『鏡』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
毎日鏡に向かって
今は落ち着いています
かつては全てのことを
ワンオペでこなす毎日で
ヘトヘトになり
虐げられていたあの頃
仕事帰りに毎日
ヘルメットの下で涙したあの頃
あんなに好きだった
オシャレやお化粧が出来ませんでした
鏡を真っ直ぐに見ないから
どんな顔だったのか思い出せません
今はあなたのおかげで
自分を取り戻し
鏡の前で笑顔になれます
全てのことにありがとう
鏡
鏡と向き合い手を重ねる。触れているのは冷たい鏡であるはずだけど、どこか暖かく感じる。鏡の中の私が私にエールをくれるよう。
ちょっと変わった私のエネルギーチャージ。
鏡を見ると
醜い醜い私がいる
醜い人間の子
ハッピーエンドになるといいな
今日の心模様
朝から快晴で、髪も上手く巻けたし、星占いも一位だったし、今日はいい日だと思ったのに。
(嘘でしょ……)
帰る頃になって急に雨。友達は部活だし、置き傘もない。
(アイス食べて帰ろうと思ってたのに)
「ひゃーすごい雨」
「! 結城くん」
心臓が飛び上がった。
「三島さんも帰れないの?」
「傘なくて。通り雨かな」
「ていうかスコール」
「ふふ、ほんと」
でも恵の雨だ。結城くんと話せるなんて。
今日は、晴れのち雨ときどきドキドキ。
夜の海
ザザーン、と音がする。
窓の外は真っ暗だが、昼間見たときと同じように、岩場に波が打ちつけているのだろう。白く泡立つ波の花が岩にぶつかり砕け散る。
ザザーン、と音がする。
波の音には癒し効果があるというが、とてもそうは思えなかった。バシャ、ゴポゴポ。岩肌に当たるせいか、渦巻き海中に引き込まれる音が背筋を粟立たせる。
ザザーン、と音がする。
誰かが海の中から手招いている。寂しげに泣いている。
そんな音だった。
自転車に乗って
バサバサとスカートが風に翻る。ハーフパンツを履いているからいいけど、それ以前に車輪に巻き込まれないかちょっと不安だ。
「おーい、あんまり遅れんなよ」
顔を上げると、振り返った綾瀬とは少し距離が離れていた。
「そっちがペース落とせばいいじゃん!」
「遅かったら後ろからウイリーで煽るっつうから」
「ちょ、前見ろ前!」
「うわっと」
大型トラックの脇をすり抜ける。
「買い出しだる」
「アイス食わね?」
「いいね! 内緒で!」
鏡よ鏡、この世で一番美しいのは誰?
「あなた」とは言ってはくれない
私はこの世の女王にも姫にもなれないから
毒りんごを食べた白雪姫のように助けてくれる王子様がいる訳でもない
''この世で一番美しいのか''は誰かが決めていいものではない
美しいがすべてではないから
毒りんごを食べた白雪姫はきっと『毒』だと分かって食べたのだろうか
白雪姫の美しさを妬んだ女王はそれだけの理由で娘に『毒』を渡したのだろうか
鏡は真実を映し出す
鏡よ鏡、この世で一番嘘つきなのは誰だろう?
空は淀む
つまりは目の前にいるってことでしょ?
自分がぁ、なるほどね。
定期的に聴こえる鐘の音。家の前のうるさい川の音。
家族の誰かが、下手したらどこかのホラー映画より不気味な、音を立てて
いる。
お願いだから静かにしてよ!!
鏡
つまりは目の前にいるってことでしょ?
自分がぁ。
自分のかおが?
自分の体が
自分は防犯カメラじゃないんだって実感するよ本当。
自分は、自分の目だけで世界を見ている気になっていたけど、
鏡みたら、自分に目以外の実体があるって気づいたよ。
別に自分さえいなかったら、きっと文句も言われないんだろうよこの音たちも。
自由気ままに鳴り響いて時々不協和音を出したりして。
でも僕がいなくちゃ、私がいなくちゃ、この部屋にほこりが溜まってしまうし、
っていうか、なんの価値もないじゃないか。
人が一人もいない世界って感じか?
鏡みたらさ、どうしようもなく自分の体はでかかったよ。
嫌でも認識してしまうね、この迫力は。
音にうるさいって怒ってた自分の方が
圧倒的に景観と空間の風紀を乱す風貌をしていたよ。
音と視は違うけどね。よく考えたら、
自分だって呼吸の音とか髪の毛の擦れる音を出していたよ。
まったく自分を棚に上げていたんだ。
鏡は
いいねぇ。
主観を圧倒的に断ち切ってくれるよ。
鏡よ鏡。
鏡を見る度、魔法をかけてちょうだい。
ジーっくり鏡を見る事なんてない。
着飾るのは仕事の時だけ。
見た目はお金のため。
自分がどう見られるかなんて知らない。
お金になるからその服着るだけ。
そんな私が結婚して、子供を産んだ。
なんて綺麗なお母さん!
ってお世辞かどうかわからない言葉が懐かしいと思う頃。
子供と風呂上がりに自分の真っ裸を見た。
誰だこの妖怪…
『昔は細身でモテたのよ〜』
なんて義母の言葉が聞こえた気がした。
ヤバい。
鏡に顔を近づけてみる。
うっすらとシワ、シミ、タルミの三原則。
ヤバい。
やっとけばよかったオシャレ。
私には関係ないとばかりに無視した美容法。
今ならまだ間に合う?
手遅れ?
よくわからないけれど、手荒れ予防に使ってるニベアのハンドクリームを顔に塗る。
暇ができたら若返りだとか美容だとか頑張ろう。
子供と遊ぶ以外に体も引き締めて…
無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理
私が鏡と聞いて思い浮かぶことは三つある。
一つ目は生活の中で1日で必ず必要とし使用するものでありなくてもさほど困らないがあればとても助かるものである。
二つ目は色々な形があり様々な使われ方をしている多種多様であり色々な場面で活躍し生活を助けてくれているもので大きさ等もまばらである。
三つ目は容姿を映すし使用するだけでなく自分は性格や考えていること相手に今どう見えているのかなどの内面等も容姿に出ているのでそれを確認できると私は思っている、疲れや怪我体型の変化等も確認することができる。
この三つの点が思い浮かび鏡はとても生活を豊かにしてくれていて自分のことを気づかせてくれる良い道具だと私は思う。
鏡
風呂上がりに、脱衣所の洗面台の鏡を見ながら、髪を乾かす。鏡に写るだらしない身体、皺だらけの顔、薄い白髪頭…年々と言うか、日々向かい合う自分の姿に、若い頃に思い描いた姿とのギャップ…
職業柄、1日のほとんどをこれに囲まれて過ごしている。
私はこれを通した自分を私として認識している。
お客様もそう。
面と向かって話す事は殆どなく、常にこれを通して話をする。
職場で見る顔、家で見る顔、デート中のトイレで見る顔。
全部違うけど全部間違いなく私。
今も左側に置いてある。
かがみ
「鏡」
鏡は今の自分を映し出す
ありのままの自分を映し出す
鏡の中の自分を変えることは出来ない。
ありのままの自分だから
中二女子
起きる時間だ。
また、いつもの繰り返しが始まる。
鏡を見ると、いつもと変わらない自分がそこに居た。
今日は予定は無い。テレビでも見るか。
何も変わらない。
いつもと同じ。
退屈な人生だけど、こうするように教わったから、
「社会に馴染んで、自分を消し、周りと仲良くする。
社会に馴染めないのは、貴方が可笑しいからです。
皆で団結し、より良い未来を創りましょう。
そうすれば、安心して暮らせます。」
これでいいはずだ、
なのに、何でこんなに虚しい?
人並みにお金はある、体も健康、対人関係も、普通。
なのに何故満たされない?
考えても答えは出ない。
諦めて、テレビに視線を戻した。
社会的な話題を取り扱う番組のようだ。
[社会に合わせるだけでは、幸せになれない、
最近の世代は、周りに合わせるのではなく、
自分の個性を大切にしているようです。]
へぇ。いいなぁ、個性を持ってる人間は。
俺は平凡な人間。
個性は無い癖に、どこか生きづらい。
大多数に従わないと生きていけない人間になった。
鏡
写るのは誰で映すのは誰
そこに立っているのは誰でしょう
誰だかは知らないけど
誰だって知らないだろうね
鏡にありのまま移せない
だけど誰がどう見たって鏡なんですよ
そんなありきたりな鏡
あなたには何が見えるのかな
誰の言葉だったかすら記憶にない
ただ言葉があるだけで
言葉は色々なものを映すけど
写るのはその時の何かでしかない
僕に向きあってくれるとき
皆髪の毛を触ったり、顔になにかを乗せたり、
様々な布を纏っては変えたり、忙しそう。
でも人間が自分自身に細工を加えた後、僕を見て何故か笑顔になる人が居るんだ。
そのときはなんだか役に立てたような気がして
誇らしくなるよ。
たまに僕を見て泣いている人もいるよ。
僕は何か悪いことをしたかな。
ごめんねって思いつつ、気持ちを吐き出すきっかけになってたらいいと思うよ。
毎日皆の行動を不思議に思いながら、
たまに嬉しくなったり悲しくなったりしているよ。
僕は役に立てているかな。
分からないけど、僕はあいも変わらずここに居るよ。
「鏡の中の子」
子供の頃、年の離れた従兄弟からもらった、古くてとても立派な装丁の「世界児童文学集」に入っていたお話だ。
寝る前によく、母親に読んでもらっていた。
主人公はヒルデブランドという名前の、
つい嘘をついてしまう男の子。
その場しのぎのすぐバレる嘘ばかりつくので、彼はいつも友達にからかわれていた。でもどうしてもやめられない。
ある時鏡を見ていると、中に映る子が話しかけてきた。
「明日から君がついた嘘は全部本当になるよ。だからもう誰も君をバカにしない」
翌日ヒルデブランドは友達とボールで遊んでいるうち、ボールが逸れて藪の中で見失ってしまった。
友達に弁償しろと責められ、いつものようについ「熊が出て探せなかった」と言ってしまう。
またそんな嘘を…と友達に笑われかけた時、奥から本当に熊が出て来て町は大騒ぎ、当然ボールのことはうやむやになった。
さらに翌日、宿題を忘れて先生に問い詰められたヒルデブランドは
「妹が目の病気になり看病をしていて、宿題が出来ませんでした」と言ってしまう。しまったと思いながら、おそるおそる家に帰ってみると、妹は本当に目が見えなくなっていた。
怖くなった彼は、鏡の中の子に「妹を元に戻せ!」と詰め寄る。
「だって君は約束したじゃないか。」
と中の子はにべもない。彼は怒りのあまり、鏡を殴って割ってしまった。
この後の件りは忘れてしまったが、ともかく事態は無事に収まり
「それからヒルデブランドは、正直で優しい子供になりました。めでたしめでたし」
という結末だったと思う。
当時
「後味わるい話だな。嘘つきだけどすごく妹思いだし、そんなに悪い子かな」
と思ったものの、なぜか読んでくれる母親にそれを言えなかったのをよく覚えている。
今なら分かる。なぜ感じたことを正直に言えなかったか。
それはその古くて立派な本が、こんな風に語りかけてくるように感じていたから。
「いいか、お前は従順なただの子供だ。子供は目の前のことを正直にやってればいい。決して嘘など作り出してはならぬ。嘘は自分の頭で考えることだ。それはこの社会からの逸脱に繋がる。そんな事は決して許さないぞ」
ああそうか。
「鏡の中の子」はやっぱり、鏡に映る、ヒルデブランド本人だったんだ。
嘘をついていたのは物語の読み手、私たちの方だったのか。。
鏡よ鏡、この世で1番美しいのはだあれ?
そんなこと聞いたって答えてくれやしない。
もし答えてくれたとしても
「貴女です。」
なんて言ってくれるわけがない。
自分の容姿に自信なんてない。
人から羨まれたって、そんなものは意味をなさない。
自分の容姿が大っ嫌いだ。
と言って努力しない自分も大っ嫌いだ。
鏡よ鏡、鏡さん。
私を美しく写しておくれ。
この一瞬だけで構わないから。
魔法をかけて。
2023.8.18.鏡
小学生の頃、祖母の家にあった三面鏡が怖かった。
「開けば、お化けが出てくるんよ」と言われてたからだ。夏休みにテレビで放送していた怪奇現象の番組も三面鏡が良く出ていたので、その時は素直に鏡の向こうには、お化けがいると思っていた。
中学生になる頃に祖母が他界し、三面鏡を見なくなった。自宅にあるのは、どこにでもあるような普通の鏡。年頃ということもあり、お化けの存在なんて忘れて、鏡と向き合う生活になった。
そして、年を重ねて中高年になった。自分の顔を見つめ「最近、しみが増えたなぁ~。肌もカサカサだ」と呟く。シワも出てきた。髪も薄く、白髪が増えた。老化現象だから仕方ないと思う半面、ちゃんと手入れしないとお化けみたいになると感じた。
お化け?
鏡を前にして久々に発するワード。
そうか、そういう意味だったのか。
なぜか腑に落ち、鏡の前で笑った。
「三面鏡を開ければ、お化けが出てくるんよ。」
あれは鏡に映った自分の姿をお化けに例え、祖母がユーモアで言ったことなんだ。と、気付いた。あの時は本気でお化けを信じて笑えなかったが、その意味がわかると微笑んでしまう。
おばあちゃん。鏡にお化けが映らないように、ちゃんとお手入れします。
その日から毎日。
祖母のユーモアな忠告を胸に、鏡の前に座って肌の手入れをしている。自宅の鏡からは、まだお化けが出てきていない。
テーマ「鏡」
私はこの世で1番嫌いなものがある。
それは双子の姉とそっくりな容姿と私の事など興味もない家族である。
双子の姉は昔から周りの人に可愛がられていた。
両親を始めご近所さん、クラスメイト、先生、周りの大人たち。
姉を見た人は必ず『○○ちゃんは可愛いわね、まるで天使みたい』
『あんなに可愛くて優しい子と付き合えたら幸せだろうな〜』
『○○さんは勉強も優秀だな。こないだのテストも学年一位だったし』
姉に対しての評価は誰に聞いても賞賛ばかり。
一方私はまるでそこに存在してないかのように扱われた。
『あの子…確か○○ちゃんの双子の妹よね?顔は瓜二つなのに無愛想だし頭もそんなに良くないんでしょ?
あんなの自分の娘だったら恥ずかしくて外に出したくないわよ』
『なーお前の姉ちゃん、めっちゃ可愛いよな。紹介してくれよ。
お前で我慢しようとも思ったけどやっぱ無理。お前、顔しか取り柄無いし』
『一緒に遊びたいの?え〜じゃあ○○さんも一緒なら良いよ』
『なんで○○は優秀なのに君はここまで出来が悪いんだ?双子なのに』
私のことを否定する言葉しか投げつけてこない周りの人達が大嫌い。
双子の姉も両親もまるで初めから3人家族の様に振舞ってるのにも…もう疲れた。
容姿だけは瓜二つだから鏡を見ているようだとも言われるけどその言葉は私にとって1番言われたくない言葉だ。
いつか私を知らない場所で、私自身を見てくれる人と見つけたい。
そんな風に思っていた私はその機会が思ったよりも早く来たことに驚いた。
それは学校帰りのある日のこと。