『距離』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
距離
距離の測りかたは難しい。
文字通り何メートル離れているかの計算も難しいし、心の距離の測りかたも難しい。
そして何より、距離感にバグが生じている人への反応の仕方が一番難しい。
簡単には指摘できない。やんわりと当たり障りなく確認を取ると、なぜ? と曇りのない眼で見つめられる。
やりきれない。ここで私のほうから心の距離を遠ざけると、向こうから迫ってくる。
何もしなければ、さらに迫ってくる。
相手の行動を肯定するのは、距離を近づけることと同義なのだ。
難しい。
勘違いを積み重ねても、相手は遠ざかるばかりなのに
勘違いでもしなければ、ほんの一歩の勇気もないのだ
/お題「距離」より
「離れてる気がしないね
君と僕との距離」
小学生のとき、曲に合わせて踊った
そんな歌詞に憧れていたんだ
距離。
うちから大阪は
最初は本当に遠かった。
「ワンマンするから
来てよ」って
言われたのが初めて。
大阪と梅田が
同じなのも
知らなくて
本当に焦った。
でも今は大阪くらいなら
週に1回はだいたい
行く。
あの頃は距離が
離れてるって
思ってたのに。
本当に凄いなぁ。
気づいていたの?
影で応援、いつの間にか隣に
ずっと待ってる、越えられるのかな?
友達と恋人の境界線
もうちょっとだけ…
そっと左手繋いでみる
もうそろそろかな?
プロポーズ指輪を添えて
準備は出来た?
やっと今日堂々と言える
「愛してる」
遠距離恋愛になった。
今度から
会うには
新幹線
の距離だ。
不安は、
ある。
だって
何してるか
全く
見えないんだもん。
―――ん?
でも
これまでも
何してるか
見えない時間
なんて
いくらでも
あったじゃん?
相手の全部なんか
一緒に住んでても
別々に住んでても
遠距離でも
分かんないじゃん!
今までより
会いに行くのに
時間とお金が
かかるだけじゃん!
#距離
300字小説
会えない君に
星空に受信機のアンテナを向ける。宇宙には様々な方法でいろんな通信が飛び交っている。機密性の高いものから、ごく一般の誰に宛てたか解らないものまで。それを傍受するのが僕の趣味だ。
最近、聞いているのは古い通信だ。おそらく地球から数十光年離れた距離の、開拓惑星の誰かが、知らない誰かに届くことを望んで流した通信。そのユーモアを交えて語られる開拓生活は僕を魅了した。
今夜、僕は発信機のアンテナを空に向ける。通信の内容を調べて解った事実。かの星はガンマ線バーストを浴び、生存者はもう存在していない。途絶えた通信に今度は僕から返す。彼が好きだと話していた歌手の最新曲を、もういない彼に届くように星空に向けて流した。
お題「距離」
距離
遠くて近い
けれど、どれだけ手を伸ばしても届かない
あなたの横にいたいのに
ついさっきまでその横に立っていたのに
今は手も届かない。
言葉もきっと届かないだろう。
さようならも、ありがとうも
心の中で一つ一つが浮いては弾けていく。
この、距離がとてももどかしい
距離
あなたと距離感を感じた
だから僕は去る
去っても反応なんかない
そんなもんである
独りよがりの時間は
きっと馬鹿みたいな感じだろう
哀れな感じになるだろう
まぁそれが一番いいのかもしれない
何か調子が良くない
今夜あたりやばいかも
まだ死にたくない
★距離★
ほんの少し、手を伸ばせば届くのに。
私があなたに触れることはできない。
目の前には確かにあなたがいるのに。
私とあなたの間には、まるで見えないバリアがあるみたいで。
どんなに深く想っても
どんなに強く願っても
それがあなたに届くことは、ない。
あなたはとても近くて、とても遠い。
許されるならーーー
その手に触れたい。その肩に触れたい。その頬に、髪に触れたい。
少しでいい。この手に貴方の温もりを感じることができたなら……。
それだけで……それだけでいい。
きっとそれだけで、一生分の幸せをもらえる気がする。
だけど、それは叶わない。
先生(あなた)を好きになったことを…この恋を、神様は多分、許してはくれないから。
私は人と一定の距離を保って生きている。
そうしなければ私は私ではなくなってしまうから
私は私でいられなくなるのが怖いから
お父さんでもお母さんでもそれは関係ない
私が決めてしまったルールだ。
君まで後、3.5メートル___
君まで後、2メートル___
君まで後、___________
「きゃあああああ!!」悲鳴が響き渡った。
─『彼は地面の反対側に』
どれだけきつく抱き締めても、遠い。
それがこの上なく辛くて。
さらにきつくしたら、「苦しい」と言われた。
それでもこの腕をほどかないでいてくれるのが嬉しくて、涙がこぼれた。
【距離】
友達と喧嘩して、
距離置いた時に、
思うことがあるんだよね。
「なんかもうどうでもいいわ」
これって気分屋かな、
あなたがそっと手を差し伸べて、
私を迎えに来る瞬間を待っている。
はるか1000kmの空を飛んで、
私を迎えに来る瞬間を待っている。
私があなたのその手を取って、
あなたの身体に包まれる瞬間を、
あなたとの距離が0になる瞬間を、
ずっとずっと、待っている。
―――…待っていた。
もう2度と離さないで…。
【距離】
小学校でずっと親友だよと言ってくれた貴方は中学生になると、たくさん遊んだあの3年間も無かったことみたいにそっけなくなって、二度と話しかけてくれることもなかった。私はずっとあなたを信じて待ってました、信じて待って三年、今日で卒業ですね、三年待っても貴方は私のところには一度も来てくれませんでしたね。貴方以外のすべてを捨てて待っていたのに、結果がこんなんじゃ今までの辛い時間は一体何だったんだろうか。
「距離」
実家の大掃除をしたら中学の卒業アルバムがでてきた。
思い出すのは、初恋のあのひとのこと。
誰にでも優しくて、正義感あふれる人だった。
いつも教室の真ん中で人に囲まれてるのに、
端っこで苦しんでる人をひとりにしない人。
教室の隅で苦しんでた私の心を助けてくれた人。
好きだと言えずに、ただただ目で追ってた。
あなたの影に触れるだけで幸せだった。
卒業アルバムのホコリを払い、ページをめくる。
卒業アルバムの最後のページのフリーページに、
みんなで言葉を寄せ書きし合うのが恒例だった。
きっと、私のフリーページに寄せ書きしてくれた
同級生の数は他の誰よりも少なかった。
でも、この寄せ書きページに私は感謝してる。
当時、誰にも書いてと頼めずにいた私のところに
初恋の彼が来てくれて、
「俺、字超でかいけど書いてもいい?」
頷くと、彼はニカッと歯を見せて笑った。
油性マジックがキュッキュッと音を立てて、
私の寄せ書きページを埋めていく。
『俺のこと、さん付けで呼ぶの君くらいだけど、なんかこそばゆくて嬉しかった!!高校でも元気でな!!!』
彼は宣言通り超がつく大きな文字で私のフリーページを
ひとりで埋め尽くしてくれた。
私は少しだけ薄れてるその字をなぞり、鼻歌を歌った。
「あの頃の生き方を、あなたは忘れないで
あなたは、私の、青春そのもの」
センチメンタルなLINE
途中から笑わせてくれて
ありがとう
少しだけ
あなたとの距離が
近くなった気がしています。
【距離】#25
あなたとの日々は
恋や愛と言うには近すぎて
あえて表現するなら
人生でした
同じ学校なのに
歳も近いのに
心の距離は遠いんだ
縮めたい
近づきたい
でもあなたはそう思っていないみたいで
どうしたらいいんだろう
やっぱり自分から行動するしかないんだろうけど
焦っても失敗する未来しか見えないから
ほどほどに頑張ろう
ゆっくり
ゆっくり
でも着実に一歩を