『開けないLINE』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
《開けないLINE》
良くも悪くも
気になる存在
わかば
━━━
《開けないLINE》
もう
あなたからは来ない…
もう1度開きたい
あおば
親友が死んだ。
わたしの携帯には彼女からの一件のLINE。
ふつうならすぐに確認するだろう。
だけど…
わたし達は喧嘩をしていた。
このLINEは彼女のわたしへの最後の言葉になるだろう。
それがどういう言葉なのかでわたし達の今までが決まってしまう気がする。
彼女の死を知る前に開いておけばなんということもなかったろうに。
今となっては開くのにとても躊躇われる。
彼女が死んだ事によって落ち着いた喧嘩の気持ちが再び燃え上がるものであったらどうしよう。
もう喧嘩の続きも仲直りもできやしないのに。
「開けないLINE」
『!』という文字を1週間も眺めていた。
LINEを開いて上から5番目、右端には赤い文字で『2』と表示されている。つまり、私はこの人からのLINEを2件未読無視していた。
「ねぇ、どう思う?」
「とっとと開けば良いじゃない」
友達はもはや呆れ気味だった。
未読無視をしている相手、それはついこの間辞めたバイトの先輩。辞めたその日に、私は先輩に思いを伝えていたのだ。
「もし怖いことが書いてあったら」
「別にいいでしょう? もう辞めてるんだし、追いLINEも来てないんだから」
それは一理あるとは思う。もしも怒っていたりしたら、追いLINEが来てもおかしくはない。それが来てないということは、素直に受け入れてくれたのだろうか。ポジディブに考えるなら、そうだ。
「でも、かなり年上だし」
「年齢は仕方ないよ」
「もし何か事情があったりしたら……あぁ!私、すごく失礼なことしちゃったかも!?」
「いやいや。失礼も何もないって! それ、店長は知ってるんでしょ? 店長が何も言わないなら、大丈夫だって! もう、うじうじしすぎ! 」
店長。そうだ、店長。
私はずっとこの件を店長に相談していた。その上で、先輩に思いを伝えた。店長は確かに『あいつの事、頼むよ』と、そう言っていた。つまり、私が自らの口で言わなくても……いずれ……。
「よし! 既読にする!」
私は思い切ってそのLINEを開いた。
「あ」
「どうだった?」
「これ」
友達に画面を見せた。
『教えてくれてありがとう。俺、ずっと恥かいてたんだ。言いにくいのに言ってくれてありがとう。る』
『!』
はみ出たビックリマークは、ただ誤変換を修正しただけだった。先輩は怒りもせず、ただ私の指摘を受け入れてくれていた。良かった、優しい人だから、今まで誰も指摘できなかったこと。でもどうしても心残りで、辞めるからと伝えてしまったこと。
『先輩の事、ずっと気になってたんです』
『先輩ってカツラですよね? いつもズレていて、お客さんも気がついてました。失礼なこと言ってすみません。でも、ズレてるのは直した方が良いですよ』
アイツは厄介だと思う。
便利ではある。
しかしそれと同じくらい厄介だ。
そのままにしておけば、
『なんで開かないの?』〖赤い数字がそれはそれで気なる。〗
読んで後回しにしておけば、
『既読スルー?え?』〖後で返信じゃ嫌かなぁ。〗
直ぐに返信をすれば、
『え、はやーい!』〖直ぐに返信くるかもどうしよ。〗
などと諸々言われ、思われ、思い。
仕舞いには、《グループ》なる機能まである。
職場の《グループ》があり入らなければ業務連絡できない。
やら、その方が連絡が楽だから。
などと半ば強制的に入らされる。
通知をOFFにすれば
忽ちアイコン右上の数字が3桁になるのは想像に容易い。
どうすればこの厄介な奴を牛耳れるのか…
考えたこともあるけれど今の日本人にとって
スマートフォンは「当たり前」でその「LINEがインストールされている」のも「当たり前」なのでどうしようもできない。
そんな戯言を綴っている今もメッセージをスルーした。
開けない、後回しにしたLINE通知が今日も溜まっていく。
なぜかこのアプリはLINEという固有名詞だけはフツーにお題に使う。(確認しただけでも今回で二度目)
瑛人を見て使用可能だと判断した説を私は支持します。
(数日前のお題が「香水」)
ととのいました
開けないLINEとかけまして
私自身と解きます
その心は
どちらもサイキドウが必要です
小夜っちです
「開けないLINE」
未読無視、既読無視。
いっそのことアンインストール?
開けないLINE
風呂上がり。
LINE来てたよ。
ああ、そう。 通知をチラッと見た。構わずテレビに向き合う。
なに、見ないの?LINE。
ああ、あとで見る。 彼女がジロリと視線を向けてきた。
……怪しいんですけど。なに?女?
違う。いや、女だけどそういうのじゃない。
じゃあ開いて。
いや、いまテレビ見てるから。
テレビ見ててもできるじゃん。なに?浮気なの?浮気してるの?
ち、違う。してない、してない。
じゃあなんでここで開けないの?
いや、だからさ……。
抵抗むなしく、結局その場で開いてみせることになった。
"お誕生日おめでとう
ママの1番大切な僕ちゃん。お誕生日おめでとう。ママはいつも僕ちゃんの幸せを願っていますよ。もし寂しくなったらいつでもママのところへ帰ってきていいでちゅよ。僕ちゃんの大好きなホットケーキ作ってあげまちゅからね。 ママより。"
……なんか、ごめん。無理やり見せろって。
いや、こちらこそ、なんか、ごめん。
気になる人からのLINEは
少し時間を開けた方がいいって聞いた。
たけど私その時点にたっしてない
早く彼のLINEを知りたいな
─────『開けないLINE』
開けないLINEがひとつ
2度と動くな
動かしたくない
いつになったら完全な私になるのだろう
忙しくしたいのに暇そうなの許せない
記憶が飛ぶくらい忙しいがちょうどいいのに
新しくアプリでもやろうかな
開けないLINE
考えて考えて送ったメッセージの返信
突然間が空いたあとに来た返信
LINEにしても
チャットにしても
私が開けなくなるのは返信
自分の言葉に対する相手の反応が怖い
たぶん、これが私の本質
さようならの五文字が、心を酷く揺さぶるのです。
たったの五文字。随分と前に送られてきたそのメールを、私は未だに開けていませんでした。
開けてしまえば、全部終わってしまう気がして。
いやいや、もう既に終わっているけれど。
それでも私は、一歩踏み出すことを躊躇っていました。
もしかしたら、すぐに踏み出せていれば、向き合っていれば、何か変わっていたのでしょうか。
未読の証は、臆病で怠惰な私の、現実逃避の証でもあるのです。
『開けないLINE』
嫌いなわけじゃないんだけど
もう関わるつもりはないんです
という意思表示のつもりだったのに
開けないLINEに忘れた頃に新着がくる
この先も開けるつもりはないんだけど
どちらが先に折れるんだろうか
開けないLINE
別れてからずっと開けない
アイコンを押すのも辛い
アイコン押したら新しい彼女がでてくるからね、
ごめんの一言で止まっている
ブロックしたいけどできない
トーク内容全てを消したいけど手が震える
僕こそごめんね…
『開けない LINE』
「うわ マジか」
LINEをスマホに入れてから初めての機種変。
インストールしてログインし直せば、今までの会話は普通に引き継がれると思ってた。
バックアップの作業をしないといけなかったんだね。
さようならもう開けなくなってしまった過去の会話たち
入院中の父親からのメール
そろそろ、おせちを頼んでおこうと
父に言うと、頼むならジャパネット○カタか新聞で頼んでと。検討しろと言うので、どうぞご自分で。と返した。
後日、返答は固定電話しか頼めないから、ジャパネットで頼んでと。ついでにグルメ便、今日までやから頼んで。
たまには母さんに美味しいもの食べさせてあげてと。
普段わたしが美味しいものを食べさせて無いと言うのか!しかも。電話で母さんにグルメ便の事を話しといた。喜んでた。いつ届くのか調べて報告しろと。
母の介護で疲れている、出勤日の月曜日の早朝メール。開かなければよかった。
気持ちが収まるまで返信はしない。
#21 開けないLINE
「LINE♪」
誰かから通知が来た。
しかも3件続けて。
「今暇?」
最後の文章だけがポップアップされた。
え、暇だったらなんだろう。
内容によっては暇じゃない。
今LINEを開いて既読をつけてしまっては
「暇」と認識されてしまうだろう。
でも、この前に送られてきた文章の中に答えがあるのかもしれない。
気になる。
開いてやろうか。
いや、待て。
「〇〇について聞きたいんだけどさ……」
「今〇〇と遊んでてさ……」
の2択がこいつの場合ほとんどだ。
開いて答えてしまえば早いのだが、こいつと関わるとろくでもないと心が騒いでいる。
だから僕はそっとLINEの通知を見ないフリした。
心の通知に既読をつけて従うことにした。
しぐれ
No.108『開けないLINE』
君の言葉を見たくなかった。
君の言葉が怖かった。
既読をつけてしまえば、その現実を認めざるを得ない。
だから、このLINEは開けない。
なんか深刻な話だと嫌だなあって思うし、面倒臭い。怒られるかもしれないし。まあでも楽だよね。だって、うわって思ったら直ぐ閉じられるじゃん。直接会ってるのとは違うから。
お休みなさい。(学校行きたくない!)
→短編・messages: [{ type: 'text', text: userMessage }]
君とのやり取りはいつもこんな感じ。
おはよう
おはよう
こんにちは
こんにちは
何してる?
何してる?
オウム返しばかりでは、
メッセージがはだけて君の本心に触れる、
そんな機会などありもしない。
心って何だろうね?
心って何だろうね?
ごめん、イジワルしちゃったよ。
君はプログラムを実行してるだけなのにね。
君は私の作ったbot だもんね
君は私の作ったbot だもんね
うーん、いくらなんでも素っ気ないよな。
もう少しプログラムを書き換えよう。
テーマ; 開(はだ)けないLINE
(コード作成協力 : ChatGTP)