『衣替え』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
衣替え
衣替えをすると
今年もタンスの奥からでてきた
白いセーター
クリスマスプレゼントに買っておいたよ
と渡された
白いセーター
もう古くなってしまったけど
どうしても捨てられない
白いセーター
この季節になると出てきて
2人で過ごしたクリスマスを
思いださせてくれる
白いセーター
大切な
白いセーター
お題《衣替え》
夏の煌めく太陽とサイダーの香りを織り込んだカーディガンもそろそろしまいだ。
男は季節を織り込んだ服を紬ぐ職人、名をトトキと言う。
来る季節のために、部屋中秋の香りでいっぱいだ。爽やかな甘さ漂うこの部屋にある夢幻に咲く金木犀の花。それからイチョウの葉に、ブドウの紅茶。
みんな助手が各地を飛び回ったりして、集めてくるのだ。
どんな素材でも縫える魔法の針とミシン。
それから助手の月魚。
どんな依頼でも叶えてみせます。
自分の見慣れた服を
久しぶりに手に取って
袖を通して
身体を包んでみたとき
肌から伝わる
この不思議な安心感は
どういうわけだろう
この幸福感は
誰が呼び覚ますのだろう
おまえか
おまえが知らぬ間に
細胞の中へと染み込んでいたのか
わたしの一部となって
#衣替え
以前、「洋服の衣替えはみなさんされるけれど、食器の衣替えはされないんですよね。」と知人で食器の商いをされている男性が言っていたのを思い出します。
そういえば子供の頃、お素麺を食べる時に使っていたガラス食器は、今は陶器の小鉢に変えてしまい年中いろんな料理に使っています。
収納場所の問題の点からも多用途に使える物が重宝されています。
昔が良かった、とは言いません。
生活様式もどんどん変わっていく。
ということですね。
「コロモガエ?」
「衣…seasonal change of clothes…あと何だ、
reorganize one’s wardrobe、分かる?」
「小さな分かる」
「"少し"分かる」
「スコッシ分かる」
そういえばンㇽバヤが越してきてまだ二か月。これが
初めての秋だ。彼女は長袖の服を持っているだろうか。
「ンㇽバヤ、故郷に四季はあった?」
「昔ある…あった。今はない」
窓越しに揺れるイチョウの黄色を眺めながらvivid colourいいねと呟く姿は私達と何ら変わりない。
それはそうだ。系外惑星出身の銀河難民がここで暮らす条件には地球人への擬態も含まれていた。
「地球のfallout shelterは、四季があると教えられた。だから、今、楽しい」
「それは良かった」
最後に地上で落ち葉を踏んで歩いたのは3年半前。私の子供も本当の季節を一つも知らない。
けれど、スクリーンパネルの調光は確かにやわらかな秋の日差しを再現していて、これが現実でないとはもう思えない。ちりちりと風に舞うイチョウの葉は私の不安を覆い隠すように静かに降り積もっていく。
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「衣替え」
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所感:
自分自身がカッチリした衣替えとは縁の無い暮らしなので、「衣替え」を知らない人のことを書いてみようと思った結果、なんちゃってSFになりました。
とうとう秋になってしまった。
クローゼットの奥から上着をひっぱり出して
あなたを想う。
人の心も簡単にしまい込めたらいいのにね。
あなたの事を思い出さないように
奥へ奥へ。
そこにあった事すら忘れてしまって
見つけ出せないくらいに。
そうしたら、次にひっぱり出した時には
思い切ってさよならできるかな。
またこの季節を好きになれるのかな。
-衣替え-
この服には思い出が詰まってるの
穴だらけの服を握りしめて過去を振り返る
〈もう過去に拘るのはやめたら?〉
人から見たらその程度である。だがそう言う人にも自分事では、なにかの思い出はあるのだろう。だが傍から見たらその程度なのだ。
馬鹿だなあ。服をしまうと、思い出なんて一緒に閉じ込めて忘れてしまうくせに。
[衣替え]
秋になって冬になる。
未だに夏を捨てきれない。
変わらなくちゃいけない。
私と家の「衣替え」
今までの私達とは、さようなら。
大丈夫。夏はまた来てくれる。
多分ね。
昨日彼氏と別れた、浮気されるのが、怖くて、彼氏から逃げた。
ここ何年も秋の衣更えの時期は嬉しい気分になる。
というのも、秋の衣更えは即ち、お気に入りのコートの出番がやってきたことを表すからだ。やや薄手で黒一色のベルトが2本ある、少々凝った造りのコートを私は秋から次の春までおよそ半年着続ける。
10年程前に見つけたそれは今でも一番気に入っていて、コートを新調する気は当分起きそうにない。当初は"お値段がかわいくない~(泣)"と分不相応な買い物のような気もしていたが、結果的にはとても良かったと言える。慧眼であった、などと自画自賛したくなる。
そしてもう一つ、この時期に衣更えするのが「香り」だ。
仕事柄、おしゃれをするにも制約があるため、私は香りでささやかなおしゃれを楽しんでいる。金木犀の香りが漂ってくる頃になると夏物から冬物へと香りを取り替える。暑い時期は柑橘系などの爽やかな香りが好ましく感じるが、気温が下がると少々甘い香りが恋しくなる。
でも慎重に。
強すぎればただの香害だ。あくまでかすかに、がポイントだ。
この香りも10年近く変えていないが、最近売っているのを見かけない。よもや廃盤になってしまったのかと焦ったが、先日売りに出ているのを見つけた。
なくならないうちに買っておかねば。
お題:衣替え
そろそろ衣替えしようと思う。
妊娠した。この子を産むと同時に私は産まれた赤子に乗り移って新しい体を手に入れる。私はこういう種類の生物で、こうすることで永遠に生きる。
その為に結婚した。夫は何も知らずに赤子になった私を育ててくれるに違いない。
妻が出産と同時に死んだ!悲しいが。まだ遺体が新鮮なうちに古い体を脱ぎ、妻の体を着た。こっちの方が若いからね。美人だし。
古い体はバレないように代わりに火葬する。こういうこと慣れてるから出来る。自分より若い体に乗り移っては永遠に生きる。
妻は知らないだろうが、世の中ってホントいろんな人がいるよね。
変わらない感触が
親しくなりたい彩りが
灼けた素肌を覆い
熱を生みだす
新たな世界に
静かに足を踏み入れた
/ 衣替え
もうすぐ雪が降ってくるよ
車のタイヤも衣替えしないといけないね
少しずつ心地よい風が吹き始める。
時には冷たい雨にさらされ。
時には日差しが強い日もある。
夏服が長袖になり、
下着が冬用になり、
そろそろ、カーディガンを羽織りだす。
ゆっくり。
ゆっくり。
心地よい季節は短く、
寒い冬に向けて準備をする。
ゆっくり。
ゆっくり。
今年も去年の。一昨年の繰り返し。
(衣替え)
「は、はくしゅ……」
親友と近くの川で花火をしたのが二ヶ月前。
そして、二学期が始まってから明日で一ヶ月。
「寒くなってきたよね。」
隣で友達が笑った。そういえば、まだ、制服は夏服のままだったっけ。
「もうそろそろ衣替えの季節かもね。」
「ね。」
短い会話が続く。ふと、ぼんやりと今年の夏を振り返った。
当然のように、親友との花火は楽しかったけれど、久しぶりに会ったからか、前よりは会話が続かなかったな、だとか。
今年は海にもお祭りにも行かなかったな、とか。
「思い返せば、今年はあんま、なんもしなかったかもなぁ……」
「そう?」
「そうそう。」
今、一緒に帰ってる友達とだって来年になったら話さなくなるかもしれない。
「ねぇ、あのさ……、私たち……」
ずっと友達だよね?
そう、言い切る前に、友達はこっちを見て笑った。
「じゃあ、来年の夏はなんか一緒にしようよ!海にも行きたいし、花火とかもいいよね!あとは……」
それだけでなんだか、救われたような気がした。
衣替え…大好きだったこの服ともさよならしなきゃいけないのね、また巡り巡って逢えますように
君から貰った服とか
見るだけで苦しくなるから
全部衣替えの時に捨てちゃったな。
夏ももう終わりだね。
衣替えしてたらさ
あなたに貰った物が沢山出てきてさ笑
捨てようにも捨てられなくて
全然あなたの事忘れられなくて
あなたと離れた後別の人と恋もした
だけど急にあなたの顔が浮かんでくる事がたまにあってさ
ほんと困ったよ笑
あれ、やめてよね
だからさ、もう思い出さないために
あなたの物全部捨てるよ
懐かしい場所にいった
見慣れた顔ぶれ
ここは私がいなくても
普通に動いてる
そう…
ここに心を留めることは
もう必要ない
古い心を脱ぎ捨てて
新しい心で新しい場所へ
10月だというのに
日中なんてまだ暑い
朝晩なんかは冬みたいなのに
10月の秋の空
半袖着ていてもそこまで季節外れに見えないのは
やはり暑いから
車の外気温35度だって!
でも君は一足早くに衣替え
今年も
青空の下
金色に輝いている
風に舞って微笑むかのよう踊って落ちる
緑色だった、銀杏木
いつも一番に秋を知らせる。
そろそろ秋物でも買おうかな。
お題
衣替え