『衣替え』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
小さい頃、よく親に「そろそろ“子供替え”かな」とその子供替えの説明をされた。
私は親の言うことをきかない悪い子だからいらない。他の子供ととりかえようかしら、と。
向こうはたぶんもうそんなことを言ったことも忘れているのだろう。
そして、小さい頃の私にとって、それがどれだけ怖くて恐ろしくて、心を縛るものだったのか、知る由もないんだろうな。
まして今だってこうして忘れられずにふとしたときに心を氷色に染め上げているなんて知りもしないね。
─衣替え─ #102
(衣替えと聞いて真っ先に思い付いたのが子供替えのことでした。今の私、他のものを考えるほどの余裕なかったみたいです)
リネンのパジャマの上に綿のカーディガンを羽織る。
虫喰いで穴の空いたほつれたカーディガンを。
涼しい風が、風鈴を鳴らしながら窓から入ってくる。
日の出ない夜は、だいぶ冷えるようになった。
熱帯夜に活躍した薄手の半パンも、長い袖の上着やくるぶしまである長ズボンの染みついた防虫剤の香りの中に、すっかり埋もれてしまっている。
網戸から外を見た。
まだ夕方というべき時間なのに、日はすっかり落ちかかって、外は夕日色に焼けている。
「もうそろそろ衣替えの季節だね。こっちは明日から更衣期間に入るよ」
昨日、届いたメールにはそう書いてあった。
夏が長引いた最近の四季の中では、非正規の仕事をそこそこやって家事に家の環境作りに勤しんでいるこっちより、職業柄、仕事で気を抜くわけにはいかず、家では非番の日に帰って寝るだけのあちらの方が、衣替えには敏感だ。
制服というのは、偉大だ。
見た目も何割増しにカッコよく見えるし、衣替えというイベントをちらつかせて季節の変化も教えてくれる。
まめな暮らしは、どうやら、暇があれば出来るものでもないらしい。
今日日、普段から好き勝手服を選んでいる社会人の方が、衣替えには疎いだろう。
自分の洗濯物の山を見て、つくづくそう思う。
目の前の衣類の山は、見事に夏物から秋物への地層を構成している。
表面に厚ぼったい秋物が固まっていて、内側へ下へグラデーションのように夏を思わせる薄い布が、埋もれている。
まあ最近、季節の変わり目も曖昧だもん。そんな気まぐれな季節に付き合ってらんないよ。
そんな言い訳を口の中で呟きながら、靴下を引っ張り出す。
そろそろ日も沈むし、冷え対策をしておかなくては。
ごうっ…と強い秋風が吹いた。
思わずカーディガンの前を合わせる。
風鈴が荒ぶって、短冊がひっくり返る。
書き上がったメールの返信を読み返す。
いつも送られてきたメールの返事は、来たメールよりずっと長くなってしまう。
「次会えるのいつになりそう?衣替え、手伝いに来てよ!」
メールの最後に書いてしまったその一文を取り消しながら、今も仕事をしているはずの、送信先のあなたを思う。
あなたにとっては、この仕事が天職であり、生き甲斐でもある。
そういうあなただったから、出会うことができて、ここまで関係が続いているのだから。
だから、いつまで?とかそんな事は聞かない。
自分でそう決めたはずなのに、気を抜くとそういうことを書いてしまう自分がいる。
これは肌寒い季節感のせいだろうか。
人肌恋しいような、切ない寒さを醸し出す、季節の変わり目の、秋の空気のせいだろうか。
だとしたら、衣替えは大切だ、と思う。
人肌恋しい寒さを感じないために、厚い服を着るようにしなくては、なんで思う。
この自分の弱音も寒さのせいなら、あったかい格好をしてれば、強い自分でいられるはずだ。
だから制服には、夏服と冬服があって、更衣期間が定められているんだろうか。
…今年は横着せずに衣替えをした方がいいかもしれない。
夕方の地方ニュースではちょうど、衣替えの時のクリーニングについての特集をしている。
「衣替えって面倒ですよね。しかし…」
にこやかな微笑みを湛えて、専門家(衣替えの専門家ってなんなんだろ。資格とかあるんだろうか)が衣替えのメリットと蘊蓄をつらつら語っている。
……やめだ、めんどくさい。
立ち上がって、窓から離れる。
衣替えって、細かくてめんどくさい。
人のためにやるならまだしも、自分の服にそんな時間をかけるのは…ほんとにめんどくさい。やめだやめだ。
いっそ、こっちの分まで丁寧に、向こうで衣替えしてもらおう。
「こっちの分まで、存分に衣替えしといてください!寂しさを感じなくなるまで!」
消した弱音を、勢いで打ち込めたおどけたそんな言葉で塗りつぶす。
冷静になったら、弱音がはみ出してきそうだったので、読み返さずにそのまま送信ボタンを押す。
画面を見ずに電源を切って、スマホを放り出す。
やめだやめ。
大の字で仰向けに天井を見上げる。
照明をつけていないリビングは、もう薄暗くなってきている。
寝返りを打つ。
窓の外は、夜の闇に呑まれつつある。
ああ、秋が来たのだなあ。
秋物と夏物が混じった山を見上げて、秋を感じた。
秋の肌寒い、切ない風が、洗濯物の山の頂点を撫でて、通り過ぎていった。
ピンクのふわふわカーディガン
顔が少しだけ埋まるタートルネックのニット
手のひらが隠れるパーカー
コツコツいい音の鳴るブーツ
チェック柄がかわいい赤のマフラー
ニットの上にも着けやすい長めのネックレス
ココア色のロングコート
冬は私をかわいく彩る
「衣替え」
衣替え
彼と住み始めて二度目の衣替えの季節がやって来た
色んな事があったこの数ヶ月
最近は元結婚相手と関わる事もなく、
穏やかな毎日だ
彼のご両親にも今一緒に住んでる彼女が、10代のほとんど付き合ってた彼女の私だと言う事も全て話してある
結婚の挨拶はお互い要らないんじゃないかと言うくらいだ
彼のお母さんには話す前から、そうなんじゃないかと思ってたわぁーと言われる始末…
母親ってすごいな…
長い年月が過ぎても、私の名前を先に言われた事には驚いた
あの生意気だったキャラは消える事がなかったんだろうか?笑
まだ〝結婚〟と言う話しは親には言ってないが、
そう言う事なんだろうと思われてる状態である
お互い話しが脱線気味で結婚の話しが全然進まない
まぁお互いの親への挨拶、顔合わせ、入籍日までは決めているからそこに無理矢理合わせればいいだろう
次の衣替えの頃には、私は人妻だな
【衣替え】
肌の上を滑る風が冷たくなって
空から舞い降りるあれを思い起こす季節になれば
クローゼットの衣装を入れ替える
みなぎったやる気を体現するように
袖を通して今日も机に向かう
大事なあの地できみに会いに行く準備を始めなきゃ
2024-10-22
衣替えの時期とは言うが、急激に寒くなったり、また暑くなったりで服選びに時間がかかる。
仕事で着る作業着も長袖の人が少しずつ増えてきているが、自分はまだ半袖のままだ。作業で動いていれば汗だくになるし袖が邪魔だからなのだが、そうわ言っていられない寒さがそのうちやってくる。
雪が降ったら衣替えをする合図だ。
(衣替え)
これってどんなんでもいいねつくん?やったら
誰もこれにいいねしないで!!
システム確認したい
君にあげるために買った
このシャツ
かわいい、ほしいと
ねだる君のほうが
僕にとっては
可愛くて、欲しかった
仕舞って、出して
繰り返して
でも渡すことはできない
チェストの中を
入れ替える時期に
君の笑顔も
僕の記憶の引き出しから
仕舞って、出して
【書く練習】
たくさん人としゃべると、頭に血が登ったようになる
そうなると、なにしゃべってるのか解らなくなる
それでも何かしゃべらないと、と焦って更に血が上る
きっと、他人からみたら
ちょっとおかしい人と思われているかもしれない
失言をしていて嫌われてるかもしれない
関わってはいけないタイプの人間と判定されたかも知れない
今日は、そんな1日だった
衣替えの時期にクローゼットをあけると思い出の小さい服があった。
あの頃は本気で夢は叶うって思ってたんだよな。
今から思えば悪くないのかもしれない。たとえ叶わない夢でも。あの時は周りが信じさせてくれていたんだって。どんな歌詞にも夢は叶うという曲を小さい子に届けてくれた。今の子供は大人の嫌な部分を知る機会がネットによって多いけどそれがない時代はきっともう来ない。
周りがキラキラして大人になりたいって思わせてくれたのは小さい頃に見たアニメや番組。それが心を震わせてくれていたんだな。
何気なく見ていたアニメも努力して頑張ればきっと夢は叶うって応援してくれていた。それって凄くありがたいことで素晴らしいことなんだ。
夢は叶うなんて信じられない大人になってしまった今。
楽しいって思える未来じゃなかったよ。大金持ちなんかなれなかったし運命の人なんて出会えてないよ。夢だって努力しても叶わない事だっていっぱいあった。
今にも倒れそうで辛くて吐きそう。しんどい!辛い!もういなくなってしまった方が楽だ!こんな世の中生きていたくない!夢なんて何も叶わないかったよ!
心の底から叫んでやってやるよ!!
過去も今も未来も大好きだ。
衣替え (執筆途中)
衣替えをする季節になるといつも考えることがある。
四季についてである。
私はおおよそ4パターンに分けられた服どもを見ながら、四季と自身のこれまでを考えるのである。
私が生まれた土地は、日本ではあるが、はっきりいって四季はない。四季というよりぶっちゃけ二季である。夏と冬。どっちかといえば冬が長い。春と秋なんてものは、「あら?なんだかいつもと違う?」と感じ始めたときには既に猛暑と極寒が待っている。その高低差、60度ということで毎年テレビで駅前の温度計が報道されている。
大して気にも留めなかったこの「二季」は、上京したときに気にせざるおえなかった。本州とはこんなにも四季がはっきりしているのかと驚いたのである。こんな四季折々なら、故人も和歌なんて唄いたくもなっちゃうよね、と適当に納得したり、四季自体がなんてお洒落なんだろうとこれもまた心を刺激したりした。
上京したてのちんちくりん田舎ガールことわたしは、
服の選択に苦戦した。
そもそも、コーディネート自体難しいのに、4パターンも考えなきゃいけないだけで脳のリソースを占めた。
いままで、春や秋といったいわゆるグレーゾーン的な存在を考えなかった白黒人間の私は、
どうしよう
絶対に叶わない恋をしてしまった
両思いになることはない
付き合うこともない
でも
髪切ったこととか話しかけてくれることが
最高にうれしい
作品No.205【2024/10/22 テーマ:衣替え】
朝は肌寒くなってきたけれど
うーん……
まだ長袖にするには早いかも
この島はまだ
〝夏〟
みたいです
(下書きとして一時保存)
20241022.NO.85「衣替え」
昨日、髪を切った。
前髪も作った。
でこに違和感があってなんだか変な気分。
風が吹いて髪がなびいた。
前髪がひっくり返ってでこが寒い。
通りすがりの自転車乗りの男子が
「寒いな。秋がすぐそこまで来たな。」
と独り言をこぼした。
___もう、秋か。
今年の夏、かき氷を一回も食べてないのに…
すこし惜しいな。
そうだ、衣替えも今のうち。
ちょうど髪を切ったのだから、いつもと違う雰囲気の服でも買って着てみようかな。
想像していると自然とわくわくして口角が上がる。
でもまだ暑い日はいつかあるだろうから、少しだけ夏の余韻に浸っていよう。
衣替えがなんだって?俺様には、必要ねぇーなぁ。
何故かって?替える、衣がないからなぁ。
裸、最高ーーーーーーーーーーーーーー。
時期に男は、産まれたての姿で、パトカーに座ることになる。
季節が進み、気温がこれまでと変わっていく度に衣替えというワードがもやもやと頭にちらつく。
……やらないと季節外れの服しか出せないということは自分がよーくわかっている。
でも、めんどくさい。
ただ行李から服を出して、入れて、防虫剤をちょっと入れるだけなのに。
それがめんどくさい。
親が来ていい感じにやってくんないかなあ、と都合の良いことを考えてしまうけど、そんな夢みたいなことは起こり得ない。
……はあ。やろうか。めんどくさいけど。
衣替えは年に二回しかない。そう思ったらすこーしだけは頑張れそうだ。
衣替え
会社の衣替え初日は
必ず前の季節の制服を着てきちゃう
他の社員たちの服装を見て
やっと思い出す
そんなうっかりさんの自分が
今は好き
衣替え
中学生や高校生が
夏服から冬服へ
衣替えすると
いよいよ寒い季節がやってくるな
と感じる
夏の間
お世話になった服たち
これは今年買ったお気に入り
もちろん残す
これは今年あんまり着なかったな
でも、高かったんだ…
まだ着るかなぁ…
去年買ったお気に入り
今年着倒した
まだ着たいけれど
さよならしようかなぁ
そもそもまだ暑いし
衣替えは
もう少し先にしようかしら
今年全然一緒にいれなかったな。
もう潮時なのかも。
出会った頃はあんなに好きだったのに。
時が経つと気持ちって薄れるんだ。
あ、数年前に買った洋服の話です。
(衣替え)