*⁠✧⁠夢希 百愛✧⁠*⁠ (yumeno yua)

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今は、何時だろう。
あれから、どれだけ経ったのか。


私は中学2年になった時に、いわゆる不登校になった。
中学生になって、張り切りすぎてたのかな。
私は、七海っていう凄く可愛くて優しい自慢の親友を持った。でもね、2学期に入って七海がよく忘れ物をするようになったの。それで、声をかけてみたら「何もないよ」って笑ったの。クラスの皆からも無視されるようになっていて、何かおかしいなって思ったから、こっそり七海を観察してた。そしたら、教科書を取られたり、からかわれたりしてたんだ。
私は、居ても立ってもいられなくて助けに入った。
そしたら、次は私が標的になってしまって、それでも七海がいてくれるから大丈夫。一人じゃないって思ってたから頑張れた。でも、七海はいつの日からか私が声をかけても返事をしなくなったの。
それからは、あんまり私も覚えてないけど毎日が学校に行く唯一の意味もなくなって、悲しくて辛かった。
頑張って、親に心配かけたくなくて我慢してたけど、もう限界になった。

私は、学校に行くのが怖くなって行けなくなった。それからは別に広くもない部屋に一人きり。
たまに、寂しいと思う時もあるけれど、また辛い思いをするよりかは、余っ程マシだった。
人に会わない日々が続いて、もう日付すら分からなくなった今、お母さんが手紙が届いていると言って渡してくれた。
それは、私が昔に描いた絵の感想をまとめた男の子からの一通の手紙。
もう、絵のことなんて忘れてたけど、まだ私を…、絵をみてくれる人がいたんだ。
そこには、熱い思いが書かれていた。

「輝く未来へ。」を描いた莉奈さんへ。
僕は、中学1年生〜2年生の間、サッカー部に入っていました。日々、練習に励んでいました。
そんなある日、頑張りが認められたのかレギュラーで大舞台に出れることになったんです。僕は出るからにはと、一生懸命頑張りました。ですが、本番当日に膝を負傷してしまい、出れなくなったんです。
それからというもの、サッカーに身が入らなくなって、僕は、父さんに言ったんです。サッカーをやめると。
予想通り、父さんは「小学生から続けてきたんだぞ」と反対されました。ですが、僕はその反対を押し切ってやめてしまいました。それからの僕は日に日に笑顔が少なくなりました。
機械のように学校に行っては帰って来る日々。
流石に限界でした。そんな時に、莉奈さんの絵が僕に力をくれました。莉奈さんの絵には人を動かす力がある。
僕は、その一人です。
都会の暗い空に降り注ぐ一筋の光。心が思わず惹かれるほど、綺麗でした。
この絵を見て、僕は前に進む決心がついたんです。
僕の心を救い、背中を押してくれた。
莉奈さんに感謝を伝えたい。
ありがとう。
今、莉奈さんがどんな暮らしを送っているかなんて分からない。僕の心をあんなに簡単に変えてしまったんだから。
もし、怖くなった時は、一休みして、また、自分らしく進んでいけばいいんです。
僕は、あの絵からそんな気持ちや心を貰った。
   
     あの時の僕を、
        僕の心を救ってくれて
             ありがとうございました。

                 黒木 亜希より。


彼の言葉が心に沁みる。この時、私の心が色を取り戻す。
再び時間が進み始めた気がした。


1年後

ニュースでは、サッカーの黒木選手のインタビューが流れていて、この人なのか何なのか分からないけれど、どこか懐かしく感じた。

今日も朝が来て、
今日も変わらず、時間は進み続ける。
今日も朝のテレビが、私に時間を告げる。

Vol.13 時間を告げる 完


『読んでいただき、ありがとうございました。
半年ぐらいこのアプリを使えていなくて、投稿したいという気持ちもあったのですが、読んでくれる人なんているのかな。なんて考えてしまって投稿できていませんでした。
こんな時、何も投稿していない私に、「いいね」をつけてくれた人がいて、書く決心ができました。
この思いと、先日のテーマを組み合わせて作ったのがこの物語です。
感動した。面白かった。など、少しでも思ってもらえたらと思い書かせて頂きました。
ここまで、読んでいただきありがたい限りです!

 あなたの未来が明るいものでありますように。
      そして、いつかあなたに会えますように。』

9/7/2024, 11:03:12 PM