『赤い糸』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
繋がる線はどこへゆくか。
あかあおきいろ、どんな色?
人との縁に色素は無く、
同じ色の存在は否定される。
あなたとつながるこれは、きっと赤色。
見えないものでもいい。
信じたいものだけ見つめた私。
フィクションで彩られた世界に焦がれ、
今日もひとり唾を飲む。
/ 赤い糸
#11 赤い糸
もし、あなたと私が赤い糸で結ばれていたら、こんなにも苦しい思いをすることはなかったのでしょう。
別れる辛さなど知りたくはなかった。
『赤い糸』
突然だが、目に見えていないモノに縋りたくなるのは人間特有ではないだろうか。しかしながら、その見えないモノに縋る一人としては恥ずかしながらも人間らしくていいのではないかと思う。
よくいう赤い糸もその一つだが、私のこの小指には果たして繋がっているのだろうか。この歳になると現実にばかり目がいってしまいがちで夢というモノを見なくなっていた。そこで私は、あえて初心で今よりもずっと清い心を持っていたあの頃を思い出し赤い糸について考えを巡らせた。
好きな人がいたあの頃だ。
正直なところ、好きな人とは赤い糸なんて繋がっていないと思っていた。そんな簡単なモノではないというのが私の考えだからだ。若い子達には耳が痛くなるような話かも知れないが、そんな世の中甘くない。まず、好きな人と結ばれるだけでもなかなか難しい。更に付き合えたとしても上手くいくなんて保証はどこにもない。もっと言えば生涯を添い遂げるなんて到底できることではない。元はと言えば赤の他人なのだから。
ただ私は偶然が重なり、運よく好きな人と結ばれたのだ。どういう経緯でお付き合いに至ったか、その話はまた今度にしよう。
お付き合いが始まっても尚、私はこの方とは赤い糸は繋がっていないと感じていた。もちろん恋人のことは心から愛していたし、幸せにしたいと思いながら日々楽しく過ごしていた。
ある日突然、恋人に質問をされた。
「運命の赤い糸を知っている?」と。
私は「お国によって諸説あるようだけれど、生涯を添い遂げる運命の人と見えない赤い糸で結ばれているというやつかな。」と答えた。
すると恋人は「うん、とても素敵だよね。でも個人的には、目に見えないのだから一層の事見えるように自分たちで結んではいけないのかなって・・・」
確かにそうだな。と何故か納得していた。
そして恋人は、徐に赤い糸を取り出し私と恋人の小指を結びながら「どうせ元は見えず、誰にもわからないモノ。これで誰が見ても私たちは運命的な恋人。」と私の顔を見て微笑んだ。今でもその時のことは鮮明に覚えている。
色々考えている内にとても懐かしい記憶を思い出してしまった。
「何を考えていたの?」
私の隣であの頃と変わらない笑顔で生涯のパートナーが不思議そうにしている。
「いや、懐かしい思い出を振り返っていたんだよ。」と私は答える。
今は見えない、そこに確かにある赤い糸を見つめながら。
赤い糸より赤い毛糸の方がふわふわ〜ほわほわ〜ってしてて良い気がする。
赤い糸
私の小指と、何処かにいる誰かの小指は、赤い糸で繋がっているらしい…運命の人で、二人出逢って、幸せになる…
まだ幼かった頃、高校生が主人公のアニメで見ていた物語…まだまだ恋愛なんてよく判らないのに、毎回ドキドキし乍ら、楽しみにしていた…
其れから、思春期になり、身近な先輩に、ドキドキしたり、同じクラスのひとの仕草にキュンとなったり…でも、あのアニメの様に、特別な誰かとは、なかなか出逢えない…何度も、片想いを繰り返しては、周りのカップルが輝いて見えて、自分だけが取り残されて、惨めに思えた…
そして、今…とずっと一緒にいたいと思える、あの人と出逢えた…今迄とは違う何かを感じる…遠い昔から繋がっている様な、不思議なこの感覚…あの人も、そう感じていて欲しい…
赤い糸
それは運命、深い縁
一般的にただ一人の運命の相方を示す
けれど
複雑に絡み合って
様々な縁をもたらしてくれるもの
なのかもしれない
赤い糸を手繰り寄せていって
その過程で
いろんな人と巡り合って
でも結局
赤い糸が繋がっていたのは
意外と近くの人だったりするのだろう
作品No.91【2024/06/30 テーマ:赤い糸】
赤い糸があるのなら
私と繋がる誰かもいるのだろうか
その赤い糸は
はたして
良いモノなのか
悪いモノなのか
運命なんて信じないけれど
目に見えないつながりが、
あの場所に
あの時間に
確かに存在していたことを
今でもきっとあることを
思うくらいは許されるかな。
「赤い糸」
赤い糸
めぐり逢いというんだろう
今まで感じたことのない
不思議なほどの
あり得ないほど
自然すぎる違和感
探していたような気がする
昔に無くしたパズルのピースがここにいる
あり得ない速度で強まるビートで
過去の全てと未来の扉の前に
僕は完全な僕になる気がしたんだ
赤い糸
いつぶりだろう
僕が転校した日以来に君と会ったのは
帰ってきてくれたの?光一くん
あぁ一時期だけだけどね
それでも嬉しいよ
僕もだよ
僕は彼女のことが好きだった
でも、転校してしまいもう会えないかと思っていた
しかし、また会えた
チャンスはここにしかないと思った
告白しよう
光一くんあのね私来月結婚するんだ
僕は衝撃でならなかった
そ、そうなんだおめでとう
結婚式来てくれるかな?
う、うん帰って予定を確認してくるね
頭の中をよぎった
赤い糸は他の人に取られたんだ、と
I had a girlfriend.I loved her.
But she broke off our relationship without saying the reason.
So, I tried to forget you, and I did it.
Yes,I had forgotten you until I saw you in the shop.
I remembered that your voice, your hairstyle, your favorite singer, and the time we are together.
Why are you leaving me?
Why I can't stand by you?
Maybe I'm not enough for you.
This is fate.I know.
But If you gave me a chance, I would be enough man for you.
So please, Fate, Don't stand my way.
『赤い糸』16/406
きっと、生まれてから私たちは、きっと。
繋がっていたんだ。運命が結んだ、その糸で。
偶然に出会った私たちは、必然に惹かれ合った。
私は、自分であなたを選んだと思っていた。
でも、違ったんだ。運命が私たちを引き寄せたんだ。
指が重なってから、私の人生に色が生まれた。
たくさんの思い出ができた。いい事も、わるい事も。
たくさん喧嘩して、たくさん愛し合った。
次第に、糸は絡まってきた。
身動きが取れなくなってきた。
あなたの傍から、離れられなくなった。
離れる理由もないから、別に構わなかった。
距離もずいぶんと近くなって、居心地が良かった。
糸が体に食い込んで、苦しい。けど、嬉しい。
あなたをこれ以上なく近く感じられるから。
あなたのことだけをずっと見ていられるから。
運命の赤い糸、なんて信じない。
だって、小指に結んだ赤い糸は、既に切れている。
その代わりに、あなたと。左手の薬指に結んだ糸で。
糸を赤色に染めて、私たちは繋がっているんだ。
私は知ってるの。
あの人が浮気をしていることを。
偶々買い物に行った時に見たの。
あの人はその女に笑顔を向けていた。
とても悲しくてその女を憎んだわ。
だってそんな笑顔私に一度も向けてくれたことなかったのに…
あの女にはそんな笑顔を向けるのね。
でもわかっているわ。
あの女に脅されているからよね。
だって私と貴方は、赤い糸で結ばれているもの!
うふふ、つい笑みが溢れてしまったわ。
でもなんだか彼、心なしか嬉しくなさそう。
何でかしら。
私と貴方が結ばれるのは運命なのに。
何でそんなに怯えているの。
もしかして、あの女に洗脳されちゃったのかしら。
絶対そうよ!
あの女を早く消さないと、彼をこんなに怯えさせるなんて!
とても酷いことをされたのね!
大丈夫よ。
私が守ってあげるわ。
うふふふふ…
ぽつりぽつりと言葉が零れた
私の指に纏わりつく青色の糸に嫌気が差す
糸の先には嫌いなあの子
いつも笑顔で明るくてクラスの中心
教室の掃除用ロッカーの前で縮こまる私とは違う
キラキラとした指先に長い睫毛
少しだけ曲がった首元のリボンに膝丈のスカート
お気に入りなのかいつも猫柄の靴下を
軽い足取りで履きこなすしなやかな足
全てが大嫌いだった
どんなに遠くに居てもこの青色の糸は
彼女の居場所を示してしまう
私の小指とあの子の小指が
何の運命でもない関係を示してしまう
羨ましい輝かしい
とても綺麗で美しい
ただそこに居るだけで華やかで
儚くて強くて可愛らしい
大好きで妬ましい
憎たらしいあの子
今日もきっと貴方はあの人に逢いに行くのでしょう
薬指に繋がる赤色の元へ
貴方の愛するあの人の元へ
この青色の糸が何を表しているのか
あの赤色の糸が何を顕しているのか
その全てを理解したあの時
私はあの子の全てが大嫌いになった
あの子の愛するものもあの子の目に入らない自分も
嫌いになりきれないあの子の全ても
赤色も青色も全て全て
【赤い糸】
君のその愛しい全てに他の男が触れると考えただけで
怒りと悲しみが湧いてくるよ。
その可愛らしい声も 綺麗な髪も 切れ長の瞳も
ツンとした性格も 柔らかい肌も
もちろん君の『処女』も
全て他の奴に触れられたくないよ。
君には幸せになってほしいけど
君がいつか誰かと結ばれてしまうのが
怖くて嫌なんだ。
今でも運命の赤い糸は
君とオレで繋がっているはずだと思ってる。
ねえ、いい加減わかってくれないか?
君とは『セ🔞レ』だなんて
虚しい関係でいたくないんだ。
また昔のように
ただ君と一緒にいて愛し合いたいんだ。
…ねえ
オレを呼んでよ。
オレを求めてよ。
オレを愛してよ。
この赤い糸、
断ち切りたくないよ。
【赤い糸】
何かに引っ張られたような気がした
きっとそれは赤い糸
振り向くとガラス越しに君と目があった
君は口の端を思いきり上げてとびきりの笑顔を見せた
その瞬間僕は恋におちた
赤茶色の毛
真っ黒な目
ぴんと立った耳
くるりと丸まった尻尾
全てが愛おしい
これから君との生活を考えると心が踊り出しそうだ
これからいろんな所に行こう
リードも買わないとね
僕と君を繋ぐ赤い糸
なんとなく振り返った先に君がいて
一瞬にして心を奪われた
会話が進むごとに共通点も多くて
偶然なんかじゃない気がした
私たちの出会いは
赤い糸に導かれたんじゃないか、って
そんな夢物語を描くくらいには浮かれていた
人に話せば笑われるくらい単純な物語
でも
私にとっては素敵な恋物語
#赤い糸
「スカートを翻して」
「探検ごっこ」と称した遊び。
家と家の間の細い所を通り、塀を登って降りていく。
ビリッ。
嫌な音と感覚がしたから、着地してすぐにスカートの裾を確かめた。
「あーあ……やっちゃったぁ」
「どうしたの?」
「スカート破けたー……どうしよ……」
これは、確実に母に怒られるだろう。
六年生にもなって、近所の男の子たちに混じって探検ごっこなんてしているからだ、と。
「ダッセー」
「うるさいなぁ。もー、さいあくー!」
「ちょっと待って。僕、裁縫道具持ってる」
ひとつ年下の男子が手を挙げた。
「あー、でも糸、赤いのと青いのしかない……」
「いいよ。別に」
隅に移動し、借りた針と赤い糸でささっと縫う。これは応急処置だ。家でちゃんと縫い直せばいい。
「糸、今度返すから」
「いいって、そんなの」
「そう」
「うん」
「ありがと」
※
「……って、ことがあったなぁ……」
「もー、何年前の話」
「この子もお転婆になるんだろなぁ……」
「やめて……」
いまだに夫はあの時のことを持ち出す。
────赤い糸
運命の赤い糸。
幸せを結びつけると同時に
よく絡まって、ほどけない糸でもある。
【赤い糸】
赤い糸なんてものはない
あったとしても
すぐに切れてしまう
私には
誰かと繋がるようなものは
存在しない気がする
誰かと一緒に居ても
心はいつも独りだ
相手にどんなに愛を囁かれても
どんなに親切にされても
自分が受け取りたい相手ではない
好きな人はいつも
私ではない人を見つめていて
私の気持ちは届かない
ようやく通じ合ってもたった一瞬
すぐに壊れて消えてしまう
だから赤い糸なんてものは
もし次に現れるようなことがあれば
今度は自分から断ち切ってやる
信じても喜んでも
どうせ裏切られるのだから