『視線の先には』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ご飯をしゃもじでほぐすときに気づいたんだけど、炊飯器の中で、蚊がふっくらと死んでいた。いつ入ったか分からないけど、1時間半かけて、ふっくら死んだことは確実だ。
俺は蚊を具におにぎりを作って、それを公園に埋めてやった。
バイトに行くと必ず靴擦れして痛い。週4のバイトで週3で靴擦れする。これはもう靴が悪いから、新しい靴を買わなきゃと思うんだけど、バイト代は靴に使う予定じゃなかった。
痛みとか死とか、知りたくないものばかり確実かよ。
靴なんか買う予定じゃなかった。
蚊を殺すつもりもなかった。
おにぎりも結局食えなかった。
これが昨日の話。
今日、公園に寄ってきた。
どこにおにぎりを埋めたのか忘れていた。
適当に地面にアタリをつけて、視線の先に埋まってるおにぎりをイメージする。
視線が地面を貫き、おにぎりに到達する。
視線がおにぎりを貫き、蚊に到達できなかった。
俺は視線をひとまず引き抜いて、合掌した。
ここに何を埋めたかも明日には忘れてしまう。
これは確実じゃないが、確実と言っていいだろう。
これも確実ではないのだが、靴は買わないことにした。
補足
大きさ 俺>🍙>🦟
あの人の視線の先に居たかった。
あの人に見つめられたかった。
だって興味を持って見つめてくれるって、私のことを好きでいてくれるってことだと思うから。
だから私は必死にやった。
あの人の興味のあることにはみんな飛び付いて、あの人の視線の先にあるものを一緒に見て、時々はわざと知らんぷりをしてみせて。
それなのにあの人は、私のことだけを見つめてくれる気はないみたい。今だって、私のことはそっちのけで全然違う方を見てる。悋気を起こしてぐいっと視線の先に割り込むと、困りきったような苦笑い。
「こら、今はダメ。ちょっと待っててよ」
私を押しのけて、また、私じゃない方を見つめ出す。
どうしたら、ずっとずーっと、私だけを見てくれるのだろう。
まだ分からないまま。とりあえず私は不満たっぷりに、
「みゃあう」
と鳴いた。
#視線の先には
ガラス越しに見つめる視線の先には、その日その時によって様々なドラマが繰り広げられている。
春。はらはらと桜が舞い散るなかを駆け抜けていこうとした少女は、ふと足を止めるとこちらに近付いてきた。そうしてガラス一枚隔てた向こう側で立ち止まると、乱れていた前髪をちょいちょいと直してからまた走り去って言った。
夏。ミンミンとセミの鳴き声がうるさい昼ひなか、虫取り網とプラスチック製のカゴを持った小学生の集団が、きょうはどこへ行こうかなんて相談しながら、賑やかしく通り過ぎていった。
秋。かさかさと赤や黄色の枯葉が冷たい風とのダンスを披露している通りを、車椅子に乗っているお婆さんと、その車椅子を押してあるくお爺さんが通っていく。ふと、お婆さんがお爺さんの方を振り返り、それからこちらを指さした。そして二人はこちらへ近づいてくると、ガラス越しに「こんにちは、可愛い××××」と言って、品良く笑いかけてくれた。
冬。ピュウピュウと北風が泣く通りはガランとしていて、今日は誰も通らないのかしらと、少し寂しくなってしまった。でも落ち込んでいたって仕方ないし、私らしくないわね。そう気持ちを切り替えたとき下の方で、コツコツと小さな音がした。見ればそこには白く真ん丸な体に細長く黒い尻尾の小鳥が、まるで私を励ますようにコツコツ、コツコツと何度もガラスを叩いていた。ありがとう小鳥さん。あなたも寒さにめげず頑張ってね。私もがんばるわ。
そう、私はこの街の片隅にあるアンティークショップの看板『招き猫』。このお店やショーウィンドウの前を通り過ぎる人にたくさんの笑顔と幸せを招く由緒正しい『招き猫』なのだ。
『視線の先には』
視線の先には、ふたつの道。
どちらを選ぶかは自由。
人生は常に選択の連続。
どっちを選んでも後悔する。
人は、より上を目指したがるから。
今で満足することも、たまには必要。
視線の先には、ふたつの道。
でも選べるのはひとつ。
迷うのが人生。
悩むのが人生。
難しく考えず、ひとつひとつ選んでいこう。
早く大人になりたいと思ってた。
視線の先にはいつも自分たち姉弟や母のために一生懸命働いてくれてる父がいた。仕事の愚痴を言わない寡黙な人だった。
母は専業主婦だったが結婚するまでは働いていたらしく、主婦という仕事を真面目にこなす人だった。
大人ってのは皆そうなんだと思ってた。
周りのために一生懸命に生きる真面目な生きもの。
自分も当然そうなるんだろうと思ってた。
だが実際はそうでもなかった。
働くのしんどいし、だるい、
毎日辞めたいって思ってる。
嫌いな奴が職場にいるから愚痴も止まらない。
主婦業はほぼやらない、旦那がやってくれるから、甘えちゃってる自分がいる。
大人の風上にも置けない大人へと進化を遂げた。
子どもの頃に見ていた大人と今の自分の落差たるや。
視線の先にあった大人はThe見本、鏡だったんだな。
【視線の先には】#29
「視線の先には」
あなたの目には何が写っているのだろう
人か星か森か海かそれ以外か
僕の目には何も写っていない
何も見えない程に周りに興味が無い
誰も僕を助けない
僕は誰でも助けたのに
どんな願いも聞いたのに
僕は願うことする許されない
願ったら怒られる
どうしたらいい
僕は人間じゃないのかな
僕の視線の先には
何も無い真っ暗な荒野が広がっている
憧れていた人がいた。
いつも笑顔で周りの人と楽しそうに話す人で、どんな人相手にも変わらず接するような人。本当にこんな人いるんだ、って思うくらい人を集める人。
何度か話したことがある。その度に自分との違いを思い知らされて、その人と話すことは辛くなった。
けれどその人に憧れていたから、少しでも近づきたいと話したくなる。けれどやっぱり辛くて、相手にも迷惑じゃないかと思って、話さなくなった。
笑い声が聞こえてくると少しだけ周りを窺うようになった。人と話すことが怖くて仕方なくて、周りの人全てが怖くなってしまっていた。
決まってその笑い声の中心にはその人がいた。
みんなも、あの人も、自分を笑わない。そもそもほとんど関わりがないのだから、笑われるほど何かあったわけでもない。
けれど、もしかしてあの時のことがよくなかったのか、気付いてないだけで何かしてしまったんじゃないか、そうやってまた怖くなる。
あの人みたいに、中心にいて周りの人を笑顔にすることなんてできない。
話さなくなって他人になったのに、あの人を目線で追いかけることは、卒業するまで辞めることができなかった。
【視線の先には】
俺の視線の先にはいつもアイツがいる
でもアイツの視線の先には
大勢の人がいて
到底俺だけなんて見てくれないだろうな
俺だけ見てくれるなら
悪にだってなんだってなる
お題『視線の先には』
※体調不良につき少し寝かせます
~視線の先には~
あれが良かった
此処では なかなかお目にかかれない
レア物だった
そのために、わざわざ走って来たのに
この数日、それを楽しみにしていた
それなのに、すでに終わっていた
あと少しで手をすり抜けて掴めなかった
見つめる先には
今日の日替わり定食 肉増し酢豚セット
最後の一つを隣のふくよかなおじさんが
美味しそうに食べている
『G』
ねえ猫ちゃん。何を見ているの?
お空かな、雲かな、それとも鳥さんかな?
あれ、こっちを見てどうしたの?
今はねこじゃらしもお菓子も持ってないよ。あ、それとも撫でてほしいのかな? かわいいね。撫でてあげようね。
おーよしよし。……なんでずっと私の後ろを見ているの? 私の後ろに何かいるの?
猫ちゃんの視線の先を追うとそこには──。
テーマ:視線の先には
いつもの通勤の道。通学の道。
普段通りの景色が続いている。
毎日毎日、同じ様で同じじゃない。
私が見る景色。貴方が見る景色。
沢山の人が行き交う街。
自然がたくさん広がる街。
海が見える街。
それぞれの景色が視線の先にはたくさんある。
さぁ、今日はどんな景色が待っているのかな?
社会の普通と少し異なる私は幼少期、何故普通になれないのだとよく怒られた。
それの何がいけないのか分からなかったけれど、とにかく私は自分らしく生きてはいけないのだと思った
でもこれは私の人生だから、社会の秩序を乱さない限り好きな事をする権利があるし、他人にそれを止める権利は殆どないだろう。
普通では無い自分に誇りを持って、人生を楽しく生きてみよう
"視線の先には"
変わろうとして変われなかった自分と
それを受け入れて前に進もうとしている自分に向けた
新しい道が広がっていた。
視線の先には風に吹かれている小さな花があった。
その花はどんな風にも耐えようと踏ん張っている。
すごいな。大丈夫かな?
私はそう思った。
でも、花どんなに強い風が来ても耐えていた。
それを見て自分も踏ん張って頑張らないといけないなと思った。
「視線の先には」
視線の先にはあいつがいる。
いつものあいつ。
今日もあいつを笑わせればいいんだ。
おなかが痛い。誰でもいいから助けて。劣等感から抜け出したい。自分一人で立ち上がりたい。生きてていいって思いたい。
泥濘んだ視線の先には
晴夏の日差しのカーテンに包まれ笑う貴方が居た
視線の先には
私はあなたの事が好き。
それはもう、世界で一番大切に想うくらい。
朝起きて夜寝るまで、更に言えば夢の中まで、一日中あなたの事で頭の中が埋め尽くされてしまうほどに。
あなたを見つめるだけで胸がときめいた。
あなたと話を出来るだけで心が満たされた。
あなたに抱きしめられるだけで私は幸せだった。
それなのに。
私が落とす視線の先にはもう笑わない、喋らない、動かない、あなたが横たわっている。
あなたの声はもう二度と聞こえない。
もう一度、私の名前を呼んでよ。
<視線の先には>
私の視線の先には
いつも貴方がいて
だけど貴方の視線の先は
いつだって私の左側
どんなに願っても
貴方と私の視線は交わることはないんだね
少しありきたりな怖い話
うちの寝室二人用のベッドなんだけど
寝そべった視線の先に押入れあるのよ
足を押し入れの方向けて寝てるんだけどね
嫁ちゃんから毎日言われるの
「押し入れちゃんと閉めて」って
なんで?って聞いたら
「隙間が嫌だから」
って言われた
ちゃんと毎日閉めてたんだけど、その日閉めるの忘れてたみたいでさ
ほんの少し隙間空いてるの
嫁ちゃん寝た後にそれに気づいてさ
あ、閉めないとって思って寝ぼけ眼でその隙間見たら
誰かと眼が合っちゃった
慌てて開けたけど誰もいないのよ
因みに住んでるところアパートでペット禁止で嫁ちゃんと二人暮らし
その日から明るい内にちゃんと押し入れが閉まってるかどうか確認を怠らないようにしている
2度とそんな目に遭いたくないからね