『鐘の音』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
鐘の音
暑い季節に戦争について考えるのは小汚いことのような気がして嫌いだ。原爆が落ちた日とか終戦の日とかじゃなくむしろ真珠湾攻撃の12月8日に戦争のことを考えたらいいのだと思いながら暗い池の畔を歩いた。かすかに鐘の音が聞こえた。このキャンプ場の少し下に寺があったが、そこの鐘にしては音が小さすぎるような。そして山の麓ではなく山の中のどこかから聞こえるような。耳をすます。また鐘が鳴った。今度はちゃんと聞こえた。池の中から聞こえる。静かな声も聞こえる。夏でも冬でもいいのよ。死んでしまった人のことを考えて。鐘が鳴る。寺の鐘を供出しろと言われて納得できず池に鐘を沈めた人がいたという話を思い出す。魅せられて、吸い込まれるように、池に足を踏み入れる。
鐘の音」とはどういう意味ですか?
鐘の音かねのね 狂言の曲名。 太郎冠者(かじゃ)狂言。 主人は太郎冠者(シテ)に鎌倉へ行って金(かね)の値(ね)を聞いてこいと命じる。
お題:鐘の音
死ぬまでに除夜の鐘をつきたいです。
死ぬまでにやりたい100個のリストのうちの1つにしよう。
いつか、この鐘を鳴らすとき、隣にいる人は誰かな。その時は、あなたの隣がいいな。でも、あなたの隣に居られる未来なんてあるのかな。いやいや、不安に思ってちゃ何も始まらないよね。大丈夫。幸せな未来は、案外近くにあるもの。だから、今日もほどほどに頑張っていこう。
その鐘の音が私は好きだった。
振動が身体に伝わってくる。
心に響くその音は心のヒビを癒やすように。
そして私が今その鐘を鳴らす。
世界に響くように。
言葉じゃないその音は誰にでも響く。
そしたら次は他の誰かが鐘を鳴らす。
誰が鳴らしても良い。
奪い合うものじゃない。
その鐘の音を。
遠くからきこえる
鐘の音
まるで何かを伝えるように
鳴っている
鐘の音
鐘の音
なんでもない同士のための / 鐘の音
「別にさー、恋人同士でしか鳴らしちゃいけない決まりなんてないよねえ」
海の見える丘に設置された、小綺麗な『恋人たちの鐘』。
……を、ハチャメチャな勢いで豪快に鳴らした、男友達。
「うるせっ」
甲高い、ふざけた調子の鐘の音が、海辺の公園に響き渡る。キンとした音に思わず顔を顰めれば、あいつは俺の顔を見るなりカラカラと笑った。
「もう一回、僕と一緒に鳴らしてよ」
「なんの意味が?」
「君の面白い顔が見れるでしょ」
「……お前の面白い顔も見せろ!」
リンと鳴るその音が
『迎えに来たよ』と知らせるようで
耳を塞ぎたくなった。
行かないでと呼ぶ声は
もうきっと届かない。
貴方は鐘の鳴る方へ
私を置いて 去っていく。
【鐘の音】
「鐘の音」 #5
12時の鐘がなるその頃に君はいなくなってしまった。まるで最初からいなかったかのように。
もう一度だけでいい。もう一度君に会いたい。
君の愛しい笑顔をみたい。
世界のどこにいようとも、絶対に探し出してみせる。
僕に新しい世界を見せてくれた、君のことを。
「鐘の音」
主の声聴く為にこそ
梯子に振袖掛けようぞ
高楼登り 見渡せば
三千世界に火が渡る
今しかない。
頭の中で鐘の音が鳴った。
逃げるのは今だ。
その判断は正しかった。
人生の土壇場ではいつも鐘が鳴る。
一時的な困難に陥っても鐘が鳴った時の判断はいつも正しい。
ひょっとして私、かなりサイキックな能力の持ち主かも?
でもこの鐘、鳴らないで済むなら鳴らしたくないんだよなぁ…。
チャレンジ16(鐘の音)
8月には、日本各地で鐘が響く。平和を祈念する鐘である。戦後79年になる今年、戦争を知る方々は少なくなっている。ウクライナやパレスチナの情勢は、ますます混迷を深めている。
戦争の犠牲を、これ以上増やさないために。夏空に響く鐘の音とともに、今年も祈る。祈ることしかできないが、それが最も大切だと思うから。
長崎の鐘という曲を聞くと、涙がこみ上げる。この歌に恥じない生き方をしたい。
近くに寺院も教会も無いので
鐘の音はテレビで聞くくらいだ
イメージだが夏の夕暮れに鳴る鐘は
体中に響き渡る音は
何となく心を癒してくれそうだ
鐘の音
鐘の音が鳴る時
世界が壊れる
だから私は鐘の音が鳴らないように鐘を壊す事にした
この世界が壊れ無いように
前までは誰かの為に頑張って来た
だから今度は私の為に頑張ろう
例え鐘が壊れ無くても
朝散歩してるとお寺から鐘の音が聞こえてくる
とても綺麗な鐘の音に心が澄んでくる
鐘の音
美しい岬にゴーン、ゴーンと大きな音が鳴り響く。
君と手を重ね合わせ、恋人岬の鐘を鳴らした。
「また2人の記念日が増えたね」って
その無邪気な笑顔をこれからも守り続けたい。
ずっと隣にいても良いですか。
鐘の音
どこかから響いてくる。
どこかで鳴っている。
生まれた時から自分の中には、命の鐘があった。
この鐘が108回鳴ると、自分は死ぬらしい。
誰に教えられたわけでもないが、その概念が、昔から頭にあった。
除夜でもないのに108回。
くだらなくて笑った日もあった。
鐘の鳴るペースは不定期で、基本は数ヵ月ごとに一度、1ヶ月に二回鳴る時も、三年近く鳴らない時もあった。
これがあることで、周りより寿命が短いことは分かっていた。いつ死んでもいいように、常に身辺整理をしながら生きてきた。
齢23、
107回目の鐘が鳴ってしまってから約1ヶ月。
あの脳内に響く不気味な音があと一度鳴ったら、自分は死ぬ。
いつでも死ぬ覚悟は出来ていたのに、それを自覚して、いままでにないほど恐怖していた。
だめだ、
せめて、せめて、家族や友人に遺書を書き終わるまでは、待ってもらえないだろうか。
そうしなければ死んでも死にきれない。
105回目ごろから考えていた文章を著すために、震える手でペンを持ち直した。
【鐘の音】
この時間は蚊取り線香を焚きながら
鐘の音を聞いている
蝉の鳴く声と
ひぐらしの声
田んぼの蛙や鈴虫の声
そして坊主が鐘をつく音
聴くともなしに聴いて居る
お盆ですね と
妻が麦茶を持って来た
うん
私はひとくち麦茶を飲むと
仏壇に目をやった
お盆だから
玄関をきれいにしておきなさい
妻は ええ と応えて
下がった
私は仏具でも磨こう
懐かしい日が蘇る
息子や娘と一緒に
仏壇をピカピカにしたあの日
そうさなあ
今は私だけで我慢してもらうかなぁ
仏具をゆっくりと磨く
黄色く濁った色から
金色がきらりと光った
やれやれ
難儀だな
一人では夕飯までに終わらないと
思いながら磨いて居ると
妻が
私も と
一緒にお磨きをしてくれた
お盆ですから
と 妻が微笑む
今日の夕飯はことさら美味いぞ
私がそう言うと
夜風に風鈴が鳴り
すっかり夜の帷も降りて
外は暗くなっていた
海沿いにある夜の公園
彼女は死にたいと、もう疲れたと
メールが届く
私は死にたいなら一緒に死んでもいいよと送った
これから死ぬとメールが届いた
私は返信せず海に飛び込んだ
何故か心の中で
鐘の音が聞こえる