そんじゅ

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「コロモガエ?」
「衣…seasonal change of clothes…あと何だ、
reorganize one’s wardrobe、分かる?」
「小さな分かる」
「"少し"分かる」
「スコッシ分かる」

そういえばンㇽバヤが越してきてまだ二か月。これが
初めての秋だ。彼女は長袖の服を持っているだろうか。

「ンㇽバヤ、故郷に四季はあった?」
「昔ある…あった。今はない」

窓越しに揺れるイチョウの黄色を眺めながらvivid colourいいねと呟く姿は私達と何ら変わりない。
それはそうだ。系外惑星出身の銀河難民がここで暮らす条件には地球人への擬態も含まれていた。

「地球のfallout shelterは、四季があると教えられた。だから、今、楽しい」
「それは良かった」

最後に地上で落ち葉を踏んで歩いたのは3年半前。私の子供も本当の季節を一つも知らない。

けれど、スクリーンパネルの調光は確かにやわらかな秋の日差しを再現していて、これが現実でないとはもう思えない。ちりちりと風に舞うイチョウの葉は私の不安を覆い隠すように静かに降り積もっていく。

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「衣替え」

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所感:
自分自身がカッチリした衣替えとは縁の無い暮らしなので、「衣替え」を知らない人のことを書いてみようと思った結果、なんちゃってSFになりました。

10/23/2022, 5:19:23 AM