雪
めったに降らないトコ住みだから、降ってくるといくつになってもテンションが上がる。
上から、きれいに言えば羽のように、きちゃなく言えばホコリのように降ってくるのを、寝転がって延々と眺めているのが好きだ。
積もった雪に倒れ込むのも好きだが、それが出来るほどの厚みになることはほぼない。
一番好きなのは、雪が降った後の森と真夜中の町の中。
しんと静まり返って、鳥の声も車の音も聞こえない。耳が痛くなるほどの静寂とまではいかないものの、自分が時折吐く息の音や鼻をすする音だけがある。
頬がわずかに温かみを増して、赤くなっているのだろうことを感じる。
自分だけが世界に存在するのを、強く感じる瞬間が好きなのである。
張り詰めたような空気も、寒い時のそれとは違う緊張。
なんて格好つけて書いてみたが、誰も足跡をつけていない場所にわざと駆け込むなんて子供っぽいことすんのが好きなのだ。
今年は降るんだろうか。
1/7/2024, 2:34:01 PM