街へ』の作文集

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街へ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

1/28/2024, 12:57:58 PM

街へ戻る


「よく帰ってきたね。東京で就職したときは、もう帰って来ないかと思って、寂しくしていたから。」

そう言って父と母は暖かく歓待してくれた。

大学卒業後、東京のブラック企業でSEをして3年。毎日0時過ぎまで働き、休みは月に1度。
プロジェクトは毎回遅れ、トラブルは収まらず。
いつも働き詰めでクタクタになって年末と盆に里帰りするだけの息子。

そんな里帰りをしたとき、母に就職先を紹介され、採用試験を受けてみると、あっさりと合格した。

拍子抜けするような、転職によるUターン。

戦場から帰ってきたような、そんな気分だった。

就職先は、そこまで厳しい職場環境ではなかった。長い勤務時間でもない。
結婚はしていないが、和やかな仕事先と、定年になったばかりの両親。
なんとなく、大学進学で実家を出る前の若い頃に戻ったようだった。

いや、高校のときは、大学受験と親との不仲で、もっと空気が悪かった。

社会に出て、ガムシャラに働いた期間で、私の心の角は丸くなっていた。
親とも適切な距離感で話ができていた。

理想的なUターン生活。
ただ、母の口うるささは、相変わらずだった。



10年後。
入ったときは和やかであった職場は、度重なる不況と物価高騰、そして感染症流行によって徐々に環境が厳しくなり、その厳しさに人が去っていくことで更に厳しくなる負のスパイラルになり、完全なるブラック企業となった。

長時間労働に、休日出勤。残業代がある程度出るのだけが救いだった。
そう、本当に救いであった。
お金が必要になったのだ。

定年から10年、まず高齢の祖母が、次に父が認知症を発症し、母はその二人の世話に追われて、荒れた。
戻ってきた息子(私だ)は結婚せず、遅くまで家に帰らない。休日も仕事。

認知で勝手に外に出ては度々行方不明になる祖母。その度に警察に連絡し、捜索された。母は何度も頭を下げた。
父は記憶が曖昧になったからか、不機嫌になることが多くなった。
車の運転もおぼつかなくなった。

母は、二人の面倒を見るためによく悲鳴を上げるようになり、次に怒鳴り声を上げる様になった。

私は仕事が忙しいのか、地獄のようになった実家に帰りたくなくなったのか、もう区別がつかなくなった。

しかし、母の疲弊が酷くなった段階で、私は職場に相談し、休日は職場に出ず、実家で介護ができるようになった。
私という戦友ができ、休日だけでも負担が2分の1になり、母の機嫌は、一時的によくなった。



更に10年、祖母が亡くなり、父の認知が進んできた頃、母もまた、足を悪くして寝たきりになった。

(こんなに早く、認知や老化は進むものなのか。もう少し緩やかに進むのではないのか。)

私は、職場に相談して介護休暇を取った。無給で3年間。
今度は、私が一人で介護する番だ。

結婚もしていないし、もうする気もなかった。
今、結婚相手を探しても、その条件は「両親の介護をしてくれる人」として見てしまう。
それは相手の人生を犠牲にすることに他ならなかったからだ。

学生か、社会人になって早いうちに結婚しておくべきであった、とも思ったが、一方で、「もしここで子育てもしていたら、果たして自分は耐えられていただろうか」とも思った。
まあ、今更のことである。考えてもあまり意味のない仮定だ。

私は、日々、買い物をして料理をして洗濯をして両親の面倒を見た。
体を拭いて、下の世話をして、話をした。
皮肉にも、私は自分の話をこんなに長く聞いてもらうことは初めてだった。
両親はよく喋る人だったが、自分たちの話をするのが好きな人で、息子の心の在りようを長く聞いてくれる人でもなかった。
そこまで暇でもなかったのだろう。
しかし、今は時間が有り余っていた。


父も母も、私が結婚せず、子どももいないことを悲しんでいた。
それは、私が幸福に見えないからか、それとも、自分たちに孫がいないからか。

私には分からなかった。

SEの戦場とも、今の職場のブラックさとも違う介護地獄の日々。
いや、忙しく、両親の機嫌が悪いと怒鳴り声や泣き声が来るが、地獄というほどではない。むしろ、私は、指図する人間が極端に少なくなった今の状態に、奇妙なストレスの軽減を感じていた。

仕事は辞めた。指図されない。
両親からは、炊事洗濯のやり方をいちいち指図されなくなった。
やることは多く、自由な時間もないが、細かいやり方は自分で考えて自分で決めることができた。

父や母には申し訳ないが、妻や子どもがいたら、おそらく妻に指図され、子どもの面倒を見るために心を砕き、職場で働きながら妻には老親の介護をさせ、妻の愚痴を聞く生活で、私の心はストレスでやられていたのではないだろうか。

ただ、収入はなくなった。
無給の3年はすぐに過ぎ、私はそのまま退職して無職となった。

あとは、目減りしていく貯金とにらめっこしながら、介護の日々だ。



更に10年。

父が亡くなり、母も病を得てしまい病院へ入院し、そこで数年の闘病生活の末、亡くなった。

私は母が長期入院になった段階で再就職先を求めたが、若くなかったため、高額な給料など望むべくもなかった。
わずかばかりのお金を得ては、母の病院に支払った。

母は最期まで、私に子どもがいないことを残念がっていた。

私も残念がっていたが、それは表面的なものだったかもしれない。
やはり、妻や子どもを、自分を縛る鎖だと感じていたのだと思う。


母の葬儀は、家族葬を行った。
祖母、父、母。三度目ともなると、もう慣れてしまった。

葬儀屋と馴染みとなった僧に対応をお願いし、ついでに奥地にあって墓参りに苦慮していた墓地を実家近くの墓地へ改葬した。

一人になった。

毎朝線香を上げ、手を合わせると、その時が自分を見つめ直す時間になった。



もう何も残っていない。

結婚もしてないし、子どももいない。

親がいなくなったことで、自分は孤独になった。しかし、一方で自由にもなった。

あとはいつ、どうやって死ぬか。それだけだ。

それがいいことなのかどうかは、わからない。
若い頃の自分なら、絶対に認められなかっただろう。
可愛い奥さんとの生活とか、憧れていたから。

母も、きっと子どもを残してほしかったのだろう。血が、家が絶えることを嫌がっていた。
しかし、皮肉なことに、そうして母が怒鳴る度に、逆に自分は「こんな血が残らなくて良いかもしれない」と思ってしまった。


ただ、あとは自分の心の赴くままに、流れていこう。

何ができるかはわからない。

ただ、東京に、街に行ってみることにした。

文字通りの意味で、他に何もなくなった自分にとって、自分を最後に試してみるために。

これが人生のはじまりなのか。それとも、最期の旅への最初の一歩か。

わからないけれど。

明日誰かと出会うかもしれない。
出会わないかもしれない。


親が死んで、悲しかったけれど、疲れ切っていたけれど。
同時に、肩の荷が降りた。

明日、自分は、右に歩くのも左に走るのも自由だ。

街へ、行ってみよう。

1/28/2024, 12:55:46 PM

本だって、洋服だって。今はなんでもインターネットの通販で買える。
 それなのに、わざわざ街に出掛ける理由ってあるんだろうか。

「そんなの、あるに決まってんじゃん!」

 私の疑問に、親友が食い気味に答えた。

「もちろん『楽しい』から!」

「……自信満々にうっすいこと言うね」

 冷めた目をする私に、親友は不満そうに口を尖らせた。

「えー、薄いかな? 真理じゃない?」

「今の時代、街に出掛けることに意味なんて無いと思うけど」

 私がそう言うと、親友はなぜかにやっと笑った。

「……そんなこと言うけどさ、いつも誘ったら来てくれるもんね?」

「……だって、『楽しい』もの」

 街は今日も賑わっている。



『街へ』

1/28/2024, 12:52:08 PM

街へ行こう。

時には、私も知らない遠くまで
行ってみよう。

人混みは嫌いだけど。
その、人混みに隠れるように。

人の数に、反比例する
無関心は心地よいだろう。

狭い世界で息詰まった
この苦しさも
知らぬ街の珈琲で
きっと、流れるだろうから。


【お題:街へ】

1/28/2024, 12:51:22 PM

ある街は
人々の欲望のままに
次々に金融機関や新しく
商業施設が建設され
交通機関が整備されていく

街には、地上も地下も
自然物はない
すべてが人工的なモノだ

ここまでの話なら
この街が
PCの仮想空間上のものか
現実の街なのかわからない

もしかしたら、すでに
現実空間も仮想空間も
境界がないのかもしれない

わたしは週末、『街へ』行く
どこへ行っているのだろう
          
          まー

1/28/2024, 12:51:00 PM

街へ
私が住んでいるのは、街から離れた場所。
静かで、ときどき車が通る。
自然が豊かで、少し不便だけど、いいところ。
週末はよく街へ行く。
本屋、ショッピングモール、カフェ・・・
いろいろ楽しんで、家に帰る。
街へ行くのも楽しいけど、家にいるのもいい。
明日は一週間ぶりに、街へ行く日。
今から楽しみで、眠れない!

1/28/2024, 12:50:32 PM

街へ行く者よ

そこは希望に溢れているかもしれない
そこは絶望に満ちているかもしれない

そこは挑戦者を歓迎するかもしれない
そこは敗北者を侮辱するかもしれない

そんなのは他の誰でもない、
自分の目で耳で、確かめなければ分からない。

都会だろうと田舎だろうと
街だろうと村だろうと

君が輝ける場所が君の居場所だ

1/28/2024, 12:49:39 PM

街へ

笑って走ってる日も

泣きながら帰る日も

ドキドキして歩く日も

いつも行く街は

なにひとつとして変わらない

1/28/2024, 12:46:05 PM

6."街へ"


外へ出て広い世界を知った君。


街を知り、人を知り、夜を知り


そして女という生き物を知った貴方。


私の好きだった貴方の顔はもう見えない。
見えるのは私以外の女を追う貴方の後ろ姿だけ。


私の好きだった貴方はもう帰らない。
帰ってくるのは私以外の女の香水を纏った貴方だけ。


私の好きだった貴方はもう居ない。
居るのは私を忘れた貴方だけだから。

1/28/2024, 12:45:02 PM

欲しかった口紅を買いに街へ出掛けた。

試してみたら似合わなくって。
それでも美容部員さんは「お似合いですよ。」って言ってくれる。

だから、口紅の他にもアイシャドウを試してみた。
なかなかいいかも。
今度は「すごく良くお似合いですよ。」って言ってくれた。

迷った挙げ句、私はアイシャドウだけ購入した。

欲しかった口紅を買いに街へ出掛けたら、アイシャドウを買って帰ってきてしまった。

明日から使うのが楽しみだ。

1/28/2024, 12:42:38 PM

ピンヒールで背伸びをして、ブランドのシベールバックで見栄を張る。
髪を巻いて爪を塗って、アイラインを強くひく。
それがぜぇんぶ上手く行った日だけ、私は街へ行く。
そうしゃないと全然『幻』になれないから。

「お姉さん夜の仕事とか興味ない?」
「ちょっと待って、君すごい可愛いじゃん。俺と一杯どう?」
軽薄なスカウトもナンパも全然気にならない。だってこれが、これこそが私がこの街の幻になれている証なのだから。
彼らは、等身大の私なんてきっと視界にも入れやしない。夢見心地で『街の女』の私を今この瞬間、サイコーに気に入ってる。
私にあるのは、街に所有されている夢って付加価値だけ。
でも、私はそれだけで満足。それだけが愛しくてたまらない。

この街は私みたいな往来のプライドだけで成り立っている。
みんなのプライドが街の正義とか解みたいなのを作って、みんながそれを目指して、ほんとの答えを知らないまま、街はどんどん高く、大きく、幻になっていく。
みんなの幻想で、つくられていく夢の街。
そこの幻になるのがたまらなく好きなだけだ。
【街へ】2024/01/28

1/28/2024, 12:30:11 PM

『街へ』(創作)

「あなた…来てくれたのね。もう泣き虫なんだから…また、こんなに泣いて…。」
男は横たわる妻を抱き寄せ
「遅くなって悪かった。一人にさせてしまって…。」と、更に泣いた。
妻は苦悶の中、ふふっと笑いながら
「一人じゃなかったわ。」と男に伝えた。

この子が生まれたら、3人であの街へ行きましょう。
あなたの相棒が待つあの街へ。










(すみません。映画のオマージュのつもりですが、無理矢理お題入れたし、大失敗です。身の丈に合わないことした気分ですが、手直しも無理そうなので、そのまま載せておきます。)

1/28/2024, 12:29:51 PM

【街へ】

街にはランクがある。
小街、中街、大街、特大街である。

私は幼い頃から小街に住んでいた。
中街へは電車に揺られて20分ほどで到着する。
小学生の時に初めて目にした中街は、こんな世界があるのかと驚いたものだ。
岩倉使節団が目にした世界と同等である。
明治維新の改革は、大したこともないこの街にまで影響していたのだ。
この感動は後世まで語り継がれるであろう。

街へ出るとき恐れるのは目的地までたどり着けるかということである。
大街、特大街はやたらに複雑怪奇なのだ。
何度私の心を挫けさせたであろう。
だが私は諦めない。スマホという名のドラえもんがいるのだ。
スマホで検索し、目的地までちょちょいのちょいってな具合である。特大街も大したことはない。

街へ出るなら外見にも気を使う。
誰のためと言われれば解を窮するが、こんな洒落た場所にいるのなら洒落た姿でいたい。
私の遺伝子に刻まれた見栄という、ここでしか発揮できない柔軟性のない能力である。
颯爽と風に乗りスマートな佇まいを披露すれば、今日の私は満足する。
あとはしょうもない用事を済ませて完了である。


こんな街でも数多の人の思い出がある。
私のような田舎者からクールな都会人まで。
私が行く街はどこもきっと素敵な街なのだ。
次に行く街はどこにしようか。
にこやかに笑っている街に行きたいのだ。

1/28/2024, 12:26:34 PM

【街へ】


猫に連れられ
見知らぬ街へ

地図にない
見知らぬ猫街

猫に連れられ猫街へ

1/28/2024, 12:23:52 PM

【街へ】

小さな田舎に男の子がいました。
男の子は母親と野菜を育てながら、生活を送っていました。

ある日、少し離れた街の方で小さな花火が上がりました。
「お母さん、あれはなに?」
「今日は街でお祭りがあるみたいだから、その知らせかもね」
お祭りと聞いて男の子は目を輝かせました。
そんな様子を見たお母さんは、今晩の夕飯にする魚を買ってきて欲しいと、男の子に頼みます。
お母さんは魚代を男の子に渡しますが、それにしては少し多い金額に男の子は首を傾げました。

不思議に思ったものの、男の子は近くの魚屋に向かいます。しかし、魚屋は定休日。
他に魚を調達するには街へ出向くしかありません。
少しだけ遠いですが、大変な距離でもないので男の子は街まで足を運びました。

街ではお祭りということもあって、いつも以上の賑わいを見せていました。男の子はその光景に再び目を輝かせますが、目的を思い出し魚屋に向かいます。
無事に買い物を済ませた男の子は空を見上げました。陽はまだ上にあります。
少しだけ、そう思いながら男の子は滅多に来れない街のお祭りを楽しみました。

やがて陽が傾き、男の子は帰路に着きました。
「おかえり、随分遅かったじゃないか。お祭りは楽しかったかい?」
家に帰ると母親が迎えます。その時、男の子は母親がわざと自分を街に向かわせたんだと気が付きました。
「うん。お母さん、ありがとう!」
男の子は笑顔で元気いっぱいにそう伝えました。

1/28/2024, 12:23:33 PM

街へ
歩いていくんだよ
君が望んでたようにね
軽い足取りでスキップしながら
誰もいない道路を歩きたいんだろ?
昔言ってたもんなー
もう大丈夫なんじゃない?
この道路には誰もいないから

1/28/2024, 12:23:02 PM

賑やかさを求め走る

下り下って疲れても足は自然と動く
 
いつもなら着ることのない軽い服に身を包み駆ける



子供の笑い声

誰かの母達の井戸端介護

家族の為商売する男


すべてが私の父が作った

どこまでも愛おしい場所


この国の人々の憩いの場へ




さぁ、向かおう

1/28/2024, 12:20:21 PM

「街へ」

静かな土地に住んでいても
時に私の霊は街を求める
人の波 ビルの林
ショーウィンドウの
服 靴 バッグ
喫茶店の茶器
あらゆる物と色のるつぼに
飲まれたいと考える
我慢できずに電車に乗る
桁違いに多い駅のアナウンス
歩けるだけで私の霊は活力を得る
これでしばらくは
落ち着いて過ごせるというものだ

1/28/2024, 12:19:27 PM

これといった用事もなく繰り出した喧騒の中、私は空気で、透明で、それなのにぶつかった通行人Aは「いてっ」なんて呟いて睨みつけてくる。生きていた。

#街へ

1/28/2024, 12:17:13 PM

今日も街へ繰り出す
新たな発見をするために
知らない道を通っては、どこへ着くのかと不安にかられる
そこで出会う新たな発見

それが楽しいのだ

1/28/2024, 12:16:42 PM

今日は私の大好きな街へ
今日も賑やかな街。
そんな街を歩き目的地に向かう。
そこは彼の家。
彼はこの素敵な街へ住んでいる。
彼は驚くかな。

私の大好きな彼がいる大好きな街へ

#街

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