『誰もがみんな』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
誰もがみんな
誰もがみんな、幸せになりたいと願っている。これは人間に生まれたら、皆思うことだと思う。
でも実際は違うことの方が多いのかもしれない。
わたしにも苦しい思いがある。毎日頭から離れない。眠れない晩には、胸に手を当てて、どうか問題が解決しますようにと祈る。
こんな風にするしか術がないのだ。
あなたは、苦しい思いを何かに願って救いを求めたりしますか?
誰もがみんな、その子を見たら顔を顰めた。
特別、容姿が劣っていたわけではない。
顔の造形だけ見れば、むしろ整っていると言ってもよいだろう。
だからこそ、いっそう不気味に思えてしまうのだ。
その地獄の底を集約したような歪な笑顔が。
「それ、やめなよ」
振り向く矢田の顔には表情が張り付いていた。
何かを答えるわけではない。ただ、どうして?と聞きたげな目をしていた。
「不気味、に感じる。少なくとも私は」
表情は変えないままで、矢田は私の目を見つめた。
酷いことを言っている自覚はある。
ただ、この無茶な作り笑顔さえなければ、転校してきて僅か1ヶ月でこれほどまでに孤立することもなかったのではないかと思う。
そしてそれは今からでも遅くはないと思うのだ。
「それ、ってなんのこと?」
気づいていないのか、気づいていながらあえてとぼけているのか、まるで判別がつかない。
「その表情。矢田さん、作り笑顔下手すぎだから」
矢田さんは変わらない表情でこちらを見つめ続けている。
傷ついているのかも分からない。
やがて、スっと表情が消えて、呟くように言った。
「そうなんだ。これ、ダメだったんだ」
「ダメっていうか……下手。下手だから作ってることがバレちゃう。だからみんな嘘をつかれ続けてるように感じちゃう、と思うんだよね」
矢田さんの表情は無い。だけど、これが本当の矢田さんなんだと感じていた。
「どうすれば、いいんだろ」
「作り笑顔、やめるだけでいいんじゃない」
「普通にしてると叩かれるから。文句あんのかって」
温度の宿らない瞳でこちらを覗く。
矢田さんの過去が台詞から透ける。
深く聞いてよい事情ではなさそうだ。
なんて返すか迷って、言葉を選んだ。
「私は叩かないよ」
矢田さんにどんな過去があろうと、そのせいでどのように認知が歪んでいたとしても、自分の行動だけは約束ができる。
「本当?」
「現時点で本当、そしてこれからの分は約束」
「たしかに今、叩かれてない」
スっと頬に手を触れた。
冬のような頬だ。
「約束は?どうして信じたらいい?」
ん、と少し詰まる。
たしかに口約束は最も蔑ろにされやすい契約だ。
「殺していいよ」
破ったら、と付け加えた。
抑止力の存在は約束の信憑性を高める。
それだけじゃなく、強い抑止力を提案することで約束を守る意思が硬いことを示す効果もある。
矢田さんはしばらく黙っていたが、やがて見たことのない表情に変わった。
「嬉しい」
呟いた矢田さんは微かに笑っていた。
小さくて、自然な笑みだった。
誰もがみんな、幸せを探すけど
探しているうちは手に入らない
求めるものは手の中からすり抜けるから
誰もに平等である人間でありたい。
誰もがみんな幸せに暮らせるように。
Byそこら辺の中学生
ある面では誰もが正しく
またある面では誰もが間違っている
そんな不確かで曖昧なものを
私たちは正義や常識や愛などと名付け
ただ一つの正解を探し続けている
【誰もがみんな】
辛さ
悲しみ
苦しみ
嬉しさ
楽しさ
幸せさ
みんなそれぞれ。
「誰もがみんなアンタみたいに恵まれてると思ってんじゃねぇよ!」
そう怒鳴られた。私は坂倉白葉。私に怒鳴ったのは佐藤ハルノ。私はきっとハルノが言った通り恵まれているのだろう。母と父は医者。詰まる所金持ちと言うやつだ。幼い頃から欲しい物は全て手に入れていた。それは今でも変わらない。仕事が忙しいとはいえ両親は私を蔑ろにすることはなかった。どんなに遅くとも食事のは家族揃って食べてたし、休日も遊園地やら公園やらに連れて行ってもらっていた。容姿も完璧で頭も良い、運動神経も良くて今は陸上部に入っている。友達も多く、高校生になった今はカラオケやアニメイトに友達とよく行っている。自分で言うのも何だが完璧な人間というやつだ。そんな人間いるわけがないと言う人もいるが実際いるのだ。ここに。それは紛れもない事実である。それに反して彼女はいつも自分の席に座って推理小説ばかり読んでおり、挨拶をしても素っ気無い態度。きっと友達も少ないのだろう。私はそんな彼女に興味を持った。初めてだったのだ。私が話しかけたのに素っ気無い態度を取る人は。その態度に苛立ちを覚えたと同時に興が湧いた。
「おはよう!ハルノさん」
「…ん」
今日も素っ気無い。そんな彼女だが、一人だけただ、一人だけ仲の良い人がいた。
「おはよ、ハルノ」
「…ん。玲奈!おはよー!」
満面の笑みで彼女はそう答えた。玲奈というのは山川玲奈。音楽部に所属している。委員会には入っていないが何かと友達の多そうな女子だ。玲奈と私の何が違うのか。どれだけ考えてもわからなかった。運動神経も、頭も容姿も家柄も断然私のほうが上だというのに。なぜ彼女は玲奈とだけ話すのか。それに疑問を持った。そして、その疑問は玲奈への憎しみへと変わった。何故だ。私は完璧なはずなのに。なんで玲奈ばっかり。なんで。私じゃだめなの?なんで貴女は玲奈を選ぶの?なんで?わからなかった。だから言ってしまった。
「玲奈ってさ。ハルノさんの悪口言ってたんだよー。いつも暗くて無口でさ。自分にだけ話しかけてくるのが気持ち悪いってw。酷いよねw。"あんな子"より私と仲良くしよーよ」
と、もちろん玲奈はそんなこと言っていない。これは私が彼女に抱いている不満だ。今でも後悔している。もっといい方法があったはずなのに。恋は盲目とはこの事か。
バシッ
「玲奈がそんなこと言うわけねぇだろ!」
頬を叩かれた。痛かった。彼女の口調は荒々しくいつもとは違う。とても感情的だったのだ。こんな姿初めて見た。とても怖かった。私は人が本気でキレる瞬間に立ち会ったことがない。クラス全員が唖然とし、こちらを見ている。彼女は人目も気にせず私に怒鳴った。
「誰もがみんなアンタみたいだと思うな!特別であることを当然のように振る舞ってんじゃねぇよ!どれだけ頭が良くても運動が得意でも容姿が整っていても、クラスの人気者でも嘘をつくような人とは、不誠実な人とは関わりたくない。もう二度と私に話しかけるな」
「私は…ただ!貴女に振り向いてほしくて!いつも玲奈の前でだけニコニコしていて許せなかったのよ!貴女にだって非はあるはずよ!人の心弄んでおいて!」
「そうか…。キミは僕に惚れてたのか。」
その言葉を聞き私はようやく理解した。惚れていたのだ彼女に。それまでは気づかなかった。だから苦しかったのか。辛かったのか。玲奈だけが特別扱いされるのが許せなかったのか。そして彼女は続けてこう言った。
「それは悪かったね。僕も一人の女に惚れていてね、キミの気持ちはよくわかる。だがキミのやり方は間違っている。気持ちがよくわかるからこそ、僕があの女に惚れているからこそ許せないんだ。キミのやり方がキミの事が。きっと僕がキミを許す日なんて訪れない。諦めてくれ。」
私にだけ聞こえる小声でそう言うと彼女は教室から出ていった。私の恋は終わった。儚く散ったのだ。欲しい物は全て手に入れれると自分を買いかぶりすぎた。どうやら私は完璧ではなかったようだ。"僕"というのは彼女の本当の性格なのだろう。手に入れたいがどう頑張っても手に入らない。だからこそ求めてしまう。でもきっと私がこんな性格じゃなかったとしても彼女は私には惚れなかっただろう。なぜなら彼女は
一人の女に惚れてたからだ。
-完-
【誰もがみんな】
誰もがみんな、悩みを抱えて生きている。
俺も、周りの奴も、ここにいるやつ、みんな。
〝生きることそのものが辛い。〟
〝人間関係が辛い。〟
〝明日が来ることが怖い。〟
〝両親の喧嘩の声が聞こえてきて怖い。〟
その他にも、たくさん悩みがある。
誰にも言えない悩みから言いたくない秘密。
本人が言いたくないなら、無理に聞くことはない。
悩みがあるなら誰かに相談すればいいって思った?
ほんとにそう思ってんの?
この世界では、少しでも弱音吐くと、メサイアな奴がこことぞばかりに群がってくる。
もちろん、みんながみんなメサイアでは無いってわかってるよ。
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
〝生きてたらいいことがあるよ!〟
何があるの?具体的に教えてよ。
〝悩みがあるなら相談して!〟
知らない奴に何相談しても、無駄。
あと、相談したらなんかしてくれんの?
〝両親が怖いなら家から出たらいいのに〟
そんなこと出来たら、とっくにしてるよ。
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
……ほんと、なんなんだろうな。
何も出来ないくせに、何も言わないでくれ。
メサイアコンプレックスは、引っ込んでろよ。
知っても知らなくても何も出来ねぇのに。
…あぁ、メサイアコンプレックスを知らない人もいるのか。
メサイアコンプレックスっていうのは、相談大好き人助け大好きな奴。
それだけ聞いたら『いい人たちじゃない。』って思うんだろうけどさ、関わると、結構めんどい。
悩みもないのに〝なにか悩みがあるなら相談して!なんでも大丈夫よ!〟とか〝困ってるなら私が助けてあげる!〟って。
んで、結局は〝ありがとうぐらい言ってよ。〟とか〝私がなにか察してあげないといけないの?〟とか…なにかしらの報酬を欲しがるやつ。
ほんと、嫌いだ。
「夢か。」
……嫌な夢見た。
バタバタといつものうるさい足音が近づいてきた。
『兄さん、おはよう!ご飯出来たから食べてね!』
「わかったよ。」
こいつは、ほんとの兄弟じゃない。
かと言って、ゆうかいしてきた訳じゃない。
友人でもない。親戚でもない。赤の他人。
こいつは20(身分証明書確認済)の弟(仮)。
はやくに仕事が終わって河川敷でぼーっとしていたら、声が聞こえた気がして橋の方に行くと、橋の下でダンボールハウスに住んでてる人を見つけた。
グーグーとうるさいお腹の音が聞こえてきて、仕方なくコンビニでおにぎり買ってあげて、軽く話すと
『なにかお詫びさせて!あ!そうだ!家事全般出来るから家事します!』
…こんな感じで、ぴょこぴょこと子犬のようについてきた。ちなみに今は家事をしながら仕事を探してるらしい。
いつまでもヒモは嫌なんだと。
……ほんと、なんでついてきたんだよ。
ある意味怖い。何回警察に相談しようと思ったか…。
でも、それでも、相談しなかったのは、こいつが悪夢でうなされて苦しそうにしてたからだった。
何度も何度も夢の中で謝ってボロボロと泣いていたからだった。
色々考えてるうちに仕事に行く時間になった。
「さてと、そろそろ仕事行くか。」
錆び付いたドアを開く。
ギィギィとうるさいドア。
防犯的には、いいやつなんだけど…耳障りなドアだよな。
『兄さん、行ってらっしゃい!はい!お弁当!』
……新婚夫婦かよ。
飯、普通に上手いし。
掃除洗濯なんでも出来るし。
「……行ってくる。」
こうして、いつものように、仕事に行く。
こいつの事は、いつかこいつが言いたくなったら聞こう。
【時間がなくて、急いで書いたので誤字脱字だらけかもしれないです。ごめんなさい。後で見直します。】
『誰もがみんな』
人はみんな
どんな思いを抱えて
生きているのだろう
私自身の事だけだって
複雑にうねるのに
誰もがみんな
しあわせでありたいと
願う
そのひとことで
済む話ではないような
数え切れない感情の分だけ
思いのかたちはあるのだから
誰もがみんな
誰もがみんな、辛い過去を持っている。
クラスで人気者のあの子も……話が面白い子も…
表に出さないだけで、いろんなことを背負って来た
''私だけがなぜ辛い思いするの''と自分で責めることも
考えることもやめると思う。
空の色も
雲の形も
風の囁きも
草花のそよぎも
小鳥のさえずりも
みんな
みんな
優しかった
「生きていなさい」と
誰もがみんな
わたしに
声をかけていた
止まっていたこころが
再び
動き始めた
# 誰もがみんな (34)
誰もがみな
学歴がないとダメだと大人に扮したモンスター達が
まだ未熟な若者を囃し立てる。
若者は、それが社会の成り立ちなのだと
必死にモンスター達の後を追った。
そんな哀しき若者は、時期に周りと自分とを比べ始め、
気づいたら周りの誰1人、自分でさえ信じられなくなった。
みんな前ならえで行進し、
みんなといることが、
みんなと同じような道を歩むことが、
仲間が、友情が、思いやりが、助け合いが、
とても素晴らしいことなのだと、
そこからはみ出した者は、“可哀想な奴”なのだと。
僕はそんなモンスター達から、若者から、抗いたい。
自分で決め、自分の足で立ち、自分で幸せを決められる人でありたい。
僕は僕の幸せを全力で守るから。
誰もがみんな
優しいと思ったら大間違えだ
優しい人が損してしまう世界がとても嫌いです
私は優しい人に触れる度に心が暖かくなります
こんな人間にも貴方様方は優しくしてくれるのだと
本当なら嫌なはずなのに笑顔で話を聞いてくれるところなど、
私は優しい人が大好きです
『誰もがみんな』
私は私が嫌いだ
頭悪いし 要領悪いし
人と関わるの苦手だし
できれば人とあまり関わりたくないし
自分から話しかけたり
コミュニケーションを取るのも苦手だし
人にあれこれ言われると
パニクるし
いつまでも引きずって落ち込むし
たくさんの人がいると
緊張して動けなくなるし
できれば働きたくないし
でも お金儲けはしたいし
人混み嫌いだし
人混みに行くと人酔いして
気持ち悪くなるし
バスやタクシーに乗ると
乗り物酔いするし
暑いのも寒いのも嫌いだし
できれば責任なんて背負いたくないし
何の才能も取り柄もないし
なんかもう生きてる意味あるの?
とか思うこと多いし
誰もがみんな
色んな悩みを抱えながら
生きてるんだよ
とか言われると
わかってんだよ!
そんなこと言われなくても!
って叫びたくなる
そんでもって
そんな自分も また
嫌いになる
誰もが皆同じな訳じゃない。
男女関係なくスカートもズボンも履くし、
いろんな人に恋をする。
だってそうでしょ…。
貴方の好きな物に他の人の意見なんていらない。
貴方の持つ魅力は…貴方だけが知っていたら良い。
【誰もが皆同じ訳じゃない。】
だって周りを見てみてよ。
貴方と同じ顔、性格、仕草…。
そんな人、存在しないでしょ?
誰もがみんな ふいに世界に生まれ出て
誰もがみんな いつかどこかで息絶える
その合間を
さまざまに懸命に生きる
小さな星の表面に立ち
ときどき月星を見上げながら
「誰もがみんな」
#13
みんな辛いのは分かってるよ。
でもね、辛いんだよ。
みんなも辛いって言われたいわけじゃないんだよ。
少しでもいいから話を聞いて欲しいんだよ。
みんな辛いのは分かってる。
でもそれって人それぞれだよね。
辛さの感じ方は人それぞれ。
みんなも辛いって一言でまとめたらダメなんだよ。
みんなも辛いなんて本人も分かってるんだから。
無理に言葉をかけなくてもいい、ただ話を聞くだけでもいい、
ただ隣に居るだけでもいい。
それだけでもその人は救われるはず。
誰もがみんな
なんてことは
ありえないの
目が見えるとか
食事をとるとか
生きてることも
できない人はいる
やらない人もいる
私達はみんな
どこかが違うし
誰もがみんな
何かがおかしいの
『誰もがみんな』
誰もがみんな同じな訳じゃない。
だけど、そんな中みんな必死にいきている。
そんな私も独りだ。
最愛の息子を元夫たちに奪われ11年の時が過ぎてしまった。
そんな息子も4月には中学生。
熱い。ぼくはズキリと胸の奥に鋭い何かが突き刺さる様な痛みを覚えた
「誰もがみんな不安を抱えている」
嗚呼そうだ。分かっていた。分かっていたつもりになっていたのが嫌になった。ぼくが理解したつもりでいて、だからこそ彼女のそんな状態を見て一気に現実を知った。
彼女は病室のベッドにいた。何やら大きなチューブに全身を繋がれていて、今も必死に戦っている。身体も、心も。
デートに行く時。キスをする時。ずっと不安を抱えていた。されどぼくはその悩みの種を知ろうともしなかった。ここ最近の彼女の表情は、ぼくに僅かな違和感を振り撒くだけで、心の内を最後まで知る事はなかったのだ。
「……っ」
脳裏に、彼女の明るげな笑顔が浮かぶ。ぼくに心配をかけないために必死に嘘を並べ、動揺を隠し、平静を装っていた。それが分かった瞬間、胸の内が熱くなって途方もない後悔と無力感に駆られた。
「ごめん、ごめんな……」
願わくば、もう一度……元気な君と語らいたい。
横たわる彼女の掌を強く握り締め続けた。