『行かないで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あなたの口元から
目が離せなかった
藹々とした心地は
宵まで連なり
いよいよ遠ざかる
湧きだす想いに
素知らぬ顔して
またね と笑う
/ 行かないで
「行かないで」って、
誰も幸せにならないワードだなぁ。
聞くだけで、文字を見るだけで辛いのは
口にした数々の「行かないで」を思い出すから。
お母さんも
恋人も
恋人にはなれなかった人も
行くのをやめてはくれなかったし
ただただ、辛い気持ちや面倒臭い感情が増えただけ。
いってらっしゃいと、言える今は幸せだね。
#行かないで
いつも見る悲しい夢に取り残される
部屋の隅にて雨だれ見つめ
人影に怯え去りゆく背中見る
ここは暗すぎおいてかないで
心には寂しい子供慰める
大人になっては誤魔化すだけに
『別れ』
「行かないで」
背中見せる君に
言葉をのみ込む
振り返ってくれたら
素直に言えたのになぁ
#行かないで
周りの人、心穏やかな人、
そんな人は全部私が1番になんか
ならない。
既に隣は居たの
穏やかで素敵だから。
でも私はそんなに素敵じゃない
私は認めないと。
でも寂しかった。
隣に居て欲しかった。
そう。それで良いんだよ。
行かないでよ
行かないでと思ったことは幾度となく。
言葉に出すのは
「行ってらっしゃい」
「寂しくなるね」
行かないでという思いを秘めた言葉
制止の声が届かないのはわかってるから
手をはなして送り出す
行かないでという言葉を飲み込み
「おかえりなさい」と言える日を待つ
ほかの女の子のところに行かないで
私にはあなたしか居ないから
怖くて手を伸ばす
掴みたいもの手放したくないものが
大人になってどんどん増えていく
離れないように強く縛り付けても
時が過ぎれば
自ら羽ばたいて離れていくだろう
その時わたしは
行かないでと叫ぶだろうか
自由に空を駆ける姿を
心から愛せるようになるだろうか
行かないで!
と幼い娘は父親のシャツを引っ張っている。
仕事に行ってほしくないのだ。
父親はまるで孫を見るような目をしながら、ごめんね、行ってくるよと言っている。
母親であるわたしは知っている。
ドアがしまったら、ケロッとしてわたしに抱きついてくるのを。
春を待ちわびている。
世界が白やピンクに色づき始め
桜の蕾が膨らみ出すと
まだかまだかと期待が高まる。
それなのに。
桜の花が咲き始めると不安になる。
別れがすぐそこに見えている。
満開の桜。散りゆく桜。
美しさと儚さ。
待って待ってと願ってしまう。
もう少し、あと少しだけ。
そしてまた季節が巡って。
私は春を待ちわびている。
-行かないで-
行かないで
僕が悪かった
見とれていたせいで
行かないで
あと3人は乗れそうなのに
季節限定が気になったんだ
誰か開く延長ボタンを押して
※すみません、テーマとは関係ありません
よく晴れた日の秋の日差しを
集めて
煮詰めて
固めたら
透き通るような琥珀の出来上がり
口の中にいれたら、じんわり溶けて
ほんのりあたたかい味がしそう
目まぐるしく回る日々から
ほんの少しだけ目を閉じて
翼を大きくはためかせる
行かないでほしかった
私の知らない地へ
また帰ってくることを願いながら
ここで待ってるから
『行かないで』
彼が去っていく時
何度も頭をよぎった
「行かないで」と。
だけど己のプライドが勝ってしまい
一生懸命平気な顔をして
その場をやり過ごす事に集中した
もし
あの時「行かないで」と言えたなら
今の状況は違っていただろうか
駅のホームに佇む二人。
既に夕方のラッシュ時は過ぎて人はまばら。
二人は視線すら合わせずに電車を何本か見送る。
「行くからな」
彼は感情を押し殺して彼女に別れを告げた。
ずっと前から冷戦状態だった。
こっちが悪いのはわかっている。
だから身を引く。
気の強い彼女は絶対に言わないと思うだろうな。
彼は小さくため息をついた。
「………行かないで」
俯く彼女が引き止めた。
静かに閉まるドアに
背を向けうつむく私
漆黒の闇に包まれた
二人のラストシーン
行かないで…
ぽとりと落ちた言葉は
もうあなたには届かない
呼び出された君は、僕を置いていってしまうんだね。
最後に一緒に散歩をしたとき
君の悲しそうな姿を、僕はただ見るだけ
もう君と交わす言葉も最後だと言うのに、なぜそんなにも君は強いのか。もう少し泣いてくれてもいいじゃないか。
でも、君はずっと1人で泣いてたんだね。トイレの奥の奥で、僕は君が泣いているところを見てしまった。
君は正義感が人一倍強いから、誰にも涙なんて見られたくなかっただけなんだ。
僕の大切な君。そんな君が汽笛と同時に消え去ってしまう。君が帰ってくることは、二度とない。
そう思い、僕は君に縋った。
行かないで、まだ一緒に居たい、僕をひとりにしないで。
その願いは、儚く散った。
さようなら、僕の大切な人。愛してる。
君の死を、僕が誇ろう。君は国のために死んだ、誇らしい人間だと。だから安心して、僕は君に安らかな死を願うよ。頑張ってね。
【お題】行かないで
「行かないで。僕から離れないで」
彼が弱々しくそう呟いて俺を抱きしめる。
「俺はどこにも行きませんよ」
彼が帰ってしまう朝に
私は仕事を休んで空港まで行った。
帰りはひとりで虚しいのはわかってたけど
それでも行きたかった。
ふたりで電車に乗って笑ってたけど
気を抜くと涙が出そうで
外の景色を見ながら
行かないでと思っていた。
「飛行機を見るのが好きなの」
なんて言っておきながら
彼の手を離すと直ぐにひとりで
帰りの電車に乗ってた。
見たくなかったから…
もう手の届かないところに
離れていってしまうのを
認めたくなんてなかった。
離れていかないで
もう、誰かが居なくなるのは嫌なんだ
怖いんだよ、1人になるのが…
僕は1人は好きだけど独りは嫌いなんだ
もう僕を1人にしないで
君がいなくなる事だけは
考えたくないから…
行かないで、そんな遠くに…
もう一度逢えたんだ
だから行かないで、今度こそ…