が子供じみていると思い、笑いが溢れる。
僕の笑い声は雪に吸い込まれて、ゆっくりと消えていった。
【雪】📷
僕はお前の話を聴くよ
お前が
"眠いからもう寝るー''
って言うまで
楽しい話も
今日あったことも
彼氏の愚痴もね
全部受け止めるよ
辛い
死にたいって言うなら
馬鹿な話して
腹筋崩壊させてやるよ
努力とかしちゃってさ
クズ共見返してやろうぜ
【2人揃って親友だからな】
被災地は
雪の予報で―――
ごめんなさい。
わたしは
大きな地震に
遭遇したこと
はあるけれど
大切な人を失ったり
家を失ったり
悲惨な光景を直接見たり
今日のごはんに困ったり
避難所で生活したり
寒さに震えたり
そういう経験が
無くて
あなたの
苦しさが
想像出来なくて
何を言っていいのか
分からなくて
ごめんなさい。
―――
被災された方々
謹んで
お見舞い申し上げます。
#雪
『感触』
綺麗だな素敵だなって戯れる いつしかそれが恐怖に変わり 眠れない夜が続いてく 感覚の雪が降り積もる 触れても溶けない雪が降り積もる
朝起きたら辺り一面純白に包まれている
昨日までは緑でいっぱいだった自然が一夜のうちに別の世界に来たようだ
今年はまだ除雪車を見ていない
中学校最後にみんなで雪遊び出来たらいいな
雪
雪を見て、楽しい感情が起こらなくなったのはいつからだろう。
最近、子供の頃の純朴さがとても尊く感じる。
雪遊びを楽しそうにしている子供たちを見てふとそんなことを考えた。
♫
雨は夜更け過ぎに 雪へと変わるだろう
んー、
これは山下 達郎
♪
粉雪舞う 季節はいつもすれ違い
これは レミオロメン
あぁー
もう お手上げ!
こんなロマンチックな世界作り出せない
今夜のお題は「雪」 難しい…
ん? 待てよ あるある。
雪のように真っ白ではない
今 まさに私を苦しめているモノ
秘めたこの想いこそ 泡雪のように 早く溶けてほしい
そう 気づかれぬうちに…
子供の頃、雪が大好きで、みんなが雪合戦をしている中、私だけ雪を丸めてバケツに入れるという謎の遊びをしていたのを思い出した。
あの時は、小さいながらに色んなものを疑って生きていたけど、今では信じることも大事だななんて思えてきた。
少しだけ、私の心は雪の純粋な白色に近づいてきたかな?
ある日の朝、外が真っ白だった。
いつも山や家の色がついている風景から一変していた。どこを見ても真っ白。まるで本当に白銀の世界に来たかのようだった。興奮で火照ると同時に寒さで凍える身体がおかしくなりそうだったのを覚えている。
私は一人でするんだ。そう張り切って雪かきを始めた私は玄関から出てすぐ雪の上に飛び込んだ。
今年はいつ降るんでしょうか。私の住んでる地域は盆地っていうのもあったりでなかなか雪が積もってくれません。また雪合戦とか鎌倉作ったりするために沢山降って積もって欲しいです。
今日も最後まで読んでくださってありがとうございました。今日の予報では夜中に降るよーと言っていたのですが…今日のお題は『雪』でした。
おやすみなさい。
雪
寒がりなあなたと私…初めて迎えた冬は、どちらかのお家で過ごすことが多いね…炬燵から抜け出せ無くて、じゃんけんして、台所に飲み物取りに行ったり、蜜柑の皮むき競争したり…何気ないそんなある日、雪の予報が出された。2人で見ながら、寒いけど、ちょっと見に行きたいね…そう話乍ら、真っ白な雪道を2人寄り添い歩く姿を想像して…
雪
シンシンっていう、音の表現を作った人。
すごいなぁって思う。
深々と雪が降る。
世界よ白色の下に染まれよと
骨まで軋む寒さに包まれよと
言うが如く。
街を染める雪は止む気配がない。
─どうやら先生は、不思議の国を白く染めたいらしい。
煙草をふかしながら、雪を眺める男はそんな事をつらつらと思った。
灰色の髪に無精ひげを生やした痩躯の男だ。
髪と同色のジャケットを羽織り、青色のマフラーを巻き付けている。
男の名を眠りネズミと言った。
不思議の国において情報屋をしているが、
アリスのゲームに巻き込まれないよう国中を逃げ回っている。自称、慎重派。
今もゲームに巻き込まれないよう、いつものバーからイモ蟲横丁へと向かう最中であったが、いつの間にか音もなく降り出し、積もり始めた雪に足を止めたところだった。
街灯の明かりに照らされた広場も一面銀世界となっている。
普段は軽やかな水しぶきをあげる噴水にも雪が舞い降り、溶けずに水底に溜まっていく。
──溶けない雪とは恐れ入る。
深々と舞い降りる雪を眠りネズミは挑発的な眼差しで見やった。
──人の体温奪う雨よりも性質悪く、陽の光を浴びても尚居座り続ける。雪の美しさではなく、性質の悪さを利用して、アリスへの執着を具現化したのだろう。
眠りネズミは煙草の灰を落とすと、再び咥え、煙草を深く吸い込んだ。
肺いっぱいに苦みが広がる。
歪で、狂った住人ばかりがいるこの不思議の国は、一人の男が作っている。
たった一つの狂気をその身に宿しながら。
──度し難い。
眠りネズミは眉間にシワをよせ、
溜息をつくように煙を吐き出した。
吐き出した紫煙と共に白い息が周囲に溶けていく。
──ヒロイズムの成れの果てだ。そろそろ現実を見ろよ。イカレた先生。
男の睨みつける空からは、止むことを知らない雪が滾々と降っている。
────────────────────────
「Are you Alice?」より 眠りネズミ
雪
めったに降らないトコ住みだから、降ってくるといくつになってもテンションが上がる。
上から、きれいに言えば羽のように、きちゃなく言えばホコリのように降ってくるのを、寝転がって延々と眺めているのが好きだ。
積もった雪に倒れ込むのも好きだが、それが出来るほどの厚みになることはほぼない。
一番好きなのは、雪が降った後の森と真夜中の町の中。
しんと静まり返って、鳥の声も車の音も聞こえない。耳が痛くなるほどの静寂とまではいかないものの、自分が時折吐く息の音や鼻をすする音だけがある。
頬がわずかに温かみを増して、赤くなっているのだろうことを感じる。
自分だけが世界に存在するのを、強く感じる瞬間が好きなのである。
張り詰めたような空気も、寒い時のそれとは違う緊張。
なんて格好つけて書いてみたが、誰も足跡をつけていない場所にわざと駆け込むなんて子供っぽいことすんのが好きなのだ。
今年は降るんだろうか。
凍てつく神秘が降り注ぎ
あたり一面を銀色に染める
あまりに小さな宝石は
寒さを耐え凌ぐ者への
唯一のご褒美かもしれない
目を焼く白さは
空の息吹
–雪–
NO.2
机に押し当てたこめかみがじんわりと痛くなってきた。
五時間目が始まるこの時間は特に頭が重い。机に立てた教科書の後ろに顔を埋める私は、窓の方に向きなおった。
蝉の声がいっそう大きい、うっとうしいほどに暑い八月の最後。受験生とはいえ、永遠に続くようにも思えてくる夏期講習は憂鬱で仕方がない。特にこの、丸眼鏡の奥に一本線を描いたような目の橋本先生の授業は眠すぎる。板書もほとんどないなんて、寝ろと言われているようなものだ。
早く家に帰って冷たいアイスが食べたいなあ、確か雪見だいふくがあったなあと、目をつむるとさっきまでうるさかった蝉の声が一瞬で消えた。
********************
私の意識は、うだるような暑さとは無縁の冷たい銀世界に飛んでいた。
私は目の前に延々と続く雪原をものすごい勢いで走っていた。
早鐘の様に打つ自分の鼓動と、背後の巨大な足音が耳に迫ってきた。運動音痴のはずの私は軽々と雪原を飛び跳ね、ぐんぐんと前へ進んでいく。
ほとんど飛んでいるように軽い自分の体に感動したが、状況は最悪だった。追いかけてくるものが一体何なのか気になるが、絶対に振り向いてはいけない気がした。
しかし、恐怖におののく意識下の私をよそに、全力疾走している方の私はくっと口角を上げ、思いきり後ろを振り返った。
ぎゅっと目をつむったが、抵抗むなしく外の景色が瞼の裏に流れ込んできた。否が応にも私の目が捉えたのは、あまりに恐ろしい形相の巨大な「真っピンクなフォーク」だった。
ぎゃああああああああと叫んだが、この世界の勇者である私は、怖がる私を他所に得意げにへへっと笑った。グッと膝辺りに力が入るのを感じて、「真っピンクなフォーク」との距離がどんどん開いた。
___と、急に景色が反転した。背後に気をとられている間に、何かにつまづいて転んだらしい。しかし、この世界では優れた体幹の持ち主の私であるは無様に転がることはせず、もんどりうって華麗に着地した。
今が好機だと言わんばかりに、「真っピンクなフォーク」がとびかかってきた。「真っピンクなフォーク」の身のこなしも相当なものだ。意識下の私は死を覚悟した。
しかし、この世界の私は一味違う。右手の拳を突き出し、「真っピンクなフォーク」の右の耳の下に一発お見舞する。鈍い音がして「真っピンクなフォーク」の顔が歪んだ。
相手の体勢が揺らいだその一瞬の隙を突き、私は大きく飛び退った。
動揺する「真っピンクなフォーク」を背に、再度走り出そうと一歩を踏み出したとき、勢いよくドンと何かにぶち当たった。驚いて振り返ると、目の前に私が立っていた。___否、自分とまったく同じ姿形をした誰かが立っていた。彼女も誰かに追いかけられていたのだろうか。額にうっすら汗が浮かんでいる。私を見て、少しほっとしたような表情を見せた。
「お姉ちゃん!」
彼女が私に向かって発した言葉から察するに、彼女と私はどうやら姉妹らしかった。頼りがいがあるこちらの世界の私は彼女の腕をつかんだ。ここは任せろ、おまえは私が守る。などと最強の戦士である私が言っている。
前を向き直ると、一発殴られて怒り心頭の「真っピンクなフォーク」が目の前に迫ってきていた。怒りの所為か、体のピンク色が更に鮮やかになっている。
妹を背中に庇いながらの応戦はかなり難しい。必死の抵抗むなしく、じりじりと間合いを詰められる。歯を食いしばり、拳を握りしめたところで、背後から叫び声が聞こえた。
「真っピンクなフォーク」の攻撃を受け止めながら必死に振り返ると、妹の目の前に別の「真っピンクなフォーク」が迫っていた。
戦うということを知らないであろう妹は、目をつむりうずくまっているだけだった。
目の前の「真っピンクなフォーク」の攻撃を無理やり跳ね除け、身をよじる。手を伸ばして、妹の身に迫る攻撃を受け止めたときだった。肩あたりに鋭利なものがつき刺さった。それでも私はぐっとこらえて、渾身の力で妹の目の前の「真っピンクなフォーク」を跳ね飛ばした。
かなり深くまで刺さったらしい。体がほとんど動かなかった。妹が雪の上に倒れ伏した勇者——私の名を必死に呼んでいる。しかし、どうしてか名字で呼ぶのだ。私が田中なら、おまえも田中だろうに。複雑な家庭環境なのか…。
私は遠のいてゆく意識の中で、確かな痛みを感じていた。
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「_____おい!田中!起きろ」
ハッとして頭を上げると、橋本先生が鬼の形相で目の前に立っていた。さっきの痛みは、先生が手にもっている教科書の角が肩にめり込んだものらしかった。
さっきまでの威勢はどこへやら、私は小さく「すみません。」とつぶやいてうなだれた。
周辺からは失笑が漏れ聞こえてくる。さっきまでの私なら、えへへなんて笑って、また先生に叱られただろう。こっちの世界ではただの小心者だ。先生はしばらく、私に受験生の心得とは何ぞやを語ると教壇に戻っていった。ようやく周囲のざわめきも消え、私はふぅーと長く息を吐いた。妹に今日の話をしたらなんというだろうか。いつものように、面白い物語だね、とニコニコ笑ってくれるだろうか。
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午後一時の窓際は、現実世界と空想世界のバランスが崩れやすい。
頭が重くのろくなり、空想世界の重さに耐えかねた私は夢を見る。
みんなは馬鹿にするけれど___私も時折馬鹿にするけれど。
広く限りないこの世界は私の翼。二本の手と、二本の足の他にもらった天からの贈り物。
#雪
#雪見だいふく勇者
#過去作
しんと静まる住宅街。
雪がひらひらと舞う。
どうせ、積もらないんだろう。
肩に徐々に染みができていくのも気にせず、道のど真ん中立ち止まった。
耳を澄ます。
自動車、自転車、人の声、鳥の声すら聞こえない。
私は一人だ。
誰も今の私は侵せない。