『裏返し』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「裏返し」
つらいと思っていたことが幸せだったり
幸せだと思っていたことが
じつはそこから先のない話だったり
将棋の「歩」が
裏返しになると「金」になるなど、
この世には
ひとめみただけではわからないものがある。
裏返してこそ
本物に巡り合う可能性がある。
「裏返し」
15歳に興味がなくなった。未熟さに飽きたからだ。僕は君のこう言いたかった。エレベーターが、しまるその瞬間、無理やり扉をあけて、言いたい。まあちゃんの言うこと聞いて頑張ってたら、きっといいお兄さんになれる
裏返し
「病は気から」
なんて言葉があるでしょ?
そう、気持ちが落ち込むと風邪をひいたりするってやつ
でも、言葉を裏返して「気は病から」にしてみて。
結局病に気づいた時には心が壊れてる。
貴方はどっち。
〘裏返し〙
明るさと優しさ強さ合わせ持つそれこそ望みもがき続ける
モニター。
PCの。テレビの。ショッピングモールのイベント広場の。家電量販店の売り場に並ぶ大量のモニター。
それを見るといつも裏側に回ってみる。
流石に入り込めるんじゃないかなんて今はもう思わなくなったけど、それでも確かめずにはいられない。
ホントに?って。
そこに映るのは有名な球場。観客で埋め尽くされている。吹奏楽と応援の声。強い日差し。
マウンドに立つ男の子が今、ボールを投げた。ああ、空振り…!立ち尽くすバッターの子。すごく悔しそう。
大歓声と興奮したアナウンサーの声で、画面の前に並んで立ち、8Kとか何Kとかを熱心に説明する店員さんの話は半分も届かない。
私は一瞬目を閉じた。
シャットダウン。
野球をしている高校生たち。それを撮るカメラ。映像が映るテレビ。テレビ画面を見る私の眼。情報を受信する私の脳。
裏返し。
情報を受信する私の脳。テレビ画面を見る私の眼。映像が映るテレビ。それを撮るカメラ。野球をしている高校生たち。
ホントに?
AB型は手のひらをヒラヒラと裏返すように、気分がコロコロ変わるらしい。
いつも素直でいなくても良いけれど
相手を傷付けることを、正当化するのは違うよね
構って欲しいから
躾の一環として
自分のことをワカッテ欲しくて
あなたはすべて、感情の裏返し
でも、傷付いた心は戻らないよ
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裏返し
裏返しができるということは表があるということ。
表と裏の多くは違いがあるということ。
人間だって人間関係は表面的なんだから、
裏があっても焦ったり怒ったりしてはいけない。
あなただって人に言ってない一面はあるはず。
全てを見せる人間なんて、
ほとんどありはしないのだから。
だから、あなたのその一面を大切に。
■テーマ:裏返し
裏返して脱いだ服 直す気力もない
実家にいた頃は母が口うるさく言うから…
あっけなく「習慣」が剥がれると
孤独であるよりも 痒くて寂しい
私の幼なじみは最低なやつだった
幼稚園の時は大嫌いな虫を持って追いかけられた
小学生の時はスカートを捲られた
中学生の時は教科書にくだらない落書きをされた
高校生の時なんてひどかった
片思いの男の子に私の恥ずかしい過去を告げ口された
やっと大学で離れられたのに
またこうやって一緒にいる
しかも「俺と結婚してほしい」だなんて
どうせまたからかってるんでしょ?
でも仕方ないからしてあげる
昔から「愛情の裏返し」で散々いじられた分、
一緒にいていっぱい仕返ししてやるんだから
あれ?この服、どっちが表でどっちが裏だろう……
もしかして裏返しに着てないかな?
って、よく見たらリバーシブルの服だった。
裏表の無い服って最高!
裏表のない人間も最高!!
リバーシブルになりたいな。
突然だが、小説家の恩田 陸さんをご存知だろうか。
Wikipediaによれば、
《郷愁を誘う情景描写に巧みで「ノスタルジアの魔術師」と称される。
(中略)
ジャンルの枠にとらわれず、SF、ミステリー、冒険小説、ホラー、青春小説、音楽小説など、そしてクロスジャンルの作品と、幅広く執筆している。》とある。
【裏返し】というキーワードでいうと、恩田 陸さんの常野物語シリーズの短編「オセロ・ゲーム」、第三弾の「エンド・ゲーム」のことが思い出された。
特殊な能力を持った「常野」の一族。
その能力は様々にあり、一つの能力がそれぞれの家系へと受け継がれてゆく。
何を裏返すのか?それは受け継がれてきた本人達も実はよく分からないらしい。よって、「あれ」と呼ぶ。
エンド・ゲームの主人公である時子の父親は「あれ」を裏返す能力が強かった。では、【裏返し】たのなら、【裏返され】ることもあるのだろうか?
読み進めていくと、どうなっていくのか展開が読めず、恩田 陸の世界観に引き込まれてしまう。
それがとても面白く、非日常感を味わえる。これ以上の娯楽があるだろうか?
また久しぶりに読みたくなってきた。大人になったからには、全巻まとめ買いしようかと思う。
「裏返し」No.28
紙を裏返すとそこには愛してるという字が書いてあると思った。でも紙は真っ白のまま。私はその場でしゃがみこんでしまった。わたしたちの愛は偽物だったみたい。
裏返し
私は好きな人がいる
その子には彼氏がいて、
手に届かない
どんだけ手を伸ばしても
届かない
私のこの気持ちは届かない
そんな気持ちが、なくなるまで、
この気持ちは
裏返し
裏返しでしか伝えられないんだと
その人は言った
甘えるな
裏返しにされて
見えなくなった表は
いつ伝わるの
裏返しで渡された愛情を
そのまま受け取って傷付くのも
わざわざもう一度表に戻すのも
あなたの愛したはずの人だ
それは 真に愛か
お前の 甘えではないか
裏返し
好きの反対は嫌い、なんてオセロみたいに簡単に裏返せたら良かったのに
あの人は私に興味なんて1ミリもないの
死にたいは生きたいの裏返しじゃなくて、
死にたいと生きたいはたぶんイコール。
周りがきらきら生きてるのを見ると死にたくて、
周りがどよどよ死んでるのを見ると生きたくて。
死ぬのは怖いけど、
明日からも生きるなんて泣きそうで。
もう無理だって何回考えただろう。
何回腕にカッターを当てた?
何回首にカッターを走らせようとした?
そんだけしたって死ねなくて。
笑われてる気がする。
社会から指さされてる気がする。
私は、ちゃんと生きれてる?
好きの反対は嫌い?
いえいえ、裏返したら無関心
どうして今それを聞くのでしょう
もしかして私が好きなのかしら?
いえいえ、それを言ったら無関心
どうしてそんなに悲しがるのでしょう
だってそうじゃない
貴方のこと、私なんにも知らないの
どんなに私を裏返そうとしても無意味よ
だって貴方は浮気性
38.『裏返し』
愛情の裏返しは憎悪だと思う。今までプラスだったものが同じ振れ幅でマイナスに転じるのだから。
何はともあれ服の着心地に違和感を感じてタグを確認したら、裏返し。
「道理でおかしいと思った。着心地が」
慌てて直したけど、日常の中に潜む裏返しなんて、こんなものだと思う。
「お腹空いたなぁ。なんかあったっけ?」
目が覚め、天井を見つめる。
空腹を感じた僕は、いそいそと起き上がった。
カーテンから差し込む光
外から聞こえてくる蝉の声
「今日も暑くなりそうだな」
冷蔵庫を覗く。
卵と牛乳、あとは酒ぐらいしか入っていない。
「はぁ、なんもない…か」
キッチンの戸棚を見てみる。
買い置きしたカップラーメン、缶詰
それと
ホットケーキミックスがあった。
「久しぶりに作るか」
ホットケーキミックスを取り出す。
それに卵と牛乳を混ぜ、生地を作る。
コンロに火をつける。
フライパンに油をひき、生地を流す。
ぶつぶつと生地の表面に穴があき始めたら頃合だ。
ホットケーキを裏返しにするため、華麗にフライパンを振るう。
「いい焼き具合だ」
今日の朝ごはんは、これで決まりだな。