『誰にも言えない秘密』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「窓際の席」
私の席は窓際の最奥、先生から一番目の届かない範疇です。人によっては最高というのだろうけど、マジメに授業を受けている私にはそんなの関係がありません。むしろ先生の声が聞き取りづらく、黒板の文字が見えにくいここは、いわば最悪の席です。おまけに隣の席は忘れんぼ王子と名高い赤林くん。貸して、と忘れ物の被害を被るのはいつも隣に座っている私なのです。
……つまりここは最低最悪の席であって、ほんのちょっと貸すときに触れた手とか、教科書見せるときに寄せ合う額とか、そういうので赤くなった顔を窓から吹く風で冷やしているのも、筆箱の中にシャーペンと消しゴムを2個ずつ入れているのも!
全部全部私だけの誰にもいえない秘密なのです!
テーマ「誰にもいえない秘密」
「ここにいたのか」
背後からかけられるいとしい人の声が、背後からしました。
「ええ、今宵は月が大地に近づく夜ですので」
私は見ていた天上の月から目を離さないまま、いとしい人の声に応えました。
「ストールをかけているが、風邪をひく。早く中に入るといい」
あなたの普段の物言いとは違う、とても柔らかい声が響きます。
「もう少し、このまま月を見たいのです」
気遣うあなたの声が、隣に立つあなたの気配が、私の心をざわつかせました。
「ならば私もともに眺めよう」
あなたが隣に立ち、私とともに月を見上げました。私はこっそりあなたの顔を盗み見ます。
男らしい、私が想ってやまない、あの人の顔。
すると、目が合いました。
私はその眼差しに吸い込まれそうになりながら、それでも目を伏せます。それでもあの人の視線は私から外れないことが、分かりました。
その眼差しを感じますと、想いがこぼれそうになります。
「お慕いしています」
私はこの言葉を飲み込み、あなたとともに並んで立っていましたが、あなたから離れがたい想いをこらえてベランダから中に入ることにします。
あなたの姿が名残惜しく、今一度振り返りました。
もう一度、あなたと目が合いました。
あなたは何も言いませんでしたが、それ以上に眼差しが私への想いを雄弁に語っていました。
私は目を見開くと、首を横に振って今度こそベランダから部屋に戻りました。
「あなたを、あなたをお慕い申し上げます」
こらえきれない涙とともに、私は自分の部屋の隅にうずくまってひっそりと涙を流しました。
あなたの想いが分かるからこそ、私の想いは決して伝わってはいけないのです。
いとしいあの人にも、ましてや誰にも言えない秘密を抱えたまま、私はこれからも生きていきます。
お題:誰にも言えない秘密
みんなが幸せになるようにと願っていることでもたまにそれはルール違反だったりする。
指導を受けなくても反省しているならそれでいいじゃないか。ただの理屈に過ぎないが。
やりたいことをやればいいこんな世界を私は望まない。なぜなら、やったらやったでストレスが溜まるから。
苦い思い出、黒歴史、漁ることは許されない。私のプライドだけど。
たかが床に落ちているガムでも場所が変われば怒られる。理由が分からない。捨てることが駄目なのかましてやその行動が許されないのか。
今日あった私の黒歴史【 誰にも言えない秘密⠀】
『誰にも言えない秘密』
私には秘密が無い。
それが悩みでもある。
《誰にも言えない秘密》
ここでしか言えない秘密を話します
浮気しました
「……ああ、ちょうど良かった。少し誰かとおしゃべりしたい気分だったんです」
雨がトタン屋根を打ち付けるバス停、町の外れにぽつんとあるそこで、少女は左横の枝垂れた木の影に向けてそう言った。
制服なのも構わず吹き込んだ雨粒で濡れるベンチに腰掛けて、黒く曇った空と遠くまで見えない正面の風景をぼうっと眺めながら口を開く。少女にとって、影からの返答がないことはそう重要ではなかった。
ざわざわと風に吹かれた木の葉が擦れ合う。
「桜の樹の下には屍体が埋まっている」
「有名ですよね。小説でしたっけ。今や都市伝説みたいな扱いですけど」
雨音は時間経過に比例して強くなっているようだった。ぽつりぽつりと、しかしどこか無邪気にこぼされる少女の声ははたしてバス停の外にまではみ出しているのだろうか。波打つ屋根の溝を伝って繋がった大きな水滴が一つ、少女の目の前を滑り落ちていった。
「私、その話を初めて聞いた時、気になって気になって仕方なかったんです」
「作り話だろうって思っていても、もしかしたら本当なんじゃないかって考えがふと頭をよぎるんですよ」
わかりませんか? と少女は問いかける。代わり映えしない景色を真っ直ぐ見据え続けるその顔が枝の伸びる方向を向くことは決してなかったが、それでもその問いは、暗く落ちた影に対して共感を求めるものだった。返事はない。相槌が返ってくることもない。少女はその沈黙を快く受け止める。
「だから、確かめてみたんです。近所の公園に都合よく桜の樹がありまして。日も落ちて、そこで遊ぶ少しの子供も家に帰る頃に、家の倉庫からシャベルを持ち出して木の根元を掘り返しました」
「何があったと思います?」
「何にもありませんでしたよ」
「そりゃそうですよね。強いて言うなら土が、沢山の微生物の死骸が混じっているであろう土がありました。
でも、あの言葉が言いたいのはきっとそういうことじゃないんですよね」
残念そうな薄い笑顔。期待していたものが現れるはずはないと知っていたのにも関わらず、自分の手で夢を壊してしまったことへの後悔。少女は好奇心によって、秘めたままでいたかったはずの謎を殺した。
真実を知って、共有してなお、雨はやまない。一方通行のおしゃべりは続く。
「それから何年か後。割と最近ですね。家の裏手に山があるんですけど、その脇にある細い道路で動物が死んでいるのを見つけたんです。
ああ、もちろん私が殺したわけじゃないですよ? 多分事故かなんかだと思います」
「……何を思ったんでしょうね」
「私は裏山の、特に立派な樹の根元にその屍体を埋めました」
地面にぶつかって弾け、水溜まりの表面にとめどない波紋を作り続ける雨粒が、ざあざあと激しい音を立てている。少女の頭上で響くこもった煩いまでの音が、人知れず告白された事実をひた隠そうとしている。
陰惨に項垂れる枝が、葉が、地面につこうかというほど、少女の表情に興味を持って覗き込もうとしているようにしなる。
「桜でもなんでもない、名前も知らない、年がら年中緑色の樹です。どうしてかその時の私は、そうしたいと、そうするべきだと思い込んでいたんです」
少女に悪気は感じられなかった。ただ不思議そうに、その光景を、抱いていたはずの感情を思い起こそうとしている。少女は自他ともに認める好奇心の塊だった。
脳裏に再生したその思い出が時間を進めるたびに、少女の声は弾み、胸を高鳴らせるようにその大きな目を見開く。今少女の目の前にあるのは天候の沈む町の風景などではなく、あの日の興奮と発見だった。
「そしたらどうなったと思います? そう、次の月、何となくその事を思い出して様子を見に行った春」
「そこには間違いなく桜が咲いてたんです」
「綺麗な花でした。目を奪われて、見ていると不安になるのが分かるほどの」
見間違えるはずも、迷子になるはずもない。少女の知っている限り、裏山の中に桜が咲くことなどそれまでなかった。
では誰かが植え替えた? 一体何のために。そこにあった何の変哲もない樹の下に屍体を埋めたことを、少女は誰にも打ち明けたことはなかった。
たった今、そこにいる真っ暗な影に気まぐれに口を開いたのが初めてだというのに。
「あの話はやっぱり本当だったんでしょうか。私が確かめた公園は、掘り起こす深さが足りていなかったとか。もしかしたら公園の桜も元は違う樹だったんでしょうか」
「それとも。私が、誰かがそうあって欲しいと思ったからそうなったんでしょうか。ただの作り話が広がって、都市伝説になったから」
疑問は尽きない。真相を突き止める術は知らない。
「ふふ。どっちにしろ、私のした事がバレたら怒られちゃいますから。これは内緒にしておいてくださいね」
少女はようやくバス停の横に視線を移すと、その影の中に佇む人型の黒い何かに向けてしぃ、と人差し指を立てた。軽いいたずらを親に隠す子供のように、頬を色づかせてお茶目なはにかみを見せた少女は、傍らに立てかけておいた傘を手に取って立ち上がる。
太陽が姿を隠している中で不自然な程に濃かった影は満足そうに、アスファルトへ雨粒と溶けて染み込んだ。
【誰にも言えない秘密】
誰にも言えない秘密
あの子が好き。
あの子が嫌い。
笑って人を評価する。
上から人を見下ろしてる。
仲間外れは怖いから、一緒になって笑ってみるけど。
本当は興味がないの。
あの子も、その子も、あなたのことも。
どうでもいいの。
なんでもいいの。
ねえ。
好きの反対って知ってるかしら?
<誰にも言えない秘密>
秘密があっても私はいいと思うんです。
それが
誰かを救うなら
誰かを笑顔にできるなら
誰かを幸せにできるなら
誰にも言えない秘密があってもいいと思うんです。
『誰にも言えない秘密』
それは、君を好きになってしまった事。
君は、まるでこの空のずっと遠い雲のような存在の人。
私なんかとは大違い。住む世界も何もかもが違った。
私の身体は弱くて、君と一緒になったら
君を不幸にさせてしまうかもしれない。
この「好き」という気持ちも、周りは許してはくれないだろう。
だから、この想いを胸の奥にそっとしまい込んだ。
......君の幸せを、画面の向こう側から見守っているよ。
フレンドリーにみせかけています。
人が好き。といつも子犬のように尻尾をふっていて
誘われると断りません。
本当は、一人が好きなのに。
寛容にみせかけています。
にこにこといつも笑っている。
本当は、腹わたが煮えくり返っていても。
みんな私のことを良い人といいます。
それが満足です。人から嫌われるのが怖い。
自分は人を好きではないのに。
そんな身勝手な人間であることは誰にも言えない秘密です。
「誰にも言えない秘密」
誰にも言えない秘密
穏やかに。いつもの調子で。
僕は君の話を聞き、相づちを打ち、笑ってみせる。
いつもの日常。だけど。
胸が苦しい。
後ろめたい気持ちと、これが正しいと思う気持ち。
混乱して、言葉が出てこない。
「何かあった?」
不思議そうに首をかしげる君に
平静を取り繕って、なんでもないと笑う。
なんでもなくはない。
君が隣にいるのに。
なんだろう。この、孤独感は。
この秘密を、君に打ち明けてしまえば
楽になれる?
そんなことはないだろう。
聞いてしまえば、君は辛い思いをする。
きっと、どうしたらいいかわからなくなる。
だから。
自分の罪は、誰にも言えない。
誰にもいえない秘密
言葉にしてしまって楽になれるなら、きっとそれは誰にも言えない秘密ではないのではないか。
言語化できない経験が、世の中には溢れている。
誰にも言えず秘密にしなければならないことは、時を経ても言語化に苦痛が伴う。そして、言語化しても苦々しい思いは、容易に消滅しない。
そういう言葉にできなかった想いをどこまで受け止められるか。秘密を打ち明けられる側にも問われるような気がしている。
だから、私の誰にも言えない秘密は、海洋散骨されるその日まで細胞の中だけにとどめておきたい。
はたから見れば、「なんじゃそりゃ、そんな大した事でもないじゃないか!」と、爆笑されることだとわかっていても。
私があと死ぬまで1ヶ月
まだ誰にも言ってないの、
大切な彼にさえ…言えずにいる
ずっと言わなきゃって思ってた。
それでも言える気がしなくて、
ずっと隠してきた…
あと、1ヶ月
それなら、未練なんてない方がいいに決まってる
私がやることは彼を自由にすることだ
「ねぇ、話があるの…」
「どうした?なに?」
「……その、別れて欲しいの、 」
「……なんで、?俺なんかしちゃった?直すから、、どうして、」
「違う。あなたの問題じゃないの、ごめんね」
「じゃあどうして、、」
「あなたには私じゃダメなの…」
「そんなことない!!!君じゃなきゃダメなんだ…ねぇ、なんで急に別れようなんて言うの」
あぁ、最終的泣かせてしまったな…
「ごめんね、さようなら」
「ねぇ、!!やだ!!」
大丈夫、あなたならきっといい人が見つかる
1ヶ月後
「なんで、言ってくれなかったんだ…」
そんなに残酷なことがあっていいのか、
君はさ、隠すのがほんとに上手だね…
「ねぇ、もう1回やらせてくれよ」
君がいる世界でもう一度やり直させてくれ。
そしたら二度とこんなミスしないから
君が1人で死なないように、頑張るから、
だから
「もう1回だけ君の声を聞かせてよ」
誰にも言えない秘密
う〜ん、本当に言えない。
ちょっとした性癖…。
墓場まで持ってかないとだよね(笑)
[誰にも言えない秘密]
誰にも言えない秘密ありますよ!
でも、今ここで言ったら秘密じゃなくなっちゃうの
言うのやめときます!
夜7時になると新しい『お題』が表示される。
そっとアプリを開き
思考を巡らせる楽しみと
どうしようかな?て想像しながら描く物語。
ちょっとした恥ずかしさは
「誰にも言えない秘密なんだよ。」
誰にも言えない秘密。
依存体質なこと。
家族が死ぬほど嫌いなこと。
母親はヒステリックで情緒不安定。
父親は普段はにこにこしてるけど、自分が人を傷つけたって知らない。すぐ忘れる。
妹はお母さんに媚びを売る。生まれながらの末っ子。いいな。
弟はうちより努力しなくても人並みに愛されてる。ずっと頑張ってきた自分が馬鹿みたい。
嫉妬、妬みで構成されてるであろう自分が嫌。
生きている自分が嫌。
笑ってる自分も嫌。
他人にどれだけ可愛いと言われても、数時間後にはもう死にたいと願う。
何をもって、愛を示せばよいのか分からない。
依存体質を克服する、って言うのは簡単だけど
うちはこの愛し方しか知らない。
すぐ突き放すがすぐ過保護になる。
自分がどちらの遺伝子も持っていると思うと嫌になる。
家には味方がいない。
「愛が重い」って言われたくないから付き合わない。
突き放されるのが死ぬほど怖い。
「嫌い」って言われて突き放されるのも怖い。
その瞬間に、この世と必死に繋ぎ合わせてた糸が解けそうで怖い。
完璧主義で、病んだこともあるようなネガティブ思考で、気分屋で。
全部全部嫌になる。
全部投げ出したくなる。
大好きだなんて言えなくなる。
だから、死んでもいいから、
君を幸せにしたいと願った。
そんなのは、ただの願望だけど。笑
テーマ:「誰にも言えない秘密」
誰にも言えない秘密はいっぱいある。
こんな匿名で不特定多数の場に言える秘密は、誰にも言えない秘密じゃないよ
ヱ?
誰にも言えない秘密を教えてくれッてェ?
なァに言ってンのサお客サン。
誰にも言えないから秘密、なんでさァ。
お客サンも好奇心旺盛なのはよっくわかりますがねぇ。
猫を殺したくァ、ねぇでしょう?
お題『誰にも言えない秘密』
この屋敷の小さな主様は、遂にベリアンさんを呼んだ。その前はミヤジさんだったし、さらにその前にはハウレスで……他の執事たちを呼んでは部屋の片隅でコソコソ話。主様は話を終えると必ず、
「ね、みんなにはナイショ」
と言ってくふくふ笑い、呼ばれた執事は俺に生暖かい視線を送って出て行ってしまう。ボスキに至っては「よぉ、色男」などと意味深にニヤッと笑っていた。
ハウレスが呼ばれた時には堪えきれず、
「俺には教えていただけないのですか?」
と近づいて話しかけたけど、
「フェネスには特にヒミツ!」
そう言ってハウレスの後ろに隠れた。
主様は一体俺に何を隠しているんだろう?
俺だけ仲間はずれなんてつらい……。
俺が俯いていると、話を聞き終えたらしいベリアンさんは大袈裟なくらいに主様に耳打ちした。
「フェネスくんのことが大好きだなんて、他の執事の皆さんには絶対に言えませんね。そのような、誰にも言えない秘密を私に教えていただきありがとうございました」
……えっ!?