『踊るように』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
人は嬉しい事があると
「踊るように」ステップを踏んでしまう
回ったり、バンザイをしたりと忙しい
自然界の生き物たちもしかり…
求愛のダンスを踊り相手探しに余念が無い
例えば人の場合も…
美味しい物を食べると拍手を
したり、小さくガッツポーズをしたり
最後は、両手でほっぺたを挟んで
「美味しい!」を色んな形で表現する
身振り手振りというか…
生き物すべてが色んな形と習性で必死に
自分をアピールしながら生きる様は
周りから見ても微笑ましく可愛い
無意識にやっている行動や仕草が
知らぬ間に自分をアピールして
時には運命の人と恋に落ちたり
するのだろうか…
踊るように
週末の夜の都会はみんな楽しそうだ。
土日が休みの人が多いからだろう。
世間では華やかな金曜日を華金と呼ぶことがあるらしい。
まあ、僕も浮かれてるひとりなのかもしれない。
明日が休みだから寝る時間すら勿体ないからと
夜の都会に駆り出したところだ。
ハメを少し外す学生、ホストやキャバクラの勧誘、
そしてお酒で出来上がった社会人。
みんな楽しさの基準は違うだろうけど、いい顔をしている。
みんな心踊るように金曜の夜を飾るのだろう。
僕も沢山楽しもう。
とりあえずいつものゲーセンに足を運んだ。
語り部シルヴァ
令和の米騒動
少し前 友人が弾んだ声で
「お米あるよ」と言ってきた
うちは実家から定期的に送られてくるので、米売り場を確認することもなく騒動も人ごとだった、なのでお米あるよと言われても??
友人にはなんだか申し訳ない思いをさせてしまった
しばらくして、今度は姉から「お米売る分ない?」何を言っているのか理解できない、よくよく聞くと、ここ3日くらいお米が手に入らず、毎日スーパー回っているらしい、私の家のお米が沢山あるなら購入したいと!
そうなんだ、本当に手に入らないんだ
都内は特に手に入りにくいのか
この辺なら大丈夫かも
翌日近くのスーパーに行くと本当に何もない
次のスーパーに行くと、たまたま入荷したらしく最後の一つ新米をゲット出来た
その日のうちに姉に届けてあげた
能天気な私は実家のありがたみをまた再認識した
しかし、国は備蓄米をなぜ出さない?
もう新米が出始めているのだから入替すればいいのにと簡単に思ってしまうが、
なんで?誰か説明して
踊るように
山間の小さなレストランは毎日大盛況だ。
素朴なメニューがほとんどで、カレーやナポリタン、オムライスなどを目当てに常連客がやってくる。料理の味が良く常連となる人も多いが、もう一つの理由は、料理を運んで来るスタッフにあった。
彼は無口だが真面目で一生懸命に仕事をする。けして愛想が良いわけではないが、踊るように料理を次々に運び華麗なダンスを見ているようだと人気となっていた。
「シュウ君。今日も華麗ね」
「あんなにクルクルしてもこぼれたりしないなんて。不思議〜。」
常連客は彼の高く上がる足やリズミカルなステップ、クルクル回るピルエットを楽しそうに見ながら料理の到着を待つ。
どの席からも温かく優しい笑顔や笑い声が溢れている。
でも。
みんなが知っている。
シュウ君がアンドロイドであることを。
本当は国立の大きなダンスホールで踊ることが、彼の本当の役目であることを。
なぜ彼がここにいるのかを。
アンドロイドとして欠陥品。
決められたダンスがプログラム通りに踊れず、別のダンスになってしまう欠陥品。
それでも、ここでは花形スターだ。みんなから拍手され、「すごい」「カッコイイ」と囃し立てられる。
山間のレストランに来れば、常連客から愛されている欠陥品のアンドロイドに会うことができる。今日も大行列だ。
僕は大きな劇場でダンスがしたい。
それだけなのに…。
踊るように体を動かして字を書く書道は
苦しみも悲しみもあるが美徳なスポーツ
自分の思い通りに書けないことの方が
多い気がするが上手くかけた時の満足感
楽しみながら書ける文字を目指し
僕らは毎日を描いている
191テーマ【踊るように】
実話です
書道教室経験者です
大きい紙で五文字とか書く時はとても手こずりました
でも楽しかったです
屋根の上 足音? 誰か踊ってる?
啼いた!ダミ声 ハシボソガラス
#踊るように
今は、何時だろう。
あれから、どれだけ経ったのか。
私は中学2年になった時に、いわゆる不登校になった。
中学生になって、張り切りすぎてたのかな。
私は、七海っていう凄く可愛くて優しい自慢の親友を持った。でもね、2学期に入って七海がよく忘れ物をするようになったの。それで、声をかけてみたら「何もないよ」って笑ったの。クラスの皆からも無視されるようになっていて、何かおかしいなって思ったから、こっそり七海を観察してた。そしたら、教科書を取られたり、からかわれたりしてたんだ。
私は、居ても立ってもいられなくて助けに入った。
そしたら、次は私が標的になってしまって、それでも七海がいてくれるから大丈夫。一人じゃないって思ってたから頑張れた。でも、七海はいつの日からか私が声をかけても返事をしなくなったの。
それからは、あんまり私も覚えてないけど毎日が学校に行く唯一の意味もなくなって、悲しくて辛かった。
頑張って、親に心配かけたくなくて我慢してたけど、もう限界になった。
私は、学校に行くのが怖くなって行けなくなった。それからは別に広くもない部屋に一人きり。
たまに、寂しいと思う時もあるけれど、また辛い思いをするよりかは、余っ程マシだった。
人に会わない日々が続いて、もう日付すら分からなくなった今、お母さんが手紙が届いていると言って渡してくれた。
それは、私が昔に描いた絵の感想をまとめた男の子からの一通の手紙。
もう、絵のことなんて忘れてたけど、まだ私を…、絵をみてくれる人がいたんだ。
そこには、熱い思いが書かれていた。
「輝く未来へ。」を描いた莉奈さんへ。
僕は、中学1年生〜2年生の間、サッカー部に入っていました。日々、練習に励んでいました。
そんなある日、頑張りが認められたのかレギュラーで大舞台に出れることになったんです。僕は出るからにはと、一生懸命頑張りました。ですが、本番当日に膝を負傷してしまい、出れなくなったんです。
それからというもの、サッカーに身が入らなくなって、僕は、父さんに言ったんです。サッカーをやめると。
予想通り、父さんは「小学生から続けてきたんだぞ」と反対されました。ですが、僕はその反対を押し切ってやめてしまいました。それからの僕は日に日に笑顔が少なくなりました。
機械のように学校に行っては帰って来る日々。
流石に限界でした。そんな時に、莉奈さんの絵が僕に力をくれました。莉奈さんの絵には人を動かす力がある。
僕は、その一人です。
都会の暗い空に降り注ぐ一筋の光。心が思わず惹かれるほど、綺麗でした。
この絵を見て、僕は前に進む決心がついたんです。
僕の心を救い、背中を押してくれた。
莉奈さんに感謝を伝えたい。
ありがとう。
今、莉奈さんがどんな暮らしを送っているかなんて分からない。僕の心をあんなに簡単に変えてしまったんだから。
もし、怖くなった時は、一休みして、また、自分らしく進んでいけばいいんです。
僕は、あの絵からそんな気持ちや心を貰った。
あの時の僕を、
僕の心を救ってくれて
ありがとうございました。
黒木 亜希より。
彼の言葉が心に沁みる。この時、私の心が色を取り戻す。
再び時間が進み始めた気がした。
1年後
ニュースでは、サッカーの黒木選手のインタビューが流れていて、この人なのか何なのか分からないけれど、どこか懐かしく感じた。
今日も朝が来て、
今日も変わらず、時間は進み続ける。
今日も朝のテレビが、私に時間を告げる。
Vol.13 時間を告げる 完
『読んでいただき、ありがとうございました。
半年ぐらいこのアプリを使えていなくて、投稿したいという気持ちもあったのですが、読んでくれる人なんているのかな。なんて考えてしまって投稿できていませんでした。
こんな時、何も投稿していない私に、「いいね」をつけてくれた人がいて、書く決心ができました。
この思いと、先日のテーマを組み合わせて作ったのがこの物語です。
感動した。面白かった。など、少しでも思ってもらえたらと思い書かせて頂きました。
ここまで、読んでいただきありがたい限りです!
あなたの未来が明るいものでありますように。
そして、いつかあなたに会えますように。』
ひらひらと 一人で踊る お別れね
風の精が花の振付師
雨の夜 水面の波紋 妖精の
踊った足跡が混ざってる
糸を切られても動くの 踊るのよ
やっと私に 心ができた
#踊るように
【踊るように】
僕の恋人はよく踊る。
踊るといっても、音楽を流してきちんと振り付け通りに、なんてことはしない。
楽しい時、嬉しい時、くねくねゆらゆらくるくると踊るのだ。感情表現の一種であるらしい。
外ではやらない。流石に恥ずかしいみたいで他に誰もいない時だけだ。
つまり、楽しげに踊る様子を知っている人は少なくて、そのうちのひとりになれたことがちょっと嬉しい。
最近、突然踊りだす恋人の存在にようやく慣れてきた。ご機嫌だなぁ、と僕も楽しくなる。
そして、少しずつ、僕も毒されてきた。
大好きなスイーツを買ってもらって嬉しくて、つい、両手を挙げてくるくると踊ってしまった。
距離が近いから、影響を受けやすいのだろう。
体育の創作ダンスの授業なんて大嫌いだったのに、喜びの表現手段として僕まで踊るようになってきている。
実家に帰った時とか、他に誰かいる場所とか、人前でやらないように本当に、本当に気を付けようと思う。
泥濘にできた水たまり
ポツポツ しとしと ざあざあざあ
踊り子のようにステップを踏むのは果たして雨
広がる波紋はすぐにできてすぐに消えて
ほわんほわん ぴちょんぴちょん つるんつるん
ずぅっと踊っていてほしい ずぅっと見ていてあげるから
踊るように
嬉しい時
悲しい時
苦しい時
楽しい時
全身で表現して
貴方に伝えたい
私は踊り子
哀しみや涙が多い日々だけど
俯いてばかりいると
君のまつ毛にかかる美しい虹彩を
見逃してしまうから
ねえ時なんて一瞬で
君の手をいつまで繋げるかなんて
ただしい確約なんてない
だから踊るようにこの日
この夜を歩こうよ
螺旋階段をくるくると繋いだ手で踊る時
この瞬間のために私は存在するんだと
そう強く強く信じるよ
ー螺旋階段の日々ー
『踊るように』
私はバレリーナ
可憐に踊る
踊れと言わられたら勝手に身体が動く
そして忠実に
周囲の言葉に流され踊らされているとも知らずに
踊るように Ver.2
結婚して15年が経っていた。私はちょうど40歳。
お付き合いをしていた頃、20歳のお祝いに、サーモンピンクの薔薇の花を20本プレゼントしてくれたのが、私の旦那様。
「これ抱えて、待ってるのちょっと照れたけど…。」
と笑った彼が可愛らしかった。
派手な喧嘩は2回程したけれど、あなたは結局どこか憎めない。
真っ赤な薔薇じゃなくて、私の一番好きな色の薔薇を選んだり…。今日も鉱物が大好きな私に「結婚15年目は水晶婚っていうらしいよ〜。」
と、水晶の原石をプレゼントしてくれた。
「こっちが今日のメインの鉱物。」コース料理の最後のデザートを食べ終わった私に、リボンがかかった小さい箱を渡した。
ダイヤモンドのRing。
「4月生まれの君に、いつか渡そうと思って…。15年もかかっちゃった。」
照れ屋のあなたらしいなと、嬉しさが込み上げてきてちょっと目頭が熱くなる。
私に内緒で少ないお小遣いの中から捻出してくれたんだ。
「ありがとう。私はあなたと結婚して幸せ。今までも〜これからも。」
「こちらこそ、いつもありがとうね。」
こういうことを、普段は口下手で言わないあなたが言うと、嬉しさ倍増するじゃない。
予約してくれたお店を出て、大通りを歩いて帰った。
結婚する前2人で通ったディスコでかかっていた懐かしい曲がふいに聞こえてきた。
あなたは軽くステップを踏んで、私を笑わす。足がもつれそう。ワインがいい感じにまわって踊るように手を繋いで帰った夜。空には4月の満月ピンクムーンが二人を照らしていた。
踊るように
「まるで本当に踊ってるように見える!」
そんなCMはあっという間に消えた。
電池が入れられ、クルクル回る景色の中に
人間の笑顔がある
それだけで良かったのに、私の役目だったのに…
暗い箱の中から出してください
バレリーナの私を
『踊るように』
この高鳴りを抑えよう。
一口クイッと口に入れ、
手の僅かな鼓動が
飲み口の封を邪魔をする
おっとっと
踊るように
ステップを踏む自分が
愛おしい
【踊るように】
君の書いた不思議な文字が
踊るように紙を埋めた
意味は分からないが
楽しい事だけは伝わってきた
ドイツではサッカーがとても人気
少年少女が一生懸命ボールに集まって、
お団子サッカー
一心不乱に目の前に没頭
そんな時期が僕にもあったな
お団子サッカーでいいじゃないか
踊るように
︰踊るように
触れたら大爆発する爆弾みたいな人が、あれやこれやと言い連ねるのを聞いていた。
「俺は今最高に気分がいいんだ。クソみたいなツラが見られて本当にラッキーだ。心底落ち込んでんだろ? 傷ついてんだろ? ゴミ溜めで一緒に踊っちまおうなあ! 踊り方なんて知らないが、お前の足なら何度だって踏んづけてやれるさ。なあそろそろいいだろ、なんで駄目なんだよ。さっさと『うん』って頷きゃいいんだ。俺はお前のことちゃんと大事だって思ってる。はは! ちゃんと。お前だって一度は頷いてくれたじゃないか。今更んなって何が駄目なんだよ」
お前に付き合っているのも変だと思っていた。変だ、おかしい、こいつはやっぱりイカれてる。でも一度「可哀想」なんて思ってしまったら見捨てられなかった。
「そりゃ俺だって最初は被害者だったさ。確かに俺は傷つけられた。だから傷つけ返した。やられたからやり返した。俺は立派な加害者になった。傷ついたからって傷つけ返したらそれは『ダメ』なことなんだと。だから俺はこれから加害者として生きていくんだよ。ゴミ共が決めたルールにちゃあんと則って生きていく、ああもう心底偉いぜ! 傷付けてきた奴らを踏み潰して生きていく。自由の身だ、やっと解放された、これでよくやく『被害者』から抜け出せた! だからもう俺は自由になっていいんだよ。なんにも縛られずに」
報復による暴力はまた新たな暴力を生み出すから禁止とされているように思う。間違ってはいないけど、同時に理不尽でもある気がすると少し思っていた。
「あいつは俺を攻撃した、だから刺した。あいつは俺を否定した、だから追い詰めて鬱にした。あいつらは因果応報だろ。他人にしたことを自分がされたら文句言うなんてそんな都合いい話あって堪るか。あいつらは挙げ句の果てに『攻撃したつもりなんかない!』とかぬかしやがる。それはたかが己の認識なのによ。受け取った側が“そう”受け取ったなら“そう”なんだよ。あいつも加害者だぜ。つっても、ぜーんぜん理解しないんだ。あいつらおつむ弱すぎる。だから自分が人に加害してるって認識すらできないんだよ。可哀想にな。人生ぶっ壊れちまえ」
その通りかも、と一瞬思ってしまった。果たして何が正解なのか分からなかった。言葉が出てこなかった。「いいや、駄目だよ、どんなことがあっても人を傷つける行為は駄目なことなんだよ」と幼い頃の声が脳内で響いている。
「やられたからってやり返したらダメ」と怒られたじゃないか。そう言いつけられたじゃないか。それが正しいはずだろう?
「じゃあお前はいじめられっぱなしでいんのかよ。いいようにこき使われて、あれしろこれしろって言われたら全部ハイハイって頷いてパシられんのかよ。そんなん我慢ならねぇだろ。いじめてるやつらも自分がいじめてんならいじめられて文句言えねーんだから、お前がいじめ返せばいいだろ? 殴られたら殴り返されても文句言えない、暴言吐いたら暴言吐かれても文句言えない、殺したら殺されたって文句言えないだろ。筋が通ってない奴が俺は一番嫌いなんだ。自分はするけどされるのは嫌って奴は尚更嫌いだ。やられたらやり返す、それの何がいけない? あーあー“普通”に考えたらは良くないってヤツだろ、そんなもん偽善だ。心の弱いやつをカモにして陥れたいクソ連中が綺麗事撒き散らしてんだよ。あんなもんクソ食らえだ。言う事聞いてたらお前はずっといいように搾取されるだけだ」
渡されたナイフを素直に受け取って、これを振り回せば、ムカつくやつは刺されて死んでくれるだろうか。そうしたぁまた報復があって、また連鎖して、ずっと負のループなんじゃないだろうか。
誰かが飲み込まなければならない。誰かが傷ついたままそれを抱えて終わらせないといけない。
そんなの、その人だけが、辛いじゃないか。
「だから素直に殴って刺して追い詰めた。それでやり返されるならまたやり返すだけだ。正当だよ。誰も文句言えないんだから。一度手を出したらみんな加害者なんだから今更被害者ヅラしたってもう遅い。『被害者だから自分は悪くない』は通用しない。加害者同士のボコし合いがあるだけ。やるからには腹括らないとな、それこそ筋が通らない」
負の連鎖は止めなければならない。誰かが抱え込んで誰かが止めないと。
「クソみたいに傷つけられてきた中で、それだけ善に溢れ聖人の心を保ったままでいられる奴がいると思うのか? いっそ狂気じみて頭がイカれてる。良い子ちゃんになりたい奴だとしか思えないな。それかやり返す勇気もないチキンなんだろ」
そえでも人に情けをかけようとする人と、それをしない人の違いはどこにあるんだろう。性格なのか、誰かれに支えてもらった経験があるかないかなのか。
ああでも、一度でいいから怒鳴りながら詰問してやりたいと思ったことは何度もある。なんであんなことされなくちゃならなかったんだとか、なんであんなこと言われないとならなかったんだとか、言いたいこと全部言って責め立てて、精神ぶっ壊してやりたいと思ったことは何度もある。
でもやったってなんにも得られないんだ。やったところで結局虚しいだけなんだ。最終的にこっちが追い詰めてる加害者になってしまう。「やりすぎ」だとか「それはちょっと……」と。そんなの不本意だ。自分が加害者になってでも人を傷つけたいと思ったことは何度もある。何度けど、けど、何度も……? じゃあ、この気持ちはどこへ。
根本から考え方がおかしいことにずっと気づかないままだった。きっと今後もずっとそうなんだろう。小さなズレを積み重ねて誤った選択ばかりを取り続けるのだ。
「気持ちってのは外に向くか内に向くかだ。外に向いてないってことはどうせ内側に向いてんだろ。自分を傷つけること、自らを貶めること、自分の人生を投げ捨てて廃人になること、そうやって内向きに感情を働かせて、結果的に他人を追い詰めるって常套手段をやってんだよ。俺は怒りに任せて暴れてるから離れりゃ危害は加えられないから誰も傷つかないだろう。お前はじっとり病んで静かに、ゆっくり、周りの心を蝕んでいく手段を選んでんだ。暴言を吐いたり暴力を振るわない代わりに人に罪悪感をぐっちょり植え付けさせてる。立派な加害行為だが、スッキリするのか? それ」
ゆっくり、精神攻撃してるんだった。全然、全然スッキリしない。全く、でも嫌じゃない。自分の命を人質にして脅してぅメンヘラと一緒だ。性に合ってるのか、だって不思議と心地良いと思っていぅ。遠回しにお前らが悪いんだよってゆうみたいな、それ、すごく、いいあ
さっきから、クソが、ところどころ呂律が回らない。
抱えらえるわけがない。自分だけが我慢すればいいとずっと思ってきたし、耐えて抱えて飲み込んであげるのが愛情だよねと思ってきた。自分もお前と同じ爆弾なんだろうか。
「メンヘラはあらゆる人に引っかかって捕まるんだよ。或いは捕まえて共倒れを狙ってるのか。俺のことを好きだといった奴らはみんな気が狂ってんだ。自分で言うのも癪だがこ〜んなに自己愛にみまみれてる人間なのによ、近寄ってくるなんてよっぽど馬鹿だ! 散々痛めつけられてきたから感覚が壊れてんだよなぁ、だから見抜けないんだよなぁ、まともに育たなくて可哀想だなあ? だから漬け込みやすいし、押しに弱いからあれやこれや言いくるめられるし、それっぽいことを適当に言ってれば簡単に納得した。お前は正に駄目な例そのままだ、楽しいな、俺はお前が好ましい」
お前だってそうだ。中途半端離れられなくてイライラばっかり募らせて暴力してお縄につくことになるのだ。お互い不幸しか呼び寄せない、ある意味ピッタリ、二人揃って留置所か精神病院行き。
踊りだす思考は止まらないようで、しかし処理に追いつかない。ら行の発音が難しい、脳内がラリってきた。あーなんだ、なんか、なんかやったか。
「俺たちゃ詰んでるみたいだ。クソはクソに育っちまったら元には戻れない。どれだけ治そうとしたって人格形成の時点で歪んでんなら一生歪み続けるだろ。補いまくって真っ直ぐっぽく見せたとして、それでやってけるのかよ。そんな面倒くさいことしたくないな! 暴れ散らかしてるほうがよっぽどマシだ。植え付けられたものを自力で治せだって? 努力なんてしたくないね。『言い訳すんな』って言いやがるから、更生の道なんな選んだら鬱陶しい言葉ばかりかけられる。ならクソ野郎になったほうがずっと生きやすい。クソ野郎なら罵詈雑言ネチネチ言われても素直にその通りだなとしか感じない。せ〜っかく頑張ってより良くなろうとしてた奴も心ない言葉に精神をもっと病んで死んだ。頑張ろうとしてる人を貶める発言をする奴らをクソだと思った。刺した時にはちゃんと痛がって苦しんでほしい。でもこれで俺が殺したら殺人で逮捕だ。ひでぇはなしだろ」
争いの中で育った、あ、争いしか生まない人になってしまうのか。じゃあそぉ責任って、じゃあそえって誰が原因なんだ。頑張っても「言い訳すんな」「人のせえにすぅな」「そんなん誰でもできう」と人を傷つけたいやゆは言う。鬱憤を晴らしたいのか、ただの暇つうしか、人を見下したいのか、色々理由はあるだろうが、そいつあももれなく病院で診てもらったほうが
診てもらって、そ で?
頭痛い、かち割れる。
救いようのない。救いようはないのか。私も、お前も、誰しも。
「救いとか別に求めてねぇよ、寒気すんだろ。綺麗事が好きな奴は『そう言いながら本当は助けてほしいんでしょ』って言うんだよ。苦しみを撒き散らすことで負の感情を蔓延させてみんな不幸にさせたいだけだとしたら? これは共感を求めているとも言えるかもしれないが。助けを求めてるんじゃなく、ただ同じような奴らを作ってみんなで共感し合いたいだけだとしたら? 蔓延させてしまいたい。結果的に救われることになっても、助けを求めているのとはまた違うぞ。分かるだろ? 分からないのか? あーあーなんて頭の足りていない! 実際には助けを求めてるわけじゃなく、自分の状態をどうにかしてもらいたいから辺りに撒き散らしてんだよ。それが『助けを求めてる』って? あー、あー、あーそうかもなあ? 人を攻撃すればするほど俺は清々しい気持ちになれる。腸が煮えくり返っているのが治まってスッキリする。優しく慰めるのだけが救いだと思ってるならとんだ傲慢野郎だ! 分からないのか。なら教えてやる、俺は人に教え強制することが好きだ。俺の為に傷ついてサンドバッグになってくれ。それがお前らの言う気色悪い『救い』ってやつになるんだから。生ぬるい優しさってやつじゃ俺はこれっぽっちも満足できない。全然満たされない。美談なんてここにはないしできる事もない」
助けを求めているだけなら、被害者ヅラをして弱いものの顔をして人に泣いて縋ればいいだけかぁ、ぁえ、あ、お、しれない。なら鬱憤を晴らしたいだけだとしぁら「救いを求めているとは言わない」とゆうのだろーか。
「ある人が言っていたさ。どうして虐待児が苦しむのかってのを事細かく俺に説明した。あいつは真剣に言ってた。親は自分こそが被害者だと思っているから我が子を攻撃するんだと。例えば我が子に向かって『お前が生まれてきたせいだ!』と言うとか。それで殴るとか。子供は親に太刀打ちできない、言いなりになるしかない。親は社会に向かって『毒親だって言いたいのか!? 自分こそが被害者なんだ!』と言うと。社会は一応体裁は守りたいが、出費だの面倒を見るだのはしたくない。社会は適当に親に話を合わせて相槌を打つだけ。これは俺の思いだが、要はめんどくさいんだろ。関わりたくないし、臭いものには蓋をしたいんだろうな。子供は社会に被害を訴える力もないし言葉も知らない。社会は子供を見殺しにして子供が成人すれば『お前の自己責任だろう』と問うだけ問うて放置すりゃ社会側は無傷で済むしタダで済む。あいつは俺が聞いてもないのに話した。だから『俺はちゃんと加害者になった』って言ったらあいつは俺を可哀想なものを見る目で見てきた。人って、というか、あいつみたいな奴がこうやってハマっちまうんだろうな。可哀想になあ、人並みに倫理観とか常識とか責任感とかをいっちょまえに持っちまったもんだからそうなってんだ。可哀想になあ、いつまでもいつまでも他人に責められ攻撃されて、被害者のままで。お前もあいつと同じように精神ぶっ壊すのか? じわじわ人を蝕むだけで、それだけで満足なのか」
それって結局誰かに助けてほしってことの証明なんじゃないか。だって暴れたいんあろ、あってムカつくんあぉ、怒りってのは悲しみの感情の上にあえ、あ、あるのだかぁ、悲しみが怒りに変わるのだから、本質は悲しみなのだ。
「悲しいからなんだ。それが怒りになってるんだろ? その怒りをすっ飛ばして悲しい気持ちにだけ寄り添って宥めようってか? それこそ最低だな。怒りは見ないふりか? お前もそうやっていい子ちゃんぶってクソみたいな奴らの言いなりなんだ。あーあーあーあー! 自己愛の塊みたいな連中に必死に縋った結果が今の哀れなお前だぜ。ぶち壊したいな、良いカモだな、お前ってやつは可愛いよ。少なくとも俺はお前を知ってる。俺はお前に情けってヤツがある。本質ばかり見てると救われる前に足すわれるぞ。それとも俺にすくわれてくれるか?」
言葉が上手く紡げない。そうだ、この感覚、懐かしーな、あの頃、吃りまくっちまって、全然なんにも言えなかった。喉が痛いほど震えている。
「話を戻そう。お前は一度『うん』と頷くだけでいい。俺はこれから自由の身だ、お前の首を絞めることだって厭わない。でもそれより精神的に傷つけるほうがもっと俺の救いになりそうなんだ。クソみたいな自己責任論って楽だよなあ、簡単に人を陥れられて便利だ。ところで、そろそろお前は喋れないだろ。どの道俺に縋るしかない」
お前はいーよーに搾取したいあけ。己もいーよーにこいつを利よーして過去のやり直しをしたがって、け、け、か、同じ道を辿って。あや、ちょっと違うか。
「お前が俺に手を差し伸べて“くれた”んだ。お前も加害者なんだぜ」
お前がさ、さ、あ、差し出した手ぇ取って一緒に踊っちまえば、もう全部なかっあ、ことになってくえたり、は、しなぁか。
「救いなんていらねぇがな、こう言った方がより『可哀想』って思ってくれるんだろ。それとも恐怖か? どっちにしろなんだっていい。さあさっさと俺に踊らされてくれ。さっさと俺に“すくわれて”くれ」
風が吹いて、足許の花が踊った。
最近、こんな風に生きてないな。