彼岸花

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テーマ「鏡」

私はこの世で1番嫌いなものがある。
それは双子の姉とそっくりな容姿と私の事など興味もない家族である。

双子の姉は昔から周りの人に可愛がられていた。
両親を始めご近所さん、クラスメイト、先生、周りの大人たち。
姉を見た人は必ず『○○ちゃんは可愛いわね、まるで天使みたい』

『あんなに可愛くて優しい子と付き合えたら幸せだろうな〜』

『○○さんは勉強も優秀だな。こないだのテストも学年一位だったし』

姉に対しての評価は誰に聞いても賞賛ばかり。
一方私はまるでそこに存在してないかのように扱われた。

『あの子…確か○○ちゃんの双子の妹よね?顔は瓜二つなのに無愛想だし頭もそんなに良くないんでしょ?
あんなの自分の娘だったら恥ずかしくて外に出したくないわよ』

『なーお前の姉ちゃん、めっちゃ可愛いよな。紹介してくれよ。
お前で我慢しようとも思ったけどやっぱ無理。お前、顔しか取り柄無いし』

『一緒に遊びたいの?え〜じゃあ○○さんも一緒なら良いよ』

『なんで○○は優秀なのに君はここまで出来が悪いんだ?双子なのに』

私のことを否定する言葉しか投げつけてこない周りの人達が大嫌い。

双子の姉も両親もまるで初めから3人家族の様に振舞ってるのにも…もう疲れた。

容姿だけは瓜二つだから鏡を見ているようだとも言われるけどその言葉は私にとって1番言われたくない言葉だ。

いつか私を知らない場所で、私自身を見てくれる人と見つけたい。
そんな風に思っていた私はその機会が思ったよりも早く来たことに驚いた。
それは学校帰りのある日のこと。


8/18/2023, 2:04:06 PM