『透明な水』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
色もなく こぼれて落ちてゆく雫
私の痛みは 熱いばかりで
#短歌 #書く習慣 20230521「透明な水」
最初は皆透明で
少しずつ黒い色が足されてく
10代の時にはもう黒が増えていって
ろ過されても簡単には無くならない
人を見下すことなんて
最初は知らなかったことなのにさ
本能に任せて見下してゆく
真面目な子は綺麗になろうと
真っ直ぐになろうと努力してきたのに
「真面目だね笑」って
薄笑いでバカにされるそんな世の中で
私はまだバカみたいに真面目やってる
ちょっとやんちゃな人が更生されたら
とても褒められるのに
普段から真面目な人は当たり前だから
褒めてくれない
そんな世の中の褒め言葉なんて
価値なんてないでしょ
【透明な水】
透明な水
誰もいない家に、透明な水が入っているコップが
ただ1つ机の上においてあった。
誰もいないのに水の量が減っている。
謎の現象がおこっている
透明な水
私たちは何も遮るものの無い向こうに何を見るのであろうか?きっと自分の背中も見えるに違いない。私は背中に私の過去を背負っているに違いない。だから、他人に背中に回られるのを嫌がる。私の愛した人、嫌いだった人。私の愛した音楽、嫌いだった音楽。私の愛した絵画、嫌いだった絵画。私の愛した文学作品、嫌いだった文学作品。私の愛した風景、嫌いだった風景。でも今は、すべてを愛せるような気がする。すべてが過去にあった自分の姿なのだ。
ガラスコップに注いだ水は、
透き通っているように見える。
でもその水をすくい上げた池は、
とても底なんて見えない。
あなたから見て、私はどう見える?
~透明な水~
「芋の、水割りで」
今日の接待が決まった時に先輩がボヤいたのを聞いた。
「仕事の付き合いで摂取するカロリーが一番無駄だわ」
確かに、焼酎は酒の中でもカロリーが低い。
デキる彼女はこんな時でもストイックで隙がない。
今日も接待を終え、クライアントを見送り店に戻る。
あと一杯だけ飲んで自分達も帰ろう、と店員を呼ぶ。
「ジントニックで」
ジンですか、と彼女の顔を見る。
「うるさいわね。透明だからいいのよ」
少しバツが悪そうな顔の彼女を見て、嬉しくなった。
ジントニックはカロリーが高いから。
何にもない
透明な水 揺らいでる 波のように
今ある物を全部捨てたい
捨てたらスッキリするかな
目に入る物全て捨てたい
仰向けになって寝転んだ
真っ白い壁だけ
私はこの壁に一体何を描くのだろう
まだ何も描けない
捨てる事に躊躇しているから
透明な水のように綺麗で在りたかった。
環境、精神的病、人間関係。
全ての影響を受け、私は濁った泥水のようになってしまった。
一見、綺麗に見える水面だけど、
中を少し掻き回すと、
淀み濁り、ひどく汚い。
それでも、
底の底には、まだ、
透明な水が残されていると、信じたい。
自分の中に。
#透明な水
【透明な水】
「透明な水 イラスト」とネットで調べると、検索画面は濃淡取り混ぜた青色で溢れている。
「じゃあ「透明」っていったい何なんだ?」と、デザイナーの小橋は思った。もともと作品制作のための参考資料として調べていたが、もはや作品はそっちのけで「透明=青?」の件が気になって仕方がない。
「先輩、買い出し行きますけど何かありますか?」
突然、後輩の陰山が声をかけてきた。彼は、周りの誰かが煮詰まっていそうだと見るやいなや、そのフットワークの軽さを活かして買い出しの御用聞きにやってくる。仕事も早いし、気遣いもできる良き後輩だ。
「あ〜、そうだなぁ。透明な水、じゃなくて透明な麦茶頼むわ」
「は? 透明な麦茶って何すか、それ⁈」
「いや、水って透明だけど青く見えるじゃん。麦茶も一見茶色く見えるけど、実は透明なんじゃないかなぁって」
「…わかりました。先輩はそんな意味不明なことを口走るほど疲れていて、麦茶が欲しいってことですよね。行ってきます‼︎」
そう言うと、陰山は外へ駆け出して行った。
たしかに、冷静に考えると「透明な麦茶」はわけがわからない。そもそも、透明な水に麦茶のパックを入れて茶色くなっていくのだから、元を正せば水も麦茶も皆同じじゃないか。
って、この考え方がもう意味不明だよなぁ…小橋の脳内が混沌としてきたころ、陰山が買い出しから戻ってきた。彼の両手には、他のメンバーからも頼まれたであろう、大量の飲食物が入ったコンビニ袋がぶら下がっている。
「はい先輩、ご注文の麦茶と、これ」
そう言って、彼は2本のペットボトルを小橋に差し出した。1本は明らかに麦茶だが、あと1本はミネラルウォーターのように見える。
「なぁ、この透明なの、何?」
「紅茶です、透明な紅茶。たまたま売ってたんで買ってみたんです」
透明な紅茶⁈
小橋は、ますますわけがわからなくなってきた。とりあえず、一口飲んでみる。たしかに、紅茶の味っぽい。今度は、目をつぶって飲んでみる。紅茶と言われれば紅茶の味だが、何か別の飲み物の味に似ているような気がしないでもない。
気を取り直して、麦茶を飲む。
うん、これはもう完璧に麦茶。見た目も味も100%麦茶だ。一口飲んだだけでホッとする、いつもの味にいつもの色だ。
「やっぱ、透明だと落ち着かないなぁ」
と言いながら、小橋はどちらも飲み干した。「さ〜て、やりますか」と大きく伸びをした彼の傍には透明な空のペットボトルが2本キラキラと輝いていた。
透明な水が常に出てくる日本は恵まれている
それが未だに得られない国もあるし
濁った水で命を失う人もいる
日本はほんとに恵まれてるよな
食事だけは
それ以上に贅沢を言えば 批判しかないだろうから
日本人は幸せってことで
おやすみなさい。
_ ₅₈
【透明な水】
湧き上がってきた感情は透明な水に似てた。僕の怒りを全て無に変えていく感じ。初めてじゃない、戸惑っただけ。
「やめなよ、母さん。」
怒鳴り声は何回目か。理性が消えていく瞬間はどんな感じか。頭がおかしくなりそうだって兄さんは離れていった。それなら僕は?
「私のこと捨てないわよね?」
A.逃げられないだけだ。
【透明な水】
「透明だー!」「綺麗ー!」という会話が耳に入る
だが僕からはどう見ても
キラキラと光を帯びたただの水にしか見えない
あぁ、大人になりたくなかったな
透明な水だけの川より、魚が泳いでいる川の水のほうがより美味しそうに見えるのはなんでだろう。野生の生き物が元気に生きているのが見えるほうが安全と分かるから?無自覚の獣が教えているのかしら。
涼やかな印象を受けますね。最近暑くなって来たので清流で涼みたくなります。
最初はみんな透明な水。
そこに様々なマイナスが混ざってどす黒くなる。
愛や労り、許しで中和させれば再び元の透明な水。
透明っていいよね。
キラキラしてて、
きれい。
透明だったら何にも害がなさそう。
なんにも見えないけど
なんでか見える。
透明っていいな。
あんな風に
なってみたい。
お題《透明な水》
命の水には天照と月読が宿る
器を満たせば焔が宿る
それが《人》
昨日のテーマ
《理想のあなた》
一目惚れという言葉がある。
文字通り、一目会ったその瞬間に恋に落ちるという現象だ。
そんなものは漫画やドラマの中でだけ、もし現実にあるとしたらよほど惚れっぽい奴の身にだけ降りかかるもの。
どちらかと言えば現実主義者な自分には全く無縁で、決して起こる筈のない事象だと、ずっとそう思っていた。
大体、顔が好みだとしても性格が合わなければ話にならないだろう。
それに、容姿なんてものは歳月を経て変わってしまう可能性もある。
始まりが一目惚れだった場合、あっさり醒めてしまうかもしれない。
そんな程度の想いで惚れた腫れたと騒ぐのは相手に対しても不誠実じゃないか。
そう、思っていたのだ。ほんの数分前――彼女に出会うその瞬間までは。
容姿に対して、特に好みなどというものはないと思っていた。
だが、それは「理想の顔立ち」というものに巡り会っていないだけだったのだと、その時になって初めて知った。
「千年に一度の」とか「千年に一人の」などという枕詞が付けられるような、万人が好ましく思うタイプではないかもしれない。
人によっては「平凡な」と評することもあるだろう。
だが、彼女を見た瞬間、俺は確かに胸が鷲掴みにされるような衝撃を受け、同時に彼女を是が非でも自分のものにしたいという強い衝動に突き動かされた。
まさに理想を体現した姿がそこにあったのだから。
「これが、恋か」
「いや、違うだろ」
「いいや、これは正真正銘の一目惚れだ!」
握りこぶしで力説する俺に、弟は完全に引いた顔をしている。
だが弟の意見なんてどうでもいい。
いや、どうでも良くはないか。彼女と暮らすことになれば、弟にとっても家族になるのだから。
性格? 相性?
そんなものは後からいくらでもどうにでもしてみせる。
性格に難があるようならじっくり向き合って調教、もとい、矯正していけばいい。
相性についてはできる限り気に入ってもらえるよう努力は惜しむまい。
「まずは外堀を埋めることから始めるか。父さんと母さんを説得して、その後、向こうのご家族にしっかりアピールして……」
「うわー、兄貴の本気度がヤバい」
「当たり前だ! 家族になろうっていうんだ、生半可な気持ちじゃ彼女にも失礼というものだろう!」
頭の中は目まぐるしく、いかにして彼女を我が物にするかという算段で埋め尽くされていく。
それが叶えば彼女と夢のように幸せな生活が待ち受けているのだから、どんな困難も乗り切れるというものだ。
「えーと、気に入って頂けたようですし、詳しいお話をさせて頂いてもよろしいですか?」
「はい、よろしくお願いします!」
少しでも好青年だと思ってもらえるよう、俺は生真面目な顔で頷いた。
幸い、少し接する内に彼女もこちらを気に入ってくれたようで、すぐに打ち解けることができた。
途中からはとても大胆に甘えてくれて、俺は彼女の魅力に完全に骨抜きだ。
弟にまで愛想を振りまくのは面白くないが、そこは人懐っこい性格ゆえなのだろう。
この調子なら両親共うまくつきあってくれそうだと安堵する。
そうして、半月ほどのお試し期間を経て、彼女は無事に俺のものに――俺の家族になった。
理想の愛猫を我が物にした俺は、今日も今日とて彼女に尽くす下僕として、バイト代で買ったキャットタワーを組み立てたり、チュールを進呈したりして、めくるめく幸せを甘受するのであった。
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今日のテーマ
《透明な水》
SNSのタイムラインを眺めていたら面白い写真が流れてきた。
一見、何の変哲も無い綺麗な海と船の写真。
しかしよく見ると、船が宙に浮いているように見える。
「見て見て! これすごくない!?」
「ああ、水の透明度が高いから、船の影が水底まで届いて、それで浮いてるように見えるってやつだね。イタリアだっけ」
「へえ、そうなんだ。コラか何かかと思っちゃった」
こうやってすぐに情報が出てくるところ、本当にすごいなと感心してしまう。
彼の脳味噌には一体どれほどの知識が詰まっているんだろう?
きっと私の数倍は下るまい。もしかしたら数十倍かもしれない。
「……ごめん」
「何が?」
「すぐこうやって薀蓄垂れるのウザくない?」
「そんなことないよ。知らないことが知れるのは楽しいし」
「なら、いいんだけど……」
仄かに耳の先を赤くして、口許を手で覆って視線を逸らす。
照れてる時の彼のクセだ。
その表情が尊くて、思わず拝んでしまいそうになる。
薀蓄を披露されるのを嫌う人もいるけど、私はそんなことはない。
今言ったとおり、知らないことを教えてもらえるのは純粋に楽しいし面白い。
それに何より、あれこれ説明をしてくれている時の彼の表情がとても好きなので。
『薀蓄を垂れる』などと言うと、知ったかぶって偉そうに知識をひけらかす姿を想像するけど、彼の場合はそんなことはない。
自分の知識を他人と共有するのが楽しくて仕方がないんだろう。
目をキラキラ輝かせて、表情もいきいきしていて。
少し前のめりになって饒舌に語る姿はそれだけで眼福ものなのだ。
まあ、それは惚れてる欲目というのも多分にあるんだろうけど。
「でも、イタリアかあ……生で拝むのはさすがに難しそうかな」
「この写真はイタリアのだけど、こういう透明度の高い海なら国内にもあったはずだよ。高知だったかな?」
「そうなの!?」
「うん。たしか条件的には夏の晴れた日がいいって話を見た気がする。夏休みの旅行先、場所調べてそこにする?」
「いいの!?」
「天気については賭けになるけどね。まあ、そうしたらまた次の機会を狙えばいいし、天気が悪くても楽しめそうなプラン考えとく」
ほら、こういうところ!
こういうところがたまらなく好きで、本当に、この人の恋人になれて良かったとしみじみ思う。
「ありがとう! 嬉しい! 大好き!!」
「どういたしまして。俺も、そんなに喜んでもらえて嬉しいよ。透明な海様々だな」
照れくさそうなその笑顔が愛おしくて、わたしは思わず彼にぎゅっと抱きついてしまった。
透明な海が見れるのはもちろん嬉しい。
でも、それ以上に嬉しいのは、彼がわたしの喜ぶことを考えてくれるその気持ちなんだけど。
それを伝えるのは、この胸の内を荒れ狂う尊さがもう少し落ち着いてからになりそうだ。
僕は今、目から水が出てる。
透明な水が。
これを涙というらしい。
涙は嬉しい時や悲しい時にでるらしい。
僕は今嬉しくない。
じゃあ悲しいのだろうか。
分からない。
僕は今、なぜ涙を流してるのだろう。
僕は今、疲れている。
勉強、部活、人間関係、自分自身に。
なんでできないのだろう。
悔しさ、苛立ち、疲れ。
そんなものに、僕は押し潰されている。
心が潰れてぐしゃぐしゃになっている。
頭の中も何が何だか分からなくなっている。
人は分からない時にも涙を出すのだろうか。
僕は今、何も分からない。
僕は何をすべきか、
僕が今どんな感情を持っているか、
僕は結局どうしたいのか。
逃げたい。
全部辞めてしまいたい。
死んで、全部終わらせてしまいたい。
疲れた。ただただ疲れた。
なのに、僕は涙を流すことしか出来ない。
何か行動をする勇気も気力も無い。
僕の負けだ。
人はきっと、何かに負けた時に涙を流すのだろう。
嬉しさも悲しさも楽しさも悔しさも全部、
感情を出さないように耐える。
それに負けた時に気持ちが溢れて
人は涙を流すのだろう。
透明な水を。